特に印象的だったのが136Pの『食べ方がプアな日本人』と180Pの『エビの上流と下流』という本文です。最近の中国餃子問題に通じるものがあると思います。
物事の結果は、一側面ではなく「多面的な要因からくる」という良い証左だと思われます。現代日本における「現象」が世界に波及していく様相を「エビ」という食材を通じて非常にうまく表現されておられます。
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エビと日本人 2 (岩波新書 新赤版 1108) 新書 – 2007/12/20
村井 吉敬
(著)
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暮らしのなかのグローバル化
- ISBN-10400431108X
- ISBN-13978-4004311089
- 出版社岩波書店
- 発売日2007/12/20
- 言語日本語
- 本の長さ228ページ
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2007/12/20)
- 発売日 : 2007/12/20
- 言語 : 日本語
- 新書 : 228ページ
- ISBN-10 : 400431108X
- ISBN-13 : 978-4004311089
- Amazon 売れ筋ランキング: - 205,649位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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- - 984位岩波新書
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上位レビュー、対象国: 日本
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2008年3月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2012年5月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
前書『エビと日本人』(1988年)から約20年、テーマの状況はどう変わったのか。日本ではバブル景気とその崩壊。「失われた10年」と続いた。日本ではエビもバブルに乗ったが、その後「凋落」傾向。しかし、世界的にはエビの生産と消費は上昇気流。生産国としての中国の台頭、アメリカは2004年にエビの輸入量で日本を抜き一位に。そして、養殖エビが大隆盛。しかし、それとともにマングローブの破壊が進む。台湾ではウイルスの蔓延で養殖が崩壊。エビの種類ではブラックタイガーにとってかわってバナメイの生産が好まれる状況になった。そして2004年12月のスマトラ沖地震による津波が与えたエビ養殖地の甚大な被害。こうした激変の様子を伝えるのが本書である。
日本がエビの大量消費国であることに変わりはない。消費者はエビが生産国からどのような経路で自らの手元にたどりつくのか知っているのだろうか? その経路は実に複雑である。日雇い労働者⇒池の管理人⇒スーパーバイザー⇒池主⇒集買人⇒工場労働者⇒工場長⇒パッカー(加工・輸出業者)⇒(輸出)⇒商社・大手水産会社⇒荷受け(一次問屋)⇒仲卸(二次問屋)⇒鮮魚店・スーパー⇒消費者(p.180)。揚げ物を作ることすら面倒がるようになった日本消費者のゆえに、エビの加工も途上国労働者が担っている。そして、このような複雑な経路で輸入され、消費者に届くエビは安全な食品なのか?それが今わからなくなっている。
エビを食べ過ぎる国民は以下の諸点を自覚しなければならない。養殖エビは、環境にやさしくない。安全な食品とは断言できない。輸入に依存しすぎる(自給率の低下)。生産・加工国の労働事情を知るべきである。そして、グローバル化の行きすぎた進展。(以上pp.196-199)。
著者は引き続き現地調査からエビ生産の実情の新たな諸相を伝え、統計を更新し(水産物生産量、エビ生産量、養殖エビ生産量一位:中国[2005]、エビ輸入量一位:アメリカ[2005]、エビ一人当たり消費量一位:エストニア[2005])、20年間のエビを巡る環境の大きな変化を書きとめることに成功した。最後にエビのフェアトレードについて言及している点も新しい。
