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彼らの犯罪 コミック – 2009/3/6
樹村 みのり
(著)
いつの世にも罪を犯す人々がいる。彼らは何故、犯罪に走るのか? その裁判を見つめる人がいる。視線の先には犯人がいる。明らかになる事件の経緯。だが、心に浮かぶのは疑問とやりきれなさだった……。「女子高生コンクリート詰め殺人事件」を題材にした著者渾身の作品集!
- 本の長さ206ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日2009/3/6
- ISBN-104022140186
- ISBN-13978-4022140180
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登録情報
- 出版社 : 朝日新聞出版 (2009/3/6)
- 発売日 : 2009/3/6
- 言語 : 日本語
- コミック : 206ページ
- ISBN-10 : 4022140186
- ISBN-13 : 978-4022140180
- Amazon 売れ筋ランキング: - 386,964位コミック
- カスタマーレビュー:
著者について
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年4月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
姉の誕生日に購入しました。喜んでくれていました。
2020年9月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
すでに裁判は終わり、加害者も刑期を終えているが、終わることがない不安や疑問が湧きだす凄惨な事件。性悪説に立たないと防げない事もあるのだと思うほうがいいのか。強姦罪が軽すぎることも諸悪の根元。作者は感情を抑えて描く努力をしていると思う。
2021年11月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とにかく、テーマが重い。読み終わった後、ずっしりと心に残るものがある。泣きながら読んだ。この作品は漫画なのだけれど、テーマが現代社会の闇を描いている。①女子高生コンクリート詰め殺人事件、②ヤマギシ会(カルト宗教)の問題③高校教師とその妻が、家庭内暴力の長男を刺殺した事件④原発事故の問題がテーマに成っている。特に表題作の女子高生殺人事件に関しては、丁寧に取材されている。主人公の女性キャラクターは裁判を傍聴し、この事件の顛末を見つめる。裁判の傍聴記録のような形で話が進む。主人公は裁判を傍聴しながら被害者の女子高生の気持ちを想像する。
この事件は1989年に起こった事件で私の記憶にはない。しかし、この事件がどれ程残虐で悲しいものだったのかが分かる。女子高生は監禁され、輪姦され、人間の尊厳を奪われ続け、最後は顔が腫れあがるほど男たちにリンチされ殺された。その事件を起こしたのは普通の、高校生達だった。彼等はどうして自分の快楽のためにこれほど残虐な事を出来るのか。人間とは一体何か…。頭を抱える。しかし、こういう事をしでかすのが人間なのだ。その事への絶望。作品の中で、著者は徹底して被害者の悲しみに寄り添う。実は事件の時、世間には被害者の女子高生を責める向きもあった。これは現代もよく見る光景ではないか…。若い女性や子供が性的に搾取された時、卑劣な大人が起こした事件なのに「ついていったのが悪い」「なぜ必死に抵抗しなかったのか」なぜか犯人によりそい話す人が多い。本作の中で現代社会との既視感を覚える。被害者は殺されるほどの恐ろしさを体験しているのだ、だから抵抗すれば命が奪われると感じ抵抗できないのだ。
なんとか、この女性徒を助ける方法はなかったのか。読後に祈る気持ちになる。表題作の最後に本当に心に残った言葉があるので記しておきたい。主人公の目から見ると、主犯格の男子はひょうひょうと裁判を受けてきたように思えた。最後の判決、思っていたよりも重い罪を言い渡され、主犯格の男はがっかりしたように見えた。そこで彼女はこう心の中で犯人に言う。「そんなにガッカリすることはない。今の君の挫折など君たちが花田さん(被害者)に与えた挫折に比べたら、何程のものだろう。花田さんは還らない。それは君と君たちがしたことだ…」
