当初、リズムに乗って読めるまで数ページ必要でした。
新聞記者らしからぬ、センテンスの長い、やや複雑な修飾構造をもつ文体のせいだと思います。
しかし、佐藤栄作が「物語」の主人公の一人として登場し、福田赳夫が佐藤栄作の部下として
「暗躍」するころにはどんどん流れに引き込まれます。
本書が優れているのは、膨大な取材の量をそのままダラダラと文章にするのではなく
構造的に、一旦事実を再編成し、なぜ密約が必要だったのか、それがどんな弊害をもたらすのか、
そして、この事実から我々が何を学び、そして、どうこれから振る舞う必要が
あるのかを、示唆してくれている点です。
秘密保護法案強行採決後にすぐに購入して
政府、リバイアサンがなぜ秘密を好むのかその答えを知りたくて
購入しましたが、その目的は本書にてよく理解できた気がします。
同じ脳の構造を持つが故に政府の要人とはいえやっていることは
我々の日常でやっていることとさほど変わりない、茶番に近いドタバタ劇です。
それをもっともらしい理由をつけて、小馬鹿にされないように、
バレて判断ミスを咎められないように、できれば隠したい、という誰もがもつ弱さ。
その弱さを克服しないかぎり、秘密はなくならないでしょうし
交渉や判断のミスを指摘されたくない、と権力を持つ人間が何かを秘密にしたいとき
底には隠蔽工作費用が必要だし、口止め料が馬鹿に高くなる。
そしてその秘密口止め料が馬鹿に高いものにつき、結局、それを税で払うはめになるのは
国民。ドイツもカンボジアもチリもシリアもイラクも北朝鮮も戦争に突入した少し前の日本も、
権力が秘密を好んだ国に於けるその代償はあまりにも大きい。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
¥924¥924 税込
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
¥924¥924 税込
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
¥181¥181 税込
配送料 ¥290 6月13日-15日にお届け
発送元: 由布院書店 販売者: 由布院書店
¥181¥181 税込
配送料 ¥290 6月13日-15日にお届け
発送元: 由布院書店
販売者: 由布院書店
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
沖縄密約: 「情報犯罪」と日米同盟 (岩波新書 新赤版 1073) 新書 – 2007/5/22
西山 太吉
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥924","priceAmount":924.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"924","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"nKhNFTJQbAPInrBkVeOcdecnaJB3h%2FfB1nkU6pK6U6AmssfM4k4yBFJiPCWHxX1uIOVue7lyq%2Bs6Bj86fcW%2F4GbzPiGUC56r1ZD9I4hkNfmAUnLL08X9q0QTz%2BKoOIJS","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥181","priceAmount":181.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"181","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"nKhNFTJQbAPInrBkVeOcdecnaJB3h%2FfBUf4iynda9%2FZb2G%2FQxm5d0EXhBwzEvozeH0nsyr0Rr968pTADSl6sdc4TQYvHoff0AuTN9Pg69TLA%2BaeHVEcnMod0jAL65DpKC4yfFJVcygGR8t4k5xW%2BUuZD%2F5vbPnt1r9ldz80LlfNLDXCk6nOfrcG4k49%2BIdZq","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
日米の思惑が交錯した沖縄返還には様々な密約が存在した事が、近年相次いで公開された米公文書や交渉当事者の証言で明らかになりつつある.核持ち込み、基地自由使用、日本側巨額負担…….かつてその一部を暴き、「機密漏洩」に問われた著者が、豊富な資料をもとにその全体像を描くとともに、今日の日米関係を鋭く考察する
- ISBN-104004310733
- ISBN-13978-4004310730
- 出版社岩波書店
- 発売日2007/5/22
- 言語日本語
- 本の長さ224ページ
よく一緒に購入されている商品
対象商品: 沖縄密約: 「情報犯罪」と日米同盟 (岩波新書 新赤版 1073)
¥924¥924
最短で6月11日 火曜日のお届け予定です
在庫あり。
¥1,210¥1,210
最短で6月11日 火曜日のお届け予定です
在庫あり。
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2007/5/22)
- 発売日 : 2007/5/22
- 言語 : 日本語
- 新書 : 224ページ
- ISBN-10 : 4004310733
- ISBN-13 : 978-4004310730
- Amazon 売れ筋ランキング: - 79,095位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中4つ
5つのうち4つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
33グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2023年9月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今程、メディアの機能不全・責任放棄・思考停止により、日本国民は、問題解決の為の判断材料が皆無です。これでは、政策や行政・過去の検証・現在の問題の解決方法・将来の計画展望が、まったく不可能です。最早、政府や行政・立法・司法・官庁等、無機能なので、国民で機能させるしか、道がありません。機密事項や諸外国との関係で、出せない情報もありますが、極力、情報を公開する仕組み・システムを確立して貰いたい!
