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キリマンジャロの雪が消えていく: アフリカ環境報告 (岩波新書 新赤版 1208) 新書 – 2009/9/18
石 弘之
(著)
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購入オプションとあわせ買い
- ISBN-104004312086
- ISBN-13978-4004312086
- 出版社岩波書店
- 発売日2009/9/18
- 言語日本語
- 本の長さ233ページ
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2009/9/18)
- 発売日 : 2009/9/18
- 言語 : 日本語
- 新書 : 233ページ
- ISBN-10 : 4004312086
- ISBN-13 : 978-4004312086
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,110,930位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 3,340位岩波新書
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年9月16日に日本でレビュー済み
今から30年前、1988年に「地球環境報告」を発表し、その深刻な内容に度肝を抜かれた。10年後1998年に「地球環境報告2️⃣」、そして2009年に第3弾として「キリマンジャロの雪が消えていく」を発表。世界のあちこちに足を運び、丹念な取材を重ねている。著者石弘之氏は現在77歳。もうひと苦労願って、是非第4弾の発表を期待する❣️
2016年12月13日に日本でレビュー済み
キリマンジャロの山頂氷河が消えることも、チャド湖が消滅することも、地球規模の環境破壊よりも、大きな気候変動がなすことなんだなと言うのが読後の実感。
アフリカの場合はそれに膨大な人口爆発の圧力が掛かる。
アフリカの人々に、開発を止めさせることは出来ないし、人口急増により砂漠化は今後も急ピッチで進むだろう。
先進国の本気度が試される段階かも知れない。
アフリカの場合はそれに膨大な人口爆発の圧力が掛かる。
アフリカの人々に、開発を止めさせることは出来ないし、人口急増により砂漠化は今後も急ピッチで進むだろう。
先進国の本気度が試される段階かも知れない。
2009年10月3日に日本でレビュー済み
「『アフリカ』を語るとき、どうしても〈愛〉と〈憎〉がない交ぜになった複雑な感情がこもる。」
本の構成は次のようになっています。
まえがき
第1章 アフリカの豊かな自然
第2章 キリマンジャロの雪が消えていく
第3章 人口増加という名の時限爆弾
第4章 都市の二つの顔
第5章 干ばつか洪水か
第6章 呪われた天然資源
第7章 ブッシュミートと霊長類の危機
第8章 大西洋をわたるサハラ砂塵
第9章 カギをにぎる農業
第10章 どうするアフリカの環境
あとがき
「キリマンジャロの雪」の消滅は「地球温暖化説」、「急激な乾燥化」、「森林が開墾のために焼かれ」熱せられた空気の上昇、などが考えられているそうだ。
また、アフリカの豊かな天然資源が一部の政治的腐敗を招き、貧富の格差を拡大し、利権の奪い合いから紛争を誘発しているという。「現場に届かない援助」やソマリアの「海賊行為」は外国船による魚の略奪と汚染を守るために自力で外国漁船を追い払うために漁民が武装したことが背景にあったなど、駐アフリカ大使でないと分かり得ない物事の本質が鋭い切り口で述べられている。
石先生ほど、アフリカを愛しアフリカの為に働かれた日本人はいないと思う。「あとがき」に「これがアフリカに関する最後の著作になると思う。」と述べられていた。願わくは、いつまでもお元気でアフリカと日本のためにご活躍いただけることを思ってやみません。
本の構成は次のようになっています。
まえがき
第1章 アフリカの豊かな自然
第2章 キリマンジャロの雪が消えていく
第3章 人口増加という名の時限爆弾
第4章 都市の二つの顔