この作品は、悲しい。しかし圧倒的な人間への優しさを感じる。それはきっと作者が人間の愚かさや悲しみを馬鹿にしたり、誤魔化したりせずに、必死に見つめながら描いたからではないだろうか。この作品に書かれる事件は「まっとう」な事ではない。人間がいかに「まっとう」から外れ、獣のようになってしまうかが書かれている。しかし、その愚かさを「まっとうな人間をあきらめずに」「まっとうにあろうとする視線」から書かれているのである。単に面白おかしく、事件の顛末を書いたり、都市伝説のような形で犯罪を消費する漫画は多い。しかし、この作品は違う。どんどん愚かになっていくようにも見える人間社会、しかし必死にまっとうさを保とうとする作者のもがきと、まっとうであってくれという願いをこの作品からは感じるのだ。だから、誠実に生きようとする作者にこの本を通して出会えたことが私は嬉しい。それにつけても、殺された者と殺した者の不公平さよ。いかに殺した者が苦しもうとも、殺されたものは2度と生き返らない。殺された者が奪われたものは、殺した者と比較にはならない。彼女の苦しみ悲しみは決して癒えることはない。残された私たちはその事と向き合い続けていく以外にないのだろう。
この事件は1989年に起こった事件で私の記憶にはない。しかし、この事件がどれ程残虐で悲しいものだったのかが分かる。女子高生は監禁され、輪姦され、人間の尊厳を奪われ続け、最後は顔が腫れあがるほど男たちにリンチされ殺された。その事件を起こしたのは普通の、高校生達だった。彼等はどうして自分の快楽のためにこれほど残虐な事を出来るのか。人間とは一体何か…。頭を抱える。しかし、こういう事をしでかすのが人間なのだ。その事への絶望。作品の中で、著者は徹底して被害者の悲しみに寄り添う。実は事件の時、世間には被害者の女子高生を責める向きもあった。これは現代もよく見る光景ではないか…。若い女性や子供が性的に搾取された時、卑劣な大人が起こした事件なのに「ついていったのが悪い」「なぜ必死に抵抗しなかったのか」なぜか犯人によりそい話す人が多い。本作の中で現代社会との既視感を覚える。被害者は殺されるほどの恐ろしさを体験しているのだ、だから抵抗すれば命が奪われると感じ抵抗できないのだ。
なんとか、この女性徒を助ける方法はなかったのか。読後に祈る気持ちになる。表題作の最後に本当に心に残った言葉があるので記しておきたい。主人公の目から見ると、主犯格の男子はひょうひょうと裁判を受けてきたように思えた。最後の判決、思っていたよりも重い罪を言い渡され、主犯格の男はがっかりしたように見えた。そこで彼女はこう心の中で犯人に言う。「そんなにガッカリすることはない。今の君の挫折など君たちが花田さん(被害者)に与えた挫折に比べたら、何程のものだろう。花田さんは還らない。それは君と君たちがしたことだ…」
この作品は、悲しい。しかし圧倒的な人間への優しさを感じる。それはきっと作者が人間の愚かさや悲しみを馬鹿にしたり、誤魔化したりせずに、必死に見つめながら描いたからではないだろうか。この作品に書かれる事件は「まっとう」な事ではない。人間がいかに「まっとう」から外れ、獣のようになってしまうかが書かれている。しかし、その愚かさを「まっとうな人間をあきらめずに」「まっとうにあろうとする視線」から書かれているのである。単に面白おかしく、事件の顛末を書いたり、都市伝説のような形で犯罪を消費する漫画は多い。しかし、この作品は違う。どんどん愚かになっていくようにも見える人間社会、しかし必死にまっとうさを保とうとする作者のもがきと、まっとうであってくれという願いをこの作品からは感じるのだ。だから、誠実に生きようとする作者にこの本を通して出会えたことが私は嬉しい。それにつけても、殺された者と殺した者の不公平さよ。いかに殺した者が苦しもうとも、殺されたものは2度と生き返らない。殺された者が奪われたものは、殺した者と比較にはならない。彼女の苦しみ悲しみは決して癒えることはない。残された私たちはその事と向き合い続けていく以外にないのだろう。
2017年12月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
しんみりと自分の人生と重なる話が多かった。
後半の短編が好き。
メインの事件をモチーフにしたお話は、被害者が置き去りにされている感じで辛かった。
彼女は救われなかった、ということを冷たく再認識させられた。
後半の短編が好き。
メインの事件をモチーフにしたお話は、被害者が置き去りにされている感じで辛かった。
彼女は救われなかった、ということを冷たく再認識させられた。
2021年11月21日に日本でレビュー済み
以前、響流書房でこの方の話を読んだ。この本にもヤマギシ会の話が収録されている。
この方の漫画は淡々としているように見える。どうしてかというと、本当に悪い「顔」の人が描かれないからだ。漫画ってキャラクターの立ち位置をはっきりさせるために、「あ、これ悪い奴だな」とわかる「顔」で書かれることが多いが、このお話に出てくる登場人物(多くは犯人的な存在なのだが)はみんないろいろな「顔」を持っている。そのときそのときの表情だ。だから常に悪い人もいい人もいないのだ。だから判断は読者に委ねられる。あなたはどう考えるか、と。
表題作は女子高生コンクリート詰め殺人事件をテーマにしたものなのだが、表面で読んでいくと、「なんでもっと加害者を攻めないんだ!」といわれそうな感じがする。そこは取材する女性を通して静かに被害者へ、女性への深い視線があるのだ。漫画だからってさらっと読んじゃいけない。まだ小さいときにこの事件をワイドショーで見て、なんと高校生になるということが怖いんだと感じたのを思い出す。
自分は「親が・殺す」も重かった。東大卒の真面目な高校教員が妻と共に息子を殺した事件。いろんなところでこのシチュエーションが自分と重なることがあり、自分の読み方は全部保留だった。最後の父親の言葉がすべてかもしれない。
後半には女性の生き方(「イエ」から解放されたおばあちゃん、LGBT、ミスコンなど)に関するものがある。自分より前の世代の方の考えだと思うが、それでもここまで落とし込んで伝えられるというのはすごいなと思う。是非読んでみて欲しい。でもどれだけ上の年代の人たちに気付きを与えられるか・・・とも思う。それぞれの人間が人生で気づき上げてきた価値判断というのはそう簡単に覆らない。
この方の漫画は淡々としているように見える。どうしてかというと、本当に悪い「顔」の人が描かれないからだ。漫画ってキャラクターの立ち位置をはっきりさせるために、「あ、これ悪い奴だな」とわかる「顔」で書かれることが多いが、このお話に出てくる登場人物(多くは犯人的な存在なのだが)はみんないろいろな「顔」を持っている。そのときそのときの表情だ。だから常に悪い人もいい人もいないのだ。だから判断は読者に委ねられる。あなたはどう考えるか、と。
表題作は女子高生コンクリート詰め殺人事件をテーマにしたものなのだが、表面で読んでいくと、「なんでもっと加害者を攻めないんだ!」といわれそうな感じがする。そこは取材する女性を通して静かに被害者へ、女性への深い視線があるのだ。漫画だからってさらっと読んじゃいけない。まだ小さいときにこの事件をワイドショーで見て、なんと高校生になるということが怖いんだと感じたのを思い出す。
自分は「親が・殺す」も重かった。東大卒の真面目な高校教員が妻と共に息子を殺した事件。いろんなところでこのシチュエーションが自分と重なることがあり、自分の読み方は全部保留だった。最後の父親の言葉がすべてかもしれない。
後半には女性の生き方(「イエ」から解放されたおばあちゃん、LGBT、ミスコンなど)に関するものがある。自分より前の世代の方の考えだと思うが、それでもここまで落とし込んで伝えられるというのはすごいなと思う。是非読んでみて欲しい。でもどれだけ上の年代の人たちに気付きを与えられるか・・・とも思う。それぞれの人間が人生で気づき上げてきた価値判断というのはそう簡単に覆らない。
2014年9月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
樹村さんの作品はどれも好きです。
