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ヨーロッパの言語 (岩波文庫) 文庫 – 2017/9/16

4.0 5つ星のうち4.0 13個の評価

比較言語学の巨人が、言語の統一と分化に関わる要因を文明、社会、歴史との緊密な関係において考察。大言語から少数民族の俚言まで数多の言語がせめぎ合うヨーロッパの言語史を先史時代から第一次世界大戦直後まで射程に収め、国家や民族との関係、話者の社会階層や地位に着目して分析した、社会言語学の先駆的著作。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 岩波書店 (2017/9/16)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2017/9/16
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 560ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4003369912
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4003369913
  • 寸法 ‏ : ‎ 10.5 x 2.3 x 14.8 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.0 5つ星のうち4.0 13個の評価

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上位レビュー、対象国: 日本

2024年1月27日に日本でレビュー済み
ヨーロッパ言語の分化と統一について、文明、歴史、民族など、社会的な諸要素との関係を論じた本。著者メイエはソシュールよりは認知されていないが、ソシュールが言語変化を外的条件から切り離していることに対し、メイエは歴史や社会とのつながりにおいて解釈しようとしている。彼はソシュールの一番弟子で、社会言語学の先駆者。

メイエは、少数民族の言語よりもフランス語、ドイツ語、英語など、豊かな文明をもつ言語に集約されるべきだ、という意見を持っていると考えらえる。「言語のあるべき形」というテーマ自体がすでに政治的であるが、本が書かれた時期がWW1直後ということもあり、政治的な解釈が目立つ。よって、敗戦国のドイツ語やマジャール語(ドイツ・オーストリア・ハンガリー)を不当に低評価しているようにみえる。学問に政治を持ち出すのは好ましくないように感じるが、「社会言語学」のように社会とのつながりを論じる学問であれば、ある程度政治を介入させた解釈は避けられないように思う。

内容は、ゲルマン語派、ケルト語派、スラブ語派など基本的分類の説明を含むので、言語学に関する前提知識はほぼなしで臨むことができた。しかし、地中海、西欧の歴史に関する前提知識は、ある程度あったほうが理解度が高くなると感じる。例えば、アルザスロレーヌ地方は普仏戦争、WW1でフランス語⇔ドイツ語、と公用言語が変わり、複雑な言語文化を持っている。ここには宗教革命の影響もあり、ルター派の司祭は当然ドイツ語に執着しているし、カトリック司祭であってもフランス語の書物を信用していないとのこと。ドイツ語に公用語が変わった期間は50年弱(1871-1918)。1-2世代が教育を受けるほどの期間であり、社会実験としても非常に興味深い。ある程度は本文中で説明があるが、事前にこの歴史背景が頭に入っていると、言語に関する議論にすんなり興味を持てると思う。

一般的な歴史は、その土地の権力者がどのように変わったかを書くものが多いので、主に政治を基準としたものになる。この本で描かれる歴史は言語の変遷を基準にしているので、話語に着目すると、その土地の民族の生活が描かれるし、文語では行政、文化、宗教などが描かれる。よってより豊かな情報となる。例えば、ロシア語、チェコ語、ポーランド語はいずれもスラヴ語派だが、ロシアは東方正教会の、チェコ、ポーランドはカトリックの影響が強い。そのためロシア語は東方ローマの公用語であるギリシャ語を起源とするものが多く、またキリル文字が用いられているが、チェコ、ポーランドはスラヴ語派であるがキリル文字は用いられずラテンアルファベットを基本とする。語彙も西欧の影響を強く受けている。言語の切り口から分けることで、東欧諸国の文化的実情をより深く理解することができる。

人文学全般に興味があり、特に欧州の民族、歴史、宗教などを言語の切り口で理解をしたい方にお勧めしたい。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年6月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本のタイトルが示すように、とても体系的に網羅されていて良かった。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年4月28日に日本でレビュー済み
欧州へ行くと、様々な言語が分布し、それぞれが微妙に関連を持っている
ことを体感できるため、いつかその辺をおさらいしてみたかったので、
それにはうってつけの本でした。

