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太宰治 (岩波新書 新赤版 560) 新書 – 1998/5/20
細谷 博
(著)
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波乱に富んだ人生を送った太宰治は没後50年を迎える.多くの,特に若い読者を引きつけ続けた作品群は,いま私たちに何を問いかけるのか.『女生徒』『斜陽』等の多様な〈語り〉の魅力,『お伽草紙』『人間失格』などに響く人間賛歌を,誠実な〈読み〉から導き,確かな構成力と洒脱な精神を併せ持った作家・太宰の姿を,時代を追って描く.
- 本の長さ215ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日1998/5/20
- ISBN-104004305608
- ISBN-13978-4004305606
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (1998/5/20)
- 発売日 : 1998/5/20
- 言語 : 日本語
- 新書 : 215ページ
- ISBN-10 : 4004305608
- ISBN-13 : 978-4004305606
- Amazon 売れ筋ランキング: - 506,113位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,255位岩波新書
- - 85,570位ノンフィクション (本)
- - 129,469位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1949年千葉県に生まれ東京で育つ。早稲田大学法学部卒。同文学部卒。同大学院文学研究科修士課程修了。博士(文学、大阪大学)。南山大学名誉教授。
単著:『凡常の発見 漱石・谷崎・太宰』明治書院(1996 やまなし文学賞)、『太宰治』岩波新書(1998)、『小林秀雄論 〈孤独〉から〈無私〉へ』おうふう(2002)、『小林秀雄 人と文学』勉誠出版(2005)、『所与と自由 近現代文学の名作を読む』勉誠出版(2013)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年2月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
太宰治文学を熟読するにはどうしたらいいかを期待したが、正直言って読みにくい。
2024年5月17日に日本でレビュー済み
この筆者は、心の底から太宰治を尊敬し、その作品を深く理解しているのだろうか。
例えば、津島美知子夫人が著した「回想の太宰治」は、実に細やかに太宰という人物を見つめ、淡々と、しかしゆるぎない態度で文章を綴っている。これは見事な作品である。
それに比べ、この岩波新書には、まるで熱がこもっていない。太宰の魅力がどこにも見えない。
文章も稚拙な点が目立つ。その一例が「~と思えてくるのは私だけでしょうか」(p24)といった、甘ったれた表現が何箇所もある。「思わず溜息を吐きたくなるのは、私だけでしょうか」(p162)「裏返しの家庭賛歌と呼びたくなるのは、私だけでしょうか」(p170)「思わず快哉を叫びたくなるのは、私だけでしょうか」(P210)。いい加減にしてほしい、と言いたくなるのは、「私だけ」ではないでしょう。
筆者にも問題があるが、編集者も自らのいい加減さを反省してもらいたいものだ。
例えば、津島美知子夫人が著した「回想の太宰治」は、実に細やかに太宰という人物を見つめ、淡々と、しかしゆるぎない態度で文章を綴っている。これは見事な作品である。
それに比べ、この岩波新書には、まるで熱がこもっていない。太宰の魅力がどこにも見えない。
文章も稚拙な点が目立つ。その一例が「~と思えてくるのは私だけでしょうか」(p24)といった、甘ったれた表現が何箇所もある。「思わず溜息を吐きたくなるのは、私だけでしょうか」(p162)「裏返しの家庭賛歌と呼びたくなるのは、私だけでしょうか」(p170)「思わず快哉を叫びたくなるのは、私だけでしょうか」(P210)。いい加減にしてほしい、と言いたくなるのは、「私だけ」ではないでしょう。
筆者にも問題があるが、編集者も自らのいい加減さを反省してもらいたいものだ。
2010年12月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
例えば『人間失格』。高校生の時、初めて読んだ感想は大庭葉蔵に対し「ムカついた」。「ふざけている。もっと前向きにまじめに生きろ!」だった。
大学生の時、二度目。その感想は、「心がむき出しになってる」。「葉蔵は正直すぎる。あまりに正直だから傷つくんだ」だった。
そして社会人になって三度目。「大庭葉蔵の男としての魅力は何か」。なぜ葉蔵は次から次へと女を惹きつけるのか、そこに非常に気持ちを取られた。
…で、結局、私も太宰治が好きなんだけど、何がどう好きなのか、どこがいいのか説明しろと言われてもなかなか表現できずいらいらする。そんな私のいらだちを、細谷先生はみごとに解消してくれました。「そうそう、太宰治のここがいいの」と感動が倍増します。
ちなみに『人間失格』では、ラスト間近で「…人間、失格」と書かれたその句読点、「…ただ一切は過ぎていきます・・・」(手元に本がなく、文章が微妙に違うかもしれません)という一文、この表現で私は完全にひれ伏しました。
