サッチャリズム以降が、
日本が政策を真似してるところもあり面白い。
サッチャー(→中曽根)が国営企業を次々と民営化し、
労働者階級を潰しにかかる。
金融セクターに力を入れ始め、
現代の囲い込み運動のように、余剰労働力として炭鉱を離れた者のうち、
成功した子弟は金融での専門職につき(ヤッピー)
失敗した子弟は労働者としてのアイデンティティも失い、
フーリガンや麻薬中毒者になっていく。
その後、ブレアが労働者階級ではなく、中産階級の代表として政権を握るが、
そのころ、クールブリタニア(→クールジャパン)として
ハリーポッターやマンUとベッカムなどの商業文化を海外に輸出するのに成功する、等々。
サッチャーの持ち家政策で、公営集合住宅が貧困層の住む荒廃団地に転落し、
そののち、またその地域に豊かになった中産階級が戻ってくる展開は、
ブレイディみかこさんの『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』に、
ヨリ路上目線で生き生きと描かれていたかと思います。
併せて読むといいかもしれません。
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イギリス現代史 (岩波新書) 新書 – 2017/9/21
長谷川 貴彦
(著)
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第二次世界大戦を起点とする福祉国家体制の形成、「英国病」とサッチャリズム、そして現在へ、戦後イギリスのあゆみを描く通史。政治・経済のみならず、国際関係や、階級・文化をめぐる社会変容にも着目し、多角的な現代史像を提示する。EU離脱に揺れるイギリスの〈いま〉を考えるためにも求められる、歴史的な思考軸。
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2017/9/21
- 寸法10.7 x 0.9 x 17.3 cm
- ISBN-104004316774
- ISBN-13978-4004316770
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2017/9/21)
- 発売日 : 2017/9/21
- 言語 : 日本語
- 新書 : 224ページ
- ISBN-10 : 4004316774
- ISBN-13 : 978-4004316770
- 寸法 : 10.7 x 0.9 x 17.3 cm
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2023年8月22日に日本でレビュー済み
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2017年10月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
① 新書版と言う紙幅のなかで、漏らさず語ろうとすると皮相な説明になりがちだが、本書は事実と背景に的確に踏み込むことにより、深い理解が可能になっている。英国現代史の初学者にとっても詳しい方にとっても有益な内容に富むと思う。
② 第二次大戦が英国にとって「良き戦争」であったと見方が存在すると言う指摘から本文は始まる。植民地や帝国主義的な野心ではなく、反ファシズム・民主主義の為の戦争として挙国体制の下に国民が団結し、上流階級にとっても庶民の愛国心を目の当たりにすることになる。このことが 戦後の福祉国家建設への機運につながったと説く。 また保守党のチャーチル首相の下で、戦時動員の実務を担ったのが労働党系閣僚(戦時連立内閣)で「平等な犠牲」と「平等な分け前」と言う理念が取られたことも背景にあると言う。 戦後初の総選挙で戦争に勝ったチャーチルが敗北し、労働党のアトリー政権が成立する。1960年代までは、労働党と保守党の何れが政権についても福祉国家のコンセンサスは程度の問題になる。日本にも大きな影響を与えた「揺りかごから墓場まで」と言う理想の登場である。著者のこの当たりの叙述には、共感がにじみ出ているように感じた。
③ 1970年代に入り、オイルショックや英国ポンドの弱体化などで、福祉国家が財政的に重荷になる一方、物価上昇に追いつかない賃金に対して労組がストライキを繰り返すようになる。ここでサッチャーの登場となるのであるが、この辺の説明は、中立的で事実を事実として述べているように思った。
