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ブッダの夢: 河合隼雄と中沢新一の対話 (朝日文庫 か 23-3) 文庫 – 2001/2/1
- 本の長さ253ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日2001/2/1
- ISBN-104022642629
- ISBN-13978-4022642622
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登録情報
- 出版社 : 朝日新聞出版 (2001/2/1)
- 発売日 : 2001/2/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 253ページ
- ISBN-10 : 4022642629
- ISBN-13 : 978-4022642622
- Amazon 売れ筋ランキング: - 181,565位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
(1928-2007)兵庫県生れ。京大理学部卒。京大教授。
日本のユング派心理学の第一人者であり、臨床心理学者。文化功労者。文化庁長官を務める。独自の視点から日本の文化や社会、日本人の精神構造を考察し続け、物語世界にも造詣が深かった。著書は『昔話と日本人の心』(大佛次郎賞)『明恵 夢を生きる』(新潮学芸賞)『こころの処方箋』『猫だましい』『大人の友情』『心の扉を開く』『縦糸横糸』『泣き虫ハァちゃん』など多数。
1950年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、多摩美術大学芸術人類学研究所所長。思想家。著書に『チベットのモーツァルト』(サ ントリー学芸賞)、『森のバロック』(読売文学賞)、『哲学の東北』(斎藤緑雨賞)、『フィロソフィア・ヤポニカ』(伊藤整文学賞)など多数ある(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『カイエ・ソバージュ』(ISBN-10:4062159104)が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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とした対話集。
刺激的で、示唆に富み、スリリングな本です。
中沢新一さんの博覧強記ぶり、河合先生の臨床体験
から来る人間考察の深さ、そして、お二人の道草多き
人生が垣間見られます。
印象に残る箇所は山ほどありすぎてどこを紹介してよいか
困ります。
全6話のうち、最後の対話「汎神論風夢理論のこね方」が、
お二人初対面の時のものです。
ここから、いくつか引用をしてみましょう。
「もともと人間の心は最初から完成しているものなんです。
それが見えなくなっている状態なので、それを見えるように
するためにかきわけていく、整理したりする技術の体系が
複雑になっているだけなんです。人間の魂は段階によって
複雑にはなりますけれども、正しいものにはなったりしない。」
(227ページ 中沢氏発言)
「自己実現の『道』というけれども、その道を本当に
味わっている人は、僕は道草をくっている人だと思うんです。」
(230ページ 河合先生発言)
「道草こそ、道をいちばん知るという立場なんです。
道草をくってない人は道のことなんか思ってないですよ。
目的だけを思っているんです。道草する人は、道草を
楽しんだり苦しんだりしているわけですから。」
(231ページ 河合先生発言)
常々、人間をもっと知りたい、人生に厚みを持たせたい
と考えておられる方にはお薦めできる良書であります。
単なる学者ではなく、道草をくった、幅の広いお二人の
幅の広い、身体の中から出てきた言葉を楽しまれたし。
いとうせいこうさんの「想像ラジオ」もそうゆう話なのかな?
それで偶然? 7年ぶりに手に取っていた この本。
p43
(生の世界からばかり物を見るのではなく、たまには死の世界から物を見るのもええんちゃう?仏教なんかはそうゆう観点。
ただ、死の讚美は 戦争で、若者を戦場にかり出すことに使われた→) 河合隼雄「それで死のほうからものを見るのが極端に疑わしくなってね。
西洋文化が好きになったのは、
死のほうから見るのではなくて、
自分の生をどこまで延長できるか、
その世界をどこまで広げられるか
ゆうのばかりを考えるわけでしょう」
、、、ピーターガブリエル「big time」の歌詞、、、、
オウム事件への影響の大きさゆえに糾弾キュウダンされて「謹慎キンシン」していた中沢新一さんのリハビリとして河合隼雄さんが対談してあげた本1998。
「さらっと深遠」という評は かなり当たってