中国のノーベル賞作家で、魔術的リアリズムの作家だということで読みました。でも正直、この1冊に収録された2編からはガルシア・マルケスというより中上健次やフォークナーに近いものを感じました。幻覚的要素は比較的少なく、語り手の主人公の祖父母の時代の土地に伝わる血族の誇張された伝承を伝え聞き、書き起こしたといった趣だからです。
あと解説で莫言本人の言葉が載っていますが、これは故郷の土地の伝説であって、時代が戦時中なだけで反日の作品ではありません。その証拠に別の作品では、ドイツによる占領時代を描き、また別の作品では幼児の肉を食らうという巨悪の共産党幹部を追撃する作品も書かれています。
血のごとく赤いコーリャンの海に囲まれた、神話的な土地に生きた人々の伝説として素直に読むと、中上健次さんの作品や遠野物語のようでとてもおもしろいですよ。
あと若かった頃の祖母の人物造形がとても魅力的に感じました。
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赤い高粱 (岩波現代文庫) ペーパーバック – 2003/12/17
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婚礼の輿が一つ,赤に染まる高粱畑の道を往く.輿に揺られる美しい纏足を持った少女.汗に濡れ輿を担ぐ逞しい青年.中国山東省高密県東北郷.日本軍が蛮勇を振るうこの地を舞台に,血と土,酒に彩られた一族の数奇な物語が始まる.その名「言う莫れ」を一躍世界に知らしめた,現代中国文学の旗手の代表作.
- 本の長さ328ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2003/12/17
- ISBN-104006020791
- ISBN-13978-4006020798
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商品の説明
著者について
莫 言(ばくげん)
1955年、中国山東省生まれ.人民解放軍入隊後、執筆活動を開始.1987年に発表した本作品『紅高粱家族』は内外の文壇で高く評価された.現代中国文学の到達点を象徴する作家である.邦訳された作品に『酒国』『豊乳肥臀』『白檀の刑』などがある.
1955年、中国山東省生まれ.人民解放軍入隊後、執筆活動を開始.1987年に発表した本作品『紅高粱家族』は内外の文壇で高く評価された.現代中国文学の到達点を象徴する作家である.邦訳された作品に『酒国』『豊乳肥臀』『白檀の刑』などがある.
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2003/12/17)
- 発売日 : 2003/12/17
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 328ページ
- ISBN-10 : 4006020791
- ISBN-13 : 978-4006020798
- Amazon 売れ筋ランキング: - 322,691位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年2月24日に日本でレビュー済み
「赤い高粱一族」という全5章から成るある一族の大河小説(作者曰く伝奇小説)の冒頭2章を収めた作品。主人公(=わたし)の祖父の1930年代の抗日活動の描写から始まり、以下、その妻(=主人公の祖母)の回想を含む祖父母の若き日々(1920年代)と冒頭の抗日活動の続きとが交互に描かれる。時間軸の縦横振りが中南米の作家の影響を受けていると称されている所以であり、当時の中国の農村の人々の生活振りが糞尿、尻、屁と言った卑俗な言葉遣いを多用して描かれている点がチャイニーズ・リアリズムと称されている所以であろう。普段馴染みのない中国作家の作品に触れたという点では意義があった。
ただし、読んでいて感心しない点が幾つもあった。まず、主人公の祖父母が余りに立派に描かれ過ぎているのである。若き日の祖父は大志を抱いた胆力と知略のある若者として描かれているし、その後は抗日活動の英雄である。それにも増して、祖母への賛美は凄まじい。16歳までは殆ど家を出た事がないと明記されるいるにも関わらず、嫁いだ先の酒屋で義父と(初めの)夫の死後、すぐに大家を切り盛りしたり、芸術の才を発揮したりと、これまた美貌と知性と胆力に恵まれた理想の女性として描かれており、感情移入を拒む書き振りである。身内礼賛と英雄崇拝の嵐である。
リアリズム的描写にしても、作者としては哄笑を狙った由だが、そこまで昇華されているとは思えず、単なる猥雑感しか覚えなかった。何よりの問題は、本作が共産主義思想に覆われているのではないかという疑念である。毛沢東の語録が引用されていたり、「あのような(毅然とした)行動は共産主義者にしか取れない」といった言辞が出て来る。作者自身の思想なのか、当局の検閲を恐れての事なのか判然としないが、いずれにしても中国作家の限界を見る思いがした。
ただし、読んでいて感心しない点が幾つもあった。まず、主人公の祖父母が余りに立派に描かれ過ぎているのである。若き日の祖父は大志を抱いた胆力と知略のある若者として描かれているし、その後は抗日活動の英雄である。それにも増して、祖母への賛美は凄まじい。16歳までは殆ど家を出た事がないと明記されるいるにも関わらず、嫁いだ先の酒屋で義父と(初めの)夫の死後、すぐに大家を切り盛りしたり、芸術の才を発揮したりと、これまた美貌と知性と胆力に恵まれた理想の女性として描かれており、感情移入を拒む書き振りである。身内礼賛と英雄崇拝の嵐である。
リアリズム的描写にしても、作者としては哄笑を狙った由だが、そこまで昇華されているとは思えず、単なる猥雑感しか覚えなかった。何よりの問題は、本作が共産主義思想に覆われているのではないかという疑念である。毛沢東の語録が引用されていたり、「あのような(毅然とした)行動は共産主義者にしか取れない」といった言辞が出て来る。作者自身の思想なのか、当局の検閲を恐れての事なのか判然としないが、いずれにしても中国作家の限界を見る思いがした。