言語の分布と系統に関しては、初めの百ページほどでおおむね俯瞰できます
が、その後は各論として、それぞれの言語の関係を微に入り細を穿ち、様々な
角度から解説するため、五百ページの大部を読み通すのは少し骨が折れますが、
大変に読みやすい訳文で、各地の言語に関する理解は深まります。

どうもいわゆるアーリア人種が印欧語とともに北上してきたわけではなく、
言語は人種よりは遅れて文明や力関係で伝播したようで、中心となるラテン語
はギリシア語の語彙を取り込んで発展し、エトルリア語は完全に消滅し、
ローマ帝国の版図拡大とともに伝播し、崩壊とともにそれぞれが分岐して
行ったようです。

本書が書かれたのは百年近く前、オスマン帝国が崩壊し、第一次大戦でハプスブルク
帝国も崩壊し、ソ連邦が成立し、セルビアを中心に南スラブの国々がまとまり
始めた時代ですが、イディッシュ語を話すユダヤ人が激減したことを除くと、
現在の言語地図もそう変わってはいないと思われます。

それぞれの民族が民族語で文語を持とうとする流れがありながら、教養層は
文明語や学術語、共通語の利便性を求めて、複数の言語を持つことが増え、
国際語としてロシアの宮廷でも使われたフランス語は急速に衰退し、それから
百年経ち、欧州ばかりではなく世界語として英語が君臨するようになったことも
納得できます。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年12月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 翻訳の質は決して高くない。はっきり言うなら、かなりよく出来るが未だ本当の語学力は備わっていない学生の答案のような翻訳なのである。どういうことか説明しよう。一般的に言って、文章の書き方にもいろいろある。一つ一つの文が割合ゆるく感覚的に結びつけられているような文章もあれば、一つ一つの文が明確な意図によって論理的にきっちり結ばれているような文章もある。メイエの文章は明らかに後者のタイプであって、その翻訳には一つ一つの文の論理的な位置づけを文章全体の中で正確にとらえて訳にあらわしていくことが必要である。しかし、この訳書ではそれが出来ていないのである。例を挙げる。
 「ヨーロッパ西部はほとんど変化していない。アルザス・ロレーヌ地方は住民の意に反してドイツ帝国に併合されていたものの、フランスに返還された。イタリアはオーストリアとハンガリー在住のイタリア人を受け入れ、戦略的理由から、また経済的理由から、国境を拡張し、イタリアの言語境界をわずかばかり越境することとなった。だが社会構造は基本的には変化していない。…」(4ページ、第二版はしがき)
「ヨーロッパ西部はほとんど変化していない」と言いながら、直後に書かれているのはフランスとイタリア両方での変化ではないか!実はこの訳文の最大の失敗は、最初の文の中のpeuを「ほとんど…ない」と教科書的に訳してしまったことにある。このpeuはここの文脈では「わずかにあった」のように受け取らないといけないのである。ヨーロッパ西部に変化がわずかにあったからこそ、その変化の中身としてフランスとイタリアでの出来事が次に書かれているわけである。そして、変化がわずかにあったと述べたがゆえに、その次に「だが社会構造は…変化していない」と続けることができるのである。これはただ単にpeuの解釈ミスというのではない。原文では「ヨーロッパ西部はほとんど変化していない」の直後にコロンが置かれているのであって、翻訳者はそのコロンの意味もきちんと考えようとはしなかったのである。総合的に見て、やはり「学生の答案」と言われても仕方がないであろう。
 もっと滑稽な例もある。
 「ここで述べようとすることは現在のヨーロッパの言語状況であって、一九世紀以来激化している民族の虚栄心や自負が望んでいるような言語状況ではない。…本書はとりわけ、言語がどのようにして統一性を失い、あるいはどのようにして共通語が生まれるのかを提示することに努めた。」(3ページ、初版はしがき)
この本で著者が述べようとしているのは「現在のヨーロッパの言語状況」であったはずが、いつのまにかヨーロッパの言語の歴史的側面について「とりわけ」述べようとしているという話に変わっているではないか!実はこの訳文の最大の問題点は初級の熟語表現tel quelを正しく訳さなかったことにある。上のpeuの場合とは逆に、la situation linguistique de l’Europe telle qu’elle estは教科書通りに「ありのままの、ヨーロッパの言語状況」とでもしておけば何の問題もなかったはずである。
