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現代中国の政治――「開発独裁」とそのゆくえ (岩波新書) 新書 – 2012/6/21
唐 亮
(著)
一党支配のもとで急速な経済成長を続ける中国。その政治体制はどのようなもので、改革開放路線によりいかなる変化が生じているのか。中間層の拡大や社会的諸矛盾の深刻化は、民主化をもたらすのか。現在の中国を「開発独裁」として捉え、その政治構造や変動のダイナミズムを丹念に分析。民主化のゆくえをリアルに展望する。
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2012/6/21
- ISBN-104004313716
- ISBN-13978-4004313717
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2012/6/21)
- 発売日 : 2012/6/21
- 言語 : 日本語
- 新書 : 256ページ
- ISBN-10 : 4004313716
- ISBN-13 : 978-4004313717
- Amazon 売れ筋ランキング: - 576,365位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2015年8月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中国の経済的な発展は素晴らしい。開発独裁体制が上手く機能した結果であることが、よく理解できた。顕在化した問題の解決をどう行うかに興味がある。
2012年12月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現代中国は分かりにくいのですが、丁寧に解説している良書だと思います。
2013年1月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
共産中国が、資本主義経済を導入することにより、成長はするが格差が広がるという、全く日本と同様の現象に悩まされていく皮肉を認識できた、さらに医療制度、社会保障、地方と農村の格差、少子化と高齢化社会、10年、20年後の中国は、日本以上の困難に遭遇するだろう、官僚、共産党幹部と地方官僚、党幹部の腐敗が社会をむしばんでいく様子が理解でき、これから中国一党独裁が倒されるあるいは、国際的にも緊張を引き起こす要因が高まることを予想させる。
2013年11月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
難しかった。いつかまた読もうと思う。
_中国の政治システム,権力機構の中身を非常に詳細に解説しています。また,日本語表現が非常に学術的で硬い表現なので,素人の私には難解でした。大学の政治の教養の授業でも使えるんじゃないのかと思う位でした。
_現代の中国は,毛沢東時代と比べると,民主化が緩やかに進んできているとありました。
_他は,難しかったので頭に殆ど残っていません。
_中国の政治システム,権力機構の中身を非常に詳細に解説しています。また,日本語表現が非常に学術的で硬い表現なので,素人の私には難解でした。大学の政治の教養の授業でも使えるんじゃないのかと思う位でした。
_現代の中国は,毛沢東時代と比べると,民主化が緩やかに進んできているとありました。
_他は,難しかったので頭に殆ど残っていません。
2021年4月18日に日本でレビュー済み
中国の貧村に生まれ、毛沢東死去後の方針転換により大学入試制度が復活したおかげで北京大学に入学、民主化運動のうねりを学生時代に経験した著者が故国中国の民主化の未来に馳せる思いが硬い学術書スタイルの行間からじわじわ伝わってきました。
改革開放後、労働市場の自由化により貧しい農村部から経済発展を続ける都市部に移動した人々が下層労働者となって都市部の中間層の人々と衝突する事態が起きている。しかし農民層が依然として人口の多くを占め、農村部と都市部の経済格差が極度の水準に達してしまった現在の中国社会にあっては、本来民主化の担い手たるべき都市部の中間層が下層民の急進化を恐れて民主化の進展を望まなくなっている。
経済の自由化による極度の格差社会の出現、階層間対立の激化という現代中国社会の構造的矛盾が中国の民主化が遅々として進まない現状の背景にあるというわけだ。だから農民層のボリュームがさらに小さくなり、経済成長が止まって中上層市民の不満も強くなってくるときが中国が民主化可能になるタイミングとなるだろうと著者は推測している。
こうなったおおもとの原因が毛沢東時代の政策にあることは明らかだ。イデオロギー優先で都市労働者層を優遇し農民層を抑圧してきたツケを支払わされているのだ。あげくに経済の自由化は都市労働者層をも不安定な身分に落として経営者層ら社会上層と中間層との分断も招いている。しかもその上層はたいてい共産党エリート官僚と結び付いている。
毛沢東が国民党に協力していた地主層(=郷紳層)を一掃して農村の自治コミュニティを破壊、農村部の直接支配に乗り出したことから中国社会はおかしくなってしまった。皇帝支配体制のもと中央と地方有力者が結び付くことで保たれていた中国の伝統社会の秩序が失われてしまった。名望家による地域支配のままでいたほうが望ましかったかどうかはともかく、急進的な社会改造は副作用が大きすぎるんだということでしょうね。
改革開放後、労働市場の自由化により貧しい農村部から経済発展を続ける都市部に移動した人々が下層労働者となって都市部の中間層の人々と衝突する事態が起きている。しかし農民層が依然として人口の多くを占め、農村部と都市部の経済格差が極度の水準に達してしまった現在の中国社会にあっては、本来民主化の担い手たるべき都市部の中間層が下層民の急進化を恐れて民主化の進展を望まなくなっている。
経済の自由化による極度の格差社会の出現、階層間対立の激化という現代中国社会の構造的矛盾が中国の民主化が遅々として進まない現状の背景にあるというわけだ。だから農民層のボリュームがさらに小さくなり、経済成長が止まって中上層市民の不満も強くなってくるときが中国が民主化可能になるタイミングとなるだろうと著者は推測している。
こうなったおおもとの原因が毛沢東時代の政策にあることは明らかだ。イデオロギー優先で都市労働者層を優遇し農民層を抑圧してきたツケを支払わされているのだ。あげくに経済の自由化は都市労働者層をも不安定な身分に落として経営者層ら社会上層と中間層との分断も招いている。しかもその上層はたいてい共産党エリート官僚と結び付いている。
毛沢東が国民党に協力していた地主層(=郷紳層)を一掃して農村の自治コミュニティを破壊、農村部の直接支配に乗り出したことから中国社会はおかしくなってしまった。皇帝支配体制のもと中央と地方有力者が結び付くことで保たれていた中国の伝統社会の秩序が失われてしまった。名望家による地域支配のままでいたほうが望ましかったかどうかはともかく、急進的な社会改造は副作用が大きすぎるんだということでしょうね。
2012年9月28日に日本でレビュー済み
本書の著者は中華人民共和国の国家制度とその変容、民主化をめぐる問題に関して、日本で第一人者といえる研究者である。
著者は改革開放後の中国の政治体制を「開発独裁」であると定位したうえで、まずその国家制度を詳述する。この部分は長年の研究のゆえに、新書とは思えない詳細さである。詳細すぎて、新書を手に取る可能性があるこの分野に詳しくない読者には読むのが大変な面があるかもしれない。しかし非常にわかりやすく中国の国家制度の仕組みと運用の実態が描かれている。
中国の政治については、例えば最近注目を浴びたリチャード・マグレガ―『中国共産党 支配者たちの秘密の世界』のように、エピソードを中心にしたジャーナリスティックな本が脚光を浴びることが多いが、本書のように体系的に制度から説明するものは貴重である。大学生の卒業論文などにはこちらのほうが役に立つだろう。
一通り国家制度の仕組みと運用、歴史的変遷について説明し終えた後、本書は将来の「民主化」問題の検討に入る。この点がもちろん多くの読者にとって最も関心のあるところであろう。「中国政府が将来的にはどこまで緩やかな自由化の流れを容認し、欧米型民主化を認めるか」という問いに、多くの論者が「上からの政治改革には越えられない一線があるという限界論」を提起しているとしたうえで、著者はその可能性を簡単には切り捨てない。「政治改革と経済改革、政治権力の維持と自己改革の努力、上からの政治改革と下からの民主化要求といった相互作用のメカニズム」の作用が雪だるま式の自由化をもたらす可能性も期待できるとする。
このような視点から著者は改革開放後現在までの下からの民主化要求の動きを描き出したうえで、民主化のシナリオを検討する。「中長期的に見る場合、問題は、中国の民主化運動がこれから起きるか否かということではない。それがいかなるタイミング、どのような環境下で発生するのか、成功する場合、「軟着陸」と「硬着陸」のどちらになるかが大きく問われているのである」と著者は言う。開発独裁政権の過去の民主化の例に即して簡単に言えば、著者の言う「軟着陸」とは韓国、台湾などの例を指しており、「硬着陸」とは旧ソ連・ロシア、ユーゴスラビアを指している。
そしてこのいずれの道を歩むかを左右するのは民主化の「初期条件」であるとする。「初期条件」とは「一国の経済社会的な発展水準、階層間、地域間、民族間の関係といった社会関係の構造、諸制度の整備、市民社会の成熟度」である。これらの「初期条件」が十分に整備された上で民主化へと移行するなら「軟着陸」できるが、不十分なままでは「硬着陸」になる。現在の中国はいまだ不十分な状態であるので、さらに条件が整備されるのを待って民主化に移行するのが理想的であるとするのが著者の主張である。
