本書では、ジャンルの異なる30の課題文(1題あたり200ワード前後の英文)を教材に、それぞれ難しそうな箇所に著者による懇切丁寧な説明が付され、最後に訳文が紹介される。「あとがき」に英文を<読む力なら、頑張れば英米人に負けないレベルまで到達可能です。自分一人でも本さえあれば一生楽しめる能力です>とあるが、本書は正にその能力を間違いなく着実に磨いてくれるはずだ。その評価をいささかも損なうものではないが、以下は本書中の説明について当方が気付いた点である。
①課題文«13» 22行目GPsの訳語注記(111頁)<「世論調査」. アメリカの統計学者Gallupが創設したもの.>とあるのが、これは誤り。英紙The Timesの医療記事でGPsとくれば、100発100中「かかりつけの医者(ホームドクター)」のこと。本書xiページに掲げられている使用辞書『リーダーズ英和辞典』にも略語 gp の一つにgeneral practiceが載っており、general practiceを引くと(一般医が行う)一般診療(診療所)の訳語が与えられている。
②課題文«17» の146頁6行目 work <「仕事ぶり」という訳語を載せている英和辞書はなさそう>とあるが『リーダーズ英和辞典』には(第2版でも第3版でも)「仕事ぶり」の訳語がしっかり載っている。
③課題文«28» の236頁下から4行目<but were as strictly forbidden to wait upon himの as を見落とした人はいませんか.see that he suffered no serious harm「重大な危害を受けぬよう見張る」のと同じくらい厳しく、「かしずくな」と命じられた、ということですよ>とある。ここはもう少し懇切丁寧に as…as...の構文で文脈から明らかな場合には、後ろのas以下が省略されることがあり、この例文では but were as strictly forbidden to wait upon him の後には 本来 as who had strict injunction to see that he suffered no serious harmがあるはずだが文脈から明らかなので省略されているといった説明があって欲しい。
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英語のセンスを磨く――英文快読への誘い (岩波現代文庫) 文庫 – 2017/9/16
行方 昭夫
(著)
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購入オプションとあわせ買い
一念発起、英字新聞やペーパーバックを読み始めてはみるけれど、結局わかったような、わからないような、これでいいのかな? ――そんなあなたが読者です。手がかりを見のがさず、きちんと細部を読み込めば、書き手の心理が、論理の流れがはっきり見えてくる。英語の裏の裏を読む、本物のセンスを磨く本。例題を一部刷新した待望の文庫版。
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2017/9/16
- 寸法10.5 x 1.3 x 14.8 cm
- ISBN-104006022921
- ISBN-13978-4006022921
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2017/9/16)
- 発売日 : 2017/9/16
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 288ページ
- ISBN-10 : 4006022921
- ISBN-13 : 978-4006022921
- 寸法 : 10.5 x 1.3 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 299,677位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 203位ゲルマン諸語
- - 233位その他のドイツ語・ゲルマン諸語関連書籍
- - 424位岩波現代文庫
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2017年12月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2018年7月8日に日本でレビュー済み
著者は1931年生まれの東京大学名誉教授。モームやジェイムズの小説の翻訳者として知られ、同時に英文精読のための指南書も多数ある人物です。
この書が取り上げているのは主に19世紀から20世紀初頭にかけて紡がれた小説・エッセイ・評論・記事の類です。かなり教養の高い読者向けの硬質な英文が大半を占めます。私は一介のサラリーマンですから、こうした英文を読む機会は日常的にはありません。なんとか大意は捉えることのできるものから、濃い霞がかかったかのように見通しがきかない英文が並んでいるというのが率直な感想です。
ですが、懇切丁寧な著者の解説を読みながら、英文精読のヒントになる知識をいくつも得ることができました。
◆英語にはegotist(他者への配慮が少なく自分のことばかり話す人)という言葉がある。そう呼ばれることを避けるために、I, Iと言わず他者を含めてwe、あるいはyouと主語を替えることも重要。
◆Do you mean it? などに見られるitはindefinite itと呼び、漠然と今問題になっていることを指す。
◆過去の出来事を現在形で語る手法を「歴史的現在」と呼ぶ。過去がまるで今目の前で起こっているかのように感じさせる効果がある。
◆at firstという表現はfirst やin the beginningと異なり、「最初は~だが、後で……」と変化を予兆させることばであることを知っておくとよい。
◆willが現在の習慣的行為を表す場合がある。She is strange-she will sit for hours there looking outside.「彼女は変です――そこに座って何時間も外を眺めていることがよくあります」。(この現在の習慣的行為を表すwillは、柴田元幸『 翻訳教室 』(朝日文庫)でも解説されていたことを思い出しました。)
◆the friends I was staying withは「一緒に滞在していた友人たち」という意味ではなく、「泊めてくれた友人たち」の意。
◆but thenは「それにしても」と訳すことが多い句。
◆peasant and merchantやday and night、husband and wifeのように対句になった表現は単数形でも冠詞はつかない。
◆英語のchildは大体14歳以下を指す。もう少し低い年齢層を指す日本語の「子供」のようにchildを「幼少期」と解釈すると意味をとり違える場合がある。
◆girlは「少女」ととらえる場合よりも「若い女性」、「年頃の娘」と解釈するほうがずっと多い。
あとがきで著者が言う次の言葉が心に添いました。
「読む力なら、頑張れば英米人に負けないレベルまで到達可能です。自分一人でも本さえあれば一生楽しめる能力です」(260頁)
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この書が取り上げているのは主に19世紀から20世紀初頭にかけて紡がれた小説・エッセイ・評論・記事の類です。かなり教養の高い読者向けの硬質な英文が大半を占めます。私は一介のサラリーマンですから、こうした英文を読む機会は日常的にはありません。なんとか大意は捉えることのできるものから、濃い霞がかかったかのように見通しがきかない英文が並んでいるというのが率直な感想です。
ですが、懇切丁寧な著者の解説を読みながら、英文精読のヒントになる知識をいくつも得ることができました。
◆英語にはegotist(他者への配慮が少なく自分のことばかり話す人)という言葉がある。そう呼ばれることを避けるために、I, Iと言わず他者を含めてwe、あるいはyouと主語を替えることも重要。
◆Do you mean it? などに見られるitはindefinite itと呼び、漠然と今問題になっていることを指す。
◆過去の出来事を現在形で語る手法を「歴史的現在」と呼ぶ。過去がまるで今目の前で起こっているかのように感じさせる効果がある。
◆at firstという表現はfirst やin the beginningと異なり、「最初は~だが、後で……」と変化を予兆させることばであることを知っておくとよい。
◆willが現在の習慣的行為を表す場合がある。She is strange-she will sit for hours there looking outside.「彼女は変です――そこに座って何時間も外を眺めていることがよくあります」。(この現在の習慣的行為を表すwillは、柴田元幸『 翻訳教室 』(朝日文庫)でも解説されていたことを思い出しました。)
◆the friends I was staying withは「一緒に滞在していた友人たち」という意味ではなく、「泊めてくれた友人たち」の意。
◆but thenは「それにしても」と訳すことが多い句。
◆peasant and merchantやday and night、husband and wifeのように対句になった表現は単数形でも冠詞はつかない。
◆英語のchildは大体14歳以下を指す。もう少し低い年齢層を指す日本語の「子供」のようにchildを「幼少期」と解釈すると意味をとり違える場合がある。
◆girlは「少女」ととらえる場合よりも「若い女性」、「年頃の娘」と解釈するほうがずっと多い。
あとがきで著者が言う次の言葉が心に添いました。
「読む力なら、頑張れば英米人に負けないレベルまで到達可能です。自分一人でも本さえあれば一生楽しめる能力です」(260頁)
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2017年9月24日に日本でレビュー済み
英文解読の第一人者である行方昭夫・東大名誉教授の手になる『英語のセンスを磨くーー英文快読への誘い』増補改訂版が岩波現代文庫として世に出た。英語をひとあたり読みこなせると思っている人々の中で「ワンランク上の英語を目指す」向学の読者を念頭に置いて書いたというだけに、極めて精緻かつ懇切丁寧な指導の書である。コミュニケーション英語全盛のいま、的確な英文読解力こそ、聞く・話す能力の土台とも自負する著者が文中で最も重視するのは、英文を広く深い文脈の中で捉えること。簡単な例題として挙げるのが Are you a boy or a girl? もちろん、直訳なら「君は少年か少女か」だが、こんな問いかけの背景として、都会に住む少年が田舎住まいの祖父を訪ねた場面を想定。当世流行のイアリングなどを付けた孫を見て、「お前、それでも男か!」と驚き呆れる昔気質の祖父の叫びの意訳が出来上がる。正確な英文解読とは、単に横のものを縦にするのでなく、書き手の意図や時代背景など文章の奥にあるもの全てを緻密に探索してのことと説く。新著は、「英語のセンスを磨く」ことが、その学び手にとって、まさに文化的総力戦にも等しいことを教えてくれる。
2017年9月16日に日本でレビュー済み
『英語のセンスを磨く』が出た。単行本で出ていたのは知っていたけど、書評で行方氏の英語解釈の本の中でもっともハイレベルだとあったので敬遠していた。だけど、わたしもDHCからの『英文精読術』など4冊を全部勉強して、一応実力が向上したので、文庫本になった今は買う気になった。確かに課題文は文学だけでなく政治経済社会歴史など幅広い分野から選ばれていて手ごわい感じなので、まず息抜きのエッセイを読んだ。Who Killed Kennedy? という単純な疑問文が、マザーグースの唄との関連によって、事件の複雑さを表すという話はとても面白かった。例題にアウシュヴィッツ体験を描いたプリーモ・レーヴィの死が自殺だったか否かを論じた文章があった。この人の『休戦』に感心しているので読んでみた。親切な解説を利用すれば、英文はわたしでも読めてよく意味が分かった。これに気をよくして通読した。30題のどれも英文解釈の練習だけではもったいない程、内容が良い。これだけ内容が濃い例題をよく選んだものだ。
2017年9月16日に日本でレビュー済み
これは行方氏の英文解釈本の中でもっともレベルが高い。単行本から文庫になり、増補改訂本だという。単行本で気になっていた説明をチェックしたら、確かに分かり易いものに訂正されている。課題文が1つ増え、4つ差し替わっていて、合計5つ全く新しい課題文が読めるのは有難い。新しい最初の例題はイタリア美術専門の英国女流評論家の列車に乗り遅れた経験を綴った洒脱なエッセイ。解説を読んで今さらながら行方氏の精読の質に舌を巻いた。氏に導かれて課題文の文体を精密に分析することによって、著者の内面の動きや人柄まで分かってくるのだ。20世紀初頭の意気軒昂なインテリ女性で、自由奔放な性質、大まかなところと鋭い感覚を持つ。機械的に訳す英文和訳から、このような人間性の心理探究まで行う英文解釈まで、レベルに大きな差があるのだが、本書はその読み方を懇切に伝授する数少ない書物である。