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満州事変――政策の形成過程 (岩波現代文庫) 文庫 – 2011/8/19
緒方 貞子
(著)
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1931年9月18日、柳条湖の鉄道爆破をきっかけに勃発した満州事変。事件はいかにして引き起こされ、なぜ連盟脱退にまで至ったのか。関東軍・陸軍中央部・政府指導者などの諸勢力間でどのような力学が働き、外交政策を変容させていったのか。戦争への道を突き進んだ日本の歩みに政治過程論的な分析を加えた記念碑的な著作。著者の第一作でもある。(解説=酒井哲哉)
- 本の長さ464ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2011/8/19
- 寸法10.5 x 2 x 15 cm
- ISBN-104006002521
- ISBN-13978-4006002527
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2011/8/19)
- 発売日 : 2011/8/19
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 464ページ
- ISBN-10 : 4006002521
- ISBN-13 : 978-4006002527
- 寸法 : 10.5 x 2 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 20,019位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2024年5月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
激動の昭和を語る名著です。 何回も読み返しています。
2024年4月11日に日本でレビュー済み
久しぶりに重厚な論文に接し、ため息が出た。若い頃、緒方弁務官の秘書官を務めた方と会うことになり再読した。
日本の学校では近現代史は教えられない。中国や韓国などの隣国との関係を歴史的に教えられていない日本人が大半だ。
著者がまえがきで述べているように、「世界情勢が大きな変化に直面するときこそ、歴史を読み解き、歴史に学ぶことが大切である」は心に響く。
東大教授の酒井哲哉氏は解説で、本書の学問的生命の長さを、カルフオルニア大学で研鑽した米国流の国際関係論・政治学の手法を学び、さらに実証的な歴史研究を実践したことによって説明している。暗殺された犬養毅が曾祖父で、犬養内閣の外務大臣芳澤謙吉を祖父に持ち、歴史の生き証人を親族に持った僥倖にも恵まれた。
歴史学は史料が勝負だが、片倉衷元関東軍参謀の『満州事変機密政略日誌』の存在を突き止め、片倉氏から貸与された時の著者の興奮と感激には共感を覚えた。しかも、今でいうインタビューあるいは聞き取りも実践している。
満州事変は、陸軍の出先である関東軍の軍人が、満州に権益を持つ実業家などと結託して、政府や陸軍省の許可もなく独断専行したものである。本書では、当時の軍部の詳細な分析に基づいて、なぜ満州事変や満州国が建国されたのかを詳細に分析している労作である。
最近の日本では世界的に評価されるのは、プロ野球の大谷選手たちであるが、1990年代に、国連の高等弁務官として世界中の紛争の現場に自ら足を運び、国際的に高い評価を得て、日本人に誇りを与えた緒方氏のルーツというべき論文で、勇気を与えられた。
日本の学校では近現代史は教えられない。中国や韓国などの隣国との関係を歴史的に教えられていない日本人が大半だ。
著者がまえがきで述べているように、「世界情勢が大きな変化に直面するときこそ、歴史を読み解き、歴史に学ぶことが大切である」は心に響く。
東大教授の酒井哲哉氏は解説で、本書の学問的生命の長さを、カルフオルニア大学で研鑽した米国流の国際関係論・政治学の手法を学び、さらに実証的な歴史研究を実践したことによって説明している。暗殺された犬養毅が曾祖父で、犬養内閣の外務大臣芳澤謙吉を祖父に持ち、歴史の生き証人を親族に持った僥倖にも恵まれた。
歴史学は史料が勝負だが、片倉衷元関東軍参謀の『満州事変機密政略日誌』の存在を突き止め、片倉氏から貸与された時の著者の興奮と感激には共感を覚えた。しかも、今でいうインタビューあるいは聞き取りも実践している。
満州事変は、陸軍の出先である関東軍の軍人が、満州に権益を持つ実業家などと結託して、政府や陸軍省の許可もなく独断専行したものである。本書では、当時の軍部の詳細な分析に基づいて、なぜ満州事変や満州国が建国されたのかを詳細に分析している労作である。
最近の日本では世界的に評価されるのは、プロ野球の大谷選手たちであるが、1990年代に、国連の高等弁務官として世界中の紛争の現場に自ら足を運び、国際的に高い評価を得て、日本人に誇りを与えた緒方氏のルーツというべき論文で、勇気を与えられた。
2022年8月24日に日本でレビュー済み
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緒方貞子著の『満州事変』は、一番解り易く、うがったり、偏った思考も無く史実に忠実に書かれており、読んでいいて納得いく内容で好感が持てる。但し、関東軍の資金源(満州のけし畑と阿片窟)、731部隊や朝鮮軍との関係にも詳しく触れるべきと思うが、都合の悪い史実は全て処分されたのだろうなぁ!。
2020年8月10日に日本でレビュー済み
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緒方さんが元理事長だったJICAが、日本帝国植民地時代の満州国開発を今ではアフリカ、モザンビークで行っているとは、何の因果?
farmlandgrab.orgに「日本の植民地帝国とモザンビークのプロサバンナ農業プロジェクトの起源」という題で日本のモザンビーク研究者クラーセンさやか舩田氏が、モザンビークのナカラ経済回廊開発と100年前の日本帝国植民地時代の満州国開発についてインタビューで答えていた。(2018年11月20日)
DW Africa: When did this Japanese story begin?
SFC: A hundred years ago, in the early 20th century, we [the Japanese] brought the same kind of development model to northeast China. At the time, we used to call that area "Manchuria". There, Imperial Japan established a railway line linking the coal mining zones to the port and then developed soybean fields. So those who were involved in this gigantic regional development program were Japan's public railway company, banks, and also companies like Mitsui Corporation. Today, we call these "Public-Private Partnerships," which are supposedly good things.
DWアフリカ:この日本のストーリーはいつ始まったのですか?
クラーセンさやか舩田:100年前の20世紀初頭、私たち日本人は中国東北部にも同じような開発モデルをもたらしました。当時、私たちはその地域を「満州」と呼んでいました。そこで、インペリアル・ジャパンは、石炭採掘地帯と港を結ぶ鉄道線を整備し、大豆畑を開発しました。そこで、この巨大な地域開発プログラムに携わったのは、日本の公共鉄道会社、銀行、三井物産などの企業でした。今日、私たちはこれらを「官民パートナーシップ」と呼んでいます。
ProSavana also started as a private-public enterprise initiative. But this has a historical origin! During Japan's imperial colonial period, Japan's public and private sectors went hand in hand, planning and accelerating such regional corridor development programs. This is why we can call what happened in Manchuria "the first ProSavana program".
プロサバンナは、官民連携イニシアティブとしてもスタートしました。しかし、これは歴史的な起源を持っています!日本の帝国植民地時代には、日本の官民が手をつないで、このような地域回廊開発計画を計画・促進しました。これが満州で起こったことを「最初のプロサバンナプログラム」と呼ぶ理由です。
farmlandgrab.orgに「日本の植民地帝国とモザンビークのプロサバンナ農業プロジェクトの起源」という題で日本のモザンビーク研究者クラーセンさやか舩田氏が、モザンビークのナカラ経済回廊開発と100年前の日本帝国植民地時代の満州国開発についてインタビューで答えていた。(2018年11月20日)
DW Africa: When did this Japanese story begin?
SFC: A hundred years ago, in the early 20th century, we [the Japanese] brought the same kind of development model to northeast China. At the time, we used to call that area "Manchuria". There, Imperial Japan established a railway line linking the coal mining zones to the port and then developed soybean fields. So those who were involved in this gigantic regional development program were Japan's public railway company, banks, and also companies like Mitsui Corporation. Today, we call these "Public-Private Partnerships," which are supposedly good things.
DWアフリカ:この日本のストーリーはいつ始まったのですか?
クラーセンさやか舩田:100年前の20世紀初頭、私たち日本人は中国東北部にも同じような開発モデルをもたらしました。当時、私たちはその地域を「満州」と呼んでいました。そこで、インペリアル・ジャパンは、石炭採掘地帯と港を結ぶ鉄道線を整備し、大豆畑を開発しました。そこで、この巨大な地域開発プログラムに携わったのは、日本の公共鉄道会社、銀行、三井物産などの企業でした。今日、私たちはこれらを「官民パートナーシップ」と呼んでいます。
ProSavana also started as a private-public enterprise initiative. But this has a historical origin! During Japan's imperial colonial period, Japan's public and private sectors went hand in hand, planning and accelerating such regional corridor development programs. This is why we can call what happened in Manchuria "the first ProSavana program".
