Kindle版を購入した。iPhoneにダウンロードしてアクセシビリティのスピーチをONにすると、読み上げてくれる。
出張で、東京から仙台へ向かう途上でイヤホンを通してこの本を一冊まるごと聞いた。
特に面白かったのが、次の4つの章だった。
◯第3章清廉さをアピールする軍事政権のうさん臭さ
◯第4章プミポン国王の死去。喪はやはりタイ式だった
◯第6章タイとベトナムを嫌い、ラオスが近づいた中国の怖さ
◯第7章音のないラオスの村はビエンチャンから北に1時間半
とくに第4章のプミポン国王の死去の章では、上野駅構内を新幹線乗り場に向けて歩きながら聞いていたのだが、思わず涙がこぼれてきてしまった。あの日のタイ人の悲しみが切々と迫ってくる文章に、涙腺が緩む。プミポン国王亡き後の、タイの様子はなるほどこんな感じだったのかとあらためて知ることができた。
第6章と第7章はラオスについての章。ラオスの置かれている立場が6章ではどんなテキストよりもはっきりわかる。また7章で示してくれるラオスのちょっと前の姿や田舎の様子などもへーそうなのかとあらためて認識できた。
タイやラオスに頻繁に行く僕には、非常に興味深い本だった。
下川さんの文庫本はかなり古いものから殆ど本棚に揃えて、仕事にくたびれた夜は、下川文庫本を風呂場で読む。そんな僕にとっては、今回の「週末ちょっとディープなタイ旅」は今までの下川本のなかでトップクラスの傑作だと思える。

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週末ちょっとディープなタイ旅 (朝日文庫) 文庫 – 2017/2/7
日本人大好きタイ料理はタイ中華?
ガイドブックでは紹介されない裏の乗り物が市民の足、
日本の常識が通じないイタイ鉄道の旅。
したたかで、しなやかな「微笑みの国」をめぐる――。
タイ料理とタイ中華料理はどう違う?
バスやタクシーはもう不便な乗り物?
軍事政権が飲酒や風俗をとり締まり清廉潔白なイメージを演出しようとするなか、
国王死去の報が国中を駆け巡った。
そしてバンコクの先へ。
各駅停車に揺られて、音のないラオスの田舎に迷い込む。
【目次より】
第一章 「日本人好みのタイ料理」はタイ料理じゃない?
[コラム]タイ中華料理に染まるフードコート
第二章 裏の交通機関が市民の足というバンコク
[コラム]パープルラインに乗ってチャオプラヤー川を越える
第三章 清廉さをアピールする軍事政権のうさん臭さ
[コラム]国境で嘆く不法就労の日本人たち
第四章 プミポン国王の死去。喪はやはりタイ式だった
[コラム]バンコクの中間層が黒服狂騒曲を生む?
第五章 タイ国鉄に乗りまくってわかる「遅れ」の正しい理由
[コラム]一泊千バーツ前後。地方の老舗ホテルの味わい
第六章 タイとベトナムを嫌い、ラオスが近づいた中国の怖さ
[コラム]ラオス人が自国の空港のように使うウドンターニーの空港
第七章 音のないラオスの村はビエンチャンから北に一時間半
[コラム]ルアンパバーンはバックパッカーの聖地への入口
ガイドブックでは紹介されない裏の乗り物が市民の足、
日本の常識が通じないイタイ鉄道の旅。
したたかで、しなやかな「微笑みの国」をめぐる――。
タイ料理とタイ中華料理はどう違う?
バスやタクシーはもう不便な乗り物?
軍事政権が飲酒や風俗をとり締まり清廉潔白なイメージを演出しようとするなか、
国王死去の報が国中を駆け巡った。
そしてバンコクの先へ。
各駅停車に揺られて、音のないラオスの田舎に迷い込む。
【目次より】
第一章 「日本人好みのタイ料理」はタイ料理じゃない?
[コラム]タイ中華料理に染まるフードコート
第二章 裏の交通機関が市民の足というバンコク
[コラム]パープルラインに乗ってチャオプラヤー川を越える
第三章 清廉さをアピールする軍事政権のうさん臭さ
[コラム]国境で嘆く不法就労の日本人たち
第四章 プミポン国王の死去。喪はやはりタイ式だった
[コラム]バンコクの中間層が黒服狂騒曲を生む?
