アフリカはあまりに遠い。遠いけれども情報だけは断片的に入ってくる。
たとえばソマリアの海賊たち。タンカーが襲撃されて人質に取られる。身代金を要求して、そうしてそれがソマリアの人々の生活の糧となる。
わたしは当初、彼ら海賊たちを「思想犯」だと思いこんでいた。
しかし、彼らは決して何らかの思想とか哲学とかに扇動されて先進国のタンカーやスタッフを襲撃するわけではない。
人質を取って身代金を要求する、と言うスタイルは彼らの昔からの手法なのだという。他の部族のメンバーを拉致して、金を求める。
そのことと、他の部族の人間を殺した場合には、一人頭ラクダ何頭かをその代償として支払う…などちゃんとしたルールがある。
だから人質ビジネスが近場の部族間相手から、ソマリア沖を航行する貨物船の乗組員へとシフトしただけのことだ。
ということを高野秀行の「ソマリア本」で知らされた。その高野が押しているのがこの松本仁一のアフリカ本だ。
松本の切り口はカラシニコフという至って簡単な扱いが可能な自動小銃が、アフリカのみならずゲリラが跋扈するところには
必ず顔を出し、生産はロシアだけでなく、中国、北朝鮮など多くの国がそのままのコピーを生産し、紛争地帯に売り込んでいる。
紛争地帯が銃の代金に支払うのはアヘンであったり、その地に眠る資源であったり…。
ともあれ、著者松本仁一は朝日新聞の記者でありながら、とても朝日臭くはない。朝日の「文化人臭」のない希有な存在だ。
だからアフリカのことを冷徹に判断し、民族と国家と部族の異なりなどから、アフリカが先進国からどのように収奪されているのかを
思想を交えることなくレポートしてくれる。つまりこの本はきわめて冷静にアフリカを描いた本だということ。
問題があるとしたら、少しだけこの本の取材された時点が古いと云うことだが、アフリカはこれだけ長くにわたって「暗黒大陸」と呼ばれた土地である。
10年20年ではたいした変化は見られないのかもしれないが。
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カラシニコフ 単行本 – 2004/7/16
松本 仁一
(著)
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世界に2億丁ある非合法の銃の半数を占めるというカラシニコフ(AK47)。開発者カラシニコフや、シエラレオネの11歳の少女兵などへの取材を通し、崩壊する国家の現状や、そこに暮らす人びとを描く。朝日新聞好評連載、待望の書籍化。
- 本の長さ269ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞社
- 発売日2004/7/16
- ISBN-104022579293
- ISBN-13978-4022579294
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商品の説明
著者からのコメント
「え、生きてるの!」で始まったカラシニコフの物語
2002年8月、「カラシニコフ氏が銃の展示会であいさつした」というAP電の短信が、新聞の片隅に出ていました。あのカラシニコフ氏が生きている! だったら聞きたいことがある。83歳? 早く会わなければ間に合わなくなるーー。
カラシニコフ銃のことが気にかかるようになったのは20年以上も前、アフリカ特派員になったころからです。紛争やクーデターを取材するたびにAKに出会いました。なぜこんなにカラシニコフ銃なのか、いやでも関心を持たざるをえません。その辺の話を本人からじかに聞きたい、と思ったのです。
その年の11月、インタビューがOKになりました。しかし、聞きたいことが多すぎて時間が足りません。私の勉強不足もありました。「もう一度会ってもらえませんか」という申し出に、カラシニコフ氏は笑いながら「歓迎だ」といってくれました。
2回目のインタビューは03年8月でした。秘書氏によると、彼は私をすっかり気に入っているというのです。彼に会った欧米メディアは「AKの氾濫に責任を感じないか」などの質問ばかりなのに、こちらは「どうしてあなたは泳げないのか」とか「夕食は何を食べるのか」「トイレはだれが掃除するのか」など、とぼけた質問が多かったからです。そんな中で「スカスカ設計」や「バナナ弾」などの特ダネ話が飛び出しました。紋切り型質問の欧米メディアのおかげでした。
新聞連載への反応は大変なものでした。「朝日新聞」が正面から小銃のことを取り上げたのがめずらしかったのかもしれません。しかし新聞のスペースでは書ききれなかったことは多くありました。単行本ではそうしたことも書き込んであります。新聞連載をお読みになった方も、ぜひ本を手にとって見ていただきたいと思います。
