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幕末・維新: シリーズ 日本近現代史 1 (岩波新書 新赤版 1042 シリーズ日本近現代史 1) 新書 – 2006/11/21
井上 勝生
(著)
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- ISBN-104004310423
- ISBN-13978-4004310426
- 出版社岩波書店
- 発売日2006/11/21
- 言語日本語
- 本の長さ272ページ
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2006/11/21)
- 発売日 : 2006/11/21
- 言語 : 日本語
- 新書 : 272ページ
- ISBN-10 : 4004310423
- ISBN-13 : 978-4004310426
- Amazon 売れ筋ランキング: - 112,040位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 76位明治維新
- - 267位日本史ノンフィクション
- - 302位東洋史
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2020年5月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
明治政府の「勝者の歴史」とは関係なく、史実に基づいた歴史の記述。
2012年7月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は、「シリーズ日本近現代史」の第1巻として、対外的危機の大きさを強調する先行研究とは異なり、幕府の外交能力、地域経済の発展、成熟した伝統社会を背景にした民衆の運動といった観点から、幕末・維新史を新たに描こうとするものである。
「はじめに」は、本書の問題関心について。
第1章「江戸湾の外交」は、黒船来航、開国への道、二つの開国論について。幕府外交の「軟弱」「屈従」を強調してきた先行研究を一面的であると批判し、近代国際法の「差別の構造」を指摘しつつ、幕府の巧みな外交を評価する。
第2章「尊攘・討幕の時代」は、孝明天皇、薩長の改革運動、尊王攘夷と京都について。天皇は「神武帝より皇統連綿」の神話に基づく大国主義思想に依った攘夷論を主張し、他方、武家は尊王を称しつつも天皇の真意を問題とせずに攘夷を実行したと論じる。
第3章「開港と日本社会」は、開港と民衆社会、国際社会、攘夷と開国について。イギリスの方針は領土占領ではなく、中立・不介入であり、「日本殖民地化の危機」は小さかったと論じる。
第4章「近代国家の誕生」は、王政復古と「有司」専制、戊辰戦争、幕末維新期の民衆、近代国家の創出、版籍奉還と廃藩置県について。
第5章「『脱アジア』への道」は、急進的な改革、東アジア侵略の第一段階、地租改正と西南戦争について。「内国殖民地」としての北海道「開拓」は、東アジア侵略の第一段階であったと論じる。
「おわりに」は、文明開化について。
本書は、開国期に無為無策であった幕府が、一方的に不平等な条約を認めさせられたのに対し、条約反対という国内世論を受けた天皇と朝廷が条約を拒否し、ここから幕末の政治史が始まる、とする従来の解釈を見事に覆している。不平等幕府の巧みな外交の成果として、不平等条約が大局的には日本の独立を守り、自立的な資本主義の形成を維持するのに役立ったと指摘している点は非常に興味深く思えた。一読を勧めたい。
「はじめに」は、本書の問題関心について。
第1章「江戸湾の外交」は、黒船来航、開国への道、二つの開国論について。幕府外交の「軟弱」「屈従」を強調してきた先行研究を一面的であると批判し、近代国際法の「差別の構造」を指摘しつつ、幕府の巧みな外交を評価する。
第2章「尊攘・討幕の時代」は、孝明天皇、薩長の改革運動、尊王攘夷と京都について。天皇は「神武帝より皇統連綿」の神話に基づく大国主義思想に依った攘夷論を主張し、他方、武家は尊王を称しつつも天皇の真意を問題とせずに攘夷を実行したと論じる。
