カール大帝の時代、宗教改革時代、ナチの時代と飛び石状に知識はあったが、通史として自分の頭の中にドイツ史の太い線が整理された形でイメージできるようにしてくれる教科書的な基本書を探していた。これがなかなか良かった。高校世界史のドイツ史関連の知識をおさらいしてから読むとなお面白く読める。
本書の特徴は、ドイツ史を「ヨーロッパの中のドイツ」という視点からまとめたところ。神聖ローマ帝国の分権的状況を、英仏流の「近代国家としての統一」への遅れ、というマイナス評価からではなく、「大小多数の国が一定の法的枠組みの中で共食いもせずに共存した」ものとして、統合EUの祖型としてプラスに評価する、という見方が提示されており、勉強になった。著者の坂井氏は林健太郎の弟子筋にあたるドイツ近世史家。堀米庸三の影響も受けている。著者と同年生まれで上原専禄の弟子筋の中世史家である阿部謹也が書いた『物語 ドイツの歴史』(中公新書)と併せて読むと、よりドイツ史が立体的に見えてくる。
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ドイツ史10講 (岩波新書 新赤版 826) 新書 – 2003/2/20
坂井 榮八郎
(著)
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ヨーロッパの中のドイツを軸に描く通史
- ISBN-104004308267
- ISBN-13978-4004308263
- 出版社岩波書店
- 発売日2003/2/20
- 言語日本語
- 寸法11.2 x 2.3 x 17.4 cm
- 本の長さ240ページ
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2003/2/20)
- 発売日 : 2003/2/20
- 言語 : 日本語
- 新書 : 240ページ
- ISBN-10 : 4004308267
- ISBN-13 : 978-4004308263
- 寸法 : 11.2 x 2.3 x 17.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 77,665位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 22位ドイツ・オーストリア史
- - 53位西洋史
- - 153位ヨーロッパ史一般の本
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
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2024年1月24日に日本でレビュー済み
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2023年12月27日に日本でレビュー済み
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このテーマを探求すべく、ドイツ史を手っ取り早く通観しようと本書を選んだ。著者もその問いに答えを試みたが、このテーマは難解であり歴史家も悩むのでしょう。ただ考えるヒントは色々提供してもらったので読んでよかったと思ってます。以下誤解しているかもしれませんが、欧州では英仏に比べ後発の地域であり、さらにオーストリア(神聖ローマ帝国)がそれを助長し国民国家形成の阻害となったこと。またドイツも地元主義が強くそれが金印勅書・選帝侯制度に繋がり、あたかも自民党派閥政治のようになってしまったこと、近代化がプロイセン中心に軍国主義を軸に急速に発展したが、当に日本の富国強兵の手本となり、近代日本と酷似していること、などを背景にワイマール制が著者の指摘あったHitler出現の直因と言うことなのかなと思っていますが、結局纏まらずよく分からないです。日本の天皇制の理由と同様ドイツ人にとってもとても難しい話なんでしょう。ドイツ史について手っ取り早く通観するのには丁度良かったです。ドイツ人を考える上でも参考になるのではないかと思います。
2023年2月26日に日本でレビュー済み
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歴史書にありがちな年代と出来事をずらずらと羅列した年表みたいな本とは異なり、著者も述べておられるようにヨーロッパの中のドイツという視点で、ライン川を挟んで古代ローマと対峙したゲルマン民族の時代から現代に至るまでを各時代に特徴的な事柄に絞って著者の考えを分かり易く簡明に述べられていて、ドイツの歴史を概観するには恰好の書物であると思いました。
2022年11月15日に日本でレビュー済み
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とっても分かりやすくて、物語としても面白い。
ゲルマン民族、神聖ローマ帝国、ドイツ騎士団領、オーストリア、プロイセン、ドイツ帝国。
時代区分はおぼろげに分かるけど、国境線がさっぱり分からないと思い、おすすめに従って買いました。
分かるようになります。
ゲルマン民族、神聖ローマ帝国、ドイツ騎士団領、オーストリア、プロイセン、ドイツ帝国。
時代区分はおぼろげに分かるけど、国境線がさっぱり分からないと思い、おすすめに従って買いました。
分かるようになります。
2019年8月21日に日本でレビュー済み
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ドイツ史の勉強を50年続けてきたという著者が後書きで述べているように、「どこの国の歴史でも同じだが、ドイツが何であるかはドイツだけを見ていて分かるものではない」と、そんなことを考えさせられる内容の本でした。
1/3ほど読んでチンプンカンプンだったので、後半半分、第6講の、他のレビューによると「近代史」にあたる所へ飛び、また戻って全部読んではみたものの、やはり国についての感想を書くほどには理解できなかったと思います。
他の本でヨーロッパ全体の歴史を把握してからもう一度挑戦してみたいと思っています。
1/3ほど読んでチンプンカンプンだったので、後半半分、第6講の、他のレビューによると「近代史」にあたる所へ飛び、また戻って全部読んではみたものの、やはり国についての感想を書くほどには理解できなかったと思います。
他の本でヨーロッパ全体の歴史を把握してからもう一度挑戦してみたいと思っています。
2022年1月1日に日本でレビュー済み
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通史としてとても優れていて読みやすい。私は、ドイツ文学の作品、評論を読むうえでとても参考になりました。
2018年4月12日に日本でレビュー済み
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多くの日本人は、ドイツ史というより、概略の
ヨーロッパ史を学ぶので、フランク王国から
神聖ローマ帝国への移行の経緯がきちんと
説明されてはいないし、ドイツ統一の中心と
なる、プロイセンという国の領土が、現在の
どの国に当たるのかも良く分かっていない。
(答:ドイツ、ポーランド、ロシア、ベルギー、
チェコ、デンマーク、リトアニア)
本書は、大学の一般教養でドイツ史を選択
した時に、実際に行われる講義を模して、
ざっくり、10章に簡略化したドイツ史の
入門書である。中々、ドイツ史専門という
先生はいないので、学生時代に勉強出来なかった
大多数の日本人には、良い入門書だと思う
ヨーロッパ史を学ぶので、フランク王国から
神聖ローマ帝国への移行の経緯がきちんと
説明されてはいないし、ドイツ統一の中心と
なる、プロイセンという国の領土が、現在の
どの国に当たるのかも良く分かっていない。
(答:ドイツ、ポーランド、ロシア、ベルギー、
チェコ、デンマーク、リトアニア)
本書は、大学の一般教養でドイツ史を選択
した時に、実際に行われる講義を模して、
ざっくり、10章に簡略化したドイツ史の
入門書である。中々、ドイツ史専門という
先生はいないので、学生時代に勉強出来なかった
大多数の日本人には、良い入門書だと思う
2021年4月1日に日本でレビュー済み
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高校の世界史で学んだドイツ史に関する数々のこと。
人名やら年代やら随分と暗記しました。
でもそれらはバラバラな断片の寄せ集めだったように思えます。
この10講を読んで、個々の出来事の背景をより深く理解できました。歴史の大きな流れを掴むなかで、点の知識が線に繋がってきたような気分です。
さらに進んで線が面に思えてくるよう、もっと学びたい!と思わせてくれる一冊です。
人名やら年代やら随分と暗記しました。
でもそれらはバラバラな断片の寄せ集めだったように思えます。
この10講を読んで、個々の出来事の背景をより深く理解できました。歴史の大きな流れを掴むなかで、点の知識が線に繋がってきたような気分です。
さらに進んで線が面に思えてくるよう、もっと学びたい!と思わせてくれる一冊です。