2018年8月1日に日本でレビュー済み
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本当は中国語で読めるのがよいのでしょうが、中国の歴史や文化等をもう少し勉強してもう一度読みたいと思います。
2014年7月18日に日本でレビュー済み
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史記4は、史記3と比べて、具体的な表現が比較的に多くて、
おもしろく読めた。 しかし、全般的に「誰がいつ死んで、あるは殺されて、その子が後を継いだ」とか
いうことの羅列で、読んでも「あまりに空しく、意味なく、無意味・無感動・無感覚?」だったと
言えるのでは! 後は 史記列伝の6と7を、読んでみたいと、思う。
おもしろく読めた。 しかし、全般的に「誰がいつ死んで、あるは殺されて、その子が後を継いだ」とか
いうことの羅列で、読んでも「あまりに空しく、意味なく、無意味・無感動・無感覚?」だったと
言えるのでは! 後は 史記列伝の6と7を、読んでみたいと、思う。
2010年12月2日に日本でレビュー済み
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莫言の作品は,間違いなく面白いです。
本作においても,猥雑かつ残酷なシーン,糞,小便,屁などの品の悪い言葉が頻出するが,それだからこそ,
「生きているんだ」という強烈な生命力,生きるための本能の力強さといったものが,文体からひしひしと伝わってくるのだ。
そして,物語が進むにつれて,時代が前後に錯綜し,登場人物それぞれの過去が次第に明らかになっていくスタイルが,
この「赤い高粱」ですでに完成されている。
ところで,本書の原題は「赤い高粱一族」という全5章仕立ての作品で,本書は,そのうちの前の2章が収録されている。
残りの3章(「第3章犬の道」「第4章高粱の葬礼」「第5章犬の皮」)は,なぜか文庫化されておらず,単行本も絶版のためマーケットプレイスで高値がついている。
それぞれの作品が独立した連作であり,前の2章だけでも十分物語りとして完結しているためか,
または,一説によると,最初の2章に比べできが良くないためか,実際のところ文庫化されないその理由は分からないが,
やはり,前半部分だけ文庫化という中途半端なことで終わらず,ぜひとも後半部分も文庫化し,読者に判断をゆだねるべきではないだろうか。
ps.2013年,続編ようやく出ました。雰囲気が少し違った感じがしますが,なかなかよかったですよ。
本作においても,猥雑かつ残酷なシーン,糞,小便,屁などの品の悪い言葉が頻出するが,それだからこそ,
「生きているんだ」という強烈な生命力,生きるための本能の力強さといったものが,文体からひしひしと伝わってくるのだ。
そして,物語が進むにつれて,時代が前後に錯綜し,登場人物それぞれの過去が次第に明らかになっていくスタイルが,
この「赤い高粱」ですでに完成されている。
ところで,本書の原題は「赤い高粱一族」という全5章仕立ての作品で,本書は,そのうちの前の2章が収録されている。
残りの3章(「第3章犬の道」「第4章高粱の葬礼」「第5章犬の皮」)は,なぜか文庫化されておらず,単行本も絶版のためマーケットプレイスで高値がついている。
それぞれの作品が独立した連作であり,前の2章だけでも十分物語りとして完結しているためか,
または,一説によると,最初の2章に比べできが良くないためか,実際のところ文庫化されないその理由は分からないが,
やはり,前半部分だけ文庫化という中途半端なことで終わらず,ぜひとも後半部分も文庫化し,読者に判断をゆだねるべきではないだろうか。
ps.2013年,続編ようやく出ました。雰囲気が少し違った感じがしますが,なかなかよかったですよ。
2014年7月20日に日本でレビュー済み
文章が華美的で、若干疲れます。
第一章は確かに名作かなと。任副官と余司令の場面は印象的。第3章の、豆官と日本軍の場面もよいです。しかし、人に薦めるかというと、悩む。はじめて読む中国文学なら、やめたほうがいいと思います。
第一章は確かに名作かなと。任副官と余司令の場面は印象的。第3章の、豆官と日本軍の場面もよいです。しかし、人に薦めるかというと、悩む。はじめて読む中国文学なら、やめたほうがいいと思います。
2013年7月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
数年前にこのDVDを見ました。
もう一度見たいと思いDVDを捜すも高価なのであきらめて、とりあえず、文庫本を購入。多分DVDより面白いのではないかと思った。
もう一度見たいと思いDVDを捜すも高価なのであきらめて、とりあえず、文庫本を購入。多分DVDより面白いのではないかと思った。
2012年12月20日に日本でレビュー済み
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著者が文学賞を受賞したころは、反日暴動が盛んな時に重なります。
同賞受賞の先輩を留置しながら、新聞・TVなどで歓迎報道されたことに疑問を感じた。
実際読み終えると、自然の中の1生物としての人間の営み(喜怒哀楽、色道、殺戮など等)を、
「これ程までに」と思うほど緻密に生臭く描かれており、ときには現実を失いそうになった。
そして歓迎報道の意味が否応なしに納得できた。
序文から70ページ余りと最終章にも「小鬼子=日本兵」への憎悪が満ち溢れているのだ。
文学的には素晴らしいが、いくばくか気分が悪くなった。
同賞受賞の先輩を留置しながら、新聞・TVなどで歓迎報道されたことに疑問を感じた。
実際読み終えると、自然の中の1生物としての人間の営み(喜怒哀楽、色道、殺戮など等)を、
「これ程までに」と思うほど緻密に生臭く描かれており、ときには現実を失いそうになった。
そして歓迎報道の意味が否応なしに納得できた。
序文から70ページ余りと最終章にも「小鬼子=日本兵」への憎悪が満ち溢れているのだ。
文学的には素晴らしいが、いくばくか気分が悪くなった。