「戦争」をテーマとして、国内・海外の小説等(作品自体は戦争をテーマとしたものばかりではない。そうでないものも少なくない)から、69作家、70作品(徳田秋声のみが2作品)を選び、各作品1頁~2頁程度の批評または案内を付したものである。
作品の内訳は、日本語で書かれた作品が52編、日本語以外で書かれた作品の翻訳が18編である。長編も、短編もある。小説が多いが、ノンフィクションもあり、詩集も少しある。戦前。戦中、戦後、現代の作品が入り混じっているが、戦後が多いように思う。
批評または案内は、1頁~2頁程度の中に、起承転結の織り込まれた、なかなかの名文である・
起・・冒頭は、短い理念、歴史的事実、風景、ちょっとした体験等から始まる。作家、作品から直接始まることもある。
承・・起に関連して、作品、作家が呈示、紹介される。メジャーな作家の場合は、作家についてはごく簡単におわるが、マイナーまたは現代日本であまり知られていない作家については、作家の履歴等も記される。作品呈示は全体の梗概の場合も、部分のクローズアップの場合もある。
転・・作品に関連付けて、新書著者による、現状分析、歴史分析、政治批判、社会批判、歴史批判、感情、感傷等が展開されていく。
結・・まとめ、理念、教訓、感情等が、数行で、結論として提出される。
私的感想
●優れた本である。簡潔にして、リズム感があり、説得力がある。
●作品の選択も、マイナーな作家の作品、メジャーな作家のあまり読まれない作品を多く選んでいて、勉強になる。十分読む価値のある本である。
●しかし、作品の選択については、(当たり前といえば、当たり前のことかもしれないが)先に結論があり、それに都合のよい作品が選ばれている感がある。たとえば、メジャー作家では、江戸川乱歩で「防空壕」、田村泰次郎で「蝗」、中野重治で「5勺の酒」、平林たい子で「盲中国兵」が選ばれるのは、そういうことかと思う。
●また、(これも当たり前といえば、当たり前だが)結論に都合のよいように作品を解釈したと感じられる箇所も少なくない。作品紹介というものは、どこを、どのようにクローズアップするかで、作品の印象が異なってくる上に、論理的に、説得力をもって語られると、それが唯一の解釈であるかのように思わされてしまう。要注意である。
極私的感想
●林芙美子の名作「浮雲」の解説として「二人が共有するベトナムの美しい思い出とは、・・東南アジアにおける日本侵略の産物だ。そこにしか生の実感を重ねられない二人は、まさに愚かしい敗残者である」と書くのは、あまりにも酷い。「浮雲」が本当にそんなことを訴えているなら、この小説が、大勢の読者に長く読み継がれることも、映画化作品が永遠の名作になることもなかったはずである。「浮雲」における戦前ベトナムの思い出とは、主人公にとっては、過去に存在した「至福の時」なのである。
●永山則夫「無知の涙」の紹介では、「集団就職列車」が5回、「集団就職」「集団就職者」「集団就職制度」が1回ずつ登場する。集団就職者であった永山則夫が、自身の集団就職体験の苦痛を訴えるのは理解できるが、1975年(集団就職列車の廃止された年)に立教大学を卒業している著者が、十分な分析もなく、(歴史上重要で、多くの人のノスタルジアの対象の)「集団就職」を一種の悪であったように弾劾するのは、たいへん反感を覚える。
●壺井栄「二十四の瞳」は、著者の論理から行くと、本質をぼかしたお涙頂戴になってしまいそうなのに、解説では、妙になれあっていて、わけのわからない結論に至っている。聖域ということだろうか。
蛇足
●戦争がテーマなのに、「二十歳の原点」が選ばれているのは、(いろいろ言い訳は書かれているが)、著者の感傷または、団塊世代向けのサービスと思う。それなら、奥浩平「青春の墓標」についても、一言触れるべきである
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戦争をよむ――70冊の小説案内 (岩波新書) 新書 – 2017/7/21
中川 成美
(著)
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克明な心理描写をまじえて戦争と人間の真実に分け入る小説作品は、戦争のリアルを伝える大切な語り部だ。物語のなかに封じ込められた、戦時下を生きる人びとの細やかな感覚と日々の葛藤と苦しみ、そして悲しみ。記憶の風化とともに失われていく、かつての時代の手がかりを求めて、戦争の文学を再読する。
- 本の長さ208ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2017/7/21
