卒論のテーマを決めるきっかけとなりました。
とてもおもしろかったです。
多くのドイツの知識人について触れることができます。
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戦後ドイツ: その知的歴史 (岩波新書 新赤版 158) 新書 – 1991/2/20
三島 憲一
(著)
分断から統一へ――.廃墟からの出発,ユダヤ人虐殺の衝撃,ナチズムとの訣別,驚異的な経済復興と急成長,統一後の巨大国家.戦後ドイツ社会の変貌は知識人の精神にも大きな変遷を迫り続けた.ハイデガー,トーマス・マン,アドルノ,ハーバーマスらの言動はどのような影響を及ぼしたのか.複雑に展開した政治・社会・文化を克明に描く.
- 本の長さ264ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日1991/2/20
- ISBN-104004301580
- ISBN-13978-4004301585
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (1991/2/20)
- 発売日 : 1991/2/20
- 言語 : 日本語
- 新書 : 264ページ
- ISBN-10 : 4004301580
- ISBN-13 : 978-4004301585
- Amazon 売れ筋ランキング: - 338,926位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 146位ヨーロッパの地理・地域研究
- - 1,571位岩波新書
- - 5,063位世界史 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年4月7日に日本でレビュー済み
本書は、第二次世界大戦における敗北から東西ドイツ統一までの西ドイツの歴史をハーバーマスやアドルノといった知識人や思想家の言説、社会ムードの視点から描いている。副題は「その知的歴史」となっており、政治については断片的に取り上げているのみであることから「戦後ドイツ政治史」とはなっていない。ナチス党によるファシズム国家ドイツは第二次世界大戦で敗北し、ドイツの国民・国土はともに荒廃した。「なぜこのようなことが起きたのか」という問いかけは、戦後ドイツの知的歴史にとって原点となったが、「ナチスドイツの経験」という歴史とドイツがどのように向き合ってきたかが本書全体を通して展開されている。
内容的には難しく消化不良を犯しかねないが、読み応えはある。
内容的には難しく消化不良を犯しかねないが、読み応えはある。
2002年8月30日に日本でレビュー済み
戦後ドイツを問うことは必然的にナチを問うことである。本書は戦後ドイツの知識人や政治家がいかにナチと向かい合ったか、についてのものであるが、特にハーバーマスやハイデガーのみならず、ベルやヤスパースといった知識人、また大衆運動の進展なども視野に入れることで、総合的に戦後ドイツを概観しうる好著となった。戦後ドイツを知るためには、まず読みたい一冊である。
2006年3月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
第二次大戦後、ナチスの幻想から覚めたドイツ人が、いかにしてナチ
スの下で犯した罪から自由になるために新たな幻想を仕立て上げなく
てはならなかったか。「奇跡の復興」と「罪の忘却」は紙一重であっ
たし、アデナウアー政権の中にもヒトラー政権下ユダヤ人迫害のため
の法律に参画していた人物が堂々と活躍していたという例なども挙げ
られる。反ナチスの立場である知識人でさえ戦後の不気味な渦に巻き
込まれ、あるいは加担していた。振り返って日本人は戦後、罪の意識
から解放されたのかあるいは無意識に引きずったままなのか。戦後ド
イツの姿は戦後日本の合わせ鏡であったかもしれない。ニーチェなど
を研究した著者だけに、本書はドイツを見る際の盲点を巧みに突きつ
けてくる知的興奮も伴っている。同著者の「現代ドイツ」も同様に東
西ドイツ統一においてマスコミには殆ど触れられることのなかった
