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昭和陸軍の研究 上 (朝日文庫) 文庫 – 2006/2/7
保阪 正康
(著)
国家を滅亡の危機にさらし、自らを解体に追い込んだ陸軍の指導者たち。一体、昭和陸軍とは、そして太平洋戦争とはどのようなものであったのだろうか。戦死した兵士や、過酷な犠牲を強いた国民にいっさい詫びず、誤謬の責任をとろうとしなかった高級軍人の官僚体質を、五百を越す関係者の証言と、膨大な資料で明らかにする。戦後史研究の集大成ともいえる、著者渾身の力作。
- 本の長さ648ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞社
- 発売日2006/2/7
- ISBN-104022615001
- ISBN-13978-4022615008
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登録情報
- 出版社 : 朝日新聞社 (2006/2/7)
- 発売日 : 2006/2/7
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 648ページ
- ISBN-10 : 4022615001
- ISBN-13 : 978-4022615008
- Amazon 売れ筋ランキング: - 282,977位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 87位旧日本軍
- - 103位軍事問題
- - 206位その他の軍事関連書籍
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2021年3月20日に日本でレビュー済み
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すぐに届きました。きれいな本でした。ありがとうございました。
2018年9月13日に日本でレビュー済み
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日本陸軍のいい加減さ、視野の狭さ、独断的。こんな奴ら日本人に対して何も責任を取っていない。 それを見逃してきた日本人の民族性が情けない。 また陸軍の現地人に対する残虐行為には目を覆うばかりだった。
2017年7月16日に日本でレビュー済み
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この本に記述されている問題点は旧陸軍に限られたものではなく、組織を統べる上層部が永遠に克服不能な問題であると感じました。企業が破綻に向かうプロセスも、破綻に至らずとも組織を揺るがす不祥事の発生プロセスも、原因となる組織の病巣は「今も昔も」「国家レベルか一企業レベルか」に拘わらず変化は無く、また国民(企業であれば社員)一人一人に巣くう問題も同じとも感じます。経済優先(私自身においては子育と親の介護、つまり経済的安定豊が最優先→現在の野党に政権交代を期待できず自民党政権を黙認し、右傾化を結果的に容認)の風潮は、先の大戦の苛酷な戦場を実体験した世代が殆ど死に絶えた今となっては、押し止めることは不可能なのなのではとも考えさせられました。
2009年6月20日に日本でレビュー済み
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物凄い量の聞き取りや独自入手の手記に基づき、昭和の戦争の実態を描いた力作です。一読の価値あり。 しかし、細かい間違いや論理的でない部分が散見され、本として信頼感に欠けるのは減点です。ほんの一部を例示すると、 ・明治三十年代に日本はアジアの「植民地解放に全力をつぎこむべき」としているが、帝国主義全盛期に小国日本が植民地解放なんてありえない。(上P38) ・伊藤博文と大山巌の考え方の違いを「世代の断絶」と表現しているが、二人の年齢差は一歳しかない。(上P46) ・トラウマンがクビになったのは、陳立夫と練った(ちょっと空想的な)外交戦略をヒトラーとリッペントロップに主張し怒りを買ったという「事実」が「わかった」としているが、陳の証言だけでトラウマンとリッペントロップの間のやりとりが事実と断定できるのか?(上P319) ・日本軍の犠牲者数の表で、中国本土の項目にソ連軍侵入による死者も多かったと言っているが、それは旧満州の項目に計数されているはずである。(下P218)
2015年4月10日に日本でレビュー済み
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ここに出てくる証言者達は、いまはもういない。後世に残したい作品!