- 寸法10.7 x 1 x 17.3 cm
- ISBN-104004316707
- ISBN-13978-4004316701
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2017/7/21)
- 発売日 : 2017/7/21
- 言語 : 日本語
- 新書 : 208ページ
- ISBN-10 : 4004316707
- ISBN-13 : 978-4004316701
- 寸法 : 10.7 x 1 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 584,252位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,446位岩波新書
- - 24,447位評論・文学研究 (本)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年8月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2022年6月26日に日本でレビュー済み
1984年の箇所で、極右勢力云々と書かれていますが、この本は共産主義批判の本ではないかと疑問を感じます。意図的なすり替えのようでもありますが。
2017年7月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
なか見!検索が出来ないので参考のため目次を記します。
第1章:戦時風景
1.徳田秋声「戦時風景」 2.火野葦平「麦と兵隊」 3.小林信彦「ぼくたちの好きな戦争」 4.富士正晴「帝国軍隊における学習・序」 5.大岡昇平「野火」 6.野間宏「顔の中の赤い月」 7.ジョン・オカダ「ノーノー・ボーイ」 8.古処誠二「接近」 9.江戸川乱歩「防空壕」 10.大城立裕「日の果てから」 11.梅崎春生「桜島」 12.原民喜「夏の花」 13.安部公房「変形の記録」
第2章:女性たちの戦争
1.壺井栄「24の瞳」 2.角田光代「笹の舟で海を渡る」 3.田村泰次郎「蝗」 4.森美千代「新嘉坡の宿」 5.高橋たか子「誘惑者」 6.シュリンク「朗読者」 7.宮田文子「ゲシュタポ」 8.アレクシェーヴィッチ「戦争は女の顔をしていない」 9.ヘルマン「眠れない時代」 10.大田洋子「はたる」 11.林芙美子「浮雲」 12.池田みち子「無縁仏」
第3章:植民地に起こった戦争は
1.藤森節子「少女たちの植民地」 2.吉田知子「満州は知らない」 3.張赫宙「岩本志願兵」 4.梶山季之「族譜」 5.小田実「アポジを踏む」 6.中村地平「霧の蕃社」 7.モーナノン「僕らの名前を返せ」 8.ニン「戦争の悲しみ」 9.オブライエン「本当の戦争の話をしよう」 10.多和田葉子「旅をする裸の眼」
第4章:周縁に生きる
1.小林多喜二「転形期の人々」 2.佐多稲子「キャラメル工場から」 3.徳田秋声「勲章」 4.松本清張「遠い接近」 5.児玉隆也「一銭五厘たちの横丁」 6.北杜夫「輝ける碧き空の下で」 7.イシグロ「遠い山なみの光」 8.安本末子「にあんちゃん」 9.東峰夫「オキナワの少年」 10.永山則夫「無知の涙」 11.ロルカ「ジプシー歌集」
第5章:戦争責任を問う
1.トランボ「ジョニーは戦場へ行った」 2.ヘミングウェイ「兵士の故郷」 3.石川淳「マルスの歌」 4.山田風太郎「戦中派不戦日記」 5.竹内浩三「戦死やあわれ」 6.坂口安吾「戦争論」 7.平林たい子「盲中国兵」 8.中野重治「五勺の酒」 9.後藤みな子「炭塵のふる町」 10.結城昌治「軍旗はためく下に」 11.フィールド「天皇の逝く国で」 12.モディアノ「1941年」 13.シュルルニク「憎むでのなく・・・」
終章:いまここにある戦争
1.オーウェル「1984年」 2.目取真俊「水滴」 3.メルシェ「リスボンへの夜行列車」 4.ネザマフィ「白い紙 サラム」 5.カドラ「カブールの燕たち」 6.リービ英雄「千千にくだけて」 7.ウエルベック「服従」 8.高野悦子「20歳の原点」 9. 笙野頼子「姫と戦争と庭の雀」 10. 伊藤計劃「虐殺器官」 11.津島佑子「半減期を祝って」
上記のように終章を除いて第二次世界大戦とその前後の作品が並んでます。(大半が知らない作品ですが)
日清・日露戦争からアジア太平洋戦争に至る日本の小説が半分、トルストイ「戦争と平和」、ショーロホフ「静かなるドン」の2大大作を頂点にレマルク、ヘミングウェイ、パステルナーク等の海外小説が半分と勝手に想像していた自分には期待外れでした。
