歴史物語としては大変おもしろいと思います。
見返しにもあるように「ドラマ」であり「歴史物語」という内容です。
町田久成サイドの視点で見ていて、客観性は?
あえて無視する史料とか事実は?
けれど、岩波新書だと歴史研究書に見えてしまうところが問題では?
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博物館の誕生: 町田久成と東京帝室博物館 (岩波新書 新赤版 953) 新書 – 2005/6/21
関 秀夫
(著)
- 本の長さ241ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2005/6/21
- ISBN-104004309530
- ISBN-13978-4004309536
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2005/6/21)
- 発売日 : 2005/6/21
- 言語 : 日本語
- 新書 : 241ページ
- ISBN-10 : 4004309530
- ISBN-13 : 978-4004309536
- Amazon 売れ筋ランキング: - 521,645位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 310位美術館・博物館関連書籍
- - 2,299位岩波新書
- - 3,814位アート・建築・デザイン作品集
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トップレビュー
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2009年9月23日に日本でレビュー済み
上野の博物館の設立が、いかに大変だったかは想像できます。
占領地から収奪してきた金品を並べる博物館と比べれば、
見劣りすることは重要ではない。
スエーデンの博物館のように、沈没した船を、
失敗の象徴として展示している国もある。
自分たちの勉強になるのは何かをはっきりと分かっていることが重要だと思う。
上野の博物館に何か、勉強になることががあるかがよくわからなかった。
占領地から収奪してきた金品を並べる博物館と比べれば、
見劣りすることは重要ではない。
スエーデンの博物館のように、沈没した船を、
失敗の象徴として展示している国もある。
自分たちの勉強になるのは何かをはっきりと分かっていることが重要だと思う。
上野の博物館に何か、勉強になることががあるかがよくわからなかった。
2018年4月3日に日本でレビュー済み
著者は東京国立博物館の名誉館員。中世考古学が専門の著者だが、同館の歴史を調べるなかで、本書が生まれたらしい。
東京国立博物館の誕生は、町田久成という人物の存在ぬきには語れない。しかも、町田が博物館に関わるようになったのは、あくまでも偶然で、なおかつ彼の政治力なしに誕生・存続することはなかった。
そのあたりの事情をさまざまな資料から、詳しくかつわかりやすく論述している。
関係者は必読の一冊だろう。
東京国立博物館の誕生は、町田久成という人物の存在ぬきには語れない。しかも、町田が博物館に関わるようになったのは、あくまでも偶然で、なおかつ彼の政治力なしに誕生・存続することはなかった。
そのあたりの事情をさまざまな資料から、詳しくかつわかりやすく論述している。
関係者は必読の一冊だろう。
2013年8月1日に日本でレビュー済み
本書で主に扱われている時代は、幕末にパリで開催された万国博覧会(1867年)から、上野に設立された博物館が宮内省に献上され名前を「帝室博物館」と改めるまで(1900年)の短い時期で、日本の博物館通史のようなものを期待するとやや肩透かしを食らうかもしれません。対象も現在の東京国立博物館に限定されており、京都や奈良の博物館についてはほとんど触れられていません。その意味ではタイトル通りの内容、ということになるでしょう。
本書の主人公である町田久成は薩摩藩の比較的地位の高い武士で、彼が政治的挫折ののちに博物館設立へと邁進する姿が描かれています。本書の特徴は町田と大久保利通の関係、あるいは岩倉具視との関係といった政治史的視点から博物館が設立される経緯を分析し、殖産興業という明治政府の基本方針とはやや外れたところにある博物館設立がどのような力によって推進されたかを明らかにしています。「帝室博物館」への改称、展示資料の美術品重視なども上記の経緯から理解することができる、というのが本書の見通し。