第5章 干ばつか洪水か
第6章 呪われた天然資源
第7章 ブッシュミートと霊長類の危機
第8章 大西洋をわたるサハラ砂塵
第9章 カギをにぎる農業
第10章 どうするアフリカの環境
あとがき
「キリマンジャロの雪」の消滅は「地球温暖化説」、「急激な乾燥化」、「森林が開墾のために焼かれ」熱せられた空気の上昇、などが考えられているそうだ。
また、アフリカの豊かな天然資源が一部の政治的腐敗を招き、貧富の格差を拡大し、利権の奪い合いから紛争を誘発しているという。「現場に届かない援助」やソマリアの「海賊行為」は外国船による魚の略奪と汚染を守るために自力で外国漁船を追い払うために漁民が武装したことが背景にあったなど、駐アフリカ大使でないと分かり得ない物事の本質が鋭い切り口で述べられている。
石先生ほど、アフリカを愛しアフリカの為に働かれた日本人はいないと思う。「あとがき」に「これがアフリカに関する最後の著作になると思う。」と述べられていた。願わくは、いつまでもお元気でアフリカと日本のためにご活躍いただけることを思ってやみません。
2014年9月17日に日本でレビュー済み
30年間アフリカを見続けてきた著者の、
新書ながら大変中身の濃い、重いレポート。
アフリカ大陸に迫り来る環境の脅威に対し
幾度と無く試みられてきた対策の多くが
ほとんど実を結ばなかった現実を冷徹に、そして
淡々とここまで書き連ねられると、読後感は正直きつい。
資源価格の高騰と、内需の成長によって、いよいよ
サブ・サハラ地域への注目が日本にも出てきたが
その出鼻をくじくような、2014年夏からのエボラ出血熱の流行。
本書で指摘されているように、引き続き光明は見えない・・・。
新書ながら大変中身の濃い、重いレポート。
アフリカ大陸に迫り来る環境の脅威に対し
幾度と無く試みられてきた対策の多くが
ほとんど実を結ばなかった現実を冷徹に、そして
淡々とここまで書き連ねられると、読後感は正直きつい。
資源価格の高騰と、内需の成長によって、いよいよ
サブ・サハラ地域への注目が日本にも出てきたが
その出鼻をくじくような、2014年夏からのエボラ出血熱の流行。
本書で指摘されているように、引き続き光明は見えない・・・。
2009年12月10日に日本でレビュー済み
日本以外の国についての概況の本を他にも読んできたけど、同書を読んだときほど、日本人でよかったと感想を持てることはなかった。
餓死することも、マラリアに感染することも、強制労働もないわけだし。
アフリカって国はって言われたら、資源が最初に来て次は車。
ランドなんか通貨もそう。
はっきりいて、資源や市場といった利益対象でしか見ていなかった。
同書を読んで、アフリカの悲惨な現状を知った。
先進国のしてきた援助が実際は逆の結果を産んできた。
例えば、エチオピアでは小麦の援助が行われてきたが、小麦は高熱でないと調理ができないので、そのために樹木が伐採される。
1940年代では国土に占める森林の割合が40%以上占めていたが、1960年に16%を割って現在では4%から2%ほどしかないという。
エチオピアは、国民の46%が栄養不足で毎年25万人の子どもが餓死している。
井戸を掘るとそこに移民が住み着くのだがその際に家畜によって砂漠化が進む。
砂漠化の原因の86%が人的要因でその56%が過放牧によるもの。
ヤギが飼われることが多い。ヤギは家畜の中でもっとも水不足に強いからだ。
しかし、ヤギは草を根から食べるため再生ができなくなる。
じゃあ何をすればいいのか?という話がだが10人の専門家で10通りの意見が出るほど決定打がない。それほど、アフリカの援助というのは難しい。
統計的観点からもアフリカの希望のなさはどう仕様も無いのがわかってくる。
ちなみに今度行われる、南アフリカでは10万人あたりの交通事故車が28人と世界2位で死亡原因のトップになっているそうだ。
餓死することも、マラリアに感染することも、強制労働もないわけだし。
アフリカって国はって言われたら、資源が最初に来て次は車。
ランドなんか通貨もそう。
はっきりいて、資源や市場といった利益対象でしか見ていなかった。
同書を読んで、アフリカの悲惨な現状を知った。
先進国のしてきた援助が実際は逆の結果を産んできた。