しかし、世の中には色々な作品(小説とは限らない)があるものだと勉強になりました。本書は「まえがき」は格調高い文章ですが本文は新聞連載を元にしているため平易な文章で半日位で読めます。
第1章:戦時風景
1.徳田秋声「戦時風景」 2.火野葦平「麦と兵隊」 3.小林信彦「ぼくたちの好きな戦争」 4.富士正晴「帝国軍隊における学習・序」 5.大岡昇平「野火」 6.野間宏「顔の中の赤い月」 7.ジョン・オカダ「ノーノー・ボーイ」 8.古処誠二「接近」 9.江戸川乱歩「防空壕」 10.大城立裕「日の果てから」 11.梅崎春生「桜島」 12.原民喜「夏の花」 13.安部公房「変形の記録」
第2章:女性たちの戦争
1.壺井栄「24の瞳」 2.角田光代「笹の舟で海を渡る」 3.田村泰次郎「蝗」 4.森美千代「新嘉坡の宿」 5.高橋たか子「誘惑者」 6.シュリンク「朗読者」 7.宮田文子「ゲシュタポ」 8.アレクシェーヴィッチ「戦争は女の顔をしていない」 9.ヘルマン「眠れない時代」 10.大田洋子「はたる」 11.林芙美子「浮雲」 12.池田みち子「無縁仏」
第3章:植民地に起こった戦争は
1.藤森節子「少女たちの植民地」 2.吉田知子「満州は知らない」 3.張赫宙「岩本志願兵」 4.梶山季之「族譜」 5.小田実「アポジを踏む」 6.中村地平「霧の蕃社」 7.モーナノン「僕らの名前を返せ」 8.ニン「戦争の悲しみ」 9.オブライエン「本当の戦争の話をしよう」 10.多和田葉子「旅をする裸の眼」
第4章:周縁に生きる
1.小林多喜二「転形期の人々」 2.佐多稲子「キャラメル工場から」 3.徳田秋声「勲章」 4.松本清張「遠い接近」 5.児玉隆也「一銭五厘たちの横丁」 6.北杜夫「輝ける碧き空の下で」 7.イシグロ「遠い山なみの光」 8.安本末子「にあんちゃん」 9.東峰夫「オキナワの少年」 10.永山則夫「無知の涙」 11.ロルカ「ジプシー歌集」
第5章:戦争責任を問う
1.トランボ「ジョニーは戦場へ行った」 2.ヘミングウェイ「兵士の故郷」 3.石川淳「マルスの歌」 4.山田風太郎「戦中派不戦日記」 5.竹内浩三「戦死やあわれ」 6.坂口安吾「戦争論」 7.平林たい子「盲中国兵」 8.中野重治「五勺の酒」 9.後藤みな子「炭塵のふる町」 10.結城昌治「軍旗はためく下に」 11.フィールド「天皇の逝く国で」 12.モディアノ「1941年」 13.シュルルニク「憎むでのなく・・・」
終章:いまここにある戦争
1.オーウェル「1984年」 2.目取真俊「水滴」 3.メルシェ「リスボンへの夜行列車」 4.ネザマフィ「白い紙 サラム」 5.カドラ「カブールの燕たち」 6.リービ英雄「千千にくだけて」 7.ウエルベック「服従」 8.高野悦子「20歳の原点」 9. 笙野頼子「姫と戦争と庭の雀」 10. 伊藤計劃「虐殺器官」 11.津島佑子「半減期を祝って」
上記のように終章を除いて第二次世界大戦とその前後の作品が並んでます。(大半が知らない作品ですが)
日清・日露戦争からアジア太平洋戦争に至る日本の小説が半分、トルストイ「戦争と平和」、ショーロホフ「静かなるドン」の2大大作を頂点にレマルク、ヘミングウェイ、パステルナーク等の海外小説が半分と勝手に想像していた自分には期待外れでした。
しかし、世の中には色々な作品(小説とは限らない)があるものだと勉強になりました。本書は「まえがき」は格調高い文章ですが本文は新聞連載を元にしているため平易な文章で半日位で読めます。
2023年1月13日に日本でレビュー済み
まずまえがきを読もうとすると辟易する。漢字だらけで改行が少なく、ページに文字がびっしり。本文に入ると読みやすい。しかし、大きな欠点がある。それは情緒的すぎる点。私情を挟みすぎる。論理的でない文章が目立つ。それでも読んでおきたいと思える本に多く出合えた。
戦争に関連する本は毎年何冊か読んでいる。それは意識的な場合もあるし、そうでない場合もある。なぜ読むかと言えば、戦争の悲惨さを忘れないためだ。
本書で取り上げられたなかで、読もうと思った本を挙げておく。
『麦と兵隊』日野葦平、『ぼくたちの好きな戦争』小林信彦
『ノーノー・ボーイ』ジョン・オカダ、『変形の記録』安部公房
『戦争は女の顔をしていない』アシェクシエービッチ『』
『一銭五厘たちの横丁』児玉隆也(アマゾンで古本を購入した)
『遠い山なみの光』カズオ・イシグロ
『オキナワの少年』東峰夫、『軍旗はためく下に』結城昌治
この本を読んでDVD映画も2本借りて見た。「ジュリア」と「ジョニーは戦場へ行った」。