日本がエビの大量消費国であることに変わりはない。消費者はエビが生産国からどのような経路で自らの手元にたどりつくのか知っているのだろうか? その経路は実に複雑である。日雇い労働者⇒池の管理人⇒スーパーバイザー⇒池主⇒集買人⇒工場労働者⇒工場長⇒パッカー(加工・輸出業者)⇒(輸出)⇒商社・大手水産会社⇒荷受け(一次問屋)⇒仲卸(二次問屋)⇒鮮魚店・スーパー⇒消費者(p.180)。揚げ物を作ることすら面倒がるようになった日本消費者のゆえに、エビの加工も途上国労働者が担っている。そして、このような複雑な経路で輸入され、消費者に届くエビは安全な食品なのか?それが今わからなくなっている。
エビを食べ過ぎる国民は以下の諸点を自覚しなければならない。養殖エビは、環境にやさしくない。安全な食品とは断言できない。輸入に依存しすぎる(自給率の低下)。生産・加工国の労働事情を知るべきである。そして、グローバル化の行きすぎた進展。(以上pp.196-199)。
著者は引き続き現地調査からエビ生産の実情の新たな諸相を伝え、統計を更新し(水産物生産量、エビ生産量、養殖エビ生産量一位:中国[2005]、エビ輸入量一位:アメリカ[2005]、エビ一人当たり消費量一位:エストニア[2005])、20年間のエビを巡る環境の大きな変化を書きとめることに成功した。最後にエビのフェアトレードについて言及している点も新しい。
2013年11月10日に日本でレビュー済み
経済学者がエビを通して語るグローバル経済。
「エビと日本人」から20年。その間、日本人はエビを最も食べる国の座を追われた。作者は各国のエビの養殖場を訪ね、グローバル経済を現場から書いていく。
食品偽装でバナメイエビが大きな話題になっている現在。日本人は他国から安く食料を買っているうちに自分達の食べているものが何か分からなくなってしまっているのではないかと、この本を読んで感じた。
「エビと日本人」から20年。その間、日本人はエビを最も食べる国の座を追われた。作者は各国のエビの養殖場を訪ね、グローバル経済を現場から書いていく。
食品偽装でバナメイエビが大きな話題になっている現在。日本人は他国から安く食料を買っているうちに自分達の食べているものが何か分からなくなってしまっているのではないかと、この本を読んで感じた。
2010年3月22日に日本でレビュー済み
名古屋というと、海老フライというくらい、有名な海老好き。
伊勢海老の産地に近いからだろうか。
日本だけでなく、世界の話題にも触れているので、
海外での海老の展開についても興味を持った。
伊勢海老の産地に近いからだろうか。
日本だけでなく、世界の話題にも触れているので、
海外での海老の展開についても興味を持った。
2011年1月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「エビと日本人」が出版されてもう20年。
同じく岩波新書で出版された「バナナと日本人」とともに
大資本が上流から下流まで独占的に支配しているバナナと、地場の小規模産業が重層して国際的につながっているエビ。
同じく食のグローバルと言ってもいろいろな形態があるということに目を開かされた。
では、20年経った今、エビと日本人の食卓を結ぶ関係はどのように変化しているのか。
エビのグローバル化もさることながら日本人のエビ離れというのが意外であった。確かに本書で指摘されるように日本人のエビの食べ方というのは他の食文化に比べると多様性に欠けている。食べやすさを求める時代の流れにうまく適合したバナナとは対照的と言えようか。
エビは普段から食べる食材であるが、その背後にはすさまじいまでのグローバル化された世界が背景にあるということを改めて認識した。
台湾からインドネシア・インドへの養殖国の変化、バナメイエビの台頭などはスーパーに並ぶエビの表示からある程度は知っていた。
しかしバナメイエビの台頭に台湾の養殖業者が関わっているとは意外であった。エビのグローバル化は予想もしないところでも広がっている。
前著は日本の食のグローバル化というのが主たるテーマであったように思う。そして本書のテーマは環境破壊と格差であるように思えた。
今では日本の食卓が世界各国の産地と結びついていると言うことは常識の範疇だろう。