2002年8月、「カラシニコフ氏が銃の展示会であいさつした」というAP電の短信が、新聞の片隅に出ていました。あのカラシニコフ氏が生きている! だったら聞きたいことがある。83歳? 早く会わなければ間に合わなくなるーー。
カラシニコフ銃のことが気にかかるようになったのは20年以上も前、アフリカ特派員になったころからです。紛争やクーデターを取材するたびにAKに出会いました。なぜこんなにカラシニコフ銃なのか、いやでも関心を持たざるをえません。その辺の話を本人からじかに聞きたい、と思ったのです。
その年の11月、インタビューがOKになりました。しかし、聞きたいことが多すぎて時間が足りません。私の勉強不足もありました。「もう一度会ってもらえませんか」という申し出に、カラシニコフ氏は笑いながら「歓迎だ」といってくれました。
2回目のインタビューは03年8月でした。秘書氏によると、彼は私をすっかり気に入っているというのです。彼に会った欧米メディアは「AKの氾濫に責任を感じないか」などの質問ばかりなのに、こちらは「どうしてあなたは泳げないのか」とか「夕食は何を食べるのか」「トイレはだれが掃除するのか」など、とぼけた質問が多かったからです。そんな中で「スカスカ設計」や「バナナ弾」などの特ダネ話が飛び出しました。紋切り型質問の欧米メディアのおかげでした。
新聞連載への反応は大変なものでした。「朝日新聞」が正面から小銃のことを取り上げたのがめずらしかったのかもしれません。しかし新聞のスペースでは書ききれなかったことは多くありました。単行本ではそうしたことも書き込んであります。新聞連載をお読みになった方も、ぜひ本を手にとって見ていただきたいと思います。
内容(「MARC」データベースより)
世界に2億丁ある銃の半数を占めるというカラシニコフ(AK47)。開発者カラシニコフや、シエラレオネの元少女兵などへの取材を通し、崩壊する国家の現状や、そこに暮らす人々を描く。『朝日新聞』連載の書籍化。
登録情報
- 出版社 : 朝日新聞社 (2004/7/16)
- 発売日 : 2004/7/16
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 269ページ
- ISBN-10 : 4022579293
- ISBN-13 : 978-4022579294
- Amazon 売れ筋ランキング: - 27,706位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 43位事件・犯罪関連
- - 50位軍事入門
- - 4,182位ビジネス・経済 (本)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2015年6月30日に日本でレビュー済み
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2014年1月21日に日本でレビュー済み
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名前だけはよく見聞きしていましたが、その歴史、性能等は知らなかった。 取り扱いが簡単、壊れにくいなんて世に広まるための
必須条件なんですね。
必須条件なんですね。
2004年9月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ゴルゴ13の愛用するライフル「アーマライトM16」と双璧をなす自動小銃「カラシニコフAK47」。
その「カラシニコフAK47」にスポットをあて、アフリカにおける内戦・紛争と混乱模様を描くルポルタージュ。
カラシニコフは、その扱いやすさと故障の少なさから特に途上国で人気が高く、現在、世界に推定で約1億丁出回っているという。
途上国で戦闘と暴力が噴き出すとき、そこにはたいていAKがあり、その被害のあまりの大きさに、時に「小さな大量破壊兵器」とも・・・。
著者の見てきたアフリカの内戦は、たいていの場合、政治的な大義名分は見当たらず、
「利権をめぐる指導者たちの私利私欲がむき出しの戦争」なのであるという。
住民の支持のないゲリラ各派は野盗集団と化し、まだ判断能力の十分でない子どもたちを拉致し、
扱いやすいAK47を与えて子ども兵士に仕立て上げる。
銃を与えられた子どもたちは、まるで巨大な権力を与えられたかのごとく錯覚し、気まぐれに暴力をふるうようになる。
繰り返される暴力と残虐行為・・・。
中東やイラクに世界の耳目が集まる現在、忘れ去られたアフリカの厳しい現実がここにある。
そんな中最終章で語られる、唯一銃の回収と治安の回復に成功した国「ソマリランド共和国」は一筋の光明か。
だが独立宣言して10年以上経つこの国を、国家として承認する外国はまだひとつもないという。
かつてソマリアで苦い経験をした米国に気兼ねしてのことか?