著者の分析は極めて論理的で説得力がある。直接民主化には結びつかない社会のさまざまな活動、NPOの活動や「維権運動」なども「初期条件」と関連づけられることで民主化の議論の枠内にきれいに収まる。著者の長年の研究に敬意を表したうえで、二つの問題を提起したい。
第1は、「軟着陸」の成功例とされる韓国や台湾はいずれも小規模国家であるという点にある。「初期条件」が民主化前に十分整備されえたのは小規模国家であったからであって、中国のような大規模で、地域や民族などの社会対立の激しい国が民主化に踏み出す前に十分に「初期条件」を整備することは可能だろうか。
第2は著者が描くシナリオは「軟着陸」も「硬着陸」も最終的には民主化することを前提としている。しかし実際には民主化自体に失敗する国もある。中国にはその可能性はないだろうか。特にこの点に関しては軍に関する分析が必要だと思われる。
以上2点に関して著者の考えを聞いてみたい。いずれにしても、本書を読めば中国の民主化を展望するにあたってどういう点に注目すればよいのかが非常に明確にわかる。中国の民主化に関心がある人には必読の文献であることは間違いない。
著者は改革開放後の中国の政治体制を「開発独裁」であると定位したうえで、まずその国家制度を詳述する。この部分は長年の研究のゆえに、新書とは思えない詳細さである。詳細すぎて、新書を手に取る可能性があるこの分野に詳しくない読者には読むのが大変な面があるかもしれない。しかし非常にわかりやすく中国の国家制度の仕組みと運用の実態が描かれている。
中国の政治については、例えば最近注目を浴びたリチャード・マグレガ―『中国共産党 支配者たちの秘密の世界』のように、エピソードを中心にしたジャーナリスティックな本が脚光を浴びることが多いが、本書のように体系的に制度から説明するものは貴重である。大学生の卒業論文などにはこちらのほうが役に立つだろう。
一通り国家制度の仕組みと運用、歴史的変遷について説明し終えた後、本書は将来の「民主化」問題の検討に入る。この点がもちろん多くの読者にとって最も関心のあるところであろう。「中国政府が将来的にはどこまで緩やかな自由化の流れを容認し、欧米型民主化を認めるか」という問いに、多くの論者が「上からの政治改革には越えられない一線があるという限界論」を提起しているとしたうえで、著者はその可能性を簡単には切り捨てない。「政治改革と経済改革、政治権力の維持と自己改革の努力、上からの政治改革と下からの民主化要求といった相互作用のメカニズム」の作用が雪だるま式の自由化をもたらす可能性も期待できるとする。
このような視点から著者は改革開放後現在までの下からの民主化要求の動きを描き出したうえで、民主化のシナリオを検討する。「中長期的に見る場合、問題は、中国の民主化運動がこれから起きるか否かということではない。それがいかなるタイミング、どのような環境下で発生するのか、成功する場合、「軟着陸」と「硬着陸」のどちらになるかが大きく問われているのである」と著者は言う。開発独裁政権の過去の民主化の例に即して簡単に言えば、著者の言う「軟着陸」とは韓国、台湾などの例を指しており、「硬着陸」とは旧ソ連・ロシア、ユーゴスラビアを指している。
そしてこのいずれの道を歩むかを左右するのは民主化の「初期条件」であるとする。「初期条件」とは「一国の経済社会的な発展水準、階層間、地域間、民族間の関係といった社会関係の構造、諸制度の整備、市民社会の成熟度」である。これらの「初期条件」が十分に整備された上で民主化へと移行するなら「軟着陸」できるが、不十分なままでは「硬着陸」になる。現在の中国はいまだ不十分な状態であるので、さらに条件が整備されるのを待って民主化に移行するのが理想的であるとするのが著者の主張である。
著者の分析は極めて論理的で説得力がある。直接民主化には結びつかない社会のさまざまな活動、NPOの活動や「維権運動」なども「初期条件」と関連づけられることで民主化の議論の枠内にきれいに収まる。著者の長年の研究に敬意を表したうえで、二つの問題を提起したい。
第1は、「軟着陸」の成功例とされる韓国や台湾はいずれも小規模国家であるという点にある。「初期条件」が民主化前に十分整備されえたのは小規模国家であったからであって、中国のような大規模で、地域や民族などの社会対立の激しい国が民主化に踏み出す前に十分に「初期条件」を整備することは可能だろうか。
第2は著者が描くシナリオは「軟着陸」も「硬着陸」も最終的には民主化することを前提としている。しかし実際には民主化自体に失敗する国もある。中国にはその可能性はないだろうか。特にこの点に関しては軍に関する分析が必要だと思われる。
以上2点に関して著者の考えを聞いてみたい。いずれにしても、本書を読めば中国の民主化を展望するにあたってどういう点に注目すればよいのかが非常に明確にわかる。中国の民主化に関心がある人には必読の文献であることは間違いない。