第3章「開港と日本社会」は、開港と民衆社会、国際社会、攘夷と開国について。イギリスの方針は領土占領ではなく、中立・不介入であり、「日本殖民地化の危機」は小さかったと論じる。
第4章「近代国家の誕生」は、王政復古と「有司」専制、戊辰戦争、幕末維新期の民衆、近代国家の創出、版籍奉還と廃藩置県について。
第5章「『脱アジア』への道」は、急進的な改革、東アジア侵略の第一段階、地租改正と西南戦争について。「内国殖民地」としての北海道「開拓」は、東アジア侵略の第一段階であったと論じる。
「おわりに」は、文明開化について。
本書は、開国期に無為無策であった幕府が、一方的に不平等な条約を認めさせられたのに対し、条約反対という国内世論を受けた天皇と朝廷が条約を拒否し、ここから幕末の政治史が始まる、とする従来の解釈を見事に覆している。不平等幕府の巧みな外交の成果として、不平等条約が大局的には日本の独立を守り、自立的な資本主義の形成を維持するのに役立ったと指摘している点は非常に興味深く思えた。一読を勧めたい。
2021年5月8日に日本でレビュー済み
「裏街道を行く幕末・維新史」といったところですかね。
メインの出来事は他書に譲り、ひたすらその先の詳細な出来事を綴って行く、といった趣きです。大変勉強になりました。
幕末から維新にかけての本を読むとき、私は常に釈然としない思いを抱きます。アメリカに押し込まれたにせよ、開国やむなしという判断をしたのは徳川でした。オランダ経由で世界の情勢を的確に知り得ていた徳川の判断は、たとえ消去法ではあったにせよ、妥当なものであったと思います。それがどうして、いつの間にやら「反動徳川」「朝敵徳川」ということになってしまったのか。
そもそも、ペリーの開国要請への対応協議の際、多くの藩は(もちろん長州も薩摩も)開国賛成であったという。積極的か消極的かの違いはあったようですが、、、打ち払いを主張したのはわずか四藩にすぎなかったという。
それがどうして、「ジョーイ、ジョーイ」という姿勢、立場に変わってしまったのか。そして更にもう1回転して(元に戻って)維新の立役者は薩長だということになってしまっているのはどういうわけなのか。「開国、是か非か」、と言う問題が「徳川体制維持か否か」という問題にすり替わった経緯はどういう事なのかを知りたかったのですが。当書は、事の経緯の記述は詳細ですが、なぜそうなったのかという背景、状況、理由等の叙述は少ないと思います。
この時代、それぞれ(各人物、各藩)の考え、思想、立場、状況がころころ変わります。一夜にして真逆の方針に変わってしまったりするので理解するのが大変です。「たしか〇は昨日まで~のはずだったのに、どうして今度はこうなるの?!」といったことの連続です。
当書を読んで何となく感じたことがあります。それは、以下の3点が同時並行でごったに進んでいったことに遠因があるのかなあ、と。それは
・開国に賛成か反対か、
・将軍継嗣の争い
・徳川政権への長年の恨みつらみ(特に外様藩及び朝廷)
(これを組み合わせると、8通りの立場が存在することになります)。
想像をたくましくすれば、以下の様な経緯であったのか。
当初、外様諸藩も開国の是非について、真面目に真摯に検討していたが、徳川幕府がこの問題で難渋するのを見て、どこかの時点で、はたと思い至った。「これは徳川に難癖をつける絶好の機会だ。このチャンスを利用して、250年の積年の恨みを晴らそう。そして自分たち中心の新たな日本国を作ろう」と。すると、全てのつじつまが合ってくるのです。
いや失礼、勝手な想像が過ぎました。
当書において、孝明天皇を暗愚の(という表現は使っていませんが)天皇と断じているところはもの凄いです。いくら百数十年前の時代のこととはいえ、天皇個人を非難するのは憚られるところですが、明快です。
また、「倒幕の密勅」は、偽造されたものである、と断じているところも明快です。
とまれ、徳川は倒れ、開国は進み、新たな日本国が誕生しました。全てを飲み込んで、、、
メインの出来事は他書に譲り、ひたすらその先の詳細な出来事を綴って行く、といった趣きです。大変勉強になりました。