この本に書かれてあることが事実とすれば、日本はいち早くこの国を「国家」として承認し、
援助の手を差し伸べるべきではないだろうか。
その「カラシニコフAK47」にスポットをあて、アフリカにおける内戦・紛争と混乱模様を描くルポルタージュ。
カラシニコフは、その扱いやすさと故障の少なさから特に途上国で人気が高く、現在、世界に推定で約1億丁出回っているという。
途上国で戦闘と暴力が噴き出すとき、そこにはたいていAKがあり、その被害のあまりの大きさに、時に「小さな大量破壊兵器」とも・・・。
著者の見てきたアフリカの内戦は、たいていの場合、政治的な大義名分は見当たらず、
「利権をめぐる指導者たちの私利私欲がむき出しの戦争」なのであるという。
住民の支持のないゲリラ各派は野盗集団と化し、まだ判断能力の十分でない子どもたちを拉致し、
扱いやすいAK47を与えて子ども兵士に仕立て上げる。
銃を与えられた子どもたちは、まるで巨大な権力を与えられたかのごとく錯覚し、気まぐれに暴力をふるうようになる。
繰り返される暴力と残虐行為・・・。
中東やイラクに世界の耳目が集まる現在、忘れ去られたアフリカの厳しい現実がここにある。
そんな中最終章で語られる、唯一銃の回収と治安の回復に成功した国「ソマリランド共和国」は一筋の光明か。
だが独立宣言して10年以上経つこの国を、国家として承認する外国はまだひとつもないという。
かつてソマリアで苦い経験をした米国に気兼ねしてのことか?
この本に書かれてあることが事実とすれば、日本はいち早くこの国を「国家」として承認し、
援助の手を差し伸べるべきではないだろうか。
2008年10月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まずは、カラシニコフとは何か? 映画やテレビで銃撃戦を見たことがあるなら恐らくその銃の中の最低でも一つはカラシニコフ銃だろう。そしてその銃を作った人物がカラシニコフ氏で、1947年に彼が最初に作った自動小銃をAK−47と言い、後に改良モデルがいくつも出る。「扱いやすくて壊れにくい」「小さな大量破壊兵器」とも言われ現在でも世界で最も使われている銃だ。この本のタイトルはカラシニコフ本人ではなくこの銃について書かれている。
内容はアフリカを中心に戦争と貧困の問題を「世界で最も有名な銃」であるカラシニコフを通じて掘り下げている。ミハイル・カラシニコフ本人のインタビューも載っているという所がポイントでもある。
日本ではありえない様な状況がたくさん盛り込まれているのだが、その原因の一つが、
「銃は人を殺しもするが、なければ金や命を奪われる」
「自分が生きるためには奪わなければならない」
「銃を売って学校へ行く金を手に入れたとしても撃ち殺されては何もかも意味がない」
という意識が紛争地域に根付いていることだ。そのせいで経済発展が進まない、結果貧しいままで略奪の繰り返しという悪循環から逃れられない。
いかに日本という国が安全で、おかげで金に恵まれていることがわかる。
カラシニコフ氏のインタビューを通じて、カラシニコフの仕組みや意図が書かれているのだが、これは必見だろう。
ちなみに彼はロシアでは英雄だ。そして彼の願いは「世界平和」だ。なぜ銃を作った人が英雄で世界平和を望んでいるのか? 不思議に思った人はこの本を読んでみるといい。
面白いと思った人は「カラシニコフ2」も一緒に読むことをおススメします。そちらでは南米地域のコカインと金とカラシニコフの関係も書かれています。また、カラシニコフ氏のインタビューもあります。
内容はアフリカを中心に戦争と貧困の問題を「世界で最も有名な銃」であるカラシニコフを通じて掘り下げている。ミハイル・カラシニコフ本人のインタビューも載っているという所がポイントでもある。
日本ではありえない様な状況がたくさん盛り込まれているのだが、その原因の一つが、
「銃は人を殺しもするが、なければ金や命を奪われる」
「自分が生きるためには奪わなければならない」
「銃を売って学校へ行く金を手に入れたとしても撃ち殺されては何もかも意味がない」
