医療・教育・安全保障といった分野を
市場原理に任せてしまった米国の負の
部分にスポットライトをあてた作品。
前作のテーマを引き継ぎながら
オバマ大統領就任後の動きを追っている。
学資ローンによる借金地獄の実態のレポートは、
この国の将来を心配させるのに充分である。
多くの若者を破産者に追いやる、学資ローン業界の
独占企業サリーメイのCEOの年棒は450億円だった。
また不況の中では大卒や大学院卒でも、
希望する頭脳労働職にはほとんど就けない実態
もレポートしている。
アメリカで最も多い破産の理由は「医療費」
国民皆保険制度の創出を掲げたオバマ大統領で
あったが前途は多難、保険ビジネスに有利に
働くような代替案に替わろうとしている。
恐ろしい勢いで民営化していく刑務所でも、
借金地獄が待っている。
インドなど人件費の安い海外よりも
良質で安価な労働力を米国の刑務所は
供給し始めているようだ。
ロシアや中国より多い人口当たりの受刑者多いでは
刑務所があらたなビジネスとして注目されているが、
とても健全とは思えないシステムだ。
圧倒的に強力な大国もどうやら全員が
幸せな国では無いようだ。
自由の名の下の人権侵害がこの国では
行われているのではないだろうか?
陽の部分に対するスポットライトは当てられていなく
偏向しているという意見もあるが、
国家システムの設計で米国追従を無意識に行っている
日本においての未来予想のソース、
また、このような負の部分が入ってくるのを容認できますか?
という価値観を問うソースとしては有用かと思う。
我々はどう考え、行動していかなければいけないかの
政権交代後も「チェンジ」しない米国の事例を踏まえながら提言している。
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ルポ 貧困大国アメリカ II (岩波新書) (岩波新書 新赤版 1225) 新書 – 2010/1/21
堤 未果
(著)
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購入オプションとあわせ買い
経済危機後のアメリカでは、社会の底割れが加速している。職がないにもかかわらず、学資ローンに追い立てられる若者たち。老後の生活設計が崩れ、絶望の淵に立たされた高齢者たち。いまや中間層の没落が進んでいるのではないか。オバマ登場で状況は変わるのか。人びとの肉声を通して、アメリカの今をビビッドに切り出すルポの第二弾。
- ISBN-104004312256
- ISBN-13978-4004312253
- 出版社岩波書店
- 発売日2010/1/21
- 言語日本語
- 寸法10.5 x 1 x 17.5 cm
- 本の長さ224ページ
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2010/1/21)
- 発売日 : 2010/1/21
- 言語 : 日本語
- 新書 : 224ページ
- ISBN-10 : 4004312256
- ISBN-13 : 978-4004312253
- 寸法 : 10.5 x 1 x 17.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 32,962位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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堤 未果(つつみ みか)
ジャーナリスト、東京生まれ。ニューヨーク市立大学大学院で修士号取得。2006年『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命』で黒田清日本ジャーナリスト会議新人賞を受賞。2008年『ルポ 貧困大国アメリカ』で日本エッセイスト・クラブ賞、新書大賞を受賞。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年10月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2011年11月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自分が持っているアメリカの豊かさのイメージは、映画ETの冒頭で、家電が完璧に揃った居心地の良い家で家族がゲームや食事などに楽しく興じていて、家の前は広い庭があって、日本の15坪ぐらいの敷地の家とは大違い、アメリカ人はみんなこんな豊かな暮らしをしているのだ、かなう訳がないと子供心に言い知れぬ劣等感を抱いたものだ。
しかし、今や失業率は公式発表だけで9%を超え、1年以上失業していると失業給付は打ち切りになるから、潜在的な失業率は15%を超えるともいわれる。相対的には、失業率が5%を下回る日本の方がまだましというとんでもない状態に2010年代のアメリカは陥っている。