例えば、エチオピアでは小麦の援助が行われてきたが、小麦は高熱でないと調理ができないので、そのために樹木が伐採される。
1940年代では国土に占める森林の割合が40%以上占めていたが、1960年に16%を割って現在では4%から2%ほどしかないという。
エチオピアは、国民の46%が栄養不足で毎年25万人の子どもが餓死している。
井戸を掘るとそこに移民が住み着くのだがその際に家畜によって砂漠化が進む。
砂漠化の原因の86%が人的要因でその56%が過放牧によるもの。
ヤギが飼われることが多い。ヤギは家畜の中でもっとも水不足に強いからだ。
しかし、ヤギは草を根から食べるため再生ができなくなる。
じゃあ何をすればいいのか?という話がだが10人の専門家で10通りの意見が出るほど決定打がない。それほど、アフリカの援助というのは難しい。
統計的観点からもアフリカの希望のなさはどう仕様も無いのがわかってくる。
ちなみに今度行われる、南アフリカでは10万人あたりの交通事故車が28人と世界2位で死亡原因のトップになっているそうだ。
2010年2月21日に日本でレビュー済み
環境をテーマにしていますが、単にエコロジーに関することだけではなく、広義にアフリカ大陸の地理・地形、背景となる歴史、動植物の保護、貧困にあえぐ庶民の暮らし(衣食住、飢餓、病気、風習)、資源、行政、腐敗政治、国際支援のあり方といった幅広い話題を展開しています。
アフリカをテーマに様々な緊急問題を提起したものであり、それらを裏付ける具体的な数値データとともに、まずはグロスで課題を発掘するものです。
新書ですが、読み応えは十分にあり、アフリカが抱える複雑な諸問題に対して、地球規模に亘る問題意識を高め、強い思いで考えさせられます。
混沌からひとつの事象がトリガーとなり、それがスパイラルに絡み合いつつ、どんどんと深みにはまり込んでしまうという悪循環を繰り返すというものの流れを強く感じます。
根源は、先進国がアフリカに介入したことにより、近代文化を継承するナレッジを急速に提供し、そのことによりマズローの法則にあるがごとく、様々な欲求が生まれたように感じます。
そういった煩悩により、格差が生じ、利権が幅を利かせる一方で、それを照らし合わせてみようとする行為により、悪い方へと向かうという終端の見えないトンネルに入り込んでしまっているようです。
自助自立でゆっくりとした時間をかけて国民の平均的な成長を促しながら、国が成り立てば、高度経済成長へと向かっていったのかもしれません。
先進国がアフリカの脅威による影響を受けることに気が付いて、援助という形で介入しても、それは、援助という”見栄えのふり”をしているだけで、必ずしも”真”の援助ではないということが本書を通じてよく理解できます。
タイトルにある”キリマンジャロの雪が消えていく ”・・・それは、なぜか。
どうしてそういう現象が起きるのかということをよく考えなければならない。
アフリカは日本から遠く離れた大陸だから大丈夫であるというのでは済まされない。
砂漠化が進めば森林が減り酸素が減る、酸性雨、地球温暖化を加速することにより様々な影響、食糧の自給率40%では海外依存が高いがそれらは汚染されていないか、ウィルスによる不治の病気蔓延、害虫発生、海賊などの犯罪行為、利権争いなどなど、今まさしく、人類が一丸となって考えるべく緊急課題だということがよく分かります。
アフリカをテーマに様々な緊急問題を提起したものであり、それらを裏付ける具体的な数値データとともに、まずはグロスで課題を発掘するものです。
新書ですが、読み応えは十分にあり、アフリカが抱える複雑な諸問題に対して、地球規模に亘る問題意識を高め、強い思いで考えさせられます。
混沌からひとつの事象がトリガーとなり、それがスパイラルに絡み合いつつ、どんどんと深みにはまり込んでしまうという悪循環を繰り返すというものの流れを強く感じます。
根源は、先進国がアフリカに介入したことにより、近代文化を継承するナレッジを急速に提供し、そのことによりマズローの法則にあるがごとく、様々な欲求が生まれたように感じます。
そういった煩悩により、格差が生じ、利権が幅を利かせる一方で、それを照らし合わせてみようとする行為により、悪い方へと向かうという終端の見えないトンネルに入り込んでしまっているようです。