という意識が紛争地域に根付いていることだ。そのせいで経済発展が進まない、結果貧しいままで略奪の繰り返しという悪循環から逃れられない。
いかに日本という国が安全で、おかげで金に恵まれていることがわかる。
カラシニコフ氏のインタビューを通じて、カラシニコフの仕組みや意図が書かれているのだが、これは必見だろう。
ちなみに彼はロシアでは英雄だ。そして彼の願いは「世界平和」だ。なぜ銃を作った人が英雄で世界平和を望んでいるのか? 不思議に思った人はこの本を読んでみるといい。
面白いと思った人は「カラシニコフ2」も一緒に読むことをおススメします。そちらでは南米地域のコカインと金とカラシニコフの関係も書かれています。また、カラシニコフ氏のインタビューもあります。
2004年9月18日に日本でレビュー済み
この取材過程が目に浮かぶ。1週間程度の大名旅行で準備された現場のごく限られた対象を見つけて聞いたままを文章に起こす。感傷に浸ったあとは、東京で在り来たりの情報源で歴史、経緯を若い記者に書かせる。
最後に判で押したようなODA批判。しかも、全く何の脈絡がなく、取材、調査したとは到底思えない無責任な内容だ。
感傷に浸った後、じゃぁどうすればという分析がない。お寒い限りの批判精神ではないか。これは日本の有数のメディアのジャーナリズムだとすれば悲しい限りだ。
本で話題にされたソマリア、リベリアとシエラレオーネの間には決定的な違いがある。シエラレオーネは平和維持軍のもとで武装解除が行われたのだ。銃を持った野獣がたむろする無政府状態は武力で治安が維持せざるを得ない。現場取材をした彼らがその点を書かなかったのは何か意図があったのではないだろうか?PKOにおける自衛隊派遣について、紋きりに反対するだけでよいのか?そんな論点が出てきても良いと思う。
アフリカの失敗国家にどのような援助がされるべきか?UNDP,UNICEF等による失敗国家への支援もODAだ。天下の朝日であれば、日本のODAのあり方についても誠意を持って調査した上で問題を主体的に考察するくらいの責任感を感じてほしいものだ。
最後に判で押したようなODA批判。しかも、全く何の脈絡がなく、取材、調査したとは到底思えない無責任な内容だ。
感傷に浸った後、じゃぁどうすればという分析がない。お寒い限りの批判精神ではないか。これは日本の有数のメディアのジャーナリズムだとすれば悲しい限りだ。
本で話題にされたソマリア、リベリアとシエラレオーネの間には決定的な違いがある。シエラレオーネは平和維持軍のもとで武装解除が行われたのだ。銃を持った野獣がたむろする無政府状態は武力で治安が維持せざるを得ない。現場取材をした彼らがその点を書かなかったのは何か意図があったのではないだろうか?PKOにおける自衛隊派遣について、紋きりに反対するだけでよいのか?そんな論点が出てきても良いと思う。
アフリカの失敗国家にどのような援助がされるべきか?UNDP,UNICEF等による失敗国家への支援もODAだ。天下の朝日であれば、日本のODAのあり方についても誠意を持って調査した上で問題を主体的に考察するくらいの責任感を感じてほしいものだ。
2013年4月26日に日本でレビュー済み
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タイトルであるカラシニコフを通じて、国家や民族について語っています。
広くて深い本です。
広くて深い本です。
2006年6月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
帯に書かれた「悪魔の銃カラシニコフ」という言葉と、
朝日新聞の文字にげんなりしてしまう方も多いかと思う。
しかし、この本で語られているのは銃や暴力=悪といった
単純な図式ではない。
もちろんこの優秀な武器がそこにある、ということが
どのような結果を招いているのかということも、
今なお続いている悲惨な現実によって紹介されている。
だがしかし、最終章で示される「銃を持たない社会」は、カラシニコフや
それに伴う武力がなくなることのみでもたらされたのだろうか?