プロサバンナは、官民連携イニシアティブとしてもスタートしました。しかし、これは歴史的な起源を持っています!日本の帝国植民地時代には、日本の官民が手をつないで、このような地域回廊開発計画を計画・促進しました。これが満州で起こったことを「最初のプロサバンナプログラム」と呼ぶ理由です。
2021年5月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「満州事変は軍の暴走」が原因という解説をよく見聞きするがそれは本当なのか?関東軍の行動を当時の報道機関は大衆にどの様に伝えたのか 又、一般の大衆はどの様に声をあげたのか?
戦後の教育は軍を断罪したが、報道機関、報道のありよう、そして無知、我欲の大衆の犯した罪に触れず卑劣な頬かむりを許している。政治家はこの事をどの様に反省しているのか?残念ながら聞いた事がない。
戦後の教育は軍を断罪したが、報道機関、報道のありよう、そして無知、我欲の大衆の犯した罪に触れず卑劣な頬かむりを許している。政治家はこの事をどの様に反省しているのか?残念ながら聞いた事がない。
2021年5月30日に日本でレビュー済み
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国連英検受検勉強の資料として活用しています。
2020年4月7日に日本でレビュー済み
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本書は緒方貞子の米 加州・バークレー校の博士論文であるが、驚くべきはその引用文献数である。それは満州事変にかかわった政治家、軍人、思想家、民間活動団体等の記録や日誌等600件に及ぶ。
この引用文献だけで当時の日本の姿が浮き彫りになり、歴史のううねりが読み取れる。即ち、第1次世界大戦の反省と植民地主義から抜け出せない国際情勢、ロシアの南下、世界恐慌と国内の貧困、僅かしかない資本の集中、薩長閥政治の残影などである。貧困に喘ぐ民衆の強力な代弁者となったのは貧困農村出身者が大半を占める軍人と現状を嘆く思想家と政治家たちである。彼らはそれぞれの立場で現状打破のためにでき得る限り奔走し、互いにまた社会、世界の圧力の中で出口を求める中、その決壊点が満州開拓と満州事変であった、そこから流出した奔流は日中戦争、太平洋戦争と制御不能の大氾濫へと発展していく。
今、平和ボケとも言われる世情の中で綺麗事はいくらでも言えるし言うべきであるが、自分が、社会が今日飢えて、明日の保証がない状況となった時、果たして自分の中で正常時の綺麗事を維持できるか、むしろ率先して氾濫の流れに身を投じるのではないかと、満州事変を批判するだけの自分や今の日本の愚かさに気付かされる。また、そんな苦しい状況にない日本を作り上げた先人とその幸せに感謝する。
この引用文献だけで当時の日本の姿が浮き彫りになり、歴史のううねりが読み取れる。即ち、第1次世界大戦の反省と植民地主義から抜け出せない国際情勢、ロシアの南下、世界恐慌と国内の貧困、僅かしかない資本の集中、薩長閥政治の残影などである。貧困に喘ぐ民衆の強力な代弁者となったのは貧困農村出身者が大半を占める軍人と現状を嘆く思想家と政治家たちである。彼らはそれぞれの立場で現状打破のためにでき得る限り奔走し、互いにまた社会、世界の圧力の中で出口を求める中、その決壊点が満州開拓と満州事変であった、そこから流出した奔流は日中戦争、太平洋戦争と制御不能の大氾濫へと発展していく。
今、平和ボケとも言われる世情の中で綺麗事はいくらでも言えるし言うべきであるが、自分が、社会が今日飢えて、明日の保証がない状況となった時、果たして自分の中で正常時の綺麗事を維持できるか、むしろ率先して氾濫の流れに身を投じるのではないかと、満州事変を批判するだけの自分や今の日本の愚かさに気付かされる。また、そんな苦しい状況にない日本を作り上げた先人とその幸せに感謝する。
2020年10月7日に日本でレビュー済み
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満洲国新京宮内前で生まれ、三笠小学校に通っていた。引揚者なので建国の経緯など、知りたいと、購入した。