古書でしたが新品同様で紙が白くて読みやすく助かって居ます。読まずに諦めた人が売ったのかも知れません。
内容から言うと、井上訳や高遠訳よりも面白みには欠けますが、正確さは有る様に思えます。但し、この三者の訳を全て読まないと、正しく内容を把握できないかも知れません。
此処のレヴューを読んでも、この第一巻だけで挫折して了う人が非常に多い事が判りますが、此の後の途方もも無く面白いエピソードの数々は、全てこの第一巻(第一篇の第一部)に布石が有り、此処をしっかり読んで置く事に依って、後のエピソードの面白さを楽しめ、内容の深さが理解できるのです。
とは言うものの、第一巻で挫折する人が圧倒的に多いと言うのも事実の様です。
第一巻で挫折した人は、第二巻を先に読んでください。第二巻で挫折したら、第三巻に進みましょう。第四巻で・・・・以下同文。
中には、此の第一巻だけを読んで、自分の体験や感想を綴っただけの小説だと思い込んで居る人も居るようですが、勿論作者プルーストは書かれている様な人では有りません。
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失われた時を求めて(1)――スワン家のほうへI (岩波文庫) 文庫 – 2010/11/17
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スワン家のほうへ 1
- 本の長さ528ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2010/11/17
- 寸法10.5 x 2 x 15 cm
- ISBN-104003751094
- ISBN-13978-4003751091
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2010/11/17)
- 発売日 : 2010/11/17
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 528ページ
- ISBN-10 : 4003751094
- ISBN-13 : 978-4003751091
- 寸法 : 10.5 x 2 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 88,417位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2022年7月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
文章を読み返さないと理解できない部分があるが、読み返すとしっかり理解できて満足できる。ただ、高齢なので最後まで読み通せるかが問題。何とか頑張ってみよう。
2019年8月4日に日本でレビュー済み
高尚な文学という先入観を捨てさえすれば、ほぼ笑いっぱなしの楽しい一巻。
家族たちとすごした懐かしく愛おしい子供の日々、たとえれば、ちびまる子ちゃん。
『失われた時を求めて』がそんな人間の血の通った小説だということに気づく。
それが多くの人にとってこの「長い小説」を読む通す現実的なやり方です。
長いから読み切れないわけじゃないんです。
たとえば、『ワンピース』今92巻まで。『ジョジョの奇妙な冒険』どえらい冊数がでています。
この1巻から読み始める人が「さあ、大変な挑戦をはじめた」なんで考えるでしょうか?
そんなこと考えるわけありません。おもしろいかどうか。それだけ。
おもしろければ、自然に読むペースもあがるし、集中力があがるから「拾える」細部も増えます。
細部は読む速度を落とさない程度に付き合えばいいです。細部こそが肝だという神話があるようですが(大変立派な先生が「あれを読了して感動したというやつはバカだと思う。何回も読んだという人もいますけれどね。あれは断片的で充分なものであって……。」といっておられるようですが、読了して構造把握しないことにはどの断片を相手にするかもわからないでしょうに)。
全部が全部わかるわけないから初読で。先に進まないと、一体なぜそれが書かれているかわからない事ばっかりだから。私、スワン、オデット、ジルベルト、祖母のみんなみんなが変わっていく、時とともに。「時間さがし」の物語なんだから時間を私と一緒に送らないことにはどうしようもない。最後までいって二周目に還るぐらいでやっとわかる、色々なことが。だから、面白いという感覚をペースメーカーにどんどん先を急いだ方がいい。理解しにくい細部はそれからだ!