幕末から維新にかけての本を読むとき、私は常に釈然としない思いを抱きます。アメリカに押し込まれたにせよ、開国やむなしという判断をしたのは徳川でした。オランダ経由で世界の情勢を的確に知り得ていた徳川の判断は、たとえ消去法ではあったにせよ、妥当なものであったと思います。それがどうして、いつの間にやら「反動徳川」「朝敵徳川」ということになってしまったのか。
そもそも、ペリーの開国要請への対応協議の際、多くの藩は(もちろん長州も薩摩も)開国賛成であったという。積極的か消極的かの違いはあったようですが、、、打ち払いを主張したのはわずか四藩にすぎなかったという。
それがどうして、「ジョーイ、ジョーイ」という姿勢、立場に変わってしまったのか。そして更にもう1回転して(元に戻って)維新の立役者は薩長だということになってしまっているのはどういうわけなのか。「開国、是か非か」、と言う問題が「徳川体制維持か否か」という問題にすり替わった経緯はどういう事なのかを知りたかったのですが。当書は、事の経緯の記述は詳細ですが、なぜそうなったのかという背景、状況、理由等の叙述は少ないと思います。
この時代、それぞれ(各人物、各藩)の考え、思想、立場、状況がころころ変わります。一夜にして真逆の方針に変わってしまったりするので理解するのが大変です。「たしか〇は昨日まで~のはずだったのに、どうして今度はこうなるの?!」といったことの連続です。
当書を読んで何となく感じたことがあります。それは、以下の3点が同時並行でごったに進んでいったことに遠因があるのかなあ、と。それは
・開国に賛成か反対か、
・将軍継嗣の争い
・徳川政権への長年の恨みつらみ(特に外様藩及び朝廷)
(これを組み合わせると、8通りの立場が存在することになります)。
想像をたくましくすれば、以下の様な経緯であったのか。
当初、外様諸藩も開国の是非について、真面目に真摯に検討していたが、徳川幕府がこの問題で難渋するのを見て、どこかの時点で、はたと思い至った。「これは徳川に難癖をつける絶好の機会だ。このチャンスを利用して、250年の積年の恨みを晴らそう。そして自分たち中心の新たな日本国を作ろう」と。すると、全てのつじつまが合ってくるのです。
いや失礼、勝手な想像が過ぎました。
当書において、孝明天皇を暗愚の(という表現は使っていませんが)天皇と断じているところはもの凄いです。いくら百数十年前の時代のこととはいえ、天皇個人を非難するのは憚られるところですが、明快です。
また、「倒幕の密勅」は、偽造されたものである、と断じているところも明快です。
とまれ、徳川は倒れ、開国は進み、新たな日本国が誕生しました。全てを飲み込んで、、、
2019年5月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一般的な公教育やマスメディアが報じているような人物像、国柄と向き合いながら世界から見てもどのような評価であるかという視点をさずけてくれる書物でした。知らないことも沢山ありましたので勉強になりました。
2021年10月26日に日本でレビュー済み
自分のすぐ近くにある物語との出会いは、嬉しく、また有難い。これをお貸し頂いたのは仕事の古く永い先輩であると共に、ぼくの中に北海道愛を最初にインジェクトしてくれた方である。本書の作家・浮穴みみも千葉大仏文科卒だが北海道生まれの作家である。本書は北海開拓に纏わる人たちを絡めた美しくも逞しい短編集である。
『楡の墓』タイトルにもなっている最初の短編は、札幌市に堀を引いた初期開拓の責任者である大友亀次郎。札幌市東区に彼を記念する郷土資料館があり、それを偶然にも先月だったかぼくは訪れている。また大友がトウベツの開拓に関わろうとした経緯など実に興味深い。
『雪女郎』続いて北海道神宮にゆくとガイドさんが必ず紹介する大きな銅像で印象的な島義武の開拓と挫折。途中で行き会うブリキストンは、津軽海峡を挟み本州と蝦夷の生息動物が異なると唱え、ブリキストン・ラインという名で有名になった学者である。同作者の他の短編作品でも描かれているということなので、楽しみにしておく。