 今挙げた2つの例から分かるように、訳文は原文の論理の流れには無頓着である。そして、このことがこの訳書の解説のひどさと直結しているように私は思う。訳者は原著をまともには読んでいない。訳者はメイエが言ってもいないことをメイエがそのように言っているとたびたび述べている。例えば、少数言語に関して、
「メイエは少数言語に批判的な態度をとり続けている。…文明は必ずや統一に向かい、それを前にして、小言語は消滅するとメイエは繰り返し主張する」、
「メイエはアイルランド語に対してとりわけ厳しい評価を下していることがわかる。…アルランド語を自然に消滅すべき言語であると断言し…」(ともに529ページ)
と訳者は言うが、実際はメイエは
「民族主義の精神の高まりが、世界的に通用する有用で美しい大言語を捨てて、このアイルランド語を採用するまで強力なものなのかどうか、これは未来にならなければわからない」(306ページ)
と言っているのである。また、言語と民族の関係に関して、
「(メイエは)言語境界を国境と同一視するきわめてドイツ・ロマン派的な言語観を提唱している」(530ページ)
と訳者は言うが、実際はメイエは、例えば、チェコ、フィンランドについてそれぞれ
「課せられた問題とは、どのようにして二言語併用の国の言語生活を編成することができるかなのだ」(353ページ)、
「この種の二言語併用の国では、単一言語が支配する国に比べて生活は容易ではない。しかしながら、お互いが譲歩し、現実的に著しく困っている問題を克服すれば、事態の調整は不可能ではない」(354ページ)
と言っているのである。訳者が誤解している事柄はこれらだけではない。はっきり言って、訳者はメイエの言っていることが何も分かっていないのである。
50人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2017年10月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
比較言語学者としてよく知られているアントワーヌ・メイエ がヨーロッパの言語について書いた論考ということで、比較言語学的な視点からの詳細な記述が含まれることを期待していましたが、本書に収められているのは、ほぼ全面的に社会言語学的な論考です。確かに本の内容説明にも社会言語学の著作と書かれているので看板に偽りはないのですが、メイエの著書なのでこちら側で勝手な期待をしてしまっていました。逆に言えば、本書を読むのに言語学の知識は特に要求されることはなく、読みやすい内容となっており、メイエの時代の欧州の言語状況の概観を得ることができる良書です。
13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2017年12月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
楽しく読めて、これまで耳には下が時代も民軸や国との関係もわからなかった文字名ルーン文字など、も理解できて面白い。これ以上専門的でない方が読みやすいのでこれくらいがちょうどよい。現代の民族紛争などについて言語史的な見方も作れるかも。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2018年1月11日に日本でレビュー済み
実際に読むまでは、現在のヨーロッパの言語の概説がなされているものだと思っていました。

ところが、実際に読み進めていくと、各言語の簡単な特徴と、その言語が周辺の言語とどのような関係にあるのか、それがどうやって解明されたのかがわかってきます。

また、結果として、社会言語学言語をどのような枠組のなかで論じるのかがられてきたのかがわかります。

少し否定的な感想になりますが、私は、印欧語族全体についての基礎知識が不足しているので、がまんして読み終えることとなりました。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2018年8月24日に日本でレビュー済み
今から90年前に出版された社会言語学の古典だそうです。ソシュールのような科学的な言語学を期待したのですが、著者の主観(偏見)が強く科学以前と感じました。昔こういう本があったという興味は満たせるかもしれませんが、現代の読者が得るものは少ないと思います。同じタイトルの泉井久之助さんの「 ヨーロッパの言語 」を再販してくれたほうがありがたい。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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