難を挙げるとすれば、政府と博物館の関係を議論の中心に置いたことで、博物館と展示品の寄託者、博物館と社会との関係がやや見えにくくなっていることでしょうか。日本の博物館が諸外国と比較して、その展示品の多くを(館蔵品ではなく)寄託品に依拠していることは有名な話ですが、この偏りはどのような意味をもっているのでしょうか。
あと、日本では「ミュージアム」を何となく「博物館」と訳したり「美術館」と訳したりしていますが、この使い分けもよくわからない。「ミュージアム」は博物館と美術館の両方を含む概念ですが、これがうまく理解できないまま博物館ができてしまった、ということになるのでしょう。こうした日本独自の事情についても、もう少し掘り下げてほしかった、と。
本書の主人公である町田久成は薩摩藩の比較的地位の高い武士で、彼が政治的挫折ののちに博物館設立へと邁進する姿が描かれています。本書の特徴は町田と大久保利通の関係、あるいは岩倉具視との関係といった政治史的視点から博物館が設立される経緯を分析し、殖産興業という明治政府の基本方針とはやや外れたところにある博物館設立がどのような力によって推進されたかを明らかにしています。「帝室博物館」への改称、展示資料の美術品重視なども上記の経緯から理解することができる、というのが本書の見通し。
難を挙げるとすれば、政府と博物館の関係を議論の中心に置いたことで、博物館と展示品の寄託者、博物館と社会との関係がやや見えにくくなっていることでしょうか。日本の博物館が諸外国と比較して、その展示品の多くを(館蔵品ではなく)寄託品に依拠していることは有名な話ですが、この偏りはどのような意味をもっているのでしょうか。
あと、日本では「ミュージアム」を何となく「博物館」と訳したり「美術館」と訳したりしていますが、この使い分けもよくわからない。「ミュージアム」は博物館と美術館の両方を含む概念ですが、これがうまく理解できないまま博物館ができてしまった、ということになるのでしょう。こうした日本独自の事情についても、もう少し掘り下げてほしかった、と。
2007年9月10日に日本でレビュー済み
はじめて上京したとき、私にとっての東京の入口は上野でした。この丘は、博物館・美術館だらけなので、これが東京なのかと誤解してしまいそうなほどです。よく考えると不自然なほどの集積です。
「博物館概論」の講義で先生が参考図書として紹介された本書を読んで、その由来だけでなく、今ではいかにも純粋な文化の殿堂になっている博物館の設立に、個人の強い意志や政治的な駆け引きの歴史があったことを知りました。けっこう生々しくて楽しめました。
戊辰戦争で旧幕臣等の彰義隊と大村益次郎の新政府軍が戦った地だと思うと、木々に囲まれてたたずむこれらの建物群は墓標のようにも思えます。次に上野を訪れるときには、東京国立博物館の裏庭にあるという町田久成の顕彰碑等、歴史の痕跡を確かめようと思います。
「博物館概論」の講義で先生が参考図書として紹介された本書を読んで、その由来だけでなく、今ではいかにも純粋な文化の殿堂になっている博物館の設立に、個人の強い意志や政治的な駆け引きの歴史があったことを知りました。けっこう生々しくて楽しめました。
戊辰戦争で旧幕臣等の彰義隊と大村益次郎の新政府軍が戦った地だと思うと、木々に囲まれてたたずむこれらの建物群は墓標のようにも思えます。次に上野を訪れるときには、東京国立博物館の裏庭にあるという町田久成の顕彰碑等、歴史の痕跡を確かめようと思います。
2005年7月16日に日本でレビュー済み
明治維新後、外交官であった町田久成は比較的早い時期に渡欧し、大英博物館などの博物館に触れ、日本における大英博物館級の施設の建設を決意する。
博物館がどのような施設なのかなかなか政府や一般に理解されない中、徐々に博物館建設へ動くが、最終的には予算の壁や政府内部の権力抗争がらみで博物館は天皇家の個人資産を収蔵・展示する施設と変化する。
日本の博物館の父とも言える町田久成の博物館を中心とした伝記として読んでも面白い。
博物館がどのような施設なのかなかなか政府や一般に理解されない中、徐々に博物館建設へ動くが、最終的には予算の壁や政府内部の権力抗争がらみで博物館は天皇家の個人資産を収蔵・展示する施設と変化する。
日本の博物館の父とも言える町田久成の博物館を中心とした伝記として読んでも面白い。