もの、見えていたはずなのに見ていなかったものを見せてくれる。
スの下で犯した罪から自由になるために新たな幻想を仕立て上げなく
てはならなかったか。「奇跡の復興」と「罪の忘却」は紙一重であっ
たし、アデナウアー政権の中にもヒトラー政権下ユダヤ人迫害のため
の法律に参画していた人物が堂々と活躍していたという例なども挙げ
られる。反ナチスの立場である知識人でさえ戦後の不気味な渦に巻き
込まれ、あるいは加担していた。振り返って日本人は戦後、罪の意識
から解放されたのかあるいは無意識に引きずったままなのか。戦後ド
イツの姿は戦後日本の合わせ鏡であったかもしれない。ニーチェなど
を研究した著者だけに、本書はドイツを見る際の盲点を巧みに突きつ
けてくる知的興奮も伴っている。同著者の「現代ドイツ」も同様に東
西ドイツ統一においてマスコミには殆ど触れられることのなかった
もの、見えていたはずなのに見ていなかったものを見せてくれる。
2010年3月21日に日本でレビュー済み
トーマスマンが、ドイツにもどらかなかったが、講演はしたとのこと。
ハイデガーの章があるなど、戦後ドイツ著名人という感じの作りになっている。
それ以外は、いろいろかかれていても、ちょっとピンと着ませんでした。
ミュンヘンのドイツ博物館は素敵だと思ったのですが、
そういう切り口は用意していないようです。
ハイデガーの章があるなど、戦後ドイツ著名人という感じの作りになっている。
それ以外は、いろいろかかれていても、ちょっとピンと着ませんでした。
ミュンヘンのドイツ博物館は素敵だと思ったのですが、
そういう切り口は用意していないようです。
2011年11月9日に日本でレビュー済み
評価が低い人も少なくない辺りを見ると、どうも人を選ぶ本であるようで、誰にとっても良い本であるわけではないようなのだが、個人的には大絶賛したい程に面白く、終始引き込まれっぱなしの本だった。実は私は歴史が苦手(厳密には中学生の頃はむしろ大好きだったのだが後に興味を失い全然読まなくなってしまった)なのだが、本書は既述のように引き込まれっぱなしでちょっと無理やりにでも我慢して勉強しようという程度の気持ちで手にとった歴史の本がここまで面白いとはと驚いた。こんなに面白い歴史の語り方があるとは、私にとって最も望ましい歴史の語り方がされている!と。もっとこんな感じの視点から書いた歴史書があってくれると大助かりなのだが、恐らくあまり沢山あるような種のものではない。もしかしたら珍しい類ですらあるかもしれない。
何故これほど面白いのか。本書の評価を低くしている人に「知識人の言説を中心に書かれているので思想フリークくらいにしかお勧めできない」と書いている人がいる。そうなのだ。本書は確かに戦後ドイツの知識人や思想家といったものに多大な重点を置いている。「知識人・思想家から見た戦後ドイツ」とでも言うべきだろうか。だからそういう視点を求めている人、そういう視点がとても肌に合う人にはたまらない代物となっているのである。「それは無理だ」と思う人には低評価だが、逆の人には逆に文句なしの好評価となるわけだ。実際これは読むべき人が読めば最高度に面白い戦後ドイツの歴史書となるはずである。
この意味で『戦後ドイツ』という書名は誤解を誘いやすいと思われるかもしれない。そういう本は数多いが、本書は「その知的歴史」と副題を付ける事でちゃんと思想重視的な内容を示していると思う。単なる歴史ではないのだ。読む前にそれに気づいておくべきだろう。そういう説明すらない看板に偽りのある本に比べると誠実なものだ。おまけに実はこの著者はそもそもニーチェの研究などで有名な「哲学者」なのである。そんな事知るかという人もいようが、別に著者のプロフィールを一見すればすぐに分かる事なのだし、これくらいの内容であるとは事前に理解した上で読むべきだろう。本書は「哲学者による戦後ドイツの知的歴史」として読むべきものである。そしてそういうものとして本書はかなり優れた興味深さ、面白さを備えている。
