ラベルのピアノ曲に取り上げられたり、シュールレアリストに注目されたことから、怪奇と幻想の詩人と言われることもあるようだが、実は、ゴシック的な幻想とは無縁の散文詩こそがベルトランのめざした新しい文学。本書は、散文詩として原作に忠実であることと、文学としての香気を両立させようとした腐心の名訳。解説を読むと、ベルトランは詩集の後半を破棄しようとしていたことに驚かされるが、散文詩の理想にしたがえば、「第一の書」こそがベルトランの本懐だったことがわかる。
フランス語の原文を読みこなすことは一般読者には困難だが、伊吹訳(古書で入手可能)、庄野訳(Kindle版)と比較してみると、本書の意図がよくわかる。ラベルのピアノ曲のみがベルトランではない。ぜひとも本書を手にとってほしい。
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夜のガスパール: レンブラント、カロー風の幻想曲 (岩波文庫 赤 589-1) 文庫 – 1991/11/18
アロイジウス ベルトラン
(著),
及川 茂
(翻訳)
深い闇の彼方から現れては消えてゆく幻想の数々…….ベルトラン(一八〇七‐四一)は,韻文詩全盛の時代に散文詩という独自の様式を創造した.『夜のガスパール』は彼が残した唯一の詩集で,絵画的で幽玄な美しさに満ちている.没後長らく忘れられていたが,ボードレールに発掘されマラルメなど後世の詩人に大きな影響を与えた.
- 本の長さ253ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日1991/11/18
- ISBN-104003258916
- ISBN-13978-4003258910
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (1991/11/18)
- 発売日 : 1991/11/18
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 253ページ
- ISBN-10 : 4003258916
- ISBN-13 : 978-4003258910
- Amazon 売れ筋ランキング: - 443,764位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2010年5月9日に日本でレビュー済み
散文詩という形式。
妄想のような言葉と羅列。
ボードレールが発掘したということもそうですが、シュールリアリストが注目をしたという解説文書が目を引きました。自動書記のような感覚です。
夜露に濡れた夜のパリ。公園の彫像やオブジェや光がもたらす幻想の世界。
そんな風に読んだんですが、読み手もかなりシャープな頭の状態にしておく必要がありそうです。
「夜のガスパール」は、一度たりとも「よく売れた」ことがないのですが、長い間、愛書家によって絶えず探し出されてきた作品でもある、ということです。
それは、多くの人が体験する、幻想的な夜、を描いたことにあるのではないかと思います。
しかし、この詩集を読み取るには、ある程度の予備知識は必要だと思います。
妄想のような言葉と羅列。
ボードレールが発掘したということもそうですが、シュールリアリストが注目をしたという解説文書が目を引きました。自動書記のような感覚です。
夜露に濡れた夜のパリ。公園の彫像やオブジェや光がもたらす幻想の世界。
そんな風に読んだんですが、読み手もかなりシャープな頭の状態にしておく必要がありそうです。
「夜のガスパール」は、一度たりとも「よく売れた」ことがないのですが、長い間、愛書家によって絶えず探し出されてきた作品でもある、ということです。
それは、多くの人が体験する、幻想的な夜、を描いたことにあるのではないかと思います。
しかし、この詩集を読み取るには、ある程度の予備知識は必要だと思います。