2007年7月1日に日本でレビュー済み
本書の著者は、沖縄返還の交渉での密約(米資産買
取費用の上積み分)を政治部記者としてすっぱ抜き、そ
のために不遇を招きます。その著者だからこその執念が
感じられて、本書の主張には説得力があります。
著者はこういいます。憲法の平和主義は、沖縄返還に
始まり、1990年代後半の日米安保共同宣言、周辺事
態法等の整備を経て、最近の米軍再編のための共同宣
言に至って完全に空洞化してしまい、後は9条問題を残
すだけだと。となれば、創憲だ加憲だとかまびすしいもの
の、これを実態に合わせたいというのが改憲論議のひと
つ大きな動機に違いないでしょう。長谷部立憲主義(長
谷部恭男『憲法とは何か』)で対抗するなどという段階は
とうに過ぎているようです。
また、いささかの自戒を込めてこうもいいます。ここまで
の変質を人々に論点として提起できなかったメディアは、
客観性にこだわり時流に埋没したと。確かに、民族自決
の原則など簡単に踏みにじり、自国の権益のために他
国を引きずり回すアメリカの横暴と独善を論難するハロ
ルド・ピンターの発言(『何も起こりはしなかった』)を自国
の首相に向ける英国のジャーナリズムの健全さに比べ
れば、その落差は明らかです。
英国といえば、イラク建国の母と呼ばれるガートルード
・ベルはかつてこう言ったそうです。「ここイラクのほんと
うのむずかしさは、(中略)戦争そのものではなく、戦争
が終わった後をどうするか、にあるのですが、(中略)わ
れわれに何ができるのか、私たちにはそれすらわからな
いのです。」(井野瀬久美惠『大英帝国という経験』)そん
なところに大軍を駐留させているアメリカとこれを支援す
る日本、そこでいったい何をしようとしているのでしょう
か。
最後に、著者に新書の執筆依頼をした岩波の見識に
改めて敬意を表します。
取費用の上積み分)を政治部記者としてすっぱ抜き、そ
のために不遇を招きます。その著者だからこその執念が
感じられて、本書の主張には説得力があります。
著者はこういいます。憲法の平和主義は、沖縄返還に
始まり、1990年代後半の日米安保共同宣言、周辺事
態法等の整備を経て、最近の米軍再編のための共同宣
言に至って完全に空洞化してしまい、後は9条問題を残
すだけだと。となれば、創憲だ加憲だとかまびすしいもの
の、これを実態に合わせたいというのが改憲論議のひと
つ大きな動機に違いないでしょう。長谷部立憲主義(長
谷部恭男『憲法とは何か』)で対抗するなどという段階は
とうに過ぎているようです。
また、いささかの自戒を込めてこうもいいます。ここまで
の変質を人々に論点として提起できなかったメディアは、
客観性にこだわり時流に埋没したと。確かに、民族自決
の原則など簡単に踏みにじり、自国の権益のために他
国を引きずり回すアメリカの横暴と独善を論難するハロ
ルド・ピンターの発言(『何も起こりはしなかった』)を自国
の首相に向ける英国のジャーナリズムの健全さに比べ
れば、その落差は明らかです。
英国といえば、イラク建国の母と呼ばれるガートルード
・ベルはかつてこう言ったそうです。「ここイラクのほんと
うのむずかしさは、(中略)戦争そのものではなく、戦争
が終わった後をどうするか、にあるのですが、(中略)わ
れわれに何ができるのか、私たちにはそれすらわからな
いのです。」(井野瀬久美惠『大英帝国という経験』)そん
なところに大軍を駐留させているアメリカとこれを支援す
る日本、そこでいったい何をしようとしているのでしょう
か。
最後に、著者に新書の執筆依頼をした岩波の見識に
改めて敬意を表します。
2016年4月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大事に保管してくださっていて、新刊同然でした。楽しく読了しました。有難うございました。
2012年3月7日に日本でレビュー済み
