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抽象と感情移入: 東洋芸術と西洋芸術 (岩波文庫 青 650-1) 文庫 – 1953/9/5

3.9 5つ星のうち3.9 15個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 岩波書店 (1953/9/5)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1953/9/5
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 199ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4003365011
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4003365014
  • カスタマーレビュー:
    3.9 5つ星のうち3.9 15個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中3.9つ
5つのうち3.9つ
15グローバルレーティング

この商品をレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2023年11月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
面白いです
2024年3月10日に日本でレビュー済み
訳者序

初版・第三版・至第九版序文

理論

抽象と感情移入

自然主養と様式。

実証
装飾
芸術

抽象と感情移入の観点から選び出された建築及び彫刻の例

ルネッサンス前の北方芸術。

付録:芸術における超越性と内在性について
訳註

あとがき。
2023年8月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アーティゾン美術館のアブストラクションの展示をまた後に購入しました。旧字体で若干読みづらいのに加えて、内容もなかなか頭に入ってこないので苦戦しましたが、より理解したいという気持ちは強くなりました。5年後にまた読み直します。
2013年11月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
内容については、特に意見はない。
内容を見ることなく、注文したので、入手できただけで良しとした。

値付け(高い)、配送(遅い)に不満。
2度目のコンビニ受け渡し。
2015年1月3日に日本でレビュー済み
 元々はヴォリンゲルの学位論文だったものが誤って一般書として刊行されたもの。
 この論文以前に美学理論として唯一存在した、テオドール・リップスが古典ギリシャ・ルネッサンス時代の芸術意欲を説明するために提唱した「感情移入衝動」の対極として、それまで芸術的価値の認められていなかった原始時代・古代エジプト・中世ゴシックの芸術(さらにはある程度に進歩した東方の文化諸民族の芸術)の動因を、不安や恐怖に基づく「抽象衝動」によるものとして、心理的美学原理に基づいて正当化したもの。

 当時終末的ともいえる、政治的・経済的・芸術的混乱と不安の中で活動を続けていた表現主義の人達は、不安と恐怖を芸術活動の動因としたヴォリンゲルの理論に共感し、自分たちの活動の理論的・精神的根拠を見つけたとも言える。
 ちなみに、この論文が発表されたのは1907年、一般書として発行されたのは1908年であり、その三年前の1905年に、芸術家集団“ブリュッケ(橋)”が結成され、一般的にはその1905年が表現主義のスタートした年とされている。

 本論の中で、直接的には当時の芸術運動について取り上げてはいないのだが、1910年に書かれた「第三版序文」の中で、“私の問題は、・・・新しい表現目的を獲得するために努力しつつある芸術家達にとってもまた、直接の現実性をもってきたということが如実に示された”として、若干判りづらくはあるが表現主義運動を擁護している。
 またこれも第三版から付け加えられたものであるが、本論を捕捉強化するために「付録 芸術における超越性と内在性について」が載せられている。

 最後の「あとがき」の中で訳者である草薙正夫氏が、本書の歴史的な背景を解説し、ヴォリンゲルの独創性を評価している。

 章立ては次の通り。
  「第一部 理論」
    「第一章 抽象と感情移入」
    「第二章 自然主義と様式」
  「第二部 実証」
    「第三章 装飾芸術」
    「第四章 抽象と感情移入の観点から選び出された建築および彫刻の例」
    「第五章 ルネッサンス前の北方芸術」

 旧漢字で書かれているために読みづらく、内容的には多面的で深いため多少の我慢と予備的な知識は必要。ただし、議論の展開は明快で小気味よく、著者の心情吐露のような表現も随所にあり読み物としても面白い。勿論この論文だけで表現主義が説明できるものではなく、また表現主義との間に整合性の取れない部分や論理的に飛躍していると思われる部分もありますが、通過儀礼として、ぜひ一度目を通されてみてはいかがでしょうか。

 なおヴォリンガーは後年、“表現派の人たち(die Expressionisten)”という語を使い、表現主義を始めて規定したとのことです。
15人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年7月16日に日本でレビュー済み
 ドイツの美学者、ヴォリンゲルによる芸術論。芸術作品の制作や享受の原理に、自然主義として現れる感情移入と様式として現れる抽象の二つを見て、歴史的にエジプト美術で抽象に基づく制作・享受の原理が先行し、その後にギリシアでの感情移入による芸術が続き、次いでビザンチン芸術やイスラム文明の移入によって再び抽象が主導権を得て、ルネサンスにおいて感情移入の芸術が主流に立って二十世紀に到るという筋書きを、第一部の理論で議論の準備をした後に第二部の実証で明かしていく。同じ岩波文庫に入っているディルタイの「近代美学史」」とは違って読みやすく、議論も対照的な例示をして比較で話を進めていくのでわかりやすい。
 
 途中の記述では例として挙げられている建築や彫刻についての豆知識が豊富だという余得があるが、読み終わってから考えると、二十世紀前半に絵画を中心として展開した抽象を原理とした作品の数々は、ここの議論を踏まえるとまるでギリシア美術に対するルネサンスのように現れていると読めるのが面白かった。世界に対する根源的な不安感が渦巻くときに抽象によって世界を杭打ちにしてやろうという破天荒な作品の意義は、ここで展開している抽象の作用によって理解が容易になるだろう。抽象の持つパワフルさをまた想起出来た。

 
12人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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