『貸女房始末』は、唯一書き下ろしではなく過去雑誌掲載作品。『小説推理』に掲載されたとあるが、いずれも推理小説というより、人情と歴史を絡めた骨太の歴史小説作家という風に読める。札幌居住地の焼き払いと再建を描いたものとして印象深い。
『湯壺にて』は、まだ山の中の秘湯であった定山渓温泉の湯壺を舞台にした、開拓吏・松本十郎にまつわる物語。
『七月のトリリウム』は、船の中、札幌農学校で教えのために渡ろうとしているクラーク博士の逸話を、美しい文学性とともに描く。
いずれも、自分の住んでいる、あるいは住んでいた場所、ゆかりの地。それらは本書の舞台というより、むしろ土地が人以上の主人公なのではないかと思われるほど、蝦夷地とその開拓にちなんだ物語である。北海道を愛する人にとっては、心のメモリーとなりそうな重要な作品であった。
明治維新による移民政策、北海道開拓、アイヌ民族などの歴史などに興味のない方も、この作品たちは、物語性だけでも惹きつけるものが十分にあり、とてもおススメである。
『楡の墓』タイトルにもなっている最初の短編は、札幌市に堀を引いた初期開拓の責任者である大友亀次郎。札幌市東区に彼を記念する郷土資料館があり、それを偶然にも先月だったかぼくは訪れている。また大友がトウベツの開拓に関わろうとした経緯など実に興味深い。
『雪女郎』続いて北海道神宮にゆくとガイドさんが必ず紹介する大きな銅像で印象的な島義武の開拓と挫折。途中で行き会うブリキストンは、津軽海峡を挟み本州と蝦夷の生息動物が異なると唱え、ブリキストン・ラインという名で有名になった学者である。同作者の他の短編作品でも描かれているということなので、楽しみにしておく。
『貸女房始末』は、唯一書き下ろしではなく過去雑誌掲載作品。『小説推理』に掲載されたとあるが、いずれも推理小説というより、人情と歴史を絡めた骨太の歴史小説作家という風に読める。札幌居住地の焼き払いと再建を描いたものとして印象深い。
『湯壺にて』は、まだ山の中の秘湯であった定山渓温泉の湯壺を舞台にした、開拓吏・松本十郎にまつわる物語。
『七月のトリリウム』は、船の中、札幌農学校で教えのために渡ろうとしているクラーク博士の逸話を、美しい文学性とともに描く。
いずれも、自分の住んでいる、あるいは住んでいた場所、ゆかりの地。それらは本書の舞台というより、むしろ土地が人以上の主人公なのではないかと思われるほど、蝦夷地とその開拓にちなんだ物語である。北海道を愛する人にとっては、心のメモリーとなりそうな重要な作品であった。
明治維新による移民政策、北海道開拓、アイヌ民族などの歴史などに興味のない方も、この作品たちは、物語性だけでも惹きつけるものが十分にあり、とてもおススメである。
2008年2月18日に日本でレビュー済み
以前、「その時歴史は動いた」で井上氏の対ハリス交渉に関して関心したので購入した本である。その部分を読む限りでは、問題はない事はない。
但し、幕末通史として読むと問題点がありすぎる。岩波から出ているだけに、遠山茂樹が語る明治維新革命否定史観がそこはなに臭う部分もないではない。特に著者の江戸時代の考えについてはあまりいだだけない。
幕末末期の飢餓状態と収奪強化による一揆勃発について、緩やかな支配というのはトンデモにしか聞こえない。更に、考現学的な批判として明治時代の政策を否定したいようにも聞こえる。これについては、歴史の発展についてを否定されているようにも聞こえる。
なにやらイデオロギー論に引っ張られているようにも聞こえるが、論者のうがった見方であろうか?
但し、幕末通史として読むと問題点がありすぎる。岩波から出ているだけに、遠山茂樹が語る明治維新革命否定史観がそこはなに臭う部分もないではない。特に著者の江戸時代の考えについてはあまりいだだけない。
幕末末期の飢餓状態と収奪強化による一揆勃発について、緩やかな支配というのはトンデモにしか聞こえない。更に、考現学的な批判として明治時代の政策を否定したいようにも聞こえる。これについては、歴史の発展についてを否定されているようにも聞こえる。
なにやらイデオロギー論に引っ張られているようにも聞こえるが、論者のうがった見方であろうか?
