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魔都 (朝日文庫 ひ 9-2 久生十蘭コレクション) 文庫 – 1995/2/1

4.0 5つ星のうち4.0 4個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 朝日新聞出版 (1995/2/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1995/2/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 494ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4022640634
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4022640635
  • カスタマーレビュー:
    4.0 5つ星のうち4.0 4個の評価

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久生 十蘭
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上位レビュー、対象国: 日本

2009年1月28日に日本でレビュー済み
1934年の大晦日から1935年元旦までの二十四時間の間に起きた、
失踪した安南皇帝と彼が所持するダイヤの行方をめぐる大騒動。

のちに、荒俣宏
『帝都物語』 にも大きな影響を与えた
という、都市小説、ナンセンス・ミステリの怪作です。

海野弘氏は、作中のヤクザの市街戦は、1925年に 起きた
〈鶴見騒擾事件〉 がモデルだと推定し、以下のような解釈を
示しています。

  〈(十蘭は)安南帝のダイヤ事件を表層に張りめぐらし、その下に、1925年の
   
鶴見事件 を埋めこんだ。それはヤクザと土建業とコンツェルン、そして政財界
   全体がつながっている政治陰謀小説であった。

   だが、さらにその下にもう一つの底があったのだ。それが二・二六事件下の、東京の
   アンダーワールドの物語である、と私は想像する〉(
久生十蘭 『魔都』『十字街』解読

武装した兇徒が皇帝を補禁し、その上、丸の内という特別の地域で、その武装した兇徒が
警視庁に機関銃で立ち向かっていること、それが二・二六事件の見立てであるというのです。

軍部による独裁が行われていた当時、こうした大胆不敵な執筆意図を持って
本作が書かれていたのであれば、久生十蘭とは、じつにおそるべき作家です。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年7月17日に日本でレビュー済み
久生十蘭の作品をすべて読んだわけではないのでこう言うのは憚られるが、一読してこの『魔都』はもしかしたら十蘭の最高傑作かもしれないと思うほどの強烈な印象を持った。短篇小説にも佳品が多い十蘭だが、この長編にはそれらにない重厚さが備わっている。また、このような傑作が十蘭の作家人生初期に書かれたということは意義深い。もとは雑誌「新青年」に1年間ほど連載された小説だが、この長期に及ぶ執筆のなかで、十蘭は作家としての自信を得たのだろうから。

ひとまず『魔都』は探偵小説であるということができる。その観点からすれば、たしかに最後の謎解きのあいまいさは見過ごすことのできない瑕疵である。しかし、その探偵小説という枠組みはこの作品の一番外側の表皮にすぎず、むしろ実質は妖しい雰囲気を身に纏った昭和初期の東京を鮮烈に描いた「都市小説」なのだと言い直すことができよう。読者はこの物語を読み進めるあいだ、昭和10年代に同期する。そこには、久世光彦が解説で回顧しているように、関東大震災から太平洋戦争までのわずか20年ぐらいにしか存在しなかった東京の幻影が浮き彫りになる。探偵小説としての不十分さなどもはや気にならず、結末よりもそこにいたる物語の豊かな重層性に魅了されてしまう。その意味では、例えば、メルヴィルの『白鯨』の豊穣さとも相通ずるし、また1日の出来事を描いているという点では、ジョイスの『ユリシーズ』を彷彿させる。英米の頂点に君臨するそれらの作品と対置するのは大げさであろうか。
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