まず、「何か」してみて下さい。
この、良著に出会う事と思います。
チャペック兄弟に感謝します。
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ロボット(R.U.R) (岩波文庫 赤 774-2) 文庫 – 1989/4/17
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ロボットという言葉はこの戯曲で生まれて世界中に広まった.舞台は人造人間の製造販売を一手にまかなっている工場.人間の労働を肩代わりしていたロボットたちが団結して反乱を起こし,人類抹殺を開始する.機械文明の発達がはたして人間に幸福をもたらすか否かを問うたチャペック(一八九〇‐一九三八)の予言的作品.
- 本の長さ207ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日1989/4/17
- 寸法10.5 x 1.2 x 14.8 cm
- ISBN-104003277422
- ISBN-13978-4003277423
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (1989/4/17)
- 発売日 : 1989/4/17
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 207ページ
- ISBN-10 : 4003277422
- ISBN-13 : 978-4003277423
- 寸法 : 10.5 x 1.2 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 21,228位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 34位戯曲・シナリオ (本)
- - 67位ロシア・東欧文学研究
- - 108位岩波文庫
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2018年6月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ロボットが人間に反旗を翻す。
この設定はほとんどのSF作品に通じるもの。
そこに愛情を向けたスピルバーグの『AI』は、だから特筆すべきだなぁと思った。
しかし、読み終えて背筋が寒くなったのは、予想しなかった現実に気付いたときだ。
描かれた、個性的でハチャメチャともいえる人間たちと、機能を特化されたロボット。
・・・私は人間らしく生きているのだろうか。
むしろロボットのように生きることを良しとしていないだろうか。
チャペックに現代の日本の暮らしを見せて、尋ねてみたい。
この設定はほとんどのSF作品に通じるもの。
そこに愛情を向けたスピルバーグの『AI』は、だから特筆すべきだなぁと思った。
しかし、読み終えて背筋が寒くなったのは、予想しなかった現実に気付いたときだ。
描かれた、個性的でハチャメチャともいえる人間たちと、機能を特化されたロボット。
・・・私は人間らしく生きているのだろうか。
むしろロボットのように生きることを良しとしていないだろうか。
チャペックに現代の日本の暮らしを見せて、尋ねてみたい。
2024年3月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ロボットの《人間化》を説明する理由・根拠が幼稚で、物足りない感じもする。
2018年4月7日に日本でレビュー済み
なによりもロボットという言葉を初めて登場させたことで有名ですが、
実際に読んでみると、有機質から造られているので、現在ロボットといわれてイメージするものからは遠く、
今風にいうなら「生体アンドロイド」という感じでしょうか。
ストーリー自体も、時代が古い(1920年)せいもあるのでしょうが、他の作品では風刺するにしてもユーモアが感じられたチャペックにしては、
はっきりと宗教(キリスト教)くさい価値観の押しつけのような展開に最後はなってしまっていて、そこが残念です。
実際に読んでみると、有機質から造られているので、現在ロボットといわれてイメージするものからは遠く、
今風にいうなら「生体アンドロイド」という感じでしょうか。
ストーリー自体も、時代が古い(1920年)せいもあるのでしょうが、他の作品では風刺するにしてもユーモアが感じられたチャペックにしては、
はっきりと宗教(キリスト教)くさい価値観の押しつけのような展開に最後はなってしまっていて、そこが残念です。
2014年10月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
フィクションのなかで「ロボット」という名称が初めて発明され使われた記念碑的傑作である。
むろん、人造人間という概念は文学史のなかでもっと以前に存在したものなのでさして目新しいものではない。