仕事があり、家があり、借金は少なく、家族がいて、子供がいてという当たり前のことが、多くのアメリカ人において実現されていない。大学の学費は値上げを続け、年に500万円も学費がかかることはざらである。それを年利18%の独占企業が学資ローンで学生を雁字搦めにし、卒業後職を見つけられない学生は、半年後から延滞が始まり、雪だるま式に借金が増え、更に自己破産も法律により認められていない。粋地獄とはこのことではないか。
刑務所は、今や多くが民営化され、懲役囚は自給30セントではたらき、刑務所内での嗜好品や生活必需品は市場価格での2倍で買う選択肢しかなく、働けど、借金が膨らんでいく。
ぞっとする話だが、この本に書かれていることである。日本が病んでいる以上にアメリカも相当病んでいる。来年の大統領選は貧困が大きな焦点になるのではないか。
参考になった記述は以下の通り、
→自分にとってあまり気分の良くない結論
問題は、オバマが反戦派で市民の味方だという私たちの思い込みの方だった
→国内には
4200万人の飢餓人口
4700万人の無保険者
1500万人が職にあぶれ、
1000万人が家を差し押さえられそうになっている
財界へ流れた分と戦争予算のしわ寄せを受けて拡大する国内の貧困と失業者
→ある日突然「金利が7.9%から32.88%に上がります」という通知を受け取る人が急増している
→現在の実態失業率は戦後最悪の17.5%
→アメリカの国民は恐怖にコントロールされている
「共産主義への恐怖」
「テロや凶悪犯罪への恐怖」
権利を持たない囚人の賃金が下げられることで、国内の他の労働者がしわ寄せを受ける
しかし、今や失業率は公式発表だけで9%を超え、1年以上失業していると失業給付は打ち切りになるから、潜在的な失業率は15%を超えるともいわれる。相対的には、失業率が5%を下回る日本の方がまだましというとんでもない状態に2010年代のアメリカは陥っている。
仕事があり、家があり、借金は少なく、家族がいて、子供がいてという当たり前のことが、多くのアメリカ人において実現されていない。大学の学費は値上げを続け、年に500万円も学費がかかることはざらである。それを年利18%の独占企業が学資ローンで学生を雁字搦めにし、卒業後職を見つけられない学生は、半年後から延滞が始まり、雪だるま式に借金が増え、更に自己破産も法律により認められていない。粋地獄とはこのことではないか。
刑務所は、今や多くが民営化され、懲役囚は自給30セントではたらき、刑務所内での嗜好品や生活必需品は市場価格での2倍で買う選択肢しかなく、働けど、借金が膨らんでいく。
ぞっとする話だが、この本に書かれていることである。日本が病んでいる以上にアメリカも相当病んでいる。来年の大統領選は貧困が大きな焦点になるのではないか。
参考になった記述は以下の通り、
→自分にとってあまり気分の良くない結論
問題は、オバマが反戦派で市民の味方だという私たちの思い込みの方だった
→国内には
4200万人の飢餓人口
4700万人の無保険者
1500万人が職にあぶれ、
1000万人が家を差し押さえられそうになっている
財界へ流れた分と戦争予算のしわ寄せを受けて拡大する国内の貧困と失業者
→ある日突然「金利が7.9%から32.88%に上がります」という通知を受け取る人が急増している
→現在の実態失業率は戦後最悪の17.5%
→アメリカの国民は恐怖にコントロールされている
「共産主義への恐怖」
「テロや凶悪犯罪への恐怖」
権利を持たない囚人の賃金が下げられることで、国内の他の労働者がしわ寄せを受ける
2014年11月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これが、資本主義社会の現実であるが、我が国の貧困率=約16%という数字を考えると、決して他人事ではない。
無知(知ろうと知らない)。 学歴(資格)だけあればという甘い予測。 自分だけは、大丈夫(他人とは違う)っていう幻想が、カモの元。 卒業証明書(合格書)は、所詮唯の紙切れに過ぎない。 キャリア(経験)が、なければよね。
無間地獄(貧乏人は、何時まで経っても貧困人、金持ちも、しかり)から脱け出すことは、永遠に無理なのか? 例え、どんな仕事にも這い上がるチャンスはある。 自ら学ばない者には見えない&活かせない。
チェンジは待つものではなく起こすものだという人々が、リーダーに丸投げする代わりに自らのビジョンを描き、未来を創るプロセスに参加し始めた時、真のチェンジは訪れるのだろう(210P)。
国は一、ニ度の政権交代では変わらない。 国民の判断で、その洗礼を繰り返し受けることで初めて、政治も社会も成熟してゆくのです。 本当の絶望は、国民が声をあげなくなった時にやってくる。 民主主義はしくみではなく、人なのだ(215P)。
不平等の皺寄せは、全て弱者に(若年者&年配者&低所得者)。 ただ、弱者には、弱者の戦略がある。 One for all,all for one(一人はみんなのために、みんなは一人のために)。 Yes we can!