おもしろければ長さなんて関係無い。むしろ没入は長い時間のほうがいいぐらいだ。
そして、ちゃんとそういう風に読めるように創ってくれている。プルーストは。
なのに、「楽しく読むな、有り難く読め」という人ばっかりだ。
たしかに、第三共和という複雑な時代の知識がないと、全部が全部を楽しむのはとても苦しい。
ブルジョワ、ベルエポック、政教分離(キリスト教文化の危機)、ユダヤ人、科学文明の発達(進化論、アインシュタイン)、精神性の危機(ニーチェ、フロイト、ベルグソン)、当時の同性愛など。
たしかに20世紀小説の先駆けではある。
意識、主体のありかたが従来の言語表現で正確に表せないという態度、
絵画・音楽、時間・記憶、小説そのものを小説で語る批評性、哲学性、メタ性を援用しようという試み、
こういう新しさと対照としてそれ以前の小説を知らないと何をやろうとしてるかピンとはこない。
そこに、知識自慢のスノッブどもが群がり、高尚な文学に祀りあげてしまう。
「分かる、俺、偉い」の自慢の道具にされてしまう。
それに憧れる人たちもまんまその構図の中に取り込まれてしまう。
『失われた時を求めて』でプルーストが散々笑いのめしたスノビスムが見事に再現されてしまう。
おそろしいことだ。そんなスノブどもが多くの人をこの小説から遠ざけているとしたら。
そんな知識は小説を楽しむためにこそ意味があるのに。
この小説はまちがいなく普通の小説好きのためにも書かれているというのに。
プルーストはこの巻の中でこんな風に小説(評論、哲学ではなく)の愉しみを語ってるんだから。
「小説家のじつにすばらしい発見は(中略)、この新たに編み出された人物たちの行動や心の動きがわれわれに本物と思えてくる(中略)この新たに編み出された人物たちの行動や心の動きがわれわれに本物と思えてくるのも、(中略)夢中で本のぺージを繰るあいだ、それと呼応してわれわれの呼吸が速くなり、まなざしの注視度が高まるからである。ひとたび小説家が読者をこのような状態に置いてしまうと、純粋に内的な状態ではすべてそうであるように、あらゆる心の動きは著しく増幅され、本はまるで夢のように心を揺さぶるのだ」(p196-7)
ほんのさわりだけ、挙げると、
• なんとか母親を部屋に呼ぼうと考えた末に、手紙を渡させようとフランソワーズをだまそうとするのだが、
「今にして思えば、フランソワーズは私の言うことなど信じなかったにちがいない。というのも、さまざまな感覚が現代人より鋭かった原始人と同じで、われわれには捉えようのない兆候だけで、隠しておこうとしたあらゆる真実を見抜いてしまうのだ。フランソワーズは封筒をじっと五分も睨んでいた。」(このマザコン子供と原始人女中が手紙を見つめ合って対峙する息づまる五分間!ここにロランバルトが「取り付くしまのない失恋」のたとえとして書いたあの有名な一節、母親の返事が続く。「返事はありません」)
• 狭い田舎町で知らない人はおろか、知らない動物さえいないということで、
「たまたま「ぜんぜん知らない」犬が通りすぎるのを目撃したりすると、叔母はたえずその犬のことを考えつづけ、この不可解な事実に、持てる帰納の才とあり余る時間とを費やす」(しばし、誰の犬かで口論続く…。)
• スノッブのルグランダンがバルベックにいる自分の妹を、旅行でそこに赴く主人公たちに紹介したくないのでぐだぐだの言い訳をこいた挙句に、あんなところには行かない方がいいとまで言いだして、
「では、みなさん、おやすみなさいとそう言ってルグランダンは、いつもの出しぬけの逃げ腰をみせて私たちから離れたが私たちをふり返ると、ドクターのように指を一本挙げて診察結果をまとめ、 「五十歳まではバルベックはいけません、それ以降も心臓次第ですよ」と大声で告げた。」(いやいや、散々素晴らしい処だって言ってたじゃないですか、紹介してくれって言い出すまでは…。)
訳者は笑いを取りに来ている箇所に非常に敏感で、いいリズム、然るべき言葉をえらんでくれています。たとえば、スワンの来訪を告げるベルを聞いて祖母が「斥候にだされる」箇所で、井上訳は「私たちはみんな緊張して、祖母がもたらす敵の情報を待ちうけていた、あたかもわれわれが多数とおぼしい 奇襲部隊にはさまれて」とあるのみで言葉が選ばれたニュアンスが伝わりにくいが、吉川訳では「家族の全員が、大ぜいの敵のだれが襲撃してきたのだろうかと固唾をのんで祖母の敵方情報を待ちうけていると」と戦争にまつわる比喩を選んだ理由を的確に(取りに来てると)解釈して訳しこんでていて、意想外に来訪者に「襲撃」され慌てる家族、祖母の家族内の位置づけ、生死を共にする小部隊のようにまで感じられる家族のチーム感をおかしくも楽しく想起してるのが伝わる。まさにちびまる子の世界。
全巻読み通すための山場って言われてた「ゲルマントのほう」のサロンのパートも吉川訳では吹き出しっぱなし。今までの訳者が笑いどころを分かっていなかっただけではとすら思ってます(本当に読みにくいところは「ゲルマントのほうI」や「見出されたとき」の前半など、延々、時間論、芸術論、認識論、戦術論を展開するところです。プルーストの後継者を気取る日本の作家でもここらを絶対読み飛ばしてますよ、吉川先生はそこを飛ばすなとはいいますけど…)。
追記 抄訳版 失われた時を求めて 文庫版 全3巻完結セット (集英社文庫) もレヴューしています。こちらも参考にしてください。
家族たちとすごした懐かしく愛おしい子供の日々、たとえれば、ちびまる子ちゃん。
『失われた時を求めて』がそんな人間の血の通った小説だということに気づく。
それが多くの人にとってこの「長い小説」を読む通す現実的なやり方です。
長いから読み切れないわけじゃないんです。
たとえば、『ワンピース』今92巻まで。『ジョジョの奇妙な冒険』どえらい冊数がでています。
この1巻から読み始める人が「さあ、大変な挑戦をはじめた」なんで考えるでしょうか?
