やさぐれた男が、死んだ父親のことを調べていると、父親の家でビデオテープを見つけ、その内容の元である政治家をゆすってお金を受け取っていたことが分かる。
各章は、「ゆする側」と「ゆすられる側」の視点が交互に来る形で進みます。
この小説は読み始めると一気読みで、手が止まらなくなりますが、その理由のひとつが《ビデオテープの正確な内容が、読者に分からないように設定》されていることです。
なので、2つの視点から見る登場人物たちの心情を読みながら、読者は《この人達の過去には、どんな真実が隠されているのだろう》という疑問につながる構成になっています。
帯には「213ページで衝撃」というような書き方ですが、読んでみたらそんなに衝撃ということもなく、むしろ214ページが表紙絵とつながってる事と、ラストシーンのほうが印象に残りました。
曽根圭介さんは『鼻』が未読なので、こちらも楽しみです。

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黒い波紋 単行本 – 2017/6/20
曽根圭介
(著)
元刑事の加瀬将造は、
孤独死した父親宛てに何者かから毎月30万円の現金が届いていることを知る。
さらにアパートを片付けると
天井裏から古いVHSのビデオテープが。
中身を確かめると、そこに映っていたのは……。
江戸川乱歩賞・日本ホラー小説大賞受賞作家、渾身作!
孤独死した父親宛てに何者かから毎月30万円の現金が届いていることを知る。
さらにアパートを片付けると
天井裏から古いVHSのビデオテープが。
中身を確かめると、そこに映っていたのは……。
江戸川乱歩賞・日本ホラー小説大賞受賞作家、渾身作!
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日2017/6/20
- 寸法18.8 x 12.8 x 1.8 cm
- ISBN-104022514760
- ISBN-13978-4022514769
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登録情報
- 出版社 : 朝日新聞出版 (2017/6/20)
- 発売日 : 2017/6/20
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 224ページ
- ISBN-10 : 4022514760
- ISBN-13 : 978-4022514769
- 寸法 : 18.8 x 12.8 x 1.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,044,156位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 24,370位日本文学
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
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2017年8月21日に日本でレビュー済み
スルッと物語の世界に入り込み、ページを捲る手が止まらずあっという間に読了。リーダビリティは毎回さすがです。
2017年12月15日に日本でレビュー済み
経歴を見ると早稲田中退の後サウナや漫画喫茶でバイトして作家になったらしい。
しかも色々と賞も取っている売れっ子らしい。
で、この本。まあまあ面白かった。
幼い頃に過程を捨てて家を出た親父が死んだと警察から連絡。
一人で住んでいたアパートを整理していたら見つけたVHSのテープ。
それを再現してみると…。
これは脅しのネタになる…と言う事である政治家に脅迫状を送る。
その政治家が祖父・親父はある程度の政治家だったのに三代目がぼんくらで政治家と言うより社会人としても問題がある。
とにかく金が欲しかった主人公は色々なわなを仕掛けつつ金を手に入れようとするのだが、
その金と地位と政治家としてのメンツがドロドロにまじりあい、話はとんでもない方向に。
さらに加えて、全学連のレジェンドと崇められている人物との関わりまで出てきて、事件は急展開。
結果的にハッピーエンドでもなく、悲しい終わり方をするのだが、読んでいて次の展開が気になり一気に読ませてくれます。
政治家は奥さんがしっかりしていないとダメだ…。
顔で選んでもいいが(笑)、性根の座った極道の妻みたいな人が一番いいと思う。
しかも色々と賞も取っている売れっ子らしい。
で、この本。まあまあ面白かった。
幼い頃に過程を捨てて家を出た親父が死んだと警察から連絡。
一人で住んでいたアパートを整理していたら見つけたVHSのテープ。
それを再現してみると…。
これは脅しのネタになる…と言う事である政治家に脅迫状を送る。
その政治家が祖父・親父はある程度の政治家だったのに三代目がぼんくらで政治家と言うより社会人としても問題がある。
とにかく金が欲しかった主人公は色々なわなを仕掛けつつ金を手に入れようとするのだが、
その金と地位と政治家としてのメンツがドロドロにまじりあい、話はとんでもない方向に。
さらに加えて、全学連のレジェンドと崇められている人物との関わりまで出てきて、事件は急展開。
結果的にハッピーエンドでもなく、悲しい終わり方をするのだが、読んでいて次の展開が気になり一気に読ませてくれます。
政治家は奥さんがしっかりしていないとダメだ…。
顔で選んでもいいが(笑)、性根の座った極道の妻みたいな人が一番いいと思う。
2017年8月15日に日本でレビュー済み
序盤から中盤は、元刑事の加瀬将造が、亡くなった父親の家からあるネタをみつけて国会議員である臼杵浩太を脅迫する展開と、臼杵家に大恩がある元運転手の生方貞次郎が脅迫の送り主を探す展開が交錯して楽しめた。
中盤から終盤にかけては加瀬の父親の別の小遣い稼ぎの話が加わってきてさらに話が交錯しておもしろくなるかと思いきや、それは臼杵家とは独立した感じで描かれていたのが残念だった。
また、臼杵家に大恩ある貞次郎の終盤の行動が納得できなかった。その行動に至るまで心理描写がほしかった。最期もあっという間に幕引きがされたのも物足りなかった。
中盤から終盤にかけては加瀬の父親の別の小遣い稼ぎの話が加わってきてさらに話が交錯しておもしろくなるかと思いきや、それは臼杵家とは独立した感じで描かれていたのが残念だった。
また、臼杵家に大恩ある貞次郎の終盤の行動が納得できなかった。その行動に至るまで心理描写がほしかった。最期もあっという間に幕引きがされたのも物足りなかった。
2017年11月30日に日本でレビュー済み
30年以上疎遠だった父親が死んだとの連絡を元刑事の加瀬将造は杉並中央署から受ける。加瀬は遺産目当てで遺品整理をしたところ、偽名の私書箱の利用契約書を発見する。そのメールボックスを開けてみると現金が入っていた。出所不明な現金でかなり怪しいがさらに整理を進めたところ、今度は押入れの天井裏からがっちり包装されたVHSテープを見つける。
金や名誉に対する人の欲望と執念が描かれたクライム小説。金欲しさに代議士の脅迫を企てる加瀬と、その代議士の先々代からの懐刀だった貞次郎との攻防は中々スリリングで且つ読みやすい。対決まで盛り上がり、帯の影響もあってここで何か仕掛けがと思ったのですが、意外な幕切れとはいえ決着にはやや呆気なさと消化不良を感じました。最後は人間の業の深さがメインテーマだったような気がします。
金や名誉に対する人の欲望と執念が描かれたクライム小説。金欲しさに代議士の脅迫を企てる加瀬と、その代議士の先々代からの懐刀だった貞次郎との攻防は中々スリリングで且つ読みやすい。対決まで盛り上がり、帯の影響もあってここで何か仕掛けがと思ったのですが、意外な幕切れとはいえ決着にはやや呆気なさと消化不良を感じました。最後は人間の業の深さがメインテーマだったような気がします。