私事ですが、大学の社会人講座で細谷先生の授業を受けています。そこで扱っているのは太宰治ではないのですが、それぞれの小説の「ここがいい・ここがすぐれている・ここが不足」という講義がすごくわかりやすく面白く、説得力があって、あっという間に時間が過ぎます。加えて音読がものすごくステキで、私、本好きで本当によかったと改めて感じています。
大学生の時、二度目。その感想は、「心がむき出しになってる」。「葉蔵は正直すぎる。あまりに正直だから傷つくんだ」だった。
そして社会人になって三度目。「大庭葉蔵の男としての魅力は何か」。なぜ葉蔵は次から次へと女を惹きつけるのか、そこに非常に気持ちを取られた。
…で、結局、私も太宰治が好きなんだけど、何がどう好きなのか、どこがいいのか説明しろと言われてもなかなか表現できずいらいらする。そんな私のいらだちを、細谷先生はみごとに解消してくれました。「そうそう、太宰治のここがいいの」と感動が倍増します。
ちなみに『人間失格』では、ラスト間近で「…人間、失格」と書かれたその句読点、「…ただ一切は過ぎていきます・・・」(手元に本がなく、文章が微妙に違うかもしれません)という一文、この表現で私は完全にひれ伏しました。
私事ですが、大学の社会人講座で細谷先生の授業を受けています。そこで扱っているのは太宰治ではないのですが、それぞれの小説の「ここがいい・ここがすぐれている・ここが不足」という講義がすごくわかりやすく面白く、説得力があって、あっという間に時間が過ぎます。加えて音読がものすごくステキで、私、本好きで本当によかったと改めて感じています。
2014年6月7日に日本でレビュー済み
作家論でなく作品論を並べたといった印象。
太宰の有名作品を読んでいれば大体の内容は理解できるだろう。
一方で作家論的視点がちょっと少なかったのが残念なところ。
太宰の有名作品を読んでいれば大体の内容は理解できるだろう。
一方で作家論的視点がちょっと少なかったのが残念なところ。
2019年5月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「走れメロス」ぐらいしか知らなかったので、理解するには時期尚早。
少しずつ情報を集めて、他の作品も読めたらいいです。
少しずつ情報を集めて、他の作品も読めたらいいです。
2019年10月20日に日本でレビュー済み
大学時代にひと月に1回1年間、太宰治の作品を読むという講座を受けたことがあって、それに備えて神保町の古書店で筑摩書房から昭和42年に出された全集を安価で買い求めて以来であるので、生い立ちや人となりであったり、奥野健男の提唱する3期の設定と、そこに腑分けされた作品の位置付けであったりについてほとんど忘れてしまっていることに気付かされた1冊でした。
それというのも、三十数年、田舎の高校で国語を教えていて、一応エピソードといいますか、無頼派や新戯作派といいますか、蘊蓄に近い話をするわけですが、その結果、多くの作家がキーワードと、ひとつの作品に完結してしまうことになります。それはそれで仕方ないことではありますが、思い入れのある作家だとなかなかそうは割り切れないものもあり、そういうわけで、たまに作品を読み返したり、こういった新書や研究書を紐解いたりするのですが、本書は学術的な整合性を保ちつつも、愛読者という立場からの引用や紹介も随所に見られて、上記の大学時代に受けた、評論家、故佐古純一郎先生の土曜講座を思い出させられました。
それというのも、三十数年、田舎の高校で国語を教えていて、一応エピソードといいますか、無頼派や新戯作派といいますか、蘊蓄に近い話をするわけですが、その結果、多くの作家がキーワードと、ひとつの作品に完結してしまうことになります。それはそれで仕方ないことではありますが、思い入れのある作家だとなかなかそうは割り切れないものもあり、そういうわけで、たまに作品を読み返したり、こういった新書や研究書を紐解いたりするのですが、本書は学術的な整合性を保ちつつも、愛読者という立場からの引用や紹介も随所に見られて、上記の大学時代に受けた、評論家、故佐古純一郎先生の土曜講座を思い出させられました。
2020年3月6日に日本でレビュー済み
书保存的非常好!配送很及时!【以前从不去评价,不知道浪费了多少积分,现在知道积分可以换钱,就要好好评价了,后来我就把这段话复制走了,既能赚积分,还省事,走到哪复制到哪,最重要的是,不用认真的评论了,不用想还差多少字,直接发出就可以了,推荐给大家推荐
2012年4月3日に日本でレビュー済み
太宰文学の読み方の指南は野暮なようだけど,あえて著者はそれをかってでた(p.5)。
評論家の奥野健男にならって太宰文学を三期に分け,まず「すぐれて生々しい<語り>の実践」の「前期」,プロの作家として成長して行く「中期」,戦後の激しい社会変動の影響を受け新たな場所に踏み込んだ「後期」と追跡して行く。
太宰文学を特徴づけて著者は「軽み」「上手いキャッチ・コピー」「語りの巧さ」「美談の造形」「あそび」「やつし」などを指摘し,それらの背後にある「有頂天なりやすい性格」「自虐的体質」「道化による求愛」を摘出する。整った太宰治論である。かなり前に読んだ本であるが再読。
評論家の奥野健男にならって太宰文学を三期に分け,まず「すぐれて生々しい<語り>の実践」の「前期」,プロの作家として成長して行く「中期」,戦後の激しい社会変動の影響を受け新たな場所に踏み込んだ「後期」と追跡して行く。
太宰文学を特徴づけて著者は「軽み」「上手いキャッチ・コピー」「語りの巧さ」「美談の造形」「あそび」「やつし」などを指摘し,それらの背後にある「有頂天なりやすい性格」「自虐的体質」「道化による求愛」を摘出する。整った太宰治論である。かなり前に読んだ本であるが再読。