風化させたくないコンクリ事件のことを
樹村さんらしい視点で描かれています。
もっと長篇で、より深く掘り下げて欲しいかったかな。
風化させたくないコンクリ事件のことを
樹村さんらしい視点で描かれています。
もっと長篇で、より深く掘り下げて欲しいかったかな。
2011年4月3日に日本でレビュー済み
寡作なベテラン漫画家である。彼女の作品は、いつも率直で誠実だ。だから、すごく重くストレートに心に響く。そして彼女がこのテーマを選んで作品として描くに至るまでの逡巡とか煩悶のようなものに気付かされるのだ。漠然と感じていたり、意見を言おうと思ってもなかなか口にできない、そんなことを彼女は代弁してくれている。
収められた3編の作品はそれぞれ考えさせられるが、最後のピリッとした掌編も良い出来だと思う。
全体的に、他人の痛みが分からない人間に対する疑問が作者の中にはあるように感じる。そして彼女は作品を通してそれを一生懸命訴えている。それはデビューの頃から一貫して変わっていない。
収められた3編の作品はそれぞれ考えさせられるが、最後のピリッとした掌編も良い出来だと思う。
全体的に、他人の痛みが分からない人間に対する疑問が作者の中にはあるように感じる。そして彼女は作品を通してそれを一生懸命訴えている。それはデビューの頃から一貫して変わっていない。
2009年3月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
表題作「彼らの犯罪」は、1988年に起きた、少年4人による「女子高生殺人コンクリート詰め遺棄事件」を取材及び裁判傍聴により語ったもので、復刊ドットコムでも永らく単行本化が望まれていた作品。
なぜ少年達はこんなことをしたのか。
なぜ被害者は逃げられなかったのか。
なぜ事件の舞台となった家に住む両親は最悪の事態を回避させることが出来なかったのか。
作品ではそうした疑問の答えを見つけるべく、裁判の様子と取材によって明らかになった事実を並べて行く。
作者の視点と語り口はいつものように静かでけして激昂することがない。また、鬼畜のごとき所業をなした被告たちに罵詈雑言を浴びせている訳ではなく、彼らの未成熟さを直視し、少年一人の改心の言葉を取り上げる優しさも見せる。
裁判という場で見る限りでは極悪非道とまでは言いがたい少年たちが、結果を見れば常軌を逸した悲惨な事件を起こした原因は明らかにされず、作者もその(被告たちの心の奥底の)深部にまで自分の解釈を入れることを極力避けているように見えるが、それは「この未曾有の事件の実態を出来るだけ客観的に伝えたい」ことと「やはり、どう好意的に解釈しても、同じ人間としてこれほどの罪を犯せる理由を推し量れない」の双方の想いが感じられる。
蛇足ながら、単行本オビの「人は、どのようにして裁かれるのか」という文章、裁判員制度実施に併せたタイムリーな宣伝文のつもりかもしれないが、これは「人は、どのようにして犯罪に走るのか」に変えるべきでは。
なぜ少年達はこんなことをしたのか。
なぜ被害者は逃げられなかったのか。
なぜ事件の舞台となった家に住む両親は最悪の事態を回避させることが出来なかったのか。
作品ではそうした疑問の答えを見つけるべく、裁判の様子と取材によって明らかになった事実を並べて行く。
作者の視点と語り口はいつものように静かでけして激昂することがない。また、鬼畜のごとき所業をなした被告たちに罵詈雑言を浴びせている訳ではなく、彼らの未成熟さを直視し、少年一人の改心の言葉を取り上げる優しさも見せる。
裁判という場で見る限りでは極悪非道とまでは言いがたい少年たちが、結果を見れば常軌を逸した悲惨な事件を起こした原因は明らかにされず、作者もその(被告たちの心の奥底の)深部にまで自分の解釈を入れることを極力避けているように見えるが、それは「この未曾有の事件の実態を出来るだけ客観的に伝えたい」ことと「やはり、どう好意的に解釈しても、同じ人間としてこれほどの罪を犯せる理由を推し量れない」の双方の想いが感じられる。
蛇足ながら、単行本オビの「人は、どのようにして裁かれるのか」という文章、裁判員制度実施に併せたタイムリーな宣伝文のつもりかもしれないが、これは「人は、どのようにして犯罪に走るのか」に変えるべきでは。