手にとりました。
モデルとなった西山氏は、どんなことを書いているのかに
興味がありました。
さすが記者らしい精緻な取材と分析力で、歴史的資料の価値が十分にあります。
ただし、現在の民主党の迷走ぶりと合わせて考えると
佐藤栄作はじめ歴代の自民党の総理大臣や官僚たちが
国民を騙しても、結果として、それしかなかった選択をしてきたのだと
感じてしまうのです。
私のような一般国民は、おろかにも鳩山氏の「県外移設」という言を
期待してしまった。
しかしそれは全くのでまかせだった。
「核抜き本土並み」というスローガンが、ウソだったとしても
もしアメリカと対等だというつもりで交渉していたら、沖縄はどうなっていたことか。
西山氏が反骨のジャーナリストだったことは、行間からもひしひしと感じる。
しかしながら、政治家ではない。
政治家は、10年も50年も100年も先を見通す目がなければならない。
今の政治家には、それがない。
密約など、沖縄返還に関しては、国民が知らないことがいろいろあるだろう。
それは、知らないのではなく、知りたくないことなのかもしれない。
今では国民的スターを幾人も輩出している「沖縄」
今こそ、沖縄のことをオールジャパンで考えなければならない。
モデルとなった西山氏は、どんなことを書いているのかに
興味がありました。
さすが記者らしい精緻な取材と分析力で、歴史的資料の価値が十分にあります。
ただし、現在の民主党の迷走ぶりと合わせて考えると
佐藤栄作はじめ歴代の自民党の総理大臣や官僚たちが
国民を騙しても、結果として、それしかなかった選択をしてきたのだと
感じてしまうのです。
私のような一般国民は、おろかにも鳩山氏の「県外移設」という言を
期待してしまった。
しかしそれは全くのでまかせだった。
「核抜き本土並み」というスローガンが、ウソだったとしても
もしアメリカと対等だというつもりで交渉していたら、沖縄はどうなっていたことか。
西山氏が反骨のジャーナリストだったことは、行間からもひしひしと感じる。
しかしながら、政治家ではない。
政治家は、10年も50年も100年も先を見通す目がなければならない。
今の政治家には、それがない。
密約など、沖縄返還に関しては、国民が知らないことがいろいろあるだろう。
それは、知らないのではなく、知りたくないことなのかもしれない。
今では国民的スターを幾人も輩出している「沖縄」
今こそ、沖縄のことをオールジャパンで考えなければならない。
2012年2月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
沖縄返還に係る事件の真相と、今後の日米同盟を読み解く手記。当時、僕は中学2年生で、沖縄の「核抜き本土並み」沖縄返還に、周りは祝賀ブームでした。
しかし、沖縄返還を巡って、このような密約があったこと。また、それが、現在の「思いやり予算」の原型となり、現在では沖縄の米軍移転交渉にまで引き継がれていることを考えると、西山太吉さんの訴えを否定することはできないと感じました。
当時の政治的密約報道が、男女の情事にすり替えられ、外交の影がかき消されたことを考えると、政権と権力に対する怒りと共に、日本の将来に対する不安を感じます。
結審した事件ですが、約30年の政治変遷を背景に、歴史の真実を明らかにしようとする新聞記者の意地を感じる手記です。
しかし、沖縄返還を巡って、このような密約があったこと。また、それが、現在の「思いやり予算」の原型となり、現在では沖縄の米軍移転交渉にまで引き継がれていることを考えると、西山太吉さんの訴えを否定することはできないと感じました。
当時の政治的密約報道が、男女の情事にすり替えられ、外交の影がかき消されたことを考えると、政権と権力に対する怒りと共に、日本の将来に対する不安を感じます。
結審した事件ですが、約30年の政治変遷を背景に、歴史の真実を明らかにしようとする新聞記者の意地を感じる手記です。