さらに進めて日本の食卓で消費される食材が現地でどのように作られ、どのような影響を与えているかを考えていくのがこれからの課題であるということだ。フェアトレードなど消費者の立場から生産国の環境を変えていこうという動きはエビの生産と消費にどのような影響を与えていくのか。マングローブを破壊し、薬品やエサによる汚染から使い捨てされる養殖池での生産を生態系を活かした持続可能な生産への移行は可能であるのか。旺盛なエビ消費欲を満足させるだけの生産量を確保できるのか。そもそもエビに限らず大量消費というあり方はどうなっていくのか。グローバル社会に深く組み込まれたエビを見つめることによってこれからの世界の行方についても考えをめぐらすことが出来る。
同じく岩波新書で出版された「バナナと日本人」とともに
大資本が上流から下流まで独占的に支配しているバナナと、地場の小規模産業が重層して国際的につながっているエビ。
同じく食のグローバルと言ってもいろいろな形態があるということに目を開かされた。
では、20年経った今、エビと日本人の食卓を結ぶ関係はどのように変化しているのか。
エビのグローバル化もさることながら日本人のエビ離れというのが意外であった。確かに本書で指摘されるように日本人のエビの食べ方というのは他の食文化に比べると多様性に欠けている。食べやすさを求める時代の流れにうまく適合したバナナとは対照的と言えようか。
エビは普段から食べる食材であるが、その背後にはすさまじいまでのグローバル化された世界が背景にあるということを改めて認識した。
台湾からインドネシア・インドへの養殖国の変化、バナメイエビの台頭などはスーパーに並ぶエビの表示からある程度は知っていた。
しかしバナメイエビの台頭に台湾の養殖業者が関わっているとは意外であった。エビのグローバル化は予想もしないところでも広がっている。
前著は日本の食のグローバル化というのが主たるテーマであったように思う。そして本書のテーマは環境破壊と格差であるように思えた。
今では日本の食卓が世界各国の産地と結びついていると言うことは常識の範疇だろう。
さらに進めて日本の食卓で消費される食材が現地でどのように作られ、どのような影響を与えているかを考えていくのがこれからの課題であるということだ。フェアトレードなど消費者の立場から生産国の環境を変えていこうという動きはエビの生産と消費にどのような影響を与えていくのか。マングローブを破壊し、薬品やエサによる汚染から使い捨てされる養殖池での生産を生態系を活かした持続可能な生産への移行は可能であるのか。旺盛なエビ消費欲を満足させるだけの生産量を確保できるのか。そもそもエビに限らず大量消費というあり方はどうなっていくのか。グローバル社会に深く組み込まれたエビを見つめることによってこれからの世界の行方についても考えをめぐらすことが出来る。
2017年9月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本人がエビをたべなくなったのは、コンビニ、チン文化であるのはわかりますが、その前に長期に冷凍保存され、また何度も解凍されてドリップしまくった美味しくないエビを食べさせられ事がのべられてないのは、なんでなんでしょう。宴会のオードブルで必ずのこるのは赤いエビでしょ。パサパサして(美味しくない)まずく、かつコスパが悪ければ、消費者は見向きもしませんよ。シドアルジョの熱泥はエビ養殖とは関係ないですよね、なんで、こんな事を挿入してくるのでしょうか?わけがわかりません。台湾の偉い先生がエビ養殖事業者は20−30あればいいとおっしゃていたそうですが、そんな事いうなんて信じられません。台湾のエビ養殖の負の部分が全面的に出てしまったがための発言かもしれません。それと、台湾ではブラックタイガーのあと、クルマエビこちらも病気にやられ、それからバナメイ、ハタとなり、クルマエビが病害にやられたことは伏せたのですか?それとも知らなかった。いずれにせよ、ちょこっとのヒアリングや1−2回の視察からは真実は見えてきません。でも大学先生で文才があれば、その先生が書いたものだとすれば、皆さん信じちゃうんでしょうね。怖い話です。
2011年11月22日に日本でレビュー済み
エビと日本人'に続く2もアジアを歩いて考える著者の姿勢が貫かれている。アジアと向き合いながら考える、その姿勢は一貫してぶれない。具体的なモノを通して国際関係、日本とアジアの関係を考える手法は
その後の多くの研究者にも影響を与えているようだ。
何よりもわかりやすい。誰もが一匹のエビを通してアジアの人たちと向き合える、その研究方法は小学生も夏休みの宿題に応用できる。研究の面白さを教えてくれるすばらしい著作である。
その後の多くの研究者にも影響を与えているようだ。