2011年10月5日に日本でレビュー済み
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本書を読むとさまざまな人が登場してきて証言している。
中でも、痛ましいのはノモンハンの前哨戦とも言うべき張虎峰事件でソ連軍の捕虜になり18年近く収容されていた元兵士の話である。
信州の山奥で貧しい生活をしていた青年がたどった数奇な運命。そして、その兵士に国が行った無残な仕打ち(戦死扱いされていたので、支給された恩給の返還を求められた)である。ソ連からの引揚の際にロシア語で挨拶するようにその兵士に求めたのが元陸軍次官で敵前逃亡同様のことをした冨永恭次中将というのも興味深い。
また、孫文の死に立ち会った日本人山田氏の話も心を打たれる。幼い娘が一生残る障害を負うけがをしても、中国の近代化の同志であった山田氏は娘のことを「国の宝」と他の兄弟たちに教えた。
歴史の中で運命を翻弄された人々の言葉が肉声となって伝わってきそうである。
中でも、痛ましいのはノモンハンの前哨戦とも言うべき張虎峰事件でソ連軍の捕虜になり18年近く収容されていた元兵士の話である。
信州の山奥で貧しい生活をしていた青年がたどった数奇な運命。そして、その兵士に国が行った無残な仕打ち(戦死扱いされていたので、支給された恩給の返還を求められた)である。ソ連からの引揚の際にロシア語で挨拶するようにその兵士に求めたのが元陸軍次官で敵前逃亡同様のことをした冨永恭次中将というのも興味深い。
また、孫文の死に立ち会った日本人山田氏の話も心を打たれる。幼い娘が一生残る障害を負うけがをしても、中国の近代化の同志であった山田氏は娘のことを「国の宝」と他の兄弟たちに教えた。
歴史の中で運命を翻弄された人々の言葉が肉声となって伝わってきそうである。
2014年10月23日に日本でレビュー済み
昭和史をめぐる最大の疑問は、「日本はなぜあのような無謀な戦争に突入したのか?」、あるいは端的に、「日本はなぜ負けたのか?」という疑問であろう。本書は、延べ500人にも及ぶ多くの証言や史料を元に、上下巻合わせて850ページにも及ぶ内容により、実証的な解答を示したものである。本書の取材が行われたのは1980年代から90年代であるが、当時は存命だった関係者の多くが既に亡くなった現在においては、このような本を書くことはもはや不可能であり、貴重な内容といえる。
本書が導いた、「日本はなぜ負けたのか?」への解答は複合的である。著者の他の本も参考にして、評者なりに以下にまとめてみた。
(1)国家の意思決定の仕組み
・大日本帝国憲法においては天皇主権と統帥権の独立を定めている。しかし統帥権の実務は参謀本部と軍令部に委託され、軍政(陸軍省や海軍省)はもとより、政治家も口出しできない仕組みが昭和初期には出来上がっていた。特に参謀本部の暴走を止めることは天皇であっても困難であった。
・軍部は日本最大の官僚組織である。縦割り、エリート主義、派閥などにより、参謀本部内でもチェック機構が働かず、作戦部の参謀が暴走する仕組みがあった。
・外交を軽視する国家的な体質と観念的な歴史観。平和的に問題を解決しようとする政治家や外交官は退けられ、軍部の言いなりになる政治家や外交官しか最後には残らなかった。
・アメリカは、開戦時において国力が日本の10倍以上あり、とうてい総力戦を行なえる相手ではなかった。このような理性的判断から戦争を抑止するプロセスが、官僚組織としての軍部には機能しなかった(理性的な判断をする軍人は、枢要のポストから外された)。
(2)日本の軍隊の組織と性格
・陸軍、海軍ともに、日本の軍隊は「成績優秀」なエリート軍人(陸軍大学校卒など)が組織を支配する仕組みであった。彼らは幅広い国際常識に欠け、観念的で戦闘現場にうとく、現実的な戦略や戦術を生み出す能力に乏しかった。中でも、参謀本部の権威主義、特権意識は並はずれており、若手参謀でも前線に視察に出掛ければ、軍司令官や参謀長に命令を出すほどだった。
