シュタイナーの著作を訳書で読んだことがあるが、実証的でなく、ある種の宗教書のような教条さを感じて、早々に放り出してしまった。その後ずっとシュタイナー教育系の書籍からは遠ざかっていた。
最近、偶々本書を手にして読んでみた。30年以上前の、ではあるが、封建制の遺風を残すドイツの教育制度を背景に、シュタイナー教育の実際に触れることができる良書と思う。
その教育目標は、「自分を確と捉え、深い内部欲求を自覚して、行動する人を育てる」と、分かりやすく翻案されており、それが、長い付き合いとなる生徒と教師のあうんの呼吸のなかで、どのように実践されているかが活写される。
読後感。教育の一アプローチとして、シュタイナー教育はありだと、親として共感できた。ただ、もし教師と気質的に合わなかったら、ないし、枠をはみ出るほど早熟だったら、子供にとって相当辛い8年間になるのではとも感じた。よくも悪くも、思い込みの強い教育手法だと思う。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
シュタイナー教育を考える (朝日文庫 こ 4-2) 文庫 – 1987/7/1
子安 美知子
(著)
- 本の長さ263ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日1987/7/1
- ISBN-104022604530
- ISBN-13978-4022604538
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 朝日新聞出版 (1987/7/1)
- 発売日 : 1987/7/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 263ページ
- ISBN-10 : 4022604530
- ISBN-13 : 978-4022604538
- Amazon 売れ筋ランキング: - 947,787位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,432位海外のロック・ポップス
- - 2,274位朝日文庫
- - 3,421位教育学 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中4つ
5つのうち4つ
2グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2006年8月29日に日本でレビュー済み
1933年生まれのドイツ文学研究者である著者は、70年代の西ドイツ留学中に、娘フミをシュタイナー学校(1919〜)に入学させた。そこでのユニークな教育を紹介した著書は、日本のシュタイナー教育研究に火をつけ、著者に更なる研究を要請した。その成果が1981年のカルチャーセンター講座記録をもとに1983年に刊行され、1987年に文庫化された本書である。シュタイナー教育とはシュタイナーの教育思想の具体化であり、自由への教育=「子どもが、自分で自分をしっかりとらえ、一番深い内部の欲求から、自覚的に行動すること」を目標とし、そのために12年一貫教育、8年間担任制、採点・教科書の排除を特徴とする。それは人間を物質体(鉱物と共有、0歳で成熟=出生)、生命体(植物と共有、7歳頃成熟=記憶・歯)、感情体(動物と共有、14歳頃成熟=思春期)、自我(人間固有、21歳頃成熟=判断力)の四構成体から成る者と見、0〜7歳時には徹底した直接体験によるストレートな模倣中心の教育、7〜14歳時には自明の権威たる担任の下での感覚を刺激する教育、14〜21歳時には長所も短所もある人間としての大人の下での論理的な教育を行う。こうした大枠をもとに、特別の研修によって養成された教師達が、ハウツーにならないように細心の注意を払いながら、具体・主観・本質から抽象・客観・技術論へとゆっくり時間をかけて、子どもの内的な欲求を引き出し、全体を見通す目を体全体で養う「芸術に浸された授業」を行う。著者は以上の事柄を具体的な授業例をもとに、絶えず基本に帰りつつ自戒的に分かりやすく論じている。シュタイナー教育の安易な美化・絶対化もしていない。私はシュタイナーの人間観に違和感も感じているし、彼の生涯が本書で語られていないことにも不満があるが、それでも一つの興味深い教育方法論としては参考になる。