そんなこと考えるわけありません。おもしろいかどうか。それだけ。
おもしろければ、自然に読むペースもあがるし、集中力があがるから「拾える」細部も増えます。
細部は読む速度を落とさない程度に付き合えばいいです。細部こそが肝だという神話があるようですが(大変立派な先生が「あれを読了して感動したというやつはバカだと思う。何回も読んだという人もいますけれどね。あれは断片的で充分なものであって……。」といっておられるようですが、読了して構造把握しないことにはどの断片を相手にするかもわからないでしょうに)。
全部が全部わかるわけないから初読で。先に進まないと、一体なぜそれが書かれているかわからない事ばっかりだから。私、スワン、オデット、ジルベルト、祖母のみんなみんなが変わっていく、時とともに。「時間さがし」の物語なんだから時間を私と一緒に送らないことにはどうしようもない。最後までいって二周目に還るぐらいでやっとわかる、色々なことが。だから、面白いという感覚をペースメーカーにどんどん先を急いだ方がいい。理解しにくい細部はそれからだ!
おもしろければ長さなんて関係無い。むしろ没入は長い時間のほうがいいぐらいだ。
そして、ちゃんとそういう風に読めるように創ってくれている。プルーストは。
なのに、「楽しく読むな、有り難く読め」という人ばっかりだ。
たしかに、第三共和という複雑な時代の知識がないと、全部が全部を楽しむのはとても苦しい。
ブルジョワ、ベルエポック、政教分離(キリスト教文化の危機)、ユダヤ人、科学文明の発達(進化論、アインシュタイン)、精神性の危機(ニーチェ、フロイト、ベルグソン)、当時の同性愛など。
たしかに20世紀小説の先駆けではある。
意識、主体のありかたが従来の言語表現で正確に表せないという態度、
絵画・音楽、時間・記憶、小説そのものを小説で語る批評性、哲学性、メタ性を援用しようという試み、
こういう新しさと対照としてそれ以前の小説を知らないと何をやろうとしてるかピンとはこない。
そこに、知識自慢のスノッブどもが群がり、高尚な文学に祀りあげてしまう。
「分かる、俺、偉い」の自慢の道具にされてしまう。
それに憧れる人たちもまんまその構図の中に取り込まれてしまう。
『失われた時を求めて』でプルーストが散々笑いのめしたスノビスムが見事に再現されてしまう。
おそろしいことだ。そんなスノブどもが多くの人をこの小説から遠ざけているとしたら。
そんな知識は小説を楽しむためにこそ意味があるのに。
この小説はまちがいなく普通の小説好きのためにも書かれているというのに。
プルーストはこの巻の中でこんな風に小説(評論、哲学ではなく)の愉しみを語ってるんだから。
「小説家のじつにすばらしい発見は(中略)、この新たに編み出された人物たちの行動や心の動きがわれわれに本物と思えてくる(中略)この新たに編み出された人物たちの行動や心の動きがわれわれに本物と思えてくるのも、(中略)夢中で本のぺージを繰るあいだ、それと呼応してわれわれの呼吸が速くなり、まなざしの注視度が高まるからである。ひとたび小説家が読者をこのような状態に置いてしまうと、純粋に内的な状態ではすべてそうであるように、あらゆる心の動きは著しく増幅され、本はまるで夢のように心を揺さぶるのだ」(p196-7)
ほんのさわりだけ、挙げると、
• なんとか母親を部屋に呼ぼうと考えた末に、手紙を渡させようとフランソワーズをだまそうとするのだが、
「今にして思えば、フランソワーズは私の言うことなど信じなかったにちがいない。というのも、さまざまな感覚が現代人より鋭かった原始人と同じで、われわれには捉えようのない兆候だけで、隠しておこうとしたあらゆる真実を見抜いてしまうのだ。フランソワーズは封筒をじっと五分も睨んでいた。」(このマザコン子供と原始人女中が手紙を見つめ合って対峙する息づまる五分間!ここにロランバルトが「取り付くしまのない失恋」のたとえとして書いたあの有名な一節、母親の返事が続く。「返事はありません」)
• 狭い田舎町で知らない人はおろか、知らない動物さえいないということで、
「たまたま「ぜんぜん知らない」犬が通りすぎるのを目撃したりすると、叔母はたえずその犬のことを考えつづけ、この不可解な事実に、持てる帰納の才とあり余る時間とを費やす」(しばし、誰の犬かで口論続く…。)