リラダンの「未来のイヴ」、シェリーの「フランケンシュタイン」、ゲーテの「ファウスト」には人造の小人ホムンクルスが出てくるし、ユダヤ教の伝説ゴーレムも人造人間のひとつとみることもできるだろう。
しかし本作はそれら人造人間の背景にサイエンスを盛り込み、「ロボット」という馴染みやすい名称がつけたことで、より大衆に共通イメージとして認識させることに成功した。
以後、「ロボットもの」というSFの一大ジャンルの源流となるに至る。
しかし単純に一ジャンル、一SFガジェットを発明した、というアイデア先行の作品ではけっしてない。
ロボットという概念から発展して、民族闘争、階級闘争、労働問題などの社会問題、人間にとって働くとはなんなのか、人間と無生物との差異とはなんなのか、という哲学的な問題まで包括しながら物語は進む。
しかもそれが小難しいわけではなく、明快でわかりやすい形で、しかも娯楽として破格の面白さを保ったまま進み、しかも感動的な展開をみせるのだ。
兎に角、台詞のひとつひとつに至るまで、無駄がない。警句としても鮮やかだし、その鮮やかさが全体の展開の妨げにもなっていないバランス感覚。
全登場人物にいわゆる「悪人」がひとりも出てこないのも好感が持てるし、この作品のきわだった特徴のひとつだろう。
人道主義者のヒロイン、ヘレナはロボットに人権を認めようとするし、一方でロボット開発会社のトップは、みずからの利益のためにそうしているのではなく、人類を労働という呪縛から解放したいという理想を持っている。
全登場人物が真摯で高邁な理想を持ち、しかも礼儀正しくユーモアがあり、しかしそれが悲劇を生んでいくというなんともいえぬやりきれなさが物語に通底している。
なぜなら登場人物は、ロボットではなく人間だからだ。人間だから、失敗してしまうのだ。
しかし悲劇のなかでも人間は希望をけっして失わない。
そうであれば、この「ロボット」のなかでも、希望が失われることはないだろう。
ロボットを描くことで、他のどんな文学作品よりも人間の本質に迫った怒涛の大傑作である。
むろん、人造人間という概念は文学史のなかでもっと以前に存在したものなのでさして目新しいものではない。
リラダンの「未来のイヴ」、シェリーの「フランケンシュタイン」、ゲーテの「ファウスト」には人造の小人ホムンクルスが出てくるし、ユダヤ教の伝説ゴーレムも人造人間のひとつとみることもできるだろう。
しかし本作はそれら人造人間の背景にサイエンスを盛り込み、「ロボット」という馴染みやすい名称がつけたことで、より大衆に共通イメージとして認識させることに成功した。
以後、「ロボットもの」というSFの一大ジャンルの源流となるに至る。
しかし単純に一ジャンル、一SFガジェットを発明した、というアイデア先行の作品ではけっしてない。
ロボットという概念から発展して、民族闘争、階級闘争、労働問題などの社会問題、人間にとって働くとはなんなのか、人間と無生物との差異とはなんなのか、という哲学的な問題まで包括しながら物語は進む。
しかもそれが小難しいわけではなく、明快でわかりやすい形で、しかも娯楽として破格の面白さを保ったまま進み、しかも感動的な展開をみせるのだ。
兎に角、台詞のひとつひとつに至るまで、無駄がない。警句としても鮮やかだし、その鮮やかさが全体の展開の妨げにもなっていないバランス感覚。
全登場人物にいわゆる「悪人」がひとりも出てこないのも好感が持てるし、この作品のきわだった特徴のひとつだろう。
人道主義者のヒロイン、ヘレナはロボットに人権を認めようとするし、一方でロボット開発会社のトップは、みずからの利益のためにそうしているのではなく、人類を労働という呪縛から解放したいという理想を持っている。
全登場人物が真摯で高邁な理想を持ち、しかも礼儀正しくユーモアがあり、しかしそれが悲劇を生んでいくというなんともいえぬやりきれなさが物語に通底している。
なぜなら登場人物は、ロボットではなく人間だからだ。人間だから、失敗してしまうのだ。
しかし悲劇のなかでも人間は希望をけっして失わない。
そうであれば、この「ロボット」のなかでも、希望が失われることはないだろう。
ロボットを描くことで、他のどんな文学作品よりも人間の本質に迫った怒涛の大傑作である。
2011年12月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今から向こう10年くらいのうちに読んでおくべき本だと感じた。
ロボットという言葉ではあるが、厳密にはここに登場するロッサム社の製品は有機体をベースにしたものなので、今日の我々の思い描くロボットよりは、クローンやフランケンシュタインといったものに近い。
それでもこの戯曲に挙げられている論点、すなわち
−人間を人間たらしめるものは何か?
−労働が人間に与えている意味は何か?
−倫理とは何か。どこまでを倫理の範囲とすべきなのか?
−経済合理性に基づいた科学技術の進歩が及ぼす修復不可能なリスクは存在するのか?
