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グランドツアー――18世紀イタリアへの旅 (岩波新書) 新書 – 2010/9/18

3.9 5つ星のうち3.9 14個の評価

折しもポンペイ遺跡発見の頃、ヨーロッパ中の知識人や芸術家が馬車にゆられてアルプスを越え、ローマを、ナポリを、ヴェネツィアを目指した。〈観光旅行〉のはじまりともいうべき旅のなかで、彼らを魅了した人、自然、遺跡、そして芸術とは? ゲーテの『イタリア紀行』で知られる当時のイタリアを、疾走感とともに描く。(カラー口絵4頁)
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 岩波書店 (2010/9/18)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2010/9/18
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 新書 ‏ : ‎ 256ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4004312671
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4004312673
  • カスタマーレビュー:
    3.9 5つ星のうち3.9 14個の評価

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岡田 温司
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上位レビュー、対象国: 日本

2015年4月3日に日本でレビュー済み
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本書のテーマは、イタリアから見た「グランドツアー」。著者はイタリア美術史および思想史の研究者である岡田温司氏。

著者による定義によれば、「グランドツアー」とは、「イギリスの支配階級や貴族の子弟たちが、教育の最後の仕上げとして体験することになる、比較的長い期間(数ヶ月から場合によっては二年間程度まで)のイタリア旅行」。本書のアプローチは、それをイタリアへの旅行者の視点からだけでなく、受け入れ先であるイタリア側の視点もからめて見てみよう、というもの。
とはいえ、当たり前のことではあるけれど、記録を残すのはふつう現地人ではなく旅行者の方です。したがって本書ではイタリア側の視点といっても、じっさいには旅行者を見るイタリア人の眼差しにさほど重点が置かれないので注意が必要。

また上記のように、本来「グランドツアー」はイギリス上流階級の人々による旅を指します。けれども本書の副題に「18世紀イタリアへの旅」とあるように、本書ではイギリスからの旅行者にとどまらず、ほかの国々からの旅行者の姿も描かれます。たとえば、ルソーやゲーテといった偉人たちの旅行の様子や感想なども記されています。

目次は以下。

1. イメージのなかのイタリア人
2. 自然 − 「驚異」の風景
3. 遺跡 − ポンペイ発掘の衝撃
4. 美術 − ローマとヴェネツィアの賑わい

1章は、現代においても依然として続く、イタリアの(どちらかと言えば、マイナス)イメージについて。イタリア独自の風俗を旅行者がどのように感じたのか論じられる。
2章は、自然に対する感受性について。この章はおもに旅行者のイタリア旅行のさいのアルプス越え、古代ローマへの追憶へと誘うイタリア風景、スペクタクルとしてのヴェズーヴィオ火山などが、旅行者の自然観にどのような影響を与えたか論じられる。
3章は、イタリアの古代遺跡について。発掘された古代遺跡や古美術などが、いかに当時の西欧の美的価値観に影響を与えたか論じられる。
4章は、“観光地” としてのイタリア都市の美術について。当時のイタリアへの “観光客” 向けにどのような肖像画や風景画が描かれたのか論じられる。
すべての章に通底するのは、イタリア旅行を中心にして18世紀西欧の観念や芸術がダイナミックに動いていた、ということだ。

岡田先生の語り口もいつものことながら雄弁かつ流暢。読み物として非常におもしろい著作です。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年11月3日に日本でレビュー済み
18世紀のヨーロッパを軸に、
イタリアの歴史や風俗がどのように他のヨーロッパ地域(主にイギリス)に認められ、
どのようにイタリアのイメージが生成されたかを、
非常に緻密に解説してくれています。
最近、目にすることが少ない本格的な教養書の味わいを感じます。

18世紀の外国人にとって、
イタリアは魅惑の地であったことが、
分かります。
歴史、風俗、食文化などが魅力的なのは、
基本的に現代と同じ状況です。
それは今の日本人が持つイタリアのイメージは、
18世紀イギリスにおいても、
それほど変わらないということです。
なるほど。。。
面白く読めました。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2015年12月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
コメント以上に状態の良い本が届きました。有難うございます。新書、文庫については状態を明示しないコメントが最近目立ちますが、だったら状態の悪いものは一切出品すべきではないと思います。私としては廉価な新書、文庫でも個別に状態のコメントを明記すればトラブルは少なくなると思いますが、大手の出品者は、この点を返品で対応すれば良いと思っているようです。しかし本来は古書であるほど、状態に関する状態は必須です。
2010年12月3日に日本でレビュー済み
 グランド・ツアーとは18世紀のイギリス貴族の御曹司たちの間ではやったフランスやイタリアへの遊学旅行のこと。教育の最後の仕上げとして体験する比較的長い期間の旅行です。
 私は今からおよそ30年前に中公新書で出た本城靖久著『
グランド・ツアー―良き時代の良き旅 (1983年) 』を手にしたことがあります。通っていた大学の英国史の授業でグランド・ツアーが取り上げられたちょうどその頃に出版された中公新書を、大きな興味を持って読んでみたものです。
 