2013年11月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
正直、読むのはしんどかったです。
私自身高校時代まともに日本史を勉強してこなかった為でしょうが、中学社会ではまず出てこないであろう人名や出来事の整理に悪戦苦闘しつつ読破しました。
私が昔習った日本幕末維新史は、簡潔に言うならば「弱腰外交、陋習を固持する幕府」と「国難の気配を敏感に感じ取り、積極的に維新、開化を推進した新政府」という二項対立でした。本書では、その前提条件が覆されるに等しい新情報が数多く提示されています。
特に本書を通して印象を抱いたのは、上記のタイトルです。
欧米列強は、日本を「半未開」と断定し、外交交渉を進めようとします。ただ、未開とは、あくまで欧米独自の思想に則った見方でしかないのです。万国公法とは、つまるところ大国公法です。確かに、江戸時代のイギリスの様な高い科学技術を誇っていたわけではありません。しかし、精度の高い伝統的手工業や、自らの手持ちカードを巧みに駆使した外交術、人間としての知性は欧米列強に劣らなかったことが読み取れます。「文明」や「未開」といったレッテルは非常に一面的で、むしろそうした偏見を抱く側が「野蛮」であると言わざるをえません。
ただ残念だったのは、そうした「未開」の視座を、今度は日本が東アジアの国々に向けてしまったことです。
武威由来、欧米コンプレックス由来の有司達は大国主義に走り、独自の文化を育んでいたアイヌや琉球へ領域を拡大し、自らの文化圏への強制的な同化を図ります。朝鮮に対しては日清修好条規を足がかりに(以前列強が結ばせた条約以上に不平等な)条約を締結し、清国や台湾にも武力で圧力をかけます。ほんの20年前、列強にけしかけられたのと同様に。
「日本が植民地化の危機に置かれた」との意見を私も抱いていましたが、どうやらそうでも無かったことがわかりました。地勢的な理由で欧米列強は、 日本を独立国として扱う狙いがあったみたいです(それも腹立たしい話ですが)。
以前は本シリーズの「日清・日露戦争」を読んだのですが、表明をなぞる教科書的な歴史ではなく、「下から上へ、民衆の有り様、歴史の狭間で苦しむ人々」に焦点が当てられており、今作でも踏襲されていました(本来の順序は逆です)。
確かに、政府をコントロールしていたのは極少数の権力者でしたが、歴史を動かしてきたのは、まぎれもなく名前無き私達の先祖です。
歴史の影の主人公である民衆の喜怒哀楽を理解することこそ、歴史学の本質であり、私達の実生活に活かせる側面だと感じました。
歴史学は決して、非実学的な学問では無いと思います。
相当な長文失礼しました。
私自身高校時代まともに日本史を勉強してこなかった為でしょうが、中学社会ではまず出てこないであろう人名や出来事の整理に悪戦苦闘しつつ読破しました。
私が昔習った日本幕末維新史は、簡潔に言うならば「弱腰外交、陋習を固持する幕府」と「国難の気配を敏感に感じ取り、積極的に維新、開化を推進した新政府」という二項対立でした。本書では、その前提条件が覆されるに等しい新情報が数多く提示されています。
特に本書を通して印象を抱いたのは、上記のタイトルです。
欧米列強は、日本を「半未開」と断定し、外交交渉を進めようとします。ただ、未開とは、あくまで欧米独自の思想に則った見方でしかないのです。万国公法とは、つまるところ大国公法です。確かに、江戸時代のイギリスの様な高い科学技術を誇っていたわけではありません。しかし、精度の高い伝統的手工業や、自らの手持ちカードを巧みに駆使した外交術、人間としての知性は欧米列強に劣らなかったことが読み取れます。「文明」や「未開」といったレッテルは非常に一面的で、むしろそうした偏見を抱く側が「野蛮」であると言わざるをえません。
ただ残念だったのは、そうした「未開」の視座を、今度は日本が東アジアの国々に向けてしまったことです。
武威由来、欧米コンプレックス由来の有司達は大国主義に走り、独自の文化を育んでいたアイヌや琉球へ領域を拡大し、自らの文化圏への強制的な同化を図ります。朝鮮に対しては日清修好条規を足がかりに(以前列強が結ばせた条約以上に不平等な)条約を締結し、清国や台湾にも武力で圧力をかけます。ほんの20年前、列強にけしかけられたのと同様に。
「日本が植民地化の危機に置かれた」との意見を私も抱いていましたが、どうやらそうでも無かったことがわかりました。地勢的な理由で欧米列強は、 日本を独立国として扱う狙いがあったみたいです(それも腹立たしい話ですが)。
以前は本シリーズの「日清・日露戦争」を読んだのですが、表明をなぞる教科書的な歴史ではなく、「下から上へ、民衆の有り様、歴史の狭間で苦しむ人々」に焦点が当てられており、今作でも踏襲されていました(本来の順序は逆です)。
確かに、政府をコントロールしていたのは極少数の権力者でしたが、歴史を動かしてきたのは、まぎれもなく名前無き私達の先祖です。
歴史の影の主人公である民衆の喜怒哀楽を理解することこそ、歴史学の本質であり、私達の実生活に活かせる側面だと感じました。
歴史学は決して、非実学的な学問では無いと思います。
相当な長文失礼しました。