−そして、愛とは何か
といった問題提起は、普遍的かつ、現在において益々その重要性を増していると言える。ロボットという言葉を作りだしたという博物誌的な作品でなく、現在においてその内容自体で十分に読む価値をいや増している、読むべき作品と言えるのではないか。
上記のような問いかけが90年前にこのような明確な形で、しかも戯曲という2時間(たぶん)に収まる形で作られていることに、驚きと賞賛の念を禁じ得ないとともに、90年かけても問いかけに答えを見いだせない人類の進歩の遅さに、あきらめと恐怖を抱かざるをえない。
おそらく技術的に、意識を持った(ように見える/コミュニケーションができる)ロボットは数十年のうちに作られるだろうが、その時に人間は倫理的正当性を持つことができるのだろうか。おそらくできない。
しかし技術は必ず進歩するし、ロボットは作られる。その時人間は今日は存在しない悩みを持つことになるだろう。その日のために、この戯曲を読む価値があるのではないか。
あと単純にストーリーが良くできていて読むのが面白い。だから読むべき。
さらに、戯曲であるところが大変よい。
尺があって、メッセージがその時間の中にすっぽり収まっているから無駄なく、際立って伝わってくる。
現実にはまだ存在しない時間を切り取って額縁に中に入れているから、それを未来に起きる現実の世界のととして肌身に感じて読むことができる。
そして、そろそろ技術的に、ロボットにロボットを演じされることが可能になりつつある。その舞台を実際に見れば、世界は大きく変わるはずだ。その時を待ちたい。
ロボットという言葉ではあるが、厳密にはここに登場するロッサム社の製品は有機体をベースにしたものなので、今日の我々の思い描くロボットよりは、クローンやフランケンシュタインといったものに近い。
それでもこの戯曲に挙げられている論点、すなわち
−人間を人間たらしめるものは何か?
−労働が人間に与えている意味は何か?
−倫理とは何か。どこまでを倫理の範囲とすべきなのか?
−経済合理性に基づいた科学技術の進歩が及ぼす修復不可能なリスクは存在するのか?
−そして、愛とは何か
といった問題提起は、普遍的かつ、現在において益々その重要性を増していると言える。ロボットという言葉を作りだしたという博物誌的な作品でなく、現在においてその内容自体で十分に読む価値をいや増している、読むべき作品と言えるのではないか。
上記のような問いかけが90年前にこのような明確な形で、しかも戯曲という2時間(たぶん)に収まる形で作られていることに、驚きと賞賛の念を禁じ得ないとともに、90年かけても問いかけに答えを見いだせない人類の進歩の遅さに、あきらめと恐怖を抱かざるをえない。
おそらく技術的に、意識を持った(ように見える/コミュニケーションができる)ロボットは数十年のうちに作られるだろうが、その時に人間は倫理的正当性を持つことができるのだろうか。おそらくできない。
しかし技術は必ず進歩するし、ロボットは作られる。その時人間は今日は存在しない悩みを持つことになるだろう。その日のために、この戯曲を読む価値があるのではないか。
あと単純にストーリーが良くできていて読むのが面白い。だから読むべき。
さらに、戯曲であるところが大変よい。
尺があって、メッセージがその時間の中にすっぽり収まっているから無駄なく、際立って伝わってくる。
現実にはまだ存在しない時間を切り取って額縁に中に入れているから、それを未来に起きる現実の世界のととして肌身に感じて読むことができる。
そして、そろそろ技術的に、ロボットにロボットを演じされることが可能になりつつある。その舞台を実際に見れば、世界は大きく変わるはずだ。その時を待ちたい。
2011年5月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
チェコの高名な文学者カレル・チャペックの代表作ともいえる戯曲です。
他のレヴュアーさんも書いておられますが、本作は「ロボット」という言葉が初めて使われた作品であり、現代でも十分考えさせられる人間社会の本質的な闇と希望を描いている作品であると思います。一読して、『長い長いお医者さんの話』等児童文学でも名作を残している心優しい作家チャペックの、無駄のない文体とその剃刀のような鋭い知性に驚愕させられます。
この作品は様々な角度から考察が可能でしょうが、個人的には本作から「是非はどうあれ人間は進歩せずにいられない生き物」「社会の進歩の中で生きていかなくてはいけない生き物」であるという認識と、「しかし本質的な幸福はそうした進歩とは直接関係がない」という認識を深めさせていただいたと思います。
技術の進歩はロボットを生み出し人間の労働を軽減しましたし、それには有益な面も勿論ありますが、しかし楽に生きられるようになることが即ち幸福ではない。作中でも「失った労働の中には、何か高貴なものがあった!」という台詞があります。
労働が減った分失業者が増える、格差が進む、また教育環境の変化等の問題もありますが、それは置いて、感覚的な人間の幸福についてのみ考えてみても、ここには現代社会における個人と世界の間の大きな難問、また幸福観の歪み・陥穽の前触れが見えるように思いました。それはサン・テグジュペリが『星の王子様』や『城砦』等の一連の著作で危惧したことでもあるのではないでしょうか。
