人気も下火になった頃にJホラーに興味を持ち始めて後追いで様々な作品を見るようになり、この本にたどり着きました。「邪願霊」、「ほんとにあった怖い話」というJホラーの原点である作品の脚本家であり「小中理論」という言葉がJホラー大人気時によく語られたのでJホラーの恐怖はこの著者が構築したように錯覚してしまいます。ですが、下記の2012年の「POV〜呪われたフィルム」公開時の「ほんとにあった怖い話」鶴田法男監督と「邪願霊」石井てるよし監督の対談を併せて読むと、この両監督が著者を作品の脚本に起用して切磋琢磨した結果、Jホラーの礎ができたというのが正確なところでしょう。
http://www.fjmovie.com/main/interview/2012/02_pov.html
「リング」の脚本家、高橋洋自身も「小中理論という言葉は便宜上使っただけである」と2010年の「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」で語っているので「Jホラーは、はじめに小中理論ありき」と受け取ってしまうのは間違いですね。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm14456543
この本も10年以上前の物で、高橋洋、黒沢清らの本も一作家の視点から語っているだけだし、世界を席捲したJホラーをもっと客観的に読み解いた解説本みたいなものをどこかの出版社が出してくれないかなと切に願います。アニメ以外で世界進出できた希有な日本映画がJホラーですから、その再燃のためにもどなたかお願いします!
それにしてもです。「小中理論」ともてはやされたのに、この著者は東宝Jホラー・シアターにもフジテレビの人気番組になった「ほんとにあった怖い話」にもまったくかかわってないのはなぜ???
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ホラー映画の魅力―ファンダメンタル・ホラー宣言 (岩波アクティブ新書) 新書 – 2003/9/6
小中 千昭
(著)
『リング』『呪怨』などのホラー映画が人気を集め,ハリウットからも注目されている.その背景には,オリジナルビデオやテレビでのさまざまな試みがあった.先駆的な作品を通して日本のホラー映画に大きな影響を与えた脚本家が,ホラー映画はなぜ人を惹きつけるのか,怖さの秘密は何かを解説し,本当に怖いホラーを作るノウハウを公開する.
- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2003/9/6
- ISBN-104007000867
- ISBN-13978-4007000867
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商品の説明
商品説明
『リング』『女優霊』などのヒットでジャンルとして定着し、海外にもファンを得た“日本のホラー映画”。その立役者の一人である特殊脚本家の小中千昭氏が、ホラー映画を解体し、怖い映画とは何か、いかにして怖い映画をつくるかについて、初めて書き下ろしたのがこの本だ。
ファンダメンタル・ホラーの映画史を探る「恐怖の記憶」の章では、本当に怖い映画とはどんな映画かを考えながら、ショッカー、スプラッター、クリーチュアなど、さまざまなタイプの作品の“怖さ”を分析。『ねじの回転』『呪いの館』『ヘルハウス』『キャリー』『ジョーズ』などモニュメント的な名作が、「なぜ怖いのか」を教えてくれる。
10歳で映画を作り始めた著者は、作り手としての視点を早くから獲得し、中・高・大学を通じて技術の研究と実践にのめりこんでいた。「特殊脚本家の誕生」の章では、そうしたデビュー前後の過程や、『ほんとにあった怖い話』『学校の怪談』等テレビドラマの裏話がたっぷりと楽しめる。
しかしこの本の目玉は後半の、高橋洋氏との対話を言語化した<小中理論>(「恐怖の方程式」)、そしてリアリティについての諸問題の考察だ。脚本家や映像制作を目指す人はもちろん、映画ファンにも非常に興味深く読めるだろう。著者はこの本で、商業作品の脚本家としての手の内を惜しげもなくさらしている。その行為には新しい恐怖をつかむ決意と、何よりもホラー映画への深い愛情が満ちている。(佐々木順子)
出版社からのコメント
本当に「怖い」映像を作りたい!
ホラー映画が人気を集めています.ハリウッドでも『リング』や『呪怨』がリメイクされるなど,日本のホラー映画は世界的にも注目されています.日本の ホラー映像の手法が人を惹きつける背景には,低予算の中で「本当に怖い」を追求して きたさまざまな試みがありました.デビュー作『邪願霊』以来,先駆的な試みをしてき た脚本家が培ってきた「本当に怖いホラー」を作るノウハウは,後に高橋洋氏や黒沢清 氏によって<小中理論>と呼ばれています.これまで話題になりながらきちんと書かれて はこなかった<小中理論>の全貌を,自らの手ではじめて明らかにします.ホラー映画フ ァン必読の1冊です.
ホラー映画が人気を集めています.ハリウッドでも『リング』や『呪怨』がリメイクされるなど,日本のホラー映画は世界的にも注目されています.日本の ホラー映像の手法が人を惹きつける背景には,低予算の中で「本当に怖い」を追求して きたさまざまな試みがありました.デビュー作『邪願霊』以来,先駆的な試みをしてき た脚本家が培ってきた「本当に怖いホラー」を作るノウハウは,後に高橋洋氏や黒沢清 氏によって<小中理論>と呼ばれています.これまで話題になりながらきちんと書かれて はこなかった<小中理論>の全貌を,自らの手ではじめて明らかにします.ホラー映画フ ァン必読の1冊です.
