エジソンというと、世界の発明王と思われがちだが、発明の多さと引換えに企業経営となると、幾多もの失策を繰り返している。
世の中のタイミングを発明によってぶち壊していった企業が、世の中のタイミングによって引きずりもどされる歴史は、現在のハイテク企業経営、特に、新たな産業ドメインで進出するインターネット系企業には貴重な教訓となるだろう。
幾多もの新しいアイデアを産み出すが、市場で利益を上げることができない。しかし、新しい産業へのドアを開き、人々にテクノロジーの道を示している。
組織人としてのエジソンは評価されていないが、発明人としてのエジソンの名は歴史に燦然と響き渡る。
歴史の評価は、企業の時価総額ではなく、企業価値で評価するようだ。
総ページ数400ページにおよぶ本書はエジソン研究家にとっても、新たな製品の普及販売のケース事例としても参考になる部分が多い。
特に、口述用の蓄音機や、のぞきからくりとなるキネトスコープなど、発明品が最初のビジネスモデルのまま進化しないことは歴史がすべて証明している。
ネットビジネスが初期のビジネスモデルと成功しないところと近似しているのだ。
新産業は、発明品の死屍累々の蓄積の上に勃興してきた。
それらは、人々の目に多く触れ、フォロワーを多く、インスパイアさせることによって、新たな産業が産声を上げる。先行者利益を得るよりもはやく、19世紀の世界は進化していった。
130年前のベンチャー企業経営から現在の経営を学べる書だ
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エジソン発明会社の没落 単行本 – 1998/6/1
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- 本の長さ444ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日1998/6/1
- ISBN-104022572647
- ISBN-13978-4022572646
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
エジソン蓄音機には、昔の蓄音機に特有のシューッというノイズがない。電気、蓄音機、映画…町工場から世界最高のハイテク企業にまで登りつめたエジソンの会社はなぜ敗れたのか。その失敗の原因を探る。
登録情報
- 出版社 : 朝日新聞出版 (1998/6/1)
- 発売日 : 1998/6/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 444ページ
- ISBN-10 : 4022572647
- ISBN-13 : 978-4022572646
- Amazon 売れ筋ランキング: - 598,523位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,248位科学読み物 (本)
- - 38,396位歴史・地理 (本)
- - 58,080位ビジネス・経済 (本)
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2011年6月17日に日本でレビュー済み
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2008年6月30日に日本でレビュー済み
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エジソンの発明を事業にしていった研究所の歴史の本
エジソンの業績は誰でも知っているもののエジソンの業績を
実際に商品にする過程は意外としられていないのではないか。
この本は、エジソンの発明の商品化の過程を歴史学者が確認しています。
この本は、エジソンの研究所であるメロンパークおよびウェストオレンジ研究所
を中心に、その他の企業との関係を基にエジソンの研究がどのように製品に
つながったか(ならなかったのか)についてほぼ時系列に書いてあります。
結論から言うと表題通り、あまりうまく行かなかったことと、
あまりうまくいかなかった原因について、よくわかる構成になっています。
現在の技術中心の会社がうまく行かない例が載ってあるようで
今でも読む価値のある本ではないかと思います。
エジソンの業績は誰でも知っているもののエジソンの業績を
実際に商品にする過程は意外としられていないのではないか。
この本は、エジソンの発明の商品化の過程を歴史学者が確認しています。
この本は、エジソンの研究所であるメロンパークおよびウェストオレンジ研究所
を中心に、その他の企業との関係を基にエジソンの研究がどのように製品に
つながったか(ならなかったのか)についてほぼ時系列に書いてあります。
結論から言うと表題通り、あまりうまく行かなかったことと、
あまりうまくいかなかった原因について、よくわかる構成になっています。
現在の技術中心の会社がうまく行かない例が載ってあるようで
今でも読む価値のある本ではないかと思います。
2011年11月6日に日本でレビュー済み
原題は「エジソンと技術革新のビジネス」となっていて、発明王エジソンが自らの発明を改良を重ね、実用製品として販売していくまでの過程を丹念に記したものである。1887年にエジソンは手狭になったメンローパークの発明工場を離れ、ニュージャージー州のウェストオレンジに新しい研究所を設立する(エジソン、40歳)。本書は、このウェストオレンジ時代のエジソンの技術者・経営者としての奮闘ぶりを克明に描いている。
エジソンの真骨頂は、新しい物事を開始するところにあり、それらを完成するところにはなかった。そもそもエジソンの事業創出目的が、発明のための資金捻出であり、エジソンには実験は手段ではなく、それ自身が目的であり、彼の企業連合は研究所の延長で、その研究所も彼自身の延長にすぎなかった。だから、エジソンのTAE社は、最後まで身を引かないエジソン自身に振り回されて、時代の波についていけなくなった。
19世紀末から20世紀初期の著しい技術革新の中で、白熱電灯システムの構築から、蓄音機、磁気選鉱、活動写真、電池とさまざまな製品の開発と改良の過程を丁寧に描いてある。第一次大戦中は潜水艦のバッテリー開発に関わり、最晩年は天然ゴムの代替植物の調査を行った。
エジソンの真骨頂は、新しい物事を開始するところにあり、それらを完成するところにはなかった。そもそもエジソンの事業創出目的が、発明のための資金捻出であり、エジソンには実験は手段ではなく、それ自身が目的であり、彼の企業連合は研究所の延長で、その研究所も彼自身の延長にすぎなかった。だから、エジソンのTAE社は、最後まで身を引かないエジソン自身に振り回されて、時代の波についていけなくなった。
19世紀末から20世紀初期の著しい技術革新の中で、白熱電灯システムの構築から、蓄音機、磁気選鉱、活動写真、電池とさまざまな製品の開発と改良の過程を丁寧に描いてある。第一次大戦中は潜水艦のバッテリー開発に関わり、最晩年は天然ゴムの代替植物の調査を行った。