何故これほど面白いのか。本書の評価を低くしている人に「知識人の言説を中心に書かれているので思想フリークくらいにしかお勧めできない」と書いている人がいる。そうなのだ。本書は確かに戦後ドイツの知識人や思想家といったものに多大な重点を置いている。「知識人・思想家から見た戦後ドイツ」とでも言うべきだろうか。だからそういう視点を求めている人、そういう視点がとても肌に合う人にはたまらない代物となっているのである。「それは無理だ」と思う人には低評価だが、逆の人には逆に文句なしの好評価となるわけだ。実際これは読むべき人が読めば最高度に面白い戦後ドイツの歴史書となるはずである。
この意味で『戦後ドイツ』という書名は誤解を誘いやすいと思われるかもしれない。そういう本は数多いが、本書は「その知的歴史」と副題を付ける事でちゃんと思想重視的な内容を示していると思う。単なる歴史ではないのだ。読む前にそれに気づいておくべきだろう。そういう説明すらない看板に偽りのある本に比べると誠実なものだ。おまけに実はこの著者はそもそもニーチェの研究などで有名な「哲学者」なのである。そんな事知るかという人もいようが、別に著者のプロフィールを一見すればすぐに分かる事なのだし、これくらいの内容であるとは事前に理解した上で読むべきだろう。本書は「哲学者による戦後ドイツの知的歴史」として読むべきものである。そしてそういうものとして本書はかなり優れた興味深さ、面白さを備えている。
2011年5月17日に日本でレビュー済み
戦後ドイツの政治状況と、それに向き合って知的営為を進めた思想家や文学者の言行をまとめた新書。まず戦後ドイツの歴史自体あまり良く知らなかった自分としてはその内容は新鮮で、興味を持って最後まで前のめりに読み進められた。何といっても空前絶後のナチスドイツの統治後を受けての社会状況、政治、思想、文学、繰り広げられる混乱を著者は印象的に伝えてくれる。ヘッセ、トーマス・マンといった旧世代のヒューマニストからハイデガーやゴッドフリート・ベン、エルンスト・ユンガーなどのナチス協力者、アドルノやホルクマイヤーのフランクフルト学派、フランクフルト学派を継承したというハーバーマス、ギュンター・グラスをはじめとするリベラルな作家群、多くの保守派の論者、世界的な叛乱の季節のドイツ人論者や活動家、ドイツ国内で起こった論争的なトピックを多く伝えてくれる。ドイツ零年からドイツ統一直後までの歴史がまとめられている。1991年二月の刊行なので、統一後の出来事についての言及が少ないのは仕方がないだろう。
読んでいくと、社会に対する波風の立て方の大きさにまず驚く。リベラルな知識人とされる人たちが、とても果敢に政府や保守的な社会への批判を繰り広げているのが目に付くし、保守派も負けじとリベラル勢力に批判キャンペーンを張っていき、互いに論争が日本よりおおっぴらだし論鋒が鋭い。こういう場だからこその公共圏の発想があったのだなと思った。もちろん政治の季節が終わった後に反体制の構えから体制の側へと上手く立ち回って豊かになっていく人たちも多かったが、そんな風な振る舞いに対する批判や告発の役割を文学が生き生きと果たしているのも印象的だった。
この著書の様子から戦後日本を振り返ってみると色々思いつくことがありそうな一冊。
読んでいくと、社会に対する波風の立て方の大きさにまず驚く。リベラルな知識人とされる人たちが、とても果敢に政府や保守的な社会への批判を繰り広げているのが目に付くし、保守派も負けじとリベラル勢力に批判キャンペーンを張っていき、互いに論争が日本よりおおっぴらだし論鋒が鋭い。こういう場だからこその公共圏の発想があったのだなと思った。もちろん政治の季節が終わった後に反体制の構えから体制の側へと上手く立ち回って豊かになっていく人たちも多かったが、そんな風な振る舞いに対する批判や告発の役割を文学が生き生きと果たしているのも印象的だった。
この著書の様子から戦後日本を振り返ってみると色々思いつくことがありそうな一冊。
2006年11月1日に日本でレビュー済み
主にハーバーマスやデリダによりながらドイツ市民の姿を探ろうとしたもの。
ほとんどが知識人だけの言説をもとに書かれているため現代思想フリーク以外にはおすすめできない。
特に統一に関する政治的変遷を、複雑の一言で切りすてており情報価値は低い。
ほとんどが知識人だけの言説をもとに書かれているため現代思想フリーク以外にはおすすめできない。
特に統一に関する政治的変遷を、複雑の一言で切りすてており情報価値は低い。