魑魅魍魎の跋扈する永田町に、新風を。
無知(知ろうと知らない)。 学歴(資格)だけあればという甘い予測。 自分だけは、大丈夫(他人とは違う)っていう幻想が、カモの元。 卒業証明書(合格書)は、所詮唯の紙切れに過ぎない。 キャリア(経験)が、なければよね。
無間地獄(貧乏人は、何時まで経っても貧困人、金持ちも、しかり)から脱け出すことは、永遠に無理なのか? 例え、どんな仕事にも這い上がるチャンスはある。 自ら学ばない者には見えない&活かせない。
チェンジは待つものではなく起こすものだという人々が、リーダーに丸投げする代わりに自らのビジョンを描き、未来を創るプロセスに参加し始めた時、真のチェンジは訪れるのだろう(210P)。
国は一、ニ度の政権交代では変わらない。 国民の判断で、その洗礼を繰り返し受けることで初めて、政治も社会も成熟してゆくのです。 本当の絶望は、国民が声をあげなくなった時にやってくる。 民主主義はしくみではなく、人なのだ(215P)。
不平等の皺寄せは、全て弱者に(若年者&年配者&低所得者)。 ただ、弱者には、弱者の戦略がある。 One for all,all for one(一人はみんなのために、みんなは一人のために)。 Yes we can!
魑魅魍魎の跋扈する永田町に、新風を。
2015年1月16日に日本でレビュー済み
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アメリカに住み、ある程度勉強した人が書いたと思う。知らないことが多く、参考になるが、、だから何を言いたいのかが分からない。
単にアメリカは日本から見ているような素晴らしい国ではないと言いたいだけなら暴露本に過ぎない。
単にアメリカは日本から見ているような素晴らしい国ではないと言いたいだけなら暴露本に過ぎない。
2016年5月29日に日本でレビュー済み
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期待のオバマ大統領になっても
社会福祉は、改革されなかった。
貧富の差は拡大題して集中してしまった。
日本も同様。
社会福祉は、改革されなかった。
貧富の差は拡大題して集中してしまった。
日本も同様。
2014年6月25日に日本でレビュー済み
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民営化や自由競争というものの恐ろしさがよくわかる。
すべてが金で動くようになり、どこもかしこも人の足元を見て搾取する/される社会となってしまう。
誰も好き好んでけがや病気を追うわけではないが、民営化・自由競争の結果、治療費で破産する世の中となってしまう。
病院は治療費と吊り上げ、保険会社は保険金を極力払わない努力をするため。
刑務所を民営化した結果、刑務所の中で信じがたい薄給で民間会社の労働をさせられることとなる。
刑務所の中では逃げることも不可能。そして人々が些細なことで刑務所に送られる社会ができあがる。
大企業がタダに近い労働力を求め、政治家に圧力をかけるため。
先日の児童ポルノ法改正による単純所持禁止も、まさにこのために布石と思われる。
安倍政権や維新の会、橋下徹大阪市長が目指す社会がどのようなものか。
知りたい人は必読。99%の人を奴隷とする「地獄」としか言いようがない。
すべてが金で動くようになり、どこもかしこも人の足元を見て搾取する/される社会となってしまう。
誰も好き好んでけがや病気を追うわけではないが、民営化・自由競争の結果、治療費で破産する世の中となってしまう。
病院は治療費と吊り上げ、保険会社は保険金を極力払わない努力をするため。
刑務所を民営化した結果、刑務所の中で信じがたい薄給で民間会社の労働をさせられることとなる。
刑務所の中では逃げることも不可能。そして人々が些細なことで刑務所に送られる社会ができあがる。
大企業がタダに近い労働力を求め、政治家に圧力をかけるため。
先日の児童ポルノ法改正による単純所持禁止も、まさにこのために布石と思われる。
安倍政権や維新の会、橋下徹大阪市長が目指す社会がどのようなものか。
知りたい人は必読。99%の人を奴隷とする「地獄」としか言いようがない。
2013年6月17日に日本でレビュー済み
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本書を読んで思ったのは、今まさにアベを中心とする保守勢力が目指そうとしている日本の国の姿を重ねて見ていることでした。「公から民へ」のスローガンのもと、日本の保険、年金、医療が危機にさらせれている。そしてその施策が実現した時の国の姿と苦しむ国民の姿が本著に描かれているアメリカにある。
まだ顕在化していない問題も含め、いかに日本がアメリカの後を追っているか、本著のテーマを見ただけでも明らかだろう。