・このようなエリート参謀たちが、緒戦はともかく、アメリカの反転攻勢に出会うと、根拠のない「精神主義」や、間違った思い付きの戦略を次々に打ち出し、多くの将兵を無駄死にさせた。太平洋各地の戦線で辛うじて生き延びた何人もの将兵が、戦後になってこのことを証言している。
・参謀本部の誤った作戦の極め付けが、特攻作戦である。これこそ、日本軍最大の恥とすべきであろう。特攻隊員は、自ら志願した勇猛果敢で祖国思いの若者たちという「神話」があるが、実際は、志願せざるを得ないような場の雰囲気を日本軍が作っていた結果というべきである。このような真実に目を塞いだ「美談化」は許されることではない。特攻作戦は、戦争末期にもはや理性を失った参謀たちによる狂気の判断といえる。
・陸軍と海軍は、平時にも戦時にも、仇敵のように対立しあった。戦時費の分捕り合戦、戦時の功名争いは茶飯事であり、両者が協力し合って成功したという事例は、昭和期になってから果たしてあるのだろうか。
・情報(インテリジェンス)の軽視。堀栄三著『米軍が見た太平洋戦争における日本の5つの敗因』によると、戦後、占領軍が日本帝国陸軍・海軍の情報機能を精査して、その貧弱さに呆れかえったとのことである。山本五十六の戦死も、情報戦による敗北である。
・兵站(ロジスティクス)の軽視。「輜重兵が兵隊ならば、蝶々とんぼも鳥のうち」という戯れ歌の通り、兵站部門は軽視されていた。太平洋戦争後期、さすがの参謀本部もその重要性に気付いても、日本には太平洋の島々に孤立した部隊に、食料・医薬品・武器などを供給する国力もなく、輸送するための船舶もなかった。
・「将官は三流、兵士は一流」というのが、太平洋戦争を経験した米軍が、日本軍に与えた評価である。日本軍の将官、特に士官学校卒のエリートは硬直した教育と官僚的な組織体質により、太平洋戦争における危機的な状況での指揮能力がほとんどなかった。一方、天皇に命を差し出すことを学校や軍隊内で教育された一般兵士たちは、玉砕など悲惨な状況でも否応なく命令に従って戦死していった。サイパン戦、ニューギニア戦、インパール作戦など、大量の戦死(その多くは戦闘死でなく餓死)をもたらしたのは、情報と兵站の軽視の結果である。
・陸軍最上層部の人間的欠陥。戦争末期を指揮した軍人たちが、極めて貧困な人間観しか持ち合わせていない人物が多かったことは、戦後の巣鴨プリズン収監中の日記で明らかになっている。また、中には、戦時中は責任ある立場であったのに、戦後はマッカッサー占領軍のために喜々として協力活動した人物も存在する。このような人間的には信じ難いほどの不誠実な人間が陸軍最上層部に少なくなかったことが明らかになっている。戦犯として東京裁判に臨んだ者の中にも、自己弁護に終始した戦犯も少なくない。
(3)メディア
・権力の間違った意思決定を指摘できないメディア(新聞)。ごく一部の新聞やジャーナリスト(桐生悠々)を除き、新聞はこぞってナショナリズムを煽り、戦争へと国民を導いた。
・「戦争は新聞にとって儲かる」というが日露戦争で大幅な部数増を経験した新聞各紙の原体験である。昭和の戦争においても同様で、「儲け」のために新聞は一斉に戦争賛美に転じ、大本営の広報機関に堕してしまった。まさに、「メディアは権力の最良のパートナー」なのである。(半藤一利・保阪正康『そして、メディアは日本を戦争に導いた』による)
(4)日本人の特性
・日本の民衆は、自らの血を流して権力を獲得した「民主革命」の経験がない。また、徹底した国家主義的教育もあり、政府や軍部、およびメディアを疑うことがあまりなかった。
・メディアに煽られて熱狂しやすい国民性。日露戦争の終戦処理に不満を持った民衆による日比谷焼打ち事件がその原型である。
以上見てきたように、日本の敗戦は、陸軍に代表される官僚組織に牛耳られた結果といえる。このような「官僚主権国家」は、エリート主義、権威主義、特権主義の下に、政治家を侮蔑し、国民を蔑にし、税金を毟り取り、思い付きで国家を動かして、失敗しても責任を取らない。官僚は、あくまで自らの利権しか考えず、国際感覚に欠け、肥大した自己意識を持つ。このため、一時的に勝利しても、中長期的には必ず失敗するのである。
