例えばブルクハルトの「ギリシア文化史」を筆頭に、古代ギリシア文化関係の本を読むと、必ず頻繁に引用される文献です。
ホメーロス、パウサニアス「ギリシア案内記」、アイリアノスの「ギリシア奇談集」と並ぶ頻度かと思います。
ホメーロス以外はいずれも、更に古い文献の引用に満ちていて、それら引用文献は消失していることが多いことから、随分碎けた口調と内容の本ながら貴重な証言と言えます。
著者アテナイオスは意図していないにしろ、古代ギリシアの宗教や文化・文学の背景にある、古代ギリシア人の物の考え方が、あちこちにさりげなく反映されていて、とても興味深いです。
この本や案内記・奇談集・「ローマ皇帝伝」などの気楽なエッセイ集は、そのお気楽さゆえにこそ、プラトンやアリストテレス、タキトゥスのような真面目な哲学者や歴史家の文献よりも、寧ろ素直に当時の文化や空気を感じさせるところがあります。
岩波文庫のこの本は抄訳なので、肝腎な部分が沢山抜け落ちていて、そこは京都大学学術出版会の西洋古典叢書の全訳版に頼るしかありませんが、それでも面白く、ためになります。
単に楽しい読書としても使えるし、こういう本は岩波文庫にしかあり得ないので、絶版にはしないでほしいですね。
左翼的な本なんか出さなくていいから、こういう古典を大事にしてほしいですよ、岩波さん!!
パウサニアスもトゥーキュディデースもスエトニウスもロンゴスも、タキトゥス「年代記」も絶版になっちゃってますけど!!

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食卓の賢人たち (岩波文庫 青 675-1) 文庫 – 1992/4/16
舞台は二世紀頃のローマ.次々と出される料理を楽しみながら,その材料や料理法や食器や食べ方等々について,宴に招かれた客たちが競って蘊蓄を披露する.知ったところでたいして役に立つとも思えぬ話も少なからずあるが,しかし無類に面白い.この奇書の著者については,その名アテナイオス以外,ほとんど何も分っていない.
- 本の長さ500ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日1992/4/16
- ISBN-104003367510
- ISBN-13978-4003367513
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (1992/4/16)
- 発売日 : 1992/4/16
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 500ページ
- ISBN-10 : 4003367510
- ISBN-13 : 978-4003367513
- Amazon 売れ筋ランキング: - 55,869位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 20位海外の民俗
- - 21位ギリシャ・ラテン文学
- - 396位岩波文庫
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年8月11日に日本でレビュー済み
ローマの暇な物知りたちが、食事をしながら、それぞれ、
まったくどうでもいいウンチクを延々と披露していく。
「さらに彼は言う、この平原に「掘り魚」と
称される魚がいる。(略)この水といっしょに
魚も枝分かれした流れに入り込んで、
餌を求めて地下を泳いでいる(略)。
その結果この平原中どこでも地下の魚が
たくさんいることになり、人々は地面を
掘っては捕っている(後略)」
ほんとかよ!
およそ、なんの役にも立たない知識ばかりだ。
当然、この本を読んでも自慢にもなんにもならない。
だけど、そこが好き!
まったくどうでもいいウンチクを延々と披露していく。
「さらに彼は言う、この平原に「掘り魚」と
称される魚がいる。(略)この水といっしょに
魚も枝分かれした流れに入り込んで、
餌を求めて地下を泳いでいる(略)。
その結果この平原中どこでも地下の魚が
たくさんいることになり、人々は地面を
掘っては捕っている(後略)」
ほんとかよ!
およそ、なんの役にも立たない知識ばかりだ。
当然、この本を読んでも自慢にもなんにもならない。
だけど、そこが好き!
2002年12月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現在では失われてしまった多くの著作からの引用があり、貴重な資料である。
ギリシア・ローマの時代にすでにこんなことも知られていたのかと今更ながら驚かされる内容も数多い。
スフィンクスのなぞなぞの、「この地上に、二本足にして四本足にして三本足にして、‥‥」や、太陽と北風の話しなど、突然出てきてビックリさせられる。
ギリシア・ローマの時代にすでにこんなことも知られていたのかと今更ながら驚かされる内容も数多い。
スフィンクスのなぞなぞの、「この地上に、二本足にして四本足にして三本足にして、‥‥」や、太陽と北風の話しなど、突然出てきてビックリさせられる。