第五章 タイ国鉄に乗りまくってわかる「遅れ」の正しい理由
[コラム]一泊千バーツ前後。地方の老舗ホテルの味わい
第六章 タイとベトナムを嫌い、ラオスが近づいた中国の怖さ
[コラム]ラオス人が自国の空港のように使うウドンターニーの空港
第七章 音のないラオスの村はビエンチャンから北に一時間半
[コラム]ルアンパバーンはバックパッカーの聖地への入口
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日2017/2/7
- 寸法14.8 x 10.5 x 1.1 cm
- ISBN-104022618949
- ISBN-13978-4022618948
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登録情報
- 出版社 : 朝日新聞出版 (2017/2/7)
- 発売日 : 2017/2/7
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 256ページ
- ISBN-10 : 4022618949
- ISBN-13 : 978-4022618948
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 1.1 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 498,778位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,310位朝日文庫
- - 6,266位海外旅行ガイド (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年12月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
7年ぶりのバンコクはさらに発展が進んでおり、MRTはいつでも大混雑だし、渋滞はまったく解消されていないし、巨大ショッピングタワーは乱立。さらに忘年会の時期らしく「タイ風中華料理(中華風タイ料理?)」のレストランは17時から手土産(主に高級ウィスキーのようです)持参の団体客で満員。まさに混沌としながらも現地人にしかわからない微妙な規範を感じる街はさらに成長を続ける。物価だってもう割安感をちっとも感じません。
「庶民の間から自発的に生まれたものほうが信頼できる」し「皆、好き勝手に生きているかのようなのびやかさ」はアジアNo.1というよりも世界で唯一無二の魔都である。49バーツのタクシー料金に対して100バーツを出すと、運転手自ら”Others for me!"と言い切って、チップのほうが多い!とツッコミながらもその『おおらかさ』にはほんとうに深くうなずけました。
「庶民の間から自発的に生まれたものほうが信頼できる」し「皆、好き勝手に生きているかのようなのびやかさ」はアジアNo.1というよりも世界で唯一無二の魔都である。49バーツのタクシー料金に対して100バーツを出すと、運転手自ら”Others for me!"と言い切って、チップのほうが多い!とツッコミながらもその『おおらかさ』にはほんとうに深くうなずけました。
2017年2月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
待ってました!下川氏のタイもの!
どこか飄々とした変わらない印象の下川氏!それが好きなのか否かで
好みは自ずとみえてくるかと思います。
勿論個人的には大好き!
今回は2016年国王死去の事にも触れており読み応えがありました。
変わりゆくタイ、それをみつめる下川氏、今後も注目していこうと思います!
どこか飄々とした変わらない印象の下川氏!それが好きなのか否かで
好みは自ずとみえてくるかと思います。
勿論個人的には大好き!
今回は2016年国王死去の事にも触れており読み応えがありました。
変わりゆくタイ、それをみつめる下川氏、今後も注目していこうと思います!
2017年3月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
下川氏、阿部氏のコンビでの文庫、何冊目だろうか。見つけると、ついつい買ってしまう。東南アジアの移ろいと、下川氏に伴走している気分だ。悪くない。
2017年4月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私の関心のある事がかなりあり面白かったです。でも関心のない方が読むとどうかなって思いました。
2017年5月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
20数年前、バンコクに在住していました。その後著しく変化を遂げたバンコクの今を知ろうと思い、軽い気持ちでこの本を選んだのですが、大当たりでした。
旅行記系は、作者の自己満足が強くあまり好きではないのですが、この本は旅行記ではなく立派な民俗学、文化人類学です。タイに無数に存在する不思議な事象を客観的に記述し、それに対する作者の分析、意見が非常につぼにはまり、笑みがこぼれると共に読後とても気分を明るくしてくれる本です。
今現在はあまり関わりの無いタイがまた身近に思えてきて、タイの空気、匂い等を感じながら読むことができました。
旅行記系は、作者の自己満足が強くあまり好きではないのですが、この本は旅行記ではなく立派な民俗学、文化人類学です。タイに無数に存在する不思議な事象を客観的に記述し、それに対する作者の分析、意見が非常につぼにはまり、笑みがこぼれると共に読後とても気分を明るくしてくれる本です。
今現在はあまり関わりの無いタイがまた身近に思えてきて、タイの空気、匂い等を感じながら読むことができました。
2017年7月19日に日本でレビュー済み
伝統的なタイ料理から中華とタイ料理の融合、タクシーや長距離バスに代わるロットウーやバイクタクシーの躍進、軍事政権下での浄化運動、プミポン国王の死去に伴うタイ社会の反応、タイ国鉄の話。トピックとしてはタイムリーなものばかりで読ませる内容。
「タイ」について語るときの筆者の筆致の冴えは見事。やはり筆者に同じアジアといえども香港・マカオやマレーシア・シンガポールを語らせても、いまひとつ物足りなさを感じるが、本著はさすがタイの達人らしく筆が踊るように生き生きと思いのたけを綴っているのが読者にも伝わってくる。
ちなみに著者は二度のタイ留学を経験。タイの安アパートに下宿しながらタイの人たちと暮らしタイ語を学ぶ。二度目は家族を帯同しての留学。タイとの付き合いはすでに40年に及ぶだけあって、この人の著作を読むたびに、なぜかタイにまた行ってみたい気持ちにさせられてしまう。
巻末にラオスについて触れられている。読み物としては悪くはないが、やや蛇足の感は否めない。やはりこの人にはタイに終始してほしい。
「タイ」について語るときの筆者の筆致の冴えは見事。やはり筆者に同じアジアといえども香港・マカオやマレーシア・シンガポールを語らせても、いまひとつ物足りなさを感じるが、本著はさすがタイの達人らしく筆が踊るように生き生きと思いのたけを綴っているのが読者にも伝わってくる。
ちなみに著者は二度のタイ留学を経験。タイの安アパートに下宿しながらタイの人たちと暮らしタイ語を学ぶ。二度目は家族を帯同しての留学。タイとの付き合いはすでに40年に及ぶだけあって、この人の著作を読むたびに、なぜかタイにまた行ってみたい気持ちにさせられてしまう。
巻末にラオスについて触れられている。読み物としては悪くはないが、やや蛇足の感は否めない。やはりこの人にはタイに終始してほしい。
2017年8月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2016年のバンコクを中心としたタイの様子が、下川氏の読ませる文章で記述されています。ちょうど地元にいましたが、社会の微妙なところが細かく記述されており、かといって誇張もなく、好感が持てます。ラオの話も合わせ、楽しく読ませていただきました。