この手の書物に出てくる世界史上の有名な女性、その肖像画が残されている女性の条件というのはほぼ大体決まっているようだ。
まず美女である事、この本では、マリー・アントワネット、ジョセフィーヌ、クレオパトラ、レカミエ夫人、レディ・ハミルトン、ポンパドゥール夫人。
次には、女傑。この本の中ではジャンヌ・ダルク、エリザベス一世、あたりか。
さらには、妖艶なファム･ファタルであること。乳首つままれ仰け反るガブリエル姉妹はこの手の書物の常連。ファム･ファタルということであれば、レカミエ夫人もなかなかのものである。
願わくば、このようなサロンの女王がまた出てきて今の日本の不景気風を吹き飛ばしてもらいたいものだ。
また、夫につくす貞淑な妻として欧米では「超」有名なルクレティアさん、彼女もすごい。昨今の女性はとてもじゃないが真似できない。
高階の文章はとても読みやすい。この際、画家はさておき、名画に描かれた見目麗しい女性の波乱万丈な生涯を、バックグラウンドの歴史ともどもわかりやすく活写している。
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