 今回岩波新書から『グランドツアー――18世紀イタリアへの旅』が出たと知り、30年前の学生時代を懐かしむ思いから手にしてみました。
 しかし中公新書版が旅人であるイギリスの御曹司側の視点で書かれていて、旅の準備から説き起こし、フランス遊学とイタリア遊学の双方を取り上げているのに比べ、本書は旅人たちを迎え入れたイタリアの当時の状況を多角的にとらえるという構成になっています。

 著者は巻末で記すように「旅の当事者であるイギリス側から扱われることはあっても、少なくともわが国では、旅先のイタリア側から論じられることは、ほとんどなかったように思われたから」「ややイタリア贔屓の記述になってしまったかもしれない」一冊にしあがっています。
 私自身は英語圏について学んでいた学生でしたから、中公新書版には大いに心添うところがあったのですが、この岩波新書版は少なからず期待とははずれたところにある書だったなという感想を持ちました。

 また岩波新書ならではのかなり硬質な文体で綴られているので、相当程度学術的な色合いが強い書でもあります。

 18世紀当時のイタリアの文化や習俗に興味がある読者にはお薦めの一冊かもしれませんが、私にはちょっと縁遠いという印象が残りました。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2012年7月4日に日本でレビュー済み
当時ひとかどの教養を持ち、それ相当の地位についていた人々は、本人は勿論のこと、彼らの子息達のエデュケーションの総仕上げのためにイタリアへの旅に向かわせた。この傾向は17世紀に始まり、18世紀以降は猫も杓子もイタリア詣での状態になる。それはカトリックの総本山ヴァチカンへ参拝に向かう信者達の巡礼の旅とは明らかに異なる性質のものだった。そのあたりを解明するのがこの著書の目的でもある。それは当時のグランド・ツアーに出向いた人達が、それまで自国で学んだことを応用する機会を得るだけでなく、如何に美的感覚に飢えていたか、あるいは人間的な感覚の回復に憧れていたかの証明でもあるだろう。奇しくもこの時代はポンペイを始めとする古代遺跡発掘の時期と時を同じくしている。このことがグランド・ツアーに更に拍車をかける要因にもなっている。

教養人にとって現在や未来のあり方を知ることは、過去を知らずしてはありえないことで、グランド・ツアーの風潮はその啓蒙精神の延長線上にあると言えるだろう。また北方の国々の人々にとってイタリアの気候や風物は彼らの創作活動のための理想環境であり、この地で芸術家達はまさに水を得た魚のようにその才能を自ら解放し、少なくともこの経験を源泉にしてその後の重要な作品をものしている。この本の中でも頻繁に引用されているのが文豪ゲーテの『イタリア紀行』で、その他にもスタンダールやアンデルセンはイタリアでの体験をそれぞれの作品に濃密に反映させている。

グランド・ツアーが当時のヨーロッパの文化芸術の進行とその交流に果たした役割は大きい。むしろ現代ではその意義が過小評価され過ぎているように思える。ナポリのハミルトン卿のサロンに集った人々も、ローマのアルバーニ枢機卿のヴィラでヴィンケルマンと共に芸術論を交わした文化人達も、あるいはヴェネツィアで絵画を注文し、名画を買い漁ったスミスやシューレンブルクのようなメセナの情熱にしても、グランド・ツアーの動向を抜きには想像すらつかないだろう。結果的にこの流れは受け入れ側のイタリアにも活発な刺激を与えることになったのだ。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2010年9月20日に日本でレビュー済み
 京都の岡田先生は、東京の池上先生と同様、著作に翻訳にと八面六臂の活躍で、学者の鑑です。昔、中公新書で英国側からのグランドツアー論がありましたが、本書は受け入れ先のイタリアから見たそれ。イタリア人イメージ、自然、遺跡、美術とまことに目配りよく、筆致も軽快で、模範的な新書に仕上がっています。ハミルトン卿を主役の一人にしたソンタグの小説『火山に恋して』やホッケの『マグナ・グラエキア』を読み返したくなりますね。
 19世紀以降ももちろんイタリア熱は続いたわけで、英国に限ってもブラウニングやらラスキン、ラファエル前派が浮かびますし、わがF・イェイツ女史などもその系譜にあるのでした。息長く稼ぐ観光立国の先達として、日本がかの国に学ぶことは多そうです。
 ケチとてつけられない出来なれど、「アマゾネスたち」(複数の重複)とか、「ジョセフ」(英仏ともにジョゼフが正しい)、「ヤコブ・イニャツ・ヒットルフ」(ヤーコプ・イグナツ・ヒットルフないしジャック・イニャス・イットルフとすべきでしょう)といった表記はやや興醒めです。880円でぴったり2時間のお楽しみというそつのなさがコクを減じているような気がするのは、評者の思い過ごしでしょう。もっとも、コクは『フロイトのイタリア』のほうで、という深謀遠慮かもしれません。
 
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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