既読の本は『野火』(大岡昇平)、『朗読者』(シュリンク)、『一九八四年』(オーウェル)、『二十歳の原点』(高野悦子)。読みかけは『本当の戦争の話をしよう』(ティム・オブライエン)。
戦争に関連する本は毎年何冊か読んでいる。それは意識的な場合もあるし、そうでない場合もある。なぜ読むかと言えば、戦争の悲惨さを忘れないためだ。
本書で取り上げられたなかで、読もうと思った本を挙げておく。
『麦と兵隊』日野葦平、『ぼくたちの好きな戦争』小林信彦
『ノーノー・ボーイ』ジョン・オカダ、『変形の記録』安部公房
『戦争は女の顔をしていない』アシェクシエービッチ『』
『一銭五厘たちの横丁』児玉隆也(アマゾンで古本を購入した)
『遠い山なみの光』カズオ・イシグロ
『オキナワの少年』東峰夫、『軍旗はためく下に』結城昌治
この本を読んでDVD映画も2本借りて見た。「ジュリア」と「ジョニーは戦場へ行った」。
既読の本は『野火』(大岡昇平)、『朗読者』(シュリンク)、『一九八四年』(オーウェル)、『二十歳の原点』(高野悦子)。読みかけは『本当の戦争の話をしよう』(ティム・オブライエン)。
2022年11月6日に日本でレビュー済み
あとがきにあるように、本書は京都新聞の朝刊にて連載された内容を書き直し刊行されたブックガイドである。恣意的な選び方に異議はあろう。筆者にとって極めて肉感的に戦争に触れた作品を選んだからである。
麦と兵隊
野火
ノーノー・ボーイ
戦争は女の顔をしていない
戦争の悲しみ
戦争論
1984
虐殺器官
などは有名で、私も改めて読み直したくなった。
麦と兵隊
野火
ノーノー・ボーイ
戦争は女の顔をしていない
戦争の悲しみ
戦争論
1984
虐殺器官
などは有名で、私も改めて読み直したくなった。
2019年10月1日に日本でレビュー済み
私は大学生だ。学校の授業で扱うのでぜひ読みなさいと言われたので、買ってみた。印税が教授に入ることは少し嫌だった、純粋に戦争関連文学に関心があり、それの案内ということで、前向きな方向で購入に至った。
70冊の小説案内ということで、その機能は果たしている。この本の良いところは分かりやすい文章でこれらの本の内容を簡潔に教えてくれているところだ。この本を読んだだけで、「70冊の戦争関連文学を読んだ」という気になったところが良い。
しかし、70冊分の案内を受けたが、実際にその本を購入して、読んでみようという気が起こった本が「1冊もなかった」。あぁ、こんな感じか。だいたい分かった。これが大学生としての本音である。
授業では最低紹介された本から3冊の本を読みなさいと言われているが、この本を読んで、さらに読もうという気は起こらない。それは、案内として、本の内容の要点を分かりやすく掴めたということでもある。
そして、これはいけないことだと思うが、もう全作品に「ドロドロ感」がある。「ハッピーエンドではない」という感じ。戦争なので、もちろんそうなのだが、これを貴重な大学生活の時間をかけてのめり込むかと言ったら「NO」である。
私はこの本をすべて読んだ上で感想を書いてます。
強いて言えば、一つだけ読んでもいいかなと思ったのは、「戦中派不戦日記」だ。なぜそう思うか。それは、ズタボロにやられた日本で、まだ希望が見いだせそうなセリフ「また、きっといいこともあるよ」があったからだ。
70冊の小説案内ということで、その機能は果たしている。この本の良いところは分かりやすい文章でこれらの本の内容を簡潔に教えてくれているところだ。この本を読んだだけで、「70冊の戦争関連文学を読んだ」という気になったところが良い。
しかし、70冊分の案内を受けたが、実際にその本を購入して、読んでみようという気が起こった本が「1冊もなかった」。あぁ、こんな感じか。だいたい分かった。これが大学生としての本音である。
授業では最低紹介された本から3冊の本を読みなさいと言われているが、この本を読んで、さらに読もうという気は起こらない。それは、案内として、本の内容の要点を分かりやすく掴めたということでもある。
そして、これはいけないことだと思うが、もう全作品に「ドロドロ感」がある。「ハッピーエンドではない」という感じ。戦争なので、もちろんそうなのだが、これを貴重な大学生活の時間をかけてのめり込むかと言ったら「NO」である。
私はこの本をすべて読んだ上で感想を書いてます。
強いて言えば、一つだけ読んでもいいかなと思ったのは、「戦中派不戦日記」だ。なぜそう思うか。それは、ズタボロにやられた日本で、まだ希望が見いだせそうなセリフ「また、きっといいこともあるよ」があったからだ。