自助自立でゆっくりとした時間をかけて国民の平均的な成長を促しながら、国が成り立てば、高度経済成長へと向かっていったのかもしれません。
先進国がアフリカの脅威による影響を受けることに気が付いて、援助という形で介入しても、それは、援助という”見栄えのふり”をしているだけで、必ずしも”真”の援助ではないということが本書を通じてよく理解できます。
タイトルにある”キリマンジャロの雪が消えていく ”・・・それは、なぜか。
どうしてそういう現象が起きるのかということをよく考えなければならない。
アフリカは日本から遠く離れた大陸だから大丈夫であるというのでは済まされない。
砂漠化が進めば森林が減り酸素が減る、酸性雨、地球温暖化を加速することにより様々な影響、食糧の自給率40%では海外依存が高いがそれらは汚染されていないか、ウィルスによる不治の病気蔓延、害虫発生、海賊などの犯罪行為、利権争いなどなど、今まさしく、人類が一丸となって考えるべく緊急課題だということがよく分かります。
2013年9月18日に日本でレビュー済み
題名から想像されるような、環境ファシストの本ではない。その点は安心して読むことができる。副題の「アフリカ環境報告」にしても、付け間違えたとさえ言える。むしろ、経済、産業、環境についての全般的で良質なアフリカレポートである。アフリカの現状について知りたいと思った奇特な人が、まず手に取って読んでも分かりやすいと思う。ただし、歴史や政治についての話題は少ない。
それにしても、アフリカの未来は暗い。ほとほと暗いことを納得させられる。貧困、人口圧、環境汚染、政治腐敗、内戦、資源搾取が、これ以上ないほど強固な悪循環を回し続けている。「尻尾から食われる」という「人間の安全保障」が担保されていない見本市を見ることができる。アフリカに生まれなくて良かった、と胸をなで下ろす。いや、本当にそう思う。
農業を基幹産業とするアフリカでは、子どもは一人でも多い方が良い。エイズは蔓延し、相変わらず出産には危険が伴うにもかかわらず、アフリカの人口は増え続け、減り始めるのは今世紀末のことだという(P.61)。しかし、人口圧は、環境汚染、都市のスラム化を引き起こし、疫病の温床ともなる。また、歴史的経緯から、極めて脆弱な農業環境、住環境におかれているため、わずかの気候変化で、容易に餓死する。アフリカには豊富な生物資源、地下資源が眠っているが、これを外資企業が搾取し、その利権を巡って、内戦や独裁者支配がむしろ維持される。これがいずれも貧困の原因となる。
結局、何一つ、変えられない。「国際社会には、……「援助疲れ」の焦燥感が充満する」(P.200)。そして曰く、「サハラ以南アフリカに関しては、現状が改善されるよりも悪化する可能性の方がはるかに高い」、と(P.213)。それが証拠か、全部で10章仕立ての本書のうち、1章〜8章までが現状評価、展望は9章と10章のみである。
もちろん、こうすればアフリカの未来は明るいですよ、みたいな、まやかしの解決策を捏造するより、よほど良心的である。民間出身とは言え、ザンビアで大使まで勤めたのだから、さすがにそんなウソはつけないのだろう。「これからも、さまざまな試行錯誤を繰り返しながら、人智を尽くした総力戦を展開するしかない」と丸投げするのが精一杯だ(P.225)。
六十年代、アフリカはおおむね食糧が自給自足しており、むしろアジアこそ慢性的な食糧部不足だった(P.185)。それが、半世紀を経て、見事に立場が逆転した(P.182)。何が違っていたのだろうか。あるいは、何を間違えたのだろうか。
それにしても、アフリカの未来は暗い。ほとほと暗いことを納得させられる。貧困、人口圧、環境汚染、政治腐敗、内戦、資源搾取が、これ以上ないほど強固な悪循環を回し続けている。「尻尾から食われる」という「人間の安全保障」が担保されていない見本市を見ることができる。アフリカに生まれなくて良かった、と胸をなで下ろす。いや、本当にそう思う。