2014年1月4日に日本でレビュー済み
沖縄返還に伴い現在まで、核密約2件、非核三原則密約、米軍移転費用密約が明らかになっています。この著者は新聞記者で、このうちの米軍移転費用密約をすっぱ抜いたのですが、ある公務員の女性からそれを聞き出したということで、その両方で問題化され、裁判をしてこられた。かつての事務次官が『密約』はあったと発言し、アメリカの公文章にはその証拠が残っていて公表されているのに、日本の行政政府は、『ない』と言い続けてきた。調査委員会が作られ、検証されたが、それらの密約の存在を認め、また、状況証拠の段階で密約とは言えないとその密約についての其々の判定を出したが、その後その密約がどうなったかは皆目わからない、そのまま放置状態である。
秘密保護法は、こういう密約を保護するために、重い刑罰をかけ、漏れるのを防ごうとするものです。これから、アメリカとの集団的自衛権を憲法虫で進めるたまには、秘密扱いにし、厳重な取り扱いを図ることが、絶対に政権は必要なのです。憲法違反のことをどんどん進めるためには。
秘密保護法は、こういう密約を保護するために、重い刑罰をかけ、漏れるのを防ごうとするものです。これから、アメリカとの集団的自衛権を憲法虫で進めるたまには、秘密扱いにし、厳重な取り扱いを図ることが、絶対に政権は必要なのです。憲法違反のことをどんどん進めるためには。
2007年6月13日に日本でレビュー済み
沖縄密約を暴露させた本書著者・西山元記者は有罪判決を受けた。個人的には西山氏は無罪だと思うが、女と寝てネタを取り、自社媒体で発表せず野党議員に暴露させ、結果として情報源を守りきれなかった氏はジャーナリストの倫理に悖り、記者失格である。しかし、本書を読んで、優れた構想力のある記者だということがわかった。
佐藤首相の最大の公約だった沖縄返還を実現するため、田中、福田といった次世代の指導者が、返還交渉に参加する。その経過で、総額3兆円の買い戻し金が日本から米に流れた。これらの交渉の経緯は今に至っても日本側からはほとんど公開されていない。
米公文書館からはすでに7年前に密約が公開されているが、日本はいまだ密約を認めようとせず、外交文書もいまだ非公開。著者は「異常なる隠蔽体質」と批判するが、全く同感。30年以上経過した文書は過去のものといっていい。そんなものを隠し続け、歴史の検証を受けまいとする外務省には歴史を残す府としての存在意義がない。
後半の日米軍事再編のくだりは本文の趣旨とあまり関係ないような気もしたが、沖縄返還時に規定された沖縄に対する日米関係が今に至るまで続いているという点は理解した。
機密漏洩で有罪判決を受けたことを不当として、国を訴えた裁判の当事者でもあるため、著述が国に非常に苛烈になっているが、巨額の金が動いていた事実を理解するには、もっともわかりやすい。
佐藤首相の最大の公約だった沖縄返還を実現するため、田中、福田といった次世代の指導者が、返還交渉に参加する。その経過で、総額3兆円の買い戻し金が日本から米に流れた。これらの交渉の経緯は今に至っても日本側からはほとんど公開されていない。
米公文書館からはすでに7年前に密約が公開されているが、日本はいまだ密約を認めようとせず、外交文書もいまだ非公開。著者は「異常なる隠蔽体質」と批判するが、全く同感。30年以上経過した文書は過去のものといっていい。そんなものを隠し続け、歴史の検証を受けまいとする外務省には歴史を残す府としての存在意義がない。
後半の日米軍事再編のくだりは本文の趣旨とあまり関係ないような気もしたが、沖縄返還時に規定された沖縄に対する日米関係が今に至るまで続いているという点は理解した。
機密漏洩で有罪判決を受けたことを不当として、国を訴えた裁判の当事者でもあるため、著述が国に非常に苛烈になっているが、巨額の金が動いていた事実を理解するには、もっともわかりやすい。