『労苦と使命の中にのみ 人生の価値(たから)は生まれる』と私の師は教えてくださいましたが、人間を幸福にするものは受身の生き方の中にはないのでしょう。一方で、人間社会は不可避的に進歩する。本作では、ロボットの登場は一応人間を労働から解放するだけですが、我々の社会では余りに速い技術の進歩が人間を機械化、隷属化するという問題も生じます。進歩は一人一人の心が歩むスピードより速いのです。そうした環境の中では、私達は機械的に、社会から与えられる物に受身になり隷属化するという危険を常に負っている。それはチャップリンが『モダン・タイムス』で指摘したことでした。幸福は進歩に置いて行かれています。こうした困難な状況の中で幸福になるには、不可避的な進歩の中でも使命感を育て、精神的に社会に隷属してしまわない強い主体性を持った人間にならねばならないのでしょう。私達の社会は、技術の進歩に人間らしさを育てながら対応していかなくては自ら破滅してしまうという、難しい状況にあります。
ともあれ人間という知性ある社会的生き物の持つ業というか、困難というか、そういうものを強く考えさせられる作品でした。しかしチャペックは人間の希望を描くことも忘れていません。結末部には、彼の人間に対する優しさと信頼感を感じました。
資本主義社会、社会主義社会とを問わず現代は難しい時代ですが、時代からの<挑戦>に負けずに人間らしく、賢く逞しく<応戦>して生きていきたいものです。
他のレヴュアーさんも書いておられますが、本作は「ロボット」という言葉が初めて使われた作品であり、現代でも十分考えさせられる人間社会の本質的な闇と希望を描いている作品であると思います。一読して、『長い長いお医者さんの話』等児童文学でも名作を残している心優しい作家チャペックの、無駄のない文体とその剃刀のような鋭い知性に驚愕させられます。
この作品は様々な角度から考察が可能でしょうが、個人的には本作から「是非はどうあれ人間は進歩せずにいられない生き物」「社会の進歩の中で生きていかなくてはいけない生き物」であるという認識と、「しかし本質的な幸福はそうした進歩とは直接関係がない」という認識を深めさせていただいたと思います。
技術の進歩はロボットを生み出し人間の労働を軽減しましたし、それには有益な面も勿論ありますが、しかし楽に生きられるようになることが即ち幸福ではない。作中でも「失った労働の中には、何か高貴なものがあった!」という台詞があります。
労働が減った分失業者が増える、格差が進む、また教育環境の変化等の問題もありますが、それは置いて、感覚的な人間の幸福についてのみ考えてみても、ここには現代社会における個人と世界の間の大きな難問、また幸福観の歪み・陥穽の前触れが見えるように思いました。それはサン・テグジュペリが『星の王子様』や『城砦』等の一連の著作で危惧したことでもあるのではないでしょうか。
『労苦と使命の中にのみ 人生の価値(たから)は生まれる』と私の師は教えてくださいましたが、人間を幸福にするものは受身の生き方の中にはないのでしょう。一方で、人間社会は不可避的に進歩する。本作では、ロボットの登場は一応人間を労働から解放するだけですが、我々の社会では余りに速い技術の進歩が人間を機械化、隷属化するという問題も生じます。進歩は一人一人の心が歩むスピードより速いのです。そうした環境の中では、私達は機械的に、社会から与えられる物に受身になり隷属化するという危険を常に負っている。それはチャップリンが『モダン・タイムス』で指摘したことでした。幸福は進歩に置いて行かれています。こうした困難な状況の中で幸福になるには、不可避的な進歩の中でも使命感を育て、精神的に社会に隷属してしまわない強い主体性を持った人間にならねばならないのでしょう。私達の社会は、技術の進歩に人間らしさを育てながら対応していかなくては自ら破滅してしまうという、難しい状況にあります。
ともあれ人間という知性ある社会的生き物の持つ業というか、困難というか、そういうものを強く考えさせられる作品でした。しかしチャペックは人間の希望を描くことも忘れていません。結末部には、彼の人間に対する優しさと信頼感を感じました。
資本主義社会、社会主義社会とを問わず現代は難しい時代ですが、時代からの<挑戦>に負けずに人間らしく、賢く逞しく<応戦>して生きていきたいものです。
2022年4月7日に日本でレビュー済み
自分の不完全さが人間なのだと言われているようで
泣きそうになった
美しさ、喜び、非生産的なものが大好きな人間
そしてロボットを人間にかえるのは、愛
その湧き出る気持ち
沢山の美しいものを味わって、時には感情に囚われ苦悩しながら、自分の中に愛を感じて
それが生きるってことだったんだね。
10年前に読もうと思って忘れてた
時代のギャップを全く感じさせない、普遍的な真理を問うた名作でした
泣きそうになった
美しさ、喜び、非生産的なものが大好きな人間
そしてロボットを人間にかえるのは、愛
その湧き出る気持ち
沢山の美しいものを味わって、時には感情に囚われ苦悩しながら、自分の中に愛を感じて
それが生きるってことだったんだね。
10年前に読もうと思って忘れてた
時代のギャップを全く感じさせない、普遍的な真理を問うた名作でした