• スノッブのルグランダンがバルベックにいる自分の妹を、旅行でそこに赴く主人公たちに紹介したくないのでぐだぐだの言い訳をこいた挙句に、あんなところには行かない方がいいとまで言いだして、
「では、みなさん、おやすみなさいとそう言ってルグランダンは、いつもの出しぬけの逃げ腰をみせて私たちから離れたが私たちをふり返ると、ドクターのように指を一本挙げて診察結果をまとめ、 「五十歳まではバルベックはいけません、それ以降も心臓次第ですよ」と大声で告げた。」(いやいや、散々素晴らしい処だって言ってたじゃないですか、紹介してくれって言い出すまでは…。)
訳者は笑いを取りに来ている箇所に非常に敏感で、いいリズム、然るべき言葉をえらんでくれています。たとえば、スワンの来訪を告げるベルを聞いて祖母が「斥候にだされる」箇所で、井上訳は「私たちはみんな緊張して、祖母がもたらす敵の情報を待ちうけていた、あたかもわれわれが多数とおぼしい 奇襲部隊にはさまれて」とあるのみで言葉が選ばれたニュアンスが伝わりにくいが、吉川訳では「家族の全員が、大ぜいの敵のだれが襲撃してきたのだろうかと固唾をのんで祖母の敵方情報を待ちうけていると」と戦争にまつわる比喩を選んだ理由を的確に(取りに来てると)解釈して訳しこんでていて、意想外に来訪者に「襲撃」され慌てる家族、祖母の家族内の位置づけ、生死を共にする小部隊のようにまで感じられる家族のチーム感をおかしくも楽しく想起してるのが伝わる。まさにちびまる子の世界。
全巻読み通すための山場って言われてた「ゲルマントのほう」のサロンのパートも吉川訳では吹き出しっぱなし。今までの訳者が笑いどころを分かっていなかっただけではとすら思ってます(本当に読みにくいところは「ゲルマントのほうI」や「見出されたとき」の前半など、延々、時間論、芸術論、認識論、戦術論を展開するところです。プルーストの後継者を気取る日本の作家でもここらを絶対読み飛ばしてますよ、吉川先生はそこを飛ばすなとはいいますけど…)。
追記 抄訳版 失われた時を求めて 文庫版 全3巻完結セット (集英社文庫) もレヴューしています。こちらも参考にしてください。
2022年12月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
描写が細かいです
2019年12月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大変気に入ってます。
2020年1月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
四十数年来、何度も挑戦して挫折をくりかえしてきた、この長編。ついに読み切れました。その感想より、ここでは、なぜ、それが可能だったのか書きます。まず巻頭に登場人物一覧が記載されています。概略と関連地図まである。そして、すばらしいのが注釈。すべて出てきた頁の隣か、次の頁に詳しく書いてある。右が本文、左全面注釈の場合もある。写真や図も豊富にあって、至れり尽くせり。さらに、この長編では1巻で提示された伏線が13、14巻で拾われたりするのですが、それにも「伏線になるよ」「伏線だったよ」と注釈が書いてある。この翻訳で読めなければ、この長編には縁がないと思われたほうが良いです。
2019年6月17日に日本でレビュー済み
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プルーストの比喩的な表現を学んでいます。脳細胞が日増しに柔軟になっていると確信してます、
毎日の読書が楽しくなりました。今後とも14巻読破を目標に頑張ります。
有難うございました。
毎日の読書が楽しくなりました。今後とも14巻読破を目標に頑張ります。
有難うございました。
2017年9月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私にはとても難しいですが
絶対捨てたくないです
トライして何度も読まなければいけないとなぜかおもいました
絶対捨てたくないです
トライして何度も読まなければいけないとなぜかおもいました