白井聡著『永続敗戦論』が明らかにしたように、日本は戦後も敗戦を引きづっており、官僚主権国家の本質は変わっていない。公害による大量死、バブル崩壊、東電福島原発事故など、「官僚が引き起こした国家的な失敗」は絶えないが、誰一人責任を取っていない。われわれは、昭和史からこの点を深く学び、将来に活かすべきであろう。
本書が導いた、「日本はなぜ負けたのか?」への解答は複合的である。著者の他の本も参考にして、評者なりに以下にまとめてみた。
(1)国家の意思決定の仕組み
・大日本帝国憲法においては天皇主権と統帥権の独立を定めている。しかし統帥権の実務は参謀本部と軍令部に委託され、軍政(陸軍省や海軍省)はもとより、政治家も口出しできない仕組みが昭和初期には出来上がっていた。特に参謀本部の暴走を止めることは天皇であっても困難であった。
・軍部は日本最大の官僚組織である。縦割り、エリート主義、派閥などにより、参謀本部内でもチェック機構が働かず、作戦部の参謀が暴走する仕組みがあった。
・外交を軽視する国家的な体質と観念的な歴史観。平和的に問題を解決しようとする政治家や外交官は退けられ、軍部の言いなりになる政治家や外交官しか最後には残らなかった。
・アメリカは、開戦時において国力が日本の10倍以上あり、とうてい総力戦を行なえる相手ではなかった。このような理性的判断から戦争を抑止するプロセスが、官僚組織としての軍部には機能しなかった(理性的な判断をする軍人は、枢要のポストから外された)。
(2)日本の軍隊の組織と性格
・陸軍、海軍ともに、日本の軍隊は「成績優秀」なエリート軍人(陸軍大学校卒など)が組織を支配する仕組みであった。彼らは幅広い国際常識に欠け、観念的で戦闘現場にうとく、現実的な戦略や戦術を生み出す能力に乏しかった。中でも、参謀本部の権威主義、特権意識は並はずれており、若手参謀でも前線に視察に出掛ければ、軍司令官や参謀長に命令を出すほどだった。
・このようなエリート参謀たちが、緒戦はともかく、アメリカの反転攻勢に出会うと、根拠のない「精神主義」や、間違った思い付きの戦略を次々に打ち出し、多くの将兵を無駄死にさせた。太平洋各地の戦線で辛うじて生き延びた何人もの将兵が、戦後になってこのことを証言している。
・参謀本部の誤った作戦の極め付けが、特攻作戦である。これこそ、日本軍最大の恥とすべきであろう。特攻隊員は、自ら志願した勇猛果敢で祖国思いの若者たちという「神話」があるが、実際は、志願せざるを得ないような場の雰囲気を日本軍が作っていた結果というべきである。このような真実に目を塞いだ「美談化」は許されることではない。特攻作戦は、戦争末期にもはや理性を失った参謀たちによる狂気の判断といえる。
・陸軍と海軍は、平時にも戦時にも、仇敵のように対立しあった。戦時費の分捕り合戦、戦時の功名争いは茶飯事であり、両者が協力し合って成功したという事例は、昭和期になってから果たしてあるのだろうか。
・情報(インテリジェンス)の軽視。堀栄三著『米軍が見た太平洋戦争における日本の5つの敗因』によると、戦後、占領軍が日本帝国陸軍・海軍の情報機能を精査して、その貧弱さに呆れかえったとのことである。山本五十六の戦死も、情報戦による敗北である。
・兵站(ロジスティクス)の軽視。「輜重兵が兵隊ならば、蝶々とんぼも鳥のうち」という戯れ歌の通り、兵站部門は軽視されていた。太平洋戦争後期、さすがの参謀本部もその重要性に気付いても、日本には太平洋の島々に孤立した部隊に、食料・医薬品・武器などを供給する国力もなく、輸送するための船舶もなかった。
・「将官は三流、兵士は一流」というのが、太平洋戦争を経験した米軍が、日本軍に与えた評価である。日本軍の将官、特に士官学校卒のエリートは硬直した教育と官僚的な組織体質により、太平洋戦争における危機的な状況での指揮能力がほとんどなかった。一方、天皇に命を差し出すことを学校や軍隊内で教育された一般兵士たちは、玉砕など悲惨な状況でも否応なく命令に従って戦死していった。サイパン戦、ニューギニア戦、インパール作戦など、大量の戦死(その多くは戦闘死でなく餓死)をもたらしたのは、情報と兵站の軽視の結果である。