武装放棄して攻められたら占領されればいいじゃないか、
などということを口走る人にこそ読んでほしい。
その時何が起こり、何をすべきなのかという質問の解答のひとつがここにある。
朝日新聞の文字にげんなりしてしまう方も多いかと思う。
しかし、この本で語られているのは銃や暴力=悪といった
単純な図式ではない。
もちろんこの優秀な武器がそこにある、ということが
どのような結果を招いているのかということも、
今なお続いている悲惨な現実によって紹介されている。
だがしかし、最終章で示される「銃を持たない社会」は、カラシニコフや
それに伴う武力がなくなることのみでもたらされたのだろうか?
武装放棄して攻められたら占領されればいいじゃないか、
などということを口走る人にこそ読んでほしい。
その時何が起こり、何をすべきなのかという質問の解答のひとつがここにある。
2004年11月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
朝日新聞で連載された、ソ連のカラシニコフが作った世界中に出回る銃AK47を巡るルポタージュ。
アフリカに出回るAKは常に悲劇を生み出してきた。まずはシオラレオネに目を向けます。
村を襲われ、弟を殺され、家族散り散りになった少女ファトマタは少女兵となり、暴行も受けた。
アフリカの失敗国家で常態化している悲惨な現状を、この少女の例から見事に示してくれています。
拉致された少年兵、少女兵、手首狩り、南アフリカ、ソマリア、ナイジェリア…悲惨な現状を感情を抑えて
理にかなった道筋を通りながら丁寧にルポしていきます。こうした悲惨な現状を追ったルポタージュは概して
感情が入りすぎたり、主観的な立場からバイアスのかかったものになってしまったりします。
もちろん、そうした要素がゼロではないかもしれません。しかし、非常に意識して行なわれた落ち着いた取材は
非常に素晴らしいと思います。そして、AKの流通経路、カラシニコフへのインタビュー、明快な基準に
基づく「失敗国家」という定義を紹介し、ODAを単純に行なうことへの警鐘をならすなど、マクロ的な
視点も欠けていません。「朝日新聞」というだけで抵抗がある方も多いでしょう。私の印象なので何も保証できませんが、
上下左右どこにも変な偏りの視点はないように感じます。
文章力に優れ、一気に読み進まされてしまう迫力と臨場感をもち、それでいて主観的になりすぎない
筋の通ったルポタージュは圧巻です。これほどに素晴らしいものは読んだことがありませんでした。
そして、失敗国家、などという定義、現状から、アフリカの窮状、日本の現状、そして東南アジア開発を学ぶ学生
として…様々なことを考えさせられました。この本を買って色々な人にプレゼントしたいと思いました。
著者の方、素晴らしいお仕事をなさったと思います。
アフリカに出回るAKは常に悲劇を生み出してきた。まずはシオラレオネに目を向けます。
村を襲われ、弟を殺され、家族散り散りになった少女ファトマタは少女兵となり、暴行も受けた。
アフリカの失敗国家で常態化している悲惨な現状を、この少女の例から見事に示してくれています。
拉致された少年兵、少女兵、手首狩り、南アフリカ、ソマリア、ナイジェリア…悲惨な現状を感情を抑えて
理にかなった道筋を通りながら丁寧にルポしていきます。こうした悲惨な現状を追ったルポタージュは概して
感情が入りすぎたり、主観的な立場からバイアスのかかったものになってしまったりします。
もちろん、そうした要素がゼロではないかもしれません。しかし、非常に意識して行なわれた落ち着いた取材は
非常に素晴らしいと思います。そして、AKの流通経路、カラシニコフへのインタビュー、明快な基準に
基づく「失敗国家」という定義を紹介し、ODAを単純に行なうことへの警鐘をならすなど、マクロ的な
視点も欠けていません。「朝日新聞」というだけで抵抗がある方も多いでしょう。私の印象なので何も保証できませんが、
上下左右どこにも変な偏りの視点はないように感じます。
文章力に優れ、一気に読み進まされてしまう迫力と臨場感をもち、それでいて主観的になりすぎない
筋の通ったルポタージュは圧巻です。これほどに素晴らしいものは読んだことがありませんでした。
そして、失敗国家、などという定義、現状から、アフリカの窮状、日本の現状、そして東南アジア開発を学ぶ学生
として…様々なことを考えさせられました。この本を買って色々な人にプレゼントしたいと思いました。
著者の方、素晴らしいお仕事をなさったと思います。