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政治主導vs.官僚支配 自民政権、民主政権、政官20年闘争の内幕 (朝日選書) 単行本 – 2013/4/10

4.5 5つ星のうち4.5 2個の評価

「脱官僚」を掲げて迷走した民主党政権。
日本の政治における「官僚支配」と「政治主導」の闘争の内幕を、
90年代、自民党政権時代の制度改革から20年にわたって分析する。
日本が再び活力を取り戻すための政治家と官僚のあるべき姿が見えてくる。

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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 朝日新聞出版 (2013/4/10)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2013/4/10
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 243ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4022630000
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4022630001
  • カスタマーレビュー:
    4.5 5つ星のうち4.5 2個の評価

著者について

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信田 智人
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京都生まれです。最終学歴としては、ジョンズホプキンス大学で国際関係学博士号を得ました。日本政治、アメリカ政治、日米関係、日本外交などが専門です。そのなかでも政策決定過程に興味があります。

最も最近に出した本はContemporary Japanese Politics: Institutional Changes and Power Shiftsで、ジェラルド・カーチスの著書以来13年ぶりにコロンビア大学出版から出された日本政治の本です。多くの欧米の大学で教科書に使ってもらえると思います。

その政治主導の部分だけを扱ったのが、朝日新聞から出した「政治主導vs官僚支配」です。多くの政治家や官僚の方々からも、この本で内幕を初めて知ったという有難いコメントをいただきました。

2010年には「アメリカの外交政策」という編著を出しましたが、外交史、アクター別分析、政策の三つの分野を包括的に扱っているのが特徴です。私は第1-3章の外交史と大統領のセクションを担当しました。ホワイトハウスの決定過程については、かなり詳しいと思います。

カスタマーレビュー

星5つ中4.5つ
5つのうち4.5つ
2グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2013年12月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
政治主導あるいは官僚支配という用語はメディアに良く現れますが,政治の裏で実際に行われている政治家と官僚のせめぎ合いは吾ら一般人には余り見えてきません.政治家は表面に出てくるが,官僚の方は後ろに隠れているからです.著者は政治主導vs 官僚支配の背景を終戦直後にまで遡り,そこから現代にまでたどって俯瞰しました.官僚は省益を守ろうとするから行政は得てして縦割りに傾く.一方,官僚を遠ざけ,政治家主導でやろうとすると,官僚たちの蓄えてきた経験知が得られにくくなり,どっちにしても行政は行き詰まる.日本の政治は振り子のように政治家と官僚の間を揺れながら進んできたようです.ともあれ,目次を紹介します.各章の表題をちらっと見ただけで内容が想像できるでしょう.

序章 「政治主導」は福島原発事故に何をもたらしたか.
第1章 官僚支配,派閥抗争,カネ---自民党長期政権下の内閣と与党
第2章 スキャンダル,政争,そして改革--- 90年代の制度改革をめぐる政治
第3章 小泉内閣の政治主導
第4章 鳩山政権の官僚排除
第5章 党内抗争に明け暮れた管政権
第6章 官僚活用を進めた野田政権

私は序章に迫力を感じました.福島第一事故発生当初,官僚は全く無力だった.積極的に何もできなかった.何をすればよいか.それすらも分からなかった.もし首相が原発の基礎知識がある菅直人さんでなく,誰か文系出身の人であったらと考えると背筋が寒くなります.あの極限状態で官邸は船頭なき船となり,大混乱したでしょう.菅直人元首相は後日,色々と言われましたが,福島第一を兎にも角にもわれわれが今知るようなレベルにまで抑え込みました.著者の信田智人さんは「民間事故調」のメンバーの一人として多くの関係者から取材してこの序章を書いていますから,その叙述に臨場感が生まれて当然です.原子炉を冷やすには注水が必要ですが,炉の圧を下げないと注入できない.内圧を下げるには大気に開放するのが緊急の処置でした(15頁)が,これがスムースに捗らない.現場を見ようと,菅直人元首相は斑目原子力安全委員長を伴ってヘリコプターで現地上空に向かっているときの様子が17頁にありますので引いてきます.

ここで菅総理から聞かれた重要な質問は,「水素爆発は起こるか」だった.斑目委員長は「格納容器のなかは窒素で全部置換されていて酸素がないから爆発は起こらない」と答えた.

それから9時間後,官邸に1号機爆発の報告が届いた.これをテレビで見た菅首相は斑目委員長に「これはどう見たって爆発ではないですか!」と詰め寄ったが,斑目は表情を歪めて両手で頭を抱えるばかりだった.斑目はその画面をみて「水素爆発だ」とすぐに思ったが,「茫然自失して誰にも何も言えなかった」と証言した.これまで保安院の官僚に幻滅し,斑目の専門知識に頼ってきた菅であったが,ここでその信頼を一気に失う.(中略)菅は自分の携帯を取り出し,外部の専門家の意見を直接聞き始めた.

ことほど左様にしっかり対応できる官僚はいなかった.菅は反応の鈍い東電に苛立ち政治主導で対応したのです.しかし,危機管理学では「とくにダイナミックで技術的に複雑な危機においてはトップリーダーや政策決定者が自ら主導するのでなく現場や専門機関に任せ,それをサポートするのが良い」とされている(33頁).そうはいっても当事者の東電の危機管理が「想定外」を理由に殆ど機能しなかったのであれば,よくぞあの程度で小康を得たのは不幸中の幸いでした.4号機燃料プールでは官邸内で「最悪のシナリオ」も想定されたそうです(35頁).プールの水が枯渇し,1535本の燃料がすべて溶け出すと,そこから出る放射性物質は関東一円に拡散し,3000万人が避難することになる --- .それを避けることができたのは官邸に対策統合本部が設置され,円滑に注水用のコンクリートポンプ車の手配と作業が行われたからです.結果から見れば福島第一は政治主導で辛うじて危機を脱したことになります.

というわけで,本書は序章だけでも価値があるように思えます.福島第一を知りたい方々に勧めます.敗戦直後から現代にいたるまで政治形態の揺らぎをざっと知りたい読者にも格好の資料となります. 巻末に収録されている223本の注も役立つ筈です.
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