何よりもわかりやすい。誰もが一匹のエビを通してアジアの人たちと向き合える、その研究方法は小学生も夏休みの宿題に応用できる。研究の面白さを教えてくれるすばらしい著作である。
2007年12月22日に日本でレビュー済み
「バナナと日本人」以来、村井氏と故鶴見氏のグループの著作を幾つか読んできた。ある商品に焦点を当て 今風で言うと当該商品のSupply chainを描き出すことで見えてくるものがあるという「視点」は 今なお 学ぶべき点が多い点は 再度本書を読むことで再確認出来た。但し 幾つかの違和感も読後に残った。
一点目として 焦点がぼやけている部分がある。
例えば 本書の冒頭にインドネシアのスラバヤでの熱泥噴出の話が描かれているが これはエビとは基本的には関係が無い。著者が訪問したエビの養殖の場所の近くであった話で それが当該エビ養殖地に今後何か影響を与える可能性はあるが それは個別特有の話だと思う。
大きな意味で「エビから見えてくる」ものではないと僕は思うし そう思ってしまうと この部分が集中力をはぐらかしてしまうと感じた。
二点目としては 今後の全世界的な「食糧難」をどう考えるかという「視点」に欠けていると感じた点だ。
著者は 「エビの自給」という土俵は用意してきている。但し そもそも「エビ」という高級な食材はどちらかというと贅沢品に近い。
「贅沢品がどのような土台に立っているのか」という点においては 「バナナと日本人」以来 著者のグループの仕事は非常に勉強になるし それで見えてくるものがある。
但し ここ数年にだんだん見えてきた「食料戦争」は このような高級食材ではなく 穀物であり、それを支える水資源という より大きな問題を孕んでいる。その中で「エビ」をどう考えるか、どういう位置づけなのか という視点は 一枚入っていても良いのではないかと感じた。
今の日本は食物に関しては安心安全が最大の問題となっている。これは口に入れるものとして当然だ。
但し 「食の確保」という より大きな問題に どれほどの人が真剣に考えているのか。これは正直おぼつかない気がする。しかも その問題が発生したら あっという間であることは1993年の米騒動を思い出すまでもない。
著者は本書を インド洋の津波で始めている。津波の速さには怖ろしいものがあったが 食料問題は その数段の早さがあるのではないか。そういう視点も含んだ上で 日本の食のあり方を考える必要があると思う。その水平線上で エビがどう見えてくるのか。長年の愛読者の一人として 是非 著者にチャレンジして頂きたい課題だと思う。
一点目として 焦点がぼやけている部分がある。
例えば 本書の冒頭にインドネシアのスラバヤでの熱泥噴出の話が描かれているが これはエビとは基本的には関係が無い。著者が訪問したエビの養殖の場所の近くであった話で それが当該エビ養殖地に今後何か影響を与える可能性はあるが それは個別特有の話だと思う。
大きな意味で「エビから見えてくる」ものではないと僕は思うし そう思ってしまうと この部分が集中力をはぐらかしてしまうと感じた。
二点目としては 今後の全世界的な「食糧難」をどう考えるかという「視点」に欠けていると感じた点だ。
著者は 「エビの自給」という土俵は用意してきている。但し そもそも「エビ」という高級な食材はどちらかというと贅沢品に近い。
「贅沢品がどのような土台に立っているのか」という点においては 「バナナと日本人」以来 著者のグループの仕事は非常に勉強になるし それで見えてくるものがある。
但し ここ数年にだんだん見えてきた「食料戦争」は このような高級食材ではなく 穀物であり、それを支える水資源という より大きな問題を孕んでいる。その中で「エビ」をどう考えるか、どういう位置づけなのか という視点は 一枚入っていても良いのではないかと感じた。
今の日本は食物に関しては安心安全が最大の問題となっている。これは口に入れるものとして当然だ。
但し 「食の確保」という より大きな問題に どれほどの人が真剣に考えているのか。これは正直おぼつかない気がする。しかも その問題が発生したら あっという間であることは1993年の米騒動を思い出すまでもない。
著者は本書を インド洋の津波で始めている。津波の速さには怖ろしいものがあったが 食料問題は その数段の早さがあるのではないか。そういう視点も含んだ上で 日本の食のあり方を考える必要があると思う。その水平線上で エビがどう見えてくるのか。長年の愛読者の一人として 是非 著者にチャレンジして頂きたい課題だと思う。