お届け先を選択
Kindleアプリのロゴ画像

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません

ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。

携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。

KindleアプリをダウンロードするためのQRコード

何か問題が発生しました。後で再度リクエストしてください。

にせもの美術史: メトロポリタン美術館長と贋作者たちの頭脳戦 (朝日文庫 ほ 10-1) 文庫 – 2002/3/1

4.7 5つ星のうち4.7 6個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 朝日新聞出版 (2002/3/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2002/3/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 466ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4022613661
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4022613660
  • カスタマーレビュー:
    4.7 5つ星のうち4.7 6個の評価

著者について

著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
トマス・ホ−ヴィング
Brief content visible, double tap to read full content.
Full content visible, double tap to read brief content.

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう

カスタマーレビュー

星5つ中4.7つ
5つのうち4.7つ
6グローバルレーティング

この商品をレビュー

他のお客様にも意見を伝えましょう

上位レビュー、対象国: 日本

2009年6月18日に日本でレビュー済み
日本にどれだけの名画の贋物があるのか、想像も出来ないが、本書を読み、メトロポリタン美術館やルーブルでさえも騙されたことがある(それも度々)ことを知ると、相当数が贋物ではないか、と疑ってしまう。それだけ、美術の世界は、全くの贋物、本物、本物ではないが、工房で作られたため、贋物に限りなく近い本物とか、様々あり、鑑定は専門家にとっても、とても難しいようだ。著名な美術館の元館長が、これだけあけすけに、率直にその難しさを告白しているという意味で、美術の世界の奥深さを感じる。

それにしても、贋物作りが大昔から行われていて、美術の専門家も関わった例も多いとは。驚くことばかり。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2007年5月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 贋作や贋作者を取り上げた文献は数多いが、なぜ多いかというと、
はっきりいって素材が面白いからだろう。
 本書は、そういった贋作系の本でも、さらに一歩踏み込んだ面白さに溢れた名著である。
 とりあえず全訳ではなく、有名な贋作者メーヘレンなどの章はカットされていたり、
ある程度の知識がある人を対象としているような感じかもしれないけれど・・・
 しかし、メトロポリタンの名物館長が語る贋作秘話であり、とにかく最初から最後まで
すっごい面白かったので、興味ある人はぜひ読むべし。
 ちなみに絵画だけでなく古代の芸術品とか彫刻の方が多いくらいなので、
絵画の贋作者のみ期待している場合は、別の本が良い。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年5月12日に日本でレビュー済み
 FAKE(にせもの)づくりは、贋金づくりと同様、古い歴史を持っている。市場が沸騰すればするほど、人間の欲望が拡大し、そこににせものづくり達の入り込む隙間が拡大する。本書は、現在世界の美術館シーンをリードする、ニュー・ヨークのメトロポリタン美術館の元館長の現場に即した経験(美術品購入の取引、その成功と失敗、性急すぎたため、あるいは作品に魅了され過ぎたための甘さの露呈による失敗=にせもの掴み)がふんだんに含まれているため、目から鱗の面白い事実満載の読み物になっている。
 日本のとっても対岸の火事と、安穏出来ない指摘もある。「ゴッホに関する調査で特に貢献度が高かったのは、アラン・タリカがおこなったものである。(・・・)タリカはまた、1987年の競売で、日本の保険会社である安田火災海上(現、損保ジャパン)3990万ドルで落札した「ひまわり」も、ファン・ゴッホ自身の手ではなく、よくできたシューツェネッカーの作品ではないかと疑問を呈している。シューツェネッカーがゴッホの弟子をしていた時代のものだというタリカの説は、かなり説得力がある。」(359ページ)真贋問題は素人がとやかく言う問題はないが、疑惑が完全に払しょくされていないというのが現状であろう。
 この箇所を読みながら、今から30年以上も前、国立西洋美術館が、フランドル派の大家ロジエ・ファン・デル・ヴァイデンの肖像画を購入したことがあった。購入当時は、「日本に初めて15世紀フランドル派の絵がやってくる」とNHKのニュースにもなったほど鳴物入りであって、当初は確かにそのように展示されていたものが、いつの頃からか展示もされなくなってしまった絵がある。どの絵かは、ロジエ・ファン・デル・ヴァイデンノ信頼できる研究所を見れば画家周辺の作の絵として出てくる作品であるが、その後どうなったか寡聞にして知らない。
 美術品売買に周辺には常に不透明な部分が付きまとっていることが(本物かどうかで価格が雲泥の差があり、本物と認められると天文学的数字に跳ね上がるため)、本書を読めば、一目瞭然である。
 真贋に関する具体例を伴った鋭い指摘が満載な本書であるが、残念ながら古書という形でしか現在のところ手に入らない。早急の再版か、電子書籍化を望みたい。出来れば、本書(訳本)には、省略された箇所があるので、出来れば完訳での、改訂版を期待したい。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年7月31日に日本でレビュー済み
 ニューヨーク・メトロポリタン美術館の元館長である著者が、美術品の世界に溢れる贋作・詐欺について語った1冊である。
 「世界はだまされたがっている」。巨匠自身が手っとり早く稼ぐために行う自身の傑作の粗悪な複製、修復の度が過ぎて贋作同然になってしまった本物、一流美術館に目玉展示品として飾られ続けた偽物の逸話、逆に偽物と思われていたものが後から本物と判明した例、著者自身が実際に出会った人物も含む贋作者・贋作商人の列伝…。19世紀に本物以上に見事なルネッサンス彫刻の模作を作り続け、分け前の少なさに怒って名乗り出た後も名声が衰えなかったジョヴァンニ=バスティアニーニなどは、おそらく最も幸福な贋作者だったのだろう。そして今では、バスティアニーニ作と銘打った偽物を掴まされている美術館や収集家が、きっとどこかにいるに違いない。
 今なお真贋論争が続く作品への判定には疑問を感じる部分もあり、実物の写真や科学鑑定の理論・手法についての解説が少ないなどの不満もあるものの、自身の体験談も織り交ぜた著者の贋作談義は詳細で幅広く、現代だけでなく古代ローマからルネッサンス期・ヴィクトリア時代に至る贋作の歴史、贋作を生む社会的な背景への考察なども興味深い。ちなみに著者によれば、騙されないための基本は、ニード(皆さん欲しがってますよ)、スピード(急がないと売れちゃいますよ)、グリード(お得ですよ)の誘惑に負けないことらしい。その意味でも、「投資」「財産の保全」を名目に投機的な美術品の売買が煽られる現在の風潮には、やはり強い危惧と反発を感じざるを得ない。(遠くない将来、美術品取引がらみの大きなスキャンダルや事件がどこかで起きそうな気がする。)
 一方で、かつては栄光に包まれながら、今は正体を暴かれて美術館の倉庫の奥深く眠る贋作にも、なにがしかの愛情を感じさせられる内容でもあった。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート