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ノア・ノア (岩波文庫 赤 549-1) 文庫 – 1932/3/25

4.1 5つ星のうち4.1 9個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 岩波書店 (1932/3/25)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1932/3/25
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 118ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4003254910
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4003254912
  • カスタマーレビュー:
    4.1 5つ星のうち4.1 9個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中4.1つ
5つのうち4.1つ
9グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2012年1月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『月と六ペンス』のストリクランドは、タヒチのジャングルでまさに芸術と心中する壮絶な最期を遂げますが、そのモデルとなったゴーガンの場合、果たしてどうだったのでしょう。『ノア・ノア』は、ゴーガンのタヒチ滞在の約二年間を綴った紀行文です。そして、ここには美しいタヒチしか描かれていません。タヒチの山奥に分け入り、原始の自然の中、現地の人たちとともに暮らす。なによりも彼には愛する妻テフラ(何と13歳)がいた。まさにタヒチは、ヨーロッパの俗悪を逃れ辿り着いたゴーガンにとっての約束の地、最後の楽園・・・だったはずなのですが。紀行は、テフラとの愛を謳い上げた直後、突然、何の予告もないまま、「私はフランスへ帰らねばならなくなった」と、バッサリ終止符が打たれます。あれっ、今までの愛の暮らしは何だったのよ?ゴーガンのフランス帰国の事情は巻末解説にありましたが、要するに金の問題だって。結局、「文明人」であったゴーガンは、ヨーロッパへの未練たらたらだっということ?これ読んでタヒチに移住したい(あるいは、東南アジアのどこか)とか思ってしまうおじさんもいないこともないと思いますが(わたしは半分その気になったぞ)、やめときましょう、所詮、この世に楽園なんてないのですから。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年7月8日に日本でレビュー済み
「腐敗した文明人と、素朴なブリュタルな野蛮人とを対照的に書く」というのが、ゴオガ
ンの主旨であり、友人シャルル・モオリスがゴオガンの紀行に自らの説明的詩歌を添
えて出版されたとする。序で前川氏は訳出にあたって、読者自身がゴオガンのタヒチ
紀行に各々自分の詩を見出してもらおうと、モオリスの詩歌の部分を省いた。
文中にはゴオガンの絵を刻んだダニエル・ド・モンフレの手になる木版画が掲載されて
いるが、色彩豊かで力感溢れたゴオガンの絵画に秘めた、荒削りなモノクロームの明
暗を見るようである。ゴオガンのタヒチ訪問は芸術的願望であったが、仏領ソシエテ群
島タヒチの人々には政治的な偽装と映ったようだ。ゴオガンの目には港町であり貿易
港であるパペエテは「植民地風な軽佻な空気」が流れ、欧州と変わらぬ印象で失望さ
せた。ゴオガンは国王の死と葬列に接したのち、失意に年老いた皇后を眺めながら、
先祖伝来タヒチ土着のマオリ族の威厳を垣間見る。しかしゴオガンの求める「昔のタヒ
チ」「遥かに遠い神秘な過去」はここにはない。さらに奥地へ、「一方は海」で「一方は山」
のマタイ区にゴオガンは住んだ。蓄え無くした文明人は、この場合「周囲に住んでゐる
幸福な野蛮人よりも遥かにに劣つた人間」である。ゴオガンはつづけて言う。「私にとつ
て彼等がさうであるやうに、私も亦彼等にとつてはその観察の対象でもあつたのだ。
言葉も習慣も、生活の最も原始的にして最も自然的な労働も知らない未知の人間であり
私も彼等にとつては一人の野蛮人であつた」ゴオガンは絵を描くが「欧羅巴の古き習慣、
廃頽して行く種族の表現の臆病さ」から抜けきれず、タヒチ人の血統、マオリ人特有輪郭
を画布に見い出せなかった。「毀れて了へ、文明を浴びた老人よ」ゴオガンは地団駄を踏む。
欧羅巴人がほとんど来たことがないタラッツアオでは、一人の土人がゴオガンに向かって
「人間を作る人間なのか、(画家の謂)一緒にめしを食はう」と誘われて気を良くした。ゴオ
ガンはイデアの地に至り、トンガス族の十三歳の少女テフラをもらい受ける。生活の場とした
タラヴアオで憲兵の細君である「やさしみのないフランスの女」は「まあ、こんなきたない女
を連れていらつしやるの?」と少女テフラを上から下へ心なく眺めて蔑んだ。ゴオガンはここ
に「凋落と新しき開花、法律と信仰、不自然と自然の対照」を見た。ゴオガンにとってテフラは
「その民族を完全に理解する点に於て、他の如何なる方法よりも確実に、日々の生活に依つ
て導いてくれた」ゴオガンはオセアニアの宗教、タヒチの神話、マオリ人の成り立ちをテフラか
ら教わる日々。やがてフランスへ帰る事情ができたゴオガンは、「私は滞在二年餘のうちに二
十年若くなり、来た時よりも遥かに野獣に、然し遥かに賢くなつて帰つて行く」と締めくくった。
2010年6月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タヒチの海岸で寝ながら読書。
本書を読めば、欧州人のタヒチ入植当時に思いをはせながら過ごせるかも。
建築物や服装が現代化されてはいるが、欧州人とタヒチ現地人の構図は
あまり変わっていないのかも、と感じることも。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2005年10月29日に日本でレビュー済み
月と六ペンスを読み、より本当のゴーギャン像を
知りたくなり手に取った。
誰しもこの文明世界より離れて何も
考えることのない南国へ行くことを夢想したことがあるだろう。
ゴーギャンは南国へ飛び込んでいき、そこで生きた。
しかしながら、そこへ溶け込むでなく
彼はやはり西洋人でありつづけた、だからこそ
こういった記述があるのである。
南国の自然への考え方、生と死、
彼は学者のように客観的に分析するでなく
それでいてそこに入り込み中のものに同化するでもなく
旅行者のような立場で記述をしている、
だからこそ我々の志向と一致し、面白い。
13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート