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ゼラニウム 単行本 – 2002/1/1
堀江 敏幸
(著)
- 本の長さ180ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞販売部
- 発売日2002/1/1
- ISBN-104022577029
- ISBN-13978-4022577023
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
黒革レーシングスーツ姿で事故に死した女、頭の鈍い老婦人、黄色いワンピース姿のフィリピンメイド…。どこか変な女たちを静謐なユーモアで描いた短編集。標題作「ゼラニウム」を含む6篇を収録。
登録情報
- 出版社 : 朝日新聞販売部 (2002/1/1)
- 発売日 : 2002/1/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 180ページ
- ISBN-10 : 4022577029
- ISBN-13 : 978-4022577023
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,099,614位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 25,240位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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1964(昭和39)年、岐阜県生れ。1999(平成11)年『おぱらばん』で三島由紀夫賞、2001年「熊の敷石」で芥川賞、2003年「スタンス・ドット」で川端康成文学賞、2004年、同作収録の『雪沼とその周辺』で谷崎潤一郎賞、木山捷平文学賞、2006年、『河岸忘日抄』で読売文学賞を受賞。おもな著書に、『郊外へ』『いつか王子駅で』『めぐらし屋』『バン・マリーへの手紙』『アイロンと朝の詩人―回送電車III―』『未見坂』ほか。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年1月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
堀江氏の文章はエッセイなのか、小説なのか、読んでいる最中にいつも混乱させられる。それが彼独自の書体なのかもしれないが・・・。とにかく良い。
2011年2月14日に日本でレビュー済み
本著は2000年の夏季号と冬季号をのぞき、1999年夏季号から2001年春季号までの『小説トリッパー』に執筆されたものとある。薔薇のある墓地、さくらんぼのある家、砂の森、アメリカの晩餐、ゼラニウム、梟の館、の6編で構成される短編集となっている。
『雪沼とその周辺』などこれまでぼくたちが慣れ親しんできたようにもの静かで坦々としているこの作家の印象とは違い、ここにおさめられた短編はいずれも少しドラマチックである。
帯には“日常の揺らぎを転写する、あたらしい散文のかたち”とあるけれど、今からみれば10年前の新境地と位置づけられる作品なのだろうか。
確かに、それぞれの作品にはサスペンス風でもありユーモラスな印象をうけとることもできるけれど、やはりこの作家ならではの文体から浮上する独特の地平(文学)が素晴らしいと思うし何とも魅力的である。
また、滑稽さもあるのだがきわめて洗練されていて上質であるとの印象をうける、というのが正直なところだ。個人的にはゼラニウムが好きなのだが、砂の森や梟の館もよかった。
実話でもなくさりとてフィクションともいい切れない、不思議なリアリティーを感じることができるドラマチックな一冊といえばいいのか。
ふらり立ち寄った書店にて一編だけでもお読みいただければ間違いなく納得されるはず。うそだと思われる人は、どうぞお試しください。
『雪沼とその周辺』などこれまでぼくたちが慣れ親しんできたようにもの静かで坦々としているこの作家の印象とは違い、ここにおさめられた短編はいずれも少しドラマチックである。
帯には“日常の揺らぎを転写する、あたらしい散文のかたち”とあるけれど、今からみれば10年前の新境地と位置づけられる作品なのだろうか。
確かに、それぞれの作品にはサスペンス風でもありユーモラスな印象をうけとることもできるけれど、やはりこの作家ならではの文体から浮上する独特の地平(文学)が素晴らしいと思うし何とも魅力的である。
また、滑稽さもあるのだがきわめて洗練されていて上質であるとの印象をうける、というのが正直なところだ。個人的にはゼラニウムが好きなのだが、砂の森や梟の館もよかった。
実話でもなくさりとてフィクションともいい切れない、不思議なリアリティーを感じることができるドラマチックな一冊といえばいいのか。
ふらり立ち寄った書店にて一編だけでもお読みいただければ間違いなく納得されるはず。うそだと思われる人は、どうぞお試しください。
2004年3月12日に日本でレビュー済み
理屈っぽい中年男性の主人公がああでもないこうでもないと言いながらも、結局流されるままに体験したことを話しているような文体には少々辟易。主人公の周りに常に女性が出てきて、主人公に好意を持っているかのように振舞う設定も、都合のいい妄想系。
でも、フランスの町の雰囲気はよく書けていると思うし、それが作品全体をただの中年男の妄想独白になるところから救っている。話の展開は面白いので読み進められます。終わり方はエリアーデの影響があるのかな?という感じもします。
でも、フランスの町の雰囲気はよく書けていると思うし、それが作品全体をただの中年男の妄想独白になるところから救っている。話の展開は面白いので読み進められます。終わり方はエリアーデの影響があるのかな?という感じもします。
2002年4月4日に日本でレビュー済み
本書は著者が1999年から2001年に発表した6つの短編を収めたアンソロジーです。この著者は一般的に名文の書き手だと言われている一方で、元新聞記者の文芸評論家など「読みやすさ」を重視する専門家の中には一文一文が長すぎるダラダラ調だという理由でこの著者を(知っている言葉の数を自慢したがるが故の)駄文の書き手だとする人もいるようですが、少なくとも本書を読んだ限りでは後者の意見に賛同せざるを得ません。また、このアンソロジーは内容的に見ると、語り手である「私」の周りには常に様々な女性たちが入り乱れており、しかも「私」はそれが当たり前だと考えているようなのですが、こういう安っぽい中年オヤジの妄想的な設定が各作品の程度そのものを幼稚なものにしてしまっています。
2013年8月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
受け取りました。入院のとき持って行って、悶絶に耐えた後、ゆっくり読ませていただきました。
堀江さんの本はこころ穏やかになれるわー。
堀江さんの本はこころ穏やかになれるわー。
2010年10月10日に日本でレビュー済み
短編というには少し長い、いくつかの連作集。著者の小説は始めてでしたが信じがたいほど心地よい展開に感激しました。主人公はすべて独身らしき男、一編を除いて舞台はパリ。その例外的な一編も池袋に住む外人女性たちの住むアパートを訪れる日本人の男という設定ですので似たり寄ったりになりがちですが、これがすべてまったく似ていない。独特の一息の長い文体には初めのうちは抵抗感があるかもしれませんが、それを乗り越えれば、記憶と連想でつながっていく小説の危ない魅力が満載です。「物語」の結末を知ればよいという安易な本ではないことさえ了解すれば、ご褒美として、ユーモアと切実さと、心的リアリズムというほかない繊細な感情の動きが待っています。ほのかな官能性も。
未知のものに出会える喜びをぜひ。
未知のものに出会える喜びをぜひ。
2002年6月8日に日本でレビュー済み
そこはかとなく漂う情感。緻密な描写。静かな日常のなかに瞬く、人という現象。
妥協というものを極力排し、そうとでしか書きあらわすことしかできない書き手の業のようなものを感じます。
真摯なる文章作品。
妥協というものを極力排し、そうとでしか書きあらわすことしかできない書き手の業のようなものを感じます。
真摯なる文章作品。
2004年3月5日に日本でレビュー済み
どうしてこんな言葉使いができるのだろう。
冒頭の短編「薔薇のある墓地」の数頁で私は、そのいぶし銀のような表現の積み重ねに、絶望的な憧憬を感じざるを得なかった。現代の日本にこれだけ言葉の使い方において想像力に富んだ、繊細な神経の作家がいるのかと思うと、何か救われるような心地さえする。
久しぶりに日本語を読む喜びを堪能した。
冒頭の短編「薔薇のある墓地」の数頁で私は、そのいぶし銀のような表現の積み重ねに、絶望的な憧憬を感じざるを得なかった。現代の日本にこれだけ言葉の使い方において想像力に富んだ、繊細な神経の作家がいるのかと思うと、何か救われるような心地さえする。
久しぶりに日本語を読む喜びを堪能した。