農業を基幹産業とするアフリカでは、子どもは一人でも多い方が良い。エイズは蔓延し、相変わらず出産には危険が伴うにもかかわらず、アフリカの人口は増え続け、減り始めるのは今世紀末のことだという(P.61)。しかし、人口圧は、環境汚染、都市のスラム化を引き起こし、疫病の温床ともなる。また、歴史的経緯から、極めて脆弱な農業環境、住環境におかれているため、わずかの気候変化で、容易に餓死する。アフリカには豊富な生物資源、地下資源が眠っているが、これを外資企業が搾取し、その利権を巡って、内戦や独裁者支配がむしろ維持される。これがいずれも貧困の原因となる。
結局、何一つ、変えられない。「国際社会には、……「援助疲れ」の焦燥感が充満する」(P.200)。そして曰く、「サハラ以南アフリカに関しては、現状が改善されるよりも悪化する可能性の方がはるかに高い」、と(P.213)。それが証拠か、全部で10章仕立ての本書のうち、1章〜8章までが現状評価、展望は9章と10章のみである。
もちろん、こうすればアフリカの未来は明るいですよ、みたいな、まやかしの解決策を捏造するより、よほど良心的である。民間出身とは言え、ザンビアで大使まで勤めたのだから、さすがにそんなウソはつけないのだろう。「これからも、さまざまな試行錯誤を繰り返しながら、人智を尽くした総力戦を展開するしかない」と丸投げするのが精一杯だ(P.225)。
六十年代、アフリカはおおむね食糧が自給自足しており、むしろアジアこそ慢性的な食糧部不足だった(P.185)。それが、半世紀を経て、見事に立場が逆転した(P.182)。何が違っていたのだろうか。あるいは、何を間違えたのだろうか。
2009年10月20日に日本でレビュー済み
タイトルからすると温暖化などの自然環境の問題を論じているような印象を抱かれるかもしれないが、本書は単なる「環境報告」ではなく、自然破壊・生態系破壊の問題と、アフリカ各国の社会・政治の問題が複雑に絡み合い、相互に作用する現状を見事に描き出したものである。同著者による岩波新書『地球環境報告』『地球環境報告2』を読んだときもそうだったが著者による「報告」の内容には相変わらず戦慄を禁じえない。現状の「報告」にとどまり、明確な処方箋が提示されるわけではないことも絶望感を促進する一つの理由であろう。
本書が示すようにアフリカの問題はあまりにも深刻だ。温暖化、人口増加、土地不足、農村から都市への大量流入とスラムの形成、干ばつと洪水、天然資源を巡る紛争、資金源や食料として乱獲される野生動物の危機的状況、森林破壊や土地の酷使が促進する砂漠化・・・。問題がさらなる問題を呼び込み、相互に促進しあうようなこの悪循環をどう断ち切ればいいのだろうか?著者は本書の「あとがき」において、「貧困や環境破壊の大波に翻弄されるアフリカを救い出す特効薬は、これまでのところ、見つかっていない。たぶん、そうしたものはないのだろう。」とまで言う。おそらく著者の仕事は、安易な処方箋を出すことではなく、アフリカの問題の深刻さを示し、危機感を共有させることにあるのだろう。安易な処方箋は危機感を損なうばかりか、実際に本書の各所に紹介されている事例のように、さらなる問題を引き起こしてきたのである。
著者のアフリカへの思いに感じ入るとともに、本書ができるだけ多くの人に読まれ、今日のアフリカの深刻さを認識し、危機感を共有することを願ってやまない。
本書が示すようにアフリカの問題はあまりにも深刻だ。温暖化、人口増加、土地不足、農村から都市への大量流入とスラムの形成、干ばつと洪水、天然資源を巡る紛争、資金源や食料として乱獲される野生動物の危機的状況、森林破壊や土地の酷使が促進する砂漠化・・・。問題がさらなる問題を呼び込み、相互に促進しあうようなこの悪循環をどう断ち切ればいいのだろうか?著者は本書の「あとがき」において、「貧困や環境破壊の大波に翻弄されるアフリカを救い出す特効薬は、これまでのところ、見つかっていない。たぶん、そうしたものはないのだろう。」とまで言う。おそらく著者の仕事は、安易な処方箋を出すことではなく、アフリカの問題の深刻さを示し、危機感を共有させることにあるのだろう。安易な処方箋は危機感を損なうばかりか、実際に本書の各所に紹介されている事例のように、さらなる問題を引き起こしてきたのである。
著者のアフリカへの思いに感じ入るとともに、本書ができるだけ多くの人に読まれ、今日のアフリカの深刻さを認識し、危機感を共有することを願ってやまない。