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獅子文六の二つの昭和 (朝日選書 854) 単行本 – 2009/4/10
牧村 健一郎
(著)
乾いたタッチで家族を描く『娘と私』、相場師の世界『大番』、『悦ちゃん』『海軍』『てんやわんや』『自由学校』……戦前戦後の二つの昭和の大衆を熱狂させた作品は苦いユーモアと鋭い人間観察を交えながら、シメっぽくない人情味で今でも十分読み応えがある。文学座を立ち上げ、大男で食いしん坊、わがままで男っぽく、根はやさしいのに、辛らつで皮肉屋だった、「昭和の漱石」獅子文六、初の評伝。
- 本の長さ304ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日2009/4/10
- ISBN-104022599545
- ISBN-13978-4022599544
登録情報
- 出版社 : 朝日新聞出版 (2009/4/10)
- 発売日 : 2009/4/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 304ページ
- ISBN-10 : 4022599545
- ISBN-13 : 978-4022599544
- Amazon 売れ筋ランキング: - 721,836位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 108,959位ノンフィクション (本)
- - 173,524位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
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2014年11月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
非常に興味深く読んだ本です。 特に最後の方の箱根芦の湯の松坂屋とドイツ海軍軍人の交流の項は当時の経緯をある程度垣間見て知っていた私にはまことに感動的な内容のものでした。 この本を買って良かったと感慨を新たにしています。
2011年2月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者の要領よいまとめをうれしく読んだ。
獅子文六の最盛期の小説や映画に熱中した一人として読んだのである。
いま文六の作品はほとんど忘れられているが、宇和島市を訪れると「大番」という饅頭が駅前商店街に並ぶ。
その包装紙にある麦わら帽子を冠り、着物姿に鞄をかけた少年は、獅子文六の小説「大番」の主人公ギュウちゃんという。
「大番」は昭和30年代半ばに全国を風靡した経済小説であるが、書店でも見ることはない。
しかしギュウちゃんの姿を残す銘菓「大番」は50年を経て宇和島でも売り上げトップである。
一方この小説はつぎつぎ映画化されて人気が上がる。加東大介・仲代達矢・淡島千景などの名演が素晴らしかった。
DVD化しているかと探したが、ビデオすらも発売されてない。私は永い間探し続けてやっと見つけた。
「あるもの」は銘菓、「ないもの」はビデオ。小説はアマゾンで買える。
今回この本を読んで、文六を改めて見直した。
かれの小説は「海軍」「娘と私」「悦ちゃん」「てにゃわんや」など全集で読めるが、若い人たちにも読んでもらいたい。
作品に日本人の家族の素晴らしさを描いたものが多いからである、
、
獅子文六の最盛期の小説や映画に熱中した一人として読んだのである。
いま文六の作品はほとんど忘れられているが、宇和島市を訪れると「大番」という饅頭が駅前商店街に並ぶ。
その包装紙にある麦わら帽子を冠り、着物姿に鞄をかけた少年は、獅子文六の小説「大番」の主人公ギュウちゃんという。
「大番」は昭和30年代半ばに全国を風靡した経済小説であるが、書店でも見ることはない。
しかしギュウちゃんの姿を残す銘菓「大番」は50年を経て宇和島でも売り上げトップである。
一方この小説はつぎつぎ映画化されて人気が上がる。加東大介・仲代達矢・淡島千景などの名演が素晴らしかった。
DVD化しているかと探したが、ビデオすらも発売されてない。私は永い間探し続けてやっと見つけた。
「あるもの」は銘菓、「ないもの」はビデオ。小説はアマゾンで買える。
今回この本を読んで、文六を改めて見直した。
かれの小説は「海軍」「娘と私」「悦ちゃん」「てにゃわんや」など全集で読めるが、若い人たちにも読んでもらいたい。
作品に日本人の家族の素晴らしさを描いたものが多いからである、
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2012年6月14日に日本でレビュー済み
獅子文六、彼の生涯は、小説の後書きなどから断片的には伝わる。フランス人の妻のこと、演劇とのかかわり、戦後戦犯を恐れて四国の田舎町に引き込んだこと。「てんやわんや」や「大番」で一世を風靡する流行作家となったこと等。
しかし、一人の人間としての彼の人生は、今となってはわかりにくいと思う。
この本は、そんな(一般のファンには)断片的な文六の人生を繋ぎ、その一生を見せてくれる。彼の生い立ちとそれに由来する人格や考え方がわかり、それをベースに様々な断片が一つにつながる。
特に興味深いのは、彼の南予ものとの深い関わり、四国の岩松町(現愛媛県宇和島市津島町)での生活ぶりとその後の顛末ではないか。「てんやわんや」の相生長者、「大番」の森家のモデルでもある、小西家当主との戦後を通じての関わりは興味深く、小説の背景を知る上でも興味深いと思う。
獅子文六の小説を読んで、興味を持った方は、読んで損はないと思います。
しかし、一人の人間としての彼の人生は、今となってはわかりにくいと思う。
この本は、そんな(一般のファンには)断片的な文六の人生を繋ぎ、その一生を見せてくれる。彼の生い立ちとそれに由来する人格や考え方がわかり、それをベースに様々な断片が一つにつながる。
特に興味深いのは、彼の南予ものとの深い関わり、四国の岩松町(現愛媛県宇和島市津島町)での生活ぶりとその後の顛末ではないか。「てんやわんや」の相生長者、「大番」の森家のモデルでもある、小西家当主との戦後を通じての関わりは興味深く、小説の背景を知る上でも興味深いと思う。
獅子文六の小説を読んで、興味を持った方は、読んで損はないと思います。