④ 日本を含む世界の政治に影響を与えたサッチャリズムも1990年代に入ると失速し、労働党のブレア首相が唱える「第三の道」(伝統的な社会民主主義でもなく新自由主義でもない路線)の登場が、階級構成や産業構造の変化との関係で論じられる。興味深い分析が続くのだが、当否については判断が難しいと感じた。
⑤ 2010年にキャメロン首相の保守党政権となり、2016年のEU離脱国民投票、2017年の総選挙(保守党の過半数割れ、労働党の伸長)となるのだが、この当たりの著者の見方は、労働党のコービン党首と同氏を支持する若者達の運動「モーメンタム」に関心を寄せており、中道左派系の高級紙 『The Guardian』 に近いように感じた。
⑥ 本書は、政治の動きだけでなく、伝統的な階級社会の相対化、エスニックマイノリティーの発生と社会進出、ビートルズやミニスカートといった社会や文化の変遷にも目配りが及んでおり、広範な理解が可能である。
⑦ なお、著者は英国衰退論について、数字で見る限り当を得ていないとする。キャッチアップ型の成長国との比較で論じることの意味は無いと立場だ。また近年の民族主義の台頭といってもスッコトランド独立党は社会民主主義的で、イングランドのEU離脱派の排外主義とは異なるなど参考になる点は多かった。なおケン・ローチ監督の諸作品を始め、多くの映画が引用されているのは、一層の理解の助けになると思う。
② 第二次大戦が英国にとって「良き戦争」であったと見方が存在すると言う指摘から本文は始まる。植民地や帝国主義的な野心ではなく、反ファシズム・民主主義の為の戦争として挙国体制の下に国民が団結し、上流階級にとっても庶民の愛国心を目の当たりにすることになる。このことが 戦後の福祉国家建設への機運につながったと説く。 また保守党のチャーチル首相の下で、戦時動員の実務を担ったのが労働党系閣僚(戦時連立内閣)で「平等な犠牲」と「平等な分け前」と言う理念が取られたことも背景にあると言う。 戦後初の総選挙で戦争に勝ったチャーチルが敗北し、労働党のアトリー政権が成立する。1960年代までは、労働党と保守党の何れが政権についても福祉国家のコンセンサスは程度の問題になる。日本にも大きな影響を与えた「揺りかごから墓場まで」と言う理想の登場である。著者のこの当たりの叙述には、共感がにじみ出ているように感じた。
③ 1970年代に入り、オイルショックや英国ポンドの弱体化などで、福祉国家が財政的に重荷になる一方、物価上昇に追いつかない賃金に対して労組がストライキを繰り返すようになる。ここでサッチャーの登場となるのであるが、この辺の説明は、中立的で事実を事実として述べているように思った。
④ 日本を含む世界の政治に影響を与えたサッチャリズムも1990年代に入ると失速し、労働党のブレア首相が唱える「第三の道」(伝統的な社会民主主義でもなく新自由主義でもない路線)の登場が、階級構成や産業構造の変化との関係で論じられる。興味深い分析が続くのだが、当否については判断が難しいと感じた。
⑤ 2010年にキャメロン首相の保守党政権となり、2016年のEU離脱国民投票、2017年の総選挙(保守党の過半数割れ、労働党の伸長)となるのだが、この当たりの著者の見方は、労働党のコービン党首と同氏を支持する若者達の運動「モーメンタム」に関心を寄せており、中道左派系の高級紙 『The Guardian』 に近いように感じた。
⑥ 本書は、政治の動きだけでなく、伝統的な階級社会の相対化、エスニックマイノリティーの発生と社会進出、ビートルズやミニスカートといった社会や文化の変遷にも目配りが及んでおり、広範な理解が可能である。
⑦ なお、著者は英国衰退論について、数字で見る限り当を得ていないとする。キャッチアップ型の成長国との比較で論じることの意味は無いと立場だ。また近年の民族主義の台頭といってもスッコトランド独立党は社会民主主義的で、イングランドのEU離脱派の排外主義とは異なるなど参考になる点は多かった。なおケン・ローチ監督の諸作品を始め、多くの映画が引用されているのは、一層の理解の助けになると思う。
2020年8月21日に日本でレビュー済み
イギリスの現代を捉える視点を複数挙げながら、歴史を俯瞰して10年単位でその流れを的確に描く良書。入門書としてはもってこいで、ここから興味のある時代や政策分野に深入りしていきたくなる。