奨学金返還問題、高騰する医療費、荒廃する医療現場、年金、失業、非正規従業員の増加、肥大化する警察と軍隊、温存される官僚組織と癒着する企業、、、。まさに「アメリカ」を「日本」と言い換えればそのまま通用するのではないか。
本ルポを読んで、常に覚えておかなくてはならないいくつかのフレーズを次に記す。
「過度な市場原理が支配する社会では、政治と企業はとても仲が良い。」
「、、、目を開いてみるのです。政府はいったい、だれのための政治をやっているのか?自分自身に問うのです。いったい孫たちに残したい未来は、本当にこんな形なのか」
「取材中、多くのアメリカ国民の口から出た、「チェンジという言葉に熱狂し、選挙後は政治に背を向けてしまった」「前政権の時ほどに、矛盾を追及しなくなってしまった」などの言葉は、アメリカのあとを追って同じように政権交代を果たした日本の私たちにとっても、決して他人事ではないだろう。」
「世界を飲み込もうとしているのは、「キャピタリズム(資本主義)」よりむしろ、「コーポラティズム(政府と企業の癒着主義)」のほうだろう。」
「いちばんこわいものはテロリストでも大不況でもなく、いつの間にか私たちがいろいろなことに疑問を持つのをやめ、気づいた時には声すら自由に出せない社会が作られてしまうことのほうかもしれません」
本著は2009年の著作であり、2011年の3.11大震災、原発事故の前に書かれている。 また、民主党政権が瓦解する前だ。2013年の今、この本を読んでいると、特に情報操作という点とコーポラティズムという点で著者の危惧が現実のものになりかけていることに愕然とする。「目を開いて」権力を監視しなくてはならない。
まだ顕在化していない問題も含め、いかに日本がアメリカの後を追っているか、本著のテーマを見ただけでも明らかだろう。
奨学金返還問題、高騰する医療費、荒廃する医療現場、年金、失業、非正規従業員の増加、肥大化する警察と軍隊、温存される官僚組織と癒着する企業、、、。まさに「アメリカ」を「日本」と言い換えればそのまま通用するのではないか。
本ルポを読んで、常に覚えておかなくてはならないいくつかのフレーズを次に記す。
「過度な市場原理が支配する社会では、政治と企業はとても仲が良い。」
「、、、目を開いてみるのです。政府はいったい、だれのための政治をやっているのか?自分自身に問うのです。いったい孫たちに残したい未来は、本当にこんな形なのか」
「取材中、多くのアメリカ国民の口から出た、「チェンジという言葉に熱狂し、選挙後は政治に背を向けてしまった」「前政権の時ほどに、矛盾を追及しなくなってしまった」などの言葉は、アメリカのあとを追って同じように政権交代を果たした日本の私たちにとっても、決して他人事ではないだろう。」
「世界を飲み込もうとしているのは、「キャピタリズム(資本主義)」よりむしろ、「コーポラティズム(政府と企業の癒着主義)」のほうだろう。」
「いちばんこわいものはテロリストでも大不況でもなく、いつの間にか私たちがいろいろなことに疑問を持つのをやめ、気づいた時には声すら自由に出せない社会が作られてしまうことのほうかもしれません」
本著は2009年の著作であり、2011年の3.11大震災、原発事故の前に書かれている。 また、民主党政権が瓦解する前だ。2013年の今、この本を読んでいると、特に情報操作という点とコーポラティズムという点で著者の危惧が現実のものになりかけていることに愕然とする。「目を開いて」権力を監視しなくてはならない。
2015年11月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
米国の貧困化を暴き出すシリーズの第二段です。
前作が経済徴兵制へ向かう動きを捉えていたのに対して、本作
では経済懲役制とでも言える流れを捉えています。
米国の貧困状況を伝えるに当たっては、前作よりもポイントを絞
り、深掘りしてくれます。
取り上げられるのは、学資ローン、社会保障、医療保険、そして
刑務所です。
愈々以て、資本主義と民主主義の妥協の成れの果ての凄まじさを
見せつけられます。
資本が遂に、自国民の中産階級以下を食い物にして行く所まで来
てしまいました。
新自由主義以降の流れに追随している日本としては、幾ら何で
も、そこまで酷くならないように、心して置かねばなりません。
前作が経済徴兵制へ向かう動きを捉えていたのに対して、本作
では経済懲役制とでも言える流れを捉えています。
米国の貧困状況を伝えるに当たっては、前作よりもポイントを絞
り、深掘りしてくれます。
取り上げられるのは、学資ローン、社会保障、医療保険、そして
刑務所です。
愈々以て、資本主義と民主主義の妥協の成れの果ての凄まじさを
見せつけられます。
資本が遂に、自国民の中産階級以下を食い物にして行く所まで来
てしまいました。
新自由主義以降の流れに追随している日本としては、幾ら何で
も、そこまで酷くならないように、心して置かねばなりません。