ローマは征服し、捕虜を奴隷化し、奴隷を開放した後には市民権を与えてローマを拡大していった。
時代が下ると、市民の多くは解放奴隷が占めるようななった。
そして、軍団を従えて辺境を攻める将軍たちがそれぞれに競ってローマへ攻め上って帝位を奪い合った。
兵士たちにとって、自軍の将軍だけがすべてであり、ローマは忠誠の対象ではなくなった。
市民たちは、初期には共同体を守る自営農民であったが、次第にパンとサーカスを支配者に依存する群衆になっていった。
それを養うことのできるものが皇帝となった。
成功が滅亡の原因となったという歴史の法則性を明快に解説しようとする態度が面白い。
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ローマ人盛衰原因論 (岩波文庫 白 5-5) 文庫 – 1989/7/17
- 本の長さ324ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日1989/7/17
- ISBN-104003400550
- ISBN-13978-4003400555
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (1989/7/17)
- 発売日 : 1989/7/17
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 324ページ
- ISBN-10 : 4003400550
- ISBN-13 : 978-4003400555
- Amazon 売れ筋ランキング: - 363,056位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 134位古代ローマ史
- - 931位ヨーロッパ史一般の本
- - 2,416位岩波文庫
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年10月12日に日本でレビュー済み
1734年に書かれた論文"Considérations sur les causes de la grandeur des Romains et de leur décadence" の邦訳。『法の精神』『ペルシア人の手紙』ほど日本ではポピュラーではないが、モンテスキューの史観を知る上で欠くことはできない。とはいえ、歴史法則を科学的に追求した史論を期待した読者は、裏切られることになる。伝説的なロムルスやヌマの時代から東西帝国の分裂、ユスティニアヌス以後のビザンティウムまで記述されているが、ギボンや『史記本紀』のような通史ではない。
フランスの作家スタンダールは、『イタリア旅日記』のなかで「数章読むと、僕にとりついている暗い気分が嬉しいことにふくれあがってくるのを感じる」と、本書の読後感を述べている。文芸作品として、才気と簡潔な表現を味わっていたのだろう。
古代ローマ人の原則と徳に感嘆し、「祖国に対する圧倒的な愛」が忘れられないかぎりは強大になりつづけたローマの運命、ティベリウス・グラックス、スラとマリウス、カエサルとポンペイウスの功罪を描くモンテスキューの楽しさを感じることができた。
フランスの作家スタンダールは、『イタリア旅日記』のなかで「数章読むと、僕にとりついている暗い気分が嬉しいことにふくれあがってくるのを感じる」と、本書の読後感を述べている。文芸作品として、才気と簡潔な表現を味わっていたのだろう。
古代ローマ人の原則と徳に感嘆し、「祖国に対する圧倒的な愛」が忘れられないかぎりは強大になりつづけたローマの運命、ティベリウス・グラックス、スラとマリウス、カエサルとポンペイウスの功罪を描くモンテスキューの楽しさを感じることができた。
2015年3月6日に日本でレビュー済み
共和国から帝政への移行期を知ろうとしてプルタルコスを読んでも史記の世家・列伝のようなもので本紀を欠く。モンテスキューの本書が本紀に当りそうである。
「一見して明らかな本書の特徴は;「ローマ史」が「伝承上の初代王ロムルスの時代から東ローマ(ビザンツ)帝国滅亡までの文字通り『盛衰』記としてトータルに捉えられていること」と「史料から超越したある種の視座 [傍点] から盛衰の原因を論じることが主眼とされていることである」(解説者)モンテスキューが言うには「帝国の隆盛が共和国を滅ぼしたにしても、都市の隆盛も同様に共和国を滅ぼした」これに対して解説者のコメントが「征服の達成と共和政体は原理的に併存し得ないことが原因とされているのである」
「カエサルやポンペイウスがカトーのような考え方をしていたとしても、他の者はカエサルやポンペイウスのような考え方をしたことであろう。滅亡を運命づけられていた共和国は、他の人間の手で破滅へと導かれたであろう」(第11章)ここだけなら 理屈の勝った本に見えるかもしれないがそうではない。第12章のカトーとキケロの比較「キケロにおいては美徳が付属物であり、カトーにおいては名誉が付属物であった」これにモンテスキューが注としてサルスティウス『カティリナの陰謀』を引く。「彼は善人と見られるより、実際に善人であることを望んだ。かくして、彼が栄誉を求めることが少なければ少ないだけ、栄誉が彼を追いかけた」
(なお先行の井上幸治訳は「キケロにおいて属性は特性であり、カトーでは栄光であった」「彼は有徳の士とみられるより、実際に有徳でありたいと思った。しかし彼が栄誉をもとめること少なければ少ないほど、ますます栄誉を得ることになった」サルスティウス『カティリナ戦記』)
キケロやカエサルという一級の文人が政治の要路に立つ人であったという奇跡的な時代があった。モンテスキューの面白さは大量のキケロの書簡を中心とする同時代の文献、およびギリシア語、ラテン語で書かれた古代末期の史書を縦横に駆使していることである。
「一見して明らかな本書の特徴は;「ローマ史」が「伝承上の初代王ロムルスの時代から東ローマ(ビザンツ)帝国滅亡までの文字通り『盛衰』記としてトータルに捉えられていること」と「史料から超越したある種の視座 [傍点] から盛衰の原因を論じることが主眼とされていることである」(解説者)モンテスキューが言うには「帝国の隆盛が共和国を滅ぼしたにしても、都市の隆盛も同様に共和国を滅ぼした」これに対して解説者のコメントが「征服の達成と共和政体は原理的に併存し得ないことが原因とされているのである」
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