2018年4月20日に日本でレビュー済み
戦後イギリス政治・社会・経済の流れをまとめた本です。上手にまとめてくれているので非常に読みやすく勉強になりました。
イギリスの政治というと小選挙区制をもとにした二大政党制であり、反対な考えを持つ二大政党が意見を戦わせ、選挙で勝った方が政権を担うという単純なイメージを持っていました。この本を読むと、勿論そういう側面はあるものの、もう一つの側面として二大政党の間に時代ごとのコンセンサスがあり、そのコンセンサスが変遷してきた、という面もあるようです。見かけの対立よりも背景にあるコンセンサスに着目するといろいろなことが見えてくるように思えました。
具体的には、サッチャリズム以前の社会では、労働党のみならず保守党も福祉国家の建設に積極的であり、サッチャリズム以降は保守党も労働党も国家の福祉への介入を減らしていくというコンセンサスがあったようです(戦時中のチャーチル政権の中に総力戦体制の実務担当者として労働党の閣僚が入っていたり、文化的テイストの異なるサッチャー政権とブレア政権が、国家の福祉への介入を減らすという点で一致していた、などはその例)。本書は単純に政権担当党の変遷を追うのではなく、このようなコンセンサスの変遷を重視しています。「戦中の総力戦体制の残滓」→「福祉国家の建設」→「サッチャリズム、第三の道による小さな政府」→「?」という流れでとても分かりやすかったです。
現状はEUの離脱やコービン労働党の躍進などこれまでとは違う動きもあり、これからどういうコンセンサスに向かっていくのか注目です(コンセンサスが得られない可能性もありますが)。
イギリスの政治というと小選挙区制をもとにした二大政党制であり、反対な考えを持つ二大政党が意見を戦わせ、選挙で勝った方が政権を担うという単純なイメージを持っていました。この本を読むと、勿論そういう側面はあるものの、もう一つの側面として二大政党の間に時代ごとのコンセンサスがあり、そのコンセンサスが変遷してきた、という面もあるようです。見かけの対立よりも背景にあるコンセンサスに着目するといろいろなことが見えてくるように思えました。
具体的には、サッチャリズム以前の社会では、労働党のみならず保守党も福祉国家の建設に積極的であり、サッチャリズム以降は保守党も労働党も国家の福祉への介入を減らしていくというコンセンサスがあったようです(戦時中のチャーチル政権の中に総力戦体制の実務担当者として労働党の閣僚が入っていたり、文化的テイストの異なるサッチャー政権とブレア政権が、国家の福祉への介入を減らすという点で一致していた、などはその例)。本書は単純に政権担当党の変遷を追うのではなく、このようなコンセンサスの変遷を重視しています。「戦中の総力戦体制の残滓」→「福祉国家の建設」→「サッチャリズム、第三の道による小さな政府」→「?」という流れでとても分かりやすかったです。
現状はEUの離脱やコービン労働党の躍進などこれまでとは違う動きもあり、これからどういうコンセンサスに向かっていくのか注目です(コンセンサスが得られない可能性もありますが)。
2017年10月26日に日本でレビュー済み
トランプ現象やEU離脱で揺れる英米の新自由主義。本書は、その限界を見極めつつ、新たな時代の到来を予感させる物語の構成を取っている。政治学者のアンドルー・ギャンブルは、リーマンショック後の現在の経済不況は、1930年代の大恐慌、1970年代の石油危機に続く「第三の危機」であると述べたが、それぞれの危機に対応して福祉国家やサッチャリズムが登場したのならば、現在もまた新たなシステムを登場させることになる。それが新自由主義の再編強化=「サッチャリズム2.0」なのか、コービン現象にみる福祉国家の再建=「社会主義2.0」なのかは定かでないが、本書はそうした転換期における歴史像の変革を意図する野心的な書といえる。たとえば、1970年代は「英国病」と呼ばれる危機と混乱の時代で、それを克服し繁栄をもたらしたのがサッチャーだという通俗的な新自由主義の「成功物語」に代えて、「自己実現と自己決定権を高める可能性の時代」でもあったことを強調している。「英国病」の実態を統計資料と比較から明らかにし、1970年代に失われた選択肢を掘り起こす点には刮目すべきものがある。政治・経済・社会・文化のあいだの関係性に着目しながら、著者なりのバランスのとれた全体史を追求した点でも好感が持てる。文字通りの労作である。