・陸軍最上層部の人間的欠陥。戦争末期を指揮した軍人たちが、極めて貧困な人間観しか持ち合わせていない人物が多かったことは、戦後の巣鴨プリズン収監中の日記で明らかになっている。また、中には、戦時中は責任ある立場であったのに、戦後はマッカッサー占領軍のために喜々として協力活動した人物も存在する。このような人間的には信じ難いほどの不誠実な人間が陸軍最上層部に少なくなかったことが明らかになっている。戦犯として東京裁判に臨んだ者の中にも、自己弁護に終始した戦犯も少なくない。
(3)メディア
・権力の間違った意思決定を指摘できないメディア(新聞)。ごく一部の新聞やジャーナリスト(桐生悠々)を除き、新聞はこぞってナショナリズムを煽り、戦争へと国民を導いた。
・「戦争は新聞にとって儲かる」というが日露戦争で大幅な部数増を経験した新聞各紙の原体験である。昭和の戦争においても同様で、「儲け」のために新聞は一斉に戦争賛美に転じ、大本営の広報機関に堕してしまった。まさに、「メディアは権力の最良のパートナー」なのである。(半藤一利・保阪正康『そして、メディアは日本を戦争に導いた』による)
(4)日本人の特性
・日本の民衆は、自らの血を流して権力を獲得した「民主革命」の経験がない。また、徹底した国家主義的教育もあり、政府や軍部、およびメディアを疑うことがあまりなかった。
・メディアに煽られて熱狂しやすい国民性。日露戦争の終戦処理に不満を持った民衆による日比谷焼打ち事件がその原型である。
以上見てきたように、日本の敗戦は、陸軍に代表される官僚組織に牛耳られた結果といえる。このような「官僚主権国家」は、エリート主義、権威主義、特権主義の下に、政治家を侮蔑し、国民を蔑にし、税金を毟り取り、思い付きで国家を動かして、失敗しても責任を取らない。官僚は、あくまで自らの利権しか考えず、国際感覚に欠け、肥大した自己意識を持つ。このため、一時的に勝利しても、中長期的には必ず失敗するのである。
白井聡著『永続敗戦論』が明らかにしたように、日本は戦後も敗戦を引きづっており、官僚主権国家の本質は変わっていない。公害による大量死、バブル崩壊、東電福島原発事故など、「官僚が引き起こした国家的な失敗」は絶えないが、誰一人責任を取っていない。われわれは、昭和史からこの点を深く学び、将来に活かすべきであろう。
2008年2月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
太平洋戦争 子供の頃から怖い戦争だったと聞かされどうしてそんな戦争をしてしまったのかと不思議に思っていました。
この本では昭和陸軍の視点から、先の大戦を解説していますので、昭和陸軍の欠陥を余すところ無く指摘しています。
ただ、昭和陸軍に先の大戦の責任を課そうとするあまり、すべての責任が昭和陸軍にあるように書かれています。陸軍の暴走だけで本当に日本は負ける戦争に突入して、幾多の戦場で多くの日本人を犠牲にしたのでしょうか?
日本の帝国を操った本当の黒幕 帝国を滅亡に追い込んだ日本の黒幕から世間の目をそらせ、すべての責任を陸軍に押し付ける そんな意図に操られた著者の姿を行間に感じました。
この本では昭和陸軍の視点から、先の大戦を解説していますので、昭和陸軍の欠陥を余すところ無く指摘しています。
ただ、昭和陸軍に先の大戦の責任を課そうとするあまり、すべての責任が昭和陸軍にあるように書かれています。陸軍の暴走だけで本当に日本は負ける戦争に突入して、幾多の戦場で多くの日本人を犠牲にしたのでしょうか?
日本の帝国を操った本当の黒幕 帝国を滅亡に追い込んだ日本の黒幕から世間の目をそらせ、すべての責任を陸軍に押し付ける そんな意図に操られた著者の姿を行間に感じました。