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ウエストウイング 単行本 – 2012/11/7
津村 記久子
(著)
事務職のOL・ネゴロ、20代サラリーマン・フカボリ、進学塾に通う小学生・ヒロシ。
職場、将来、成績と、それぞれに思いわずらう三人が、
取り壊しの噂もあるビルのデッド・スペースで、互いの顔も知らぬまま物々交換を始める。
ところが、微温的で、しんどい日々から一転、信じられぬ災厄が次から次へと三人に降りかかるのだった。
追いつめられ、巻き込まれてなお、最善を尽くそうとする三人の「努力」は実を結ぶのか?
デビュー10年を目前に控えた著者の新たな達成。
職場、将来、成績と、それぞれに思いわずらう三人が、
取り壊しの噂もあるビルのデッド・スペースで、互いの顔も知らぬまま物々交換を始める。
ところが、微温的で、しんどい日々から一転、信じられぬ災厄が次から次へと三人に降りかかるのだった。
追いつめられ、巻き込まれてなお、最善を尽くそうとする三人の「努力」は実を結ぶのか?
デビュー10年を目前に控えた著者の新たな達成。
- 本の長さ392ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日2012/11/7
- 寸法13 x 2.5 x 18.8 cm
- ISBN-104022510218
- ISBN-13978-4022510211
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登録情報
- 出版社 : 朝日新聞出版 (2012/11/7)
- 発売日 : 2012/11/7
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 392ページ
- ISBN-10 : 4022510218
- ISBN-13 : 978-4022510211
- 寸法 : 13 x 2.5 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 355,768位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 8,630位日本文学
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年10月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
津村記久子さんの小説は好きでよく読みます。3人の登場人物がユニークです。同じ雑居ビルに通う女性事務員、若いサラリーマンそれに塾通いの小学生。この共通項のない3人の接点はビル内の使われていない部屋。仕事や塾の勉強の息抜きのためお互いに別々の時間に利用しているのに自分以外の誰かがこの場所を使っていると気付、顔を合わせることなく手紙やメモやプレゼントでコミュニケーションをとっています。小さな雑居ビルのわりには共同ののトイレでの出産とか、隣のビルに幽霊が出没したりと結構大変な事件が起きて、事件に巻き込まれた知らない同志が話し合ったり助け合ったり関わり合いが生まれ何故か読み進むうちにこんな職場は悪くないなと思わせられます。彼女の文庫本は巻末の解説を読むのも楽しみの一つです。
2013年7月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
たんたんとしてるのですが、みんなが少しずつヒーローでありヒロインなところが好きです。
大阪の人であれば、この地下通路があの場所で、取り壊されそうなビルはあの場所の
イメージとすぐにわかるでしょう。
図書館で借りずに、手に持って触れ合っている人たちを再び眺めるのも
良さそうな気がして、購入はよかったと思ってます。
大阪の人であれば、この地下通路があの場所で、取り壊されそうなビルはあの場所の
イメージとすぐにわかるでしょう。
図書館で借りずに、手に持って触れ合っている人たちを再び眺めるのも
良さそうな気がして、購入はよかったと思ってます。
2014年8月8日に日本でレビュー済み
主要登場人物3人のオムニバス形式の内容。ハードカバー約400ページと読みごたえはあるが、途中からマンネリ感が強まる上、ラストも狙いすぎで外している。
2013年1月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ターミナル駅に面してはいるものの豪雨時に水の受け皿になるように設計された長い地下通路を通らなければならないため完成以来いま一つ店子に恵まれなかった既に旧式の椿ビルディングビル。職場の雑事に追われ連続有給が取れない若手事務職OLのネゴロと不幸せではないが仕合せでもない毎日を雑然と過す若手理系サラリーマンのフカボリと母子家庭で母親の別れた夫への見得もあり進学塾に通わされているものの全く勉強する気も起きず、よって成績も上がらない小学五年生のヒロシが互いを知らずに共有していた椿ビルディング西棟の物置き場。ふとしたきっかけで彼女と彼ら三人が物々交換を始めるが…… 第一ラウンドではそれそれの語り手の境遇が語られ、ヒロシに画の才能があることが際立つ(お話も作っている)。第二ラウンドでは語り手の一人がおかしな顔の幽霊を目撃し、これがラストのほっこりに繋がる。第三ラウンドがゲリラ豪雨で地下通路の機能(上記)が明かされ一夜限りの夜霧の渡しが生まれたりする。最終ラウンドはウィルス性の感染症で、なんと語り手三人がすべて罹患してしまう。そして全体を緩く繋ぐのが椿ビルディング取り壊しの噂及び店子たちの会合で子供からお年寄りまでかなりの人数の登場人物が皆それぞれに一癖あって飽きさせない。最後まで読んで振り返るとお話としての瑕疵が見えるが、「ワーカーズ・ダイジェスト」辺りから醸し出している著者独特の緩い空気感があるので、さほど気にならない。そしてラストは大団円なのだろうな? 思い出すと読んでいる間、(一部を除き)ずっと精神を癒されていたことに気づく。作者は稀有な才能の持ち主だが、それも一夜にしてならず。津村記久子の読者でいられることの幸せを噛み締めたい!
2013年9月15日に日本でレビュー済み
冒頭は厄介な後輩を抱えたネゴロというOLが出て来るので、従来通りの作風かと思ったのだが、作者としては新機軸を打ち出すという意図があった様だ。まず、これまでの中編形式とは異なり長編でジックリと物語を綴る形式となっている。そして、ネゴロ一人に的を絞らず、ネゴロが勤務する椿ビル内の物置部屋で互いに名前も顔も知らずに交流する調査会社のフカボリ、学習塾へ通う小学生のヒロシの三人を中心とした椿ビル内の群像を描こうとしている。このための長編形式であろう。この椿ビルのイメージは"監獄"としての「モン・サン・ミッシェル城」であり、本作の主人公はこの椿ビルと言って良いかも知れない。
ネゴロやフカボリが勤める会社を初めとして椿ビル内の各テナントは一様に経営状態が宜しくない。また、創作に才能を有するヒロシ(作者自身の投影かもしれない)は学習塾へ通う事に不満を持っていて、椿ビル内には閉塞感が漂っている。更に、椿ビルは地下道を通じてターミナル駅と10分程の距離にあるのだが、豪雨で人々が帰宅困難者となった時、この地下道に水が溢れて人が通れなくなってしまうエピソードは、椿ビルの孤立性を一層浮き彫りにしている。しかし、作者がネガティブな作品に仕立てる筈はない。作者の従来のヒロイン像に通じるネゴロの逞しさ、しぶとさは勿論の事、フカボリの作中夢とも取れる程の着想外の行動(ユーモアを狙ったものか?)、そしてヒロシの独立心は読む者に勇気を与えてくれる。また、この三人の周囲の人々もユニークな個性の持ち主が多く、作品にいつもの"まったり"感、暖かみを付与するのに寄与している。
全体として滅び行く(かもしれない)ターミナル駅周辺のビルへの応援歌という体裁となっていて清々しい印象を受けた(大阪在住の方は特にそう感じられると思う)。やや散漫な感は免れないが、新機軸としてはひとまず成功と言って良いのではないか。
ネゴロやフカボリが勤める会社を初めとして椿ビル内の各テナントは一様に経営状態が宜しくない。また、創作に才能を有するヒロシ(作者自身の投影かもしれない)は学習塾へ通う事に不満を持っていて、椿ビル内には閉塞感が漂っている。更に、椿ビルは地下道を通じてターミナル駅と10分程の距離にあるのだが、豪雨で人々が帰宅困難者となった時、この地下道に水が溢れて人が通れなくなってしまうエピソードは、椿ビルの孤立性を一層浮き彫りにしている。しかし、作者がネガティブな作品に仕立てる筈はない。作者の従来のヒロイン像に通じるネゴロの逞しさ、しぶとさは勿論の事、フカボリの作中夢とも取れる程の着想外の行動(ユーモアを狙ったものか?)、そしてヒロシの独立心は読む者に勇気を与えてくれる。また、この三人の周囲の人々もユニークな個性の持ち主が多く、作品にいつもの"まったり"感、暖かみを付与するのに寄与している。
全体として滅び行く(かもしれない)ターミナル駅周辺のビルへの応援歌という体裁となっていて清々しい印象を受けた(大阪在住の方は特にそう感じられると思う)。やや散漫な感は免れないが、新機軸としてはひとまず成功と言って良いのではないか。
2013年1月29日に日本でレビュー済み
大阪のターミナル駅から徒歩10分、といえば聞こえはいいが、実際は廃止された貨物駅の地下をくぐる陰気なトンネルを1キロ近く歩くことになる、古臭い雑居ビルの西棟にて。
それぞれ普通のしんどい事情、ありふれすぎて人に話すこともできない鬱屈を抱える3人の主人公たち。お互いに他人同士の3人が、ほかのテナントの住人たちも含めて、うっすらと交流を重ねてゆく。彩りのない毎日の繰り返しのうちにも、ふと何かがひらめくような一瞬があり、心に残る感覚がある。
魔法のように心を癒す類の展開ではなく、淡々として妙におもしろい。リアルタイムの閉塞感がリアルな関西弁で描き出されている。表題は洒落なのだろうかと穿った読み方をしてしまった。
それぞれ普通のしんどい事情、ありふれすぎて人に話すこともできない鬱屈を抱える3人の主人公たち。お互いに他人同士の3人が、ほかのテナントの住人たちも含めて、うっすらと交流を重ねてゆく。彩りのない毎日の繰り返しのうちにも、ふと何かがひらめくような一瞬があり、心に残る感覚がある。
魔法のように心を癒す類の展開ではなく、淡々として妙におもしろい。リアルタイムの閉塞感がリアルな関西弁で描き出されている。表題は洒落なのだろうかと穿った読み方をしてしまった。