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2003/9/6)
- 発売日 : 2003/9/6
- 言語 : 日本語
- 新書 : 192ページ
- ISBN-10 : 4007000867
- ISBN-13 : 978-4007000867
- Amazon 売れ筋ランキング: - 149,691位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
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2014年3月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2022年2月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
家族に頼まれて購入
2004年11月17日に日本でレビュー済み
本書では「ファンダメンタルなホラー映画」という筆者の独自の理論によって定義した本当に怖いホラー映画というのを法則化、体系化している。
筆者は高橋洋や黒沢清といった日本のホラー史において重要な人物からもその独特で論理的なホラー理論、通称「小中理論」の創始者として賞賛され、黒沢清は実際にその理論を自身の映画の中で実践している。
筆者の膨大なホラー映画知識をフルに活用し、また自身の映画製作体験の中から生み出された「ファンダメンタルなホラー」の法則は必読に値する。
また今旬な監督清水崇との対談も掲載されている。
筆者は高橋洋や黒沢清といった日本のホラー史において重要な人物からもその独特で論理的なホラー理論、通称「小中理論」の創始者として賞賛され、黒沢清は実際にその理論を自身の映画の中で実践している。
筆者の膨大なホラー映画知識をフルに活用し、また自身の映画製作体験の中から生み出された「ファンダメンタルなホラー」の法則は必読に値する。
また今旬な監督清水崇との対談も掲載されている。
2012年1月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書はそれに対してさまざまな映画を引用し解説してくれる。
内容は筆者の幼少期の自主映画からはじまり、ホラーをテーマにするまでの原体験。脚本家になるまでの経緯など。とくに興味深かったのは怖がらせるための理論を詳しく書いている章。目を覆いたくなるような凄惨なシーンでもなく、唐突に大音量でなる恐ろしい音楽でもなく、ゾォっとさせるのには何が必要か。それに対して事細かに論じています。
内容は筆者の幼少期の自主映画からはじまり、ホラーをテーマにするまでの原体験。脚本家になるまでの経緯など。とくに興味深かったのは怖がらせるための理論を詳しく書いている章。目を覆いたくなるような凄惨なシーンでもなく、唐突に大音量でなる恐ろしい音楽でもなく、ゾォっとさせるのには何が必要か。それに対して事細かに論じています。
2014年5月21日に日本でレビュー済み
筆者が自身の経歴を紹介しつつ、観客を怖がらせるために試行錯誤してきたことを書いた本です。
特に4章ではそれらを恐怖を生み出す手法として体系的にまとめており、
ホラーによって起きる恐怖をメタな視点でとらえていたことがうかがえて興味深いです。
自分が小中千昭の名前を知ったのはアニメ版lainの脚本からで、当時はホラーの人とは知らなかったのですが、
「妙に不気味で怖い話だな」と思うアニメがあると、この人が脚本担当だったりしたので
アニメ作りでもここで書かれているような手法は活かされてるんだろうと思いました。
筆者自身が影響を受けた古典作品について書いている部分は、怖い古典映画のナビとしても使えそうです。
特に4章ではそれらを恐怖を生み出す手法として体系的にまとめており、
ホラーによって起きる恐怖をメタな視点でとらえていたことがうかがえて興味深いです。
自分が小中千昭の名前を知ったのはアニメ版lainの脚本からで、当時はホラーの人とは知らなかったのですが、
「妙に不気味で怖い話だな」と思うアニメがあると、この人が脚本担当だったりしたので
アニメ作りでもここで書かれているような手法は活かされてるんだろうと思いました。
筆者自身が影響を受けた古典作品について書いている部分は、怖い古典映画のナビとしても使えそうです。
2012年11月12日に日本でレビュー済み
映画に限らずテレビドラマ、オリジナルビデオにおいてホラーや恐怖をどう伝えるのかが主題である。 屋敷、家物から始まり悪魔、スプラッター、パニック、殺人鬼、ドキュメンタリーまでホラー映画の辿ってきた歴史を紐解き、時代によっての変化を紐解いていく。 さらに、筆者の子供時代からの映画作製、経歴も合わせていき恐怖を伝える方法論を理論としている。 恐怖とは何かとそれをどういう風に伝えるか(撮影や脚本、演出)が分かりやすく書かれており、ホラー映画の見方が変わる一冊になると思います。 高橋洋や清水崇、黒沢清などの名前が出てくるので彼らの経歴を知るというのでも楽しめました。
2003年9月19日に日本でレビュー済み
リング、らせん、呪怨etc...
ホラーブームも下火になりつつある今日この頃。
「だからこそ」ホラーというものに注目するのもいいのかもしれない。
古典ホラーの解体とこれからのホラー手法。
ミステリにはこういった本は多数あるが、存外にホラーには解説本というものが少ない。
それゆえこの本は貴重な一冊になると思われる。
買って損なし。
ホラーブームも下火になりつつある今日この頃。
「だからこそ」ホラーというものに注目するのもいいのかもしれない。
古典ホラーの解体とこれからのホラー手法。
ミステリにはこういった本は多数あるが、存外にホラーには解説本というものが少ない。
それゆえこの本は貴重な一冊になると思われる。
買って損なし。
2003年11月16日に日本でレビュー済み
ホラー映画の「怖さ」を解剖してしまうということはネタをばらしてしまうことでもあり、同業者としては怖い仕事ではないだろうか。しかし著者はそれには臆せず、さらにあたらしい「怖さ」を求めていく宣言をする。その潔い姿勢からは、ホラーへの熱意がひしひしと伝わってくる。紹介されている映画を見た後、繰り返しこの書をひも解くうち、著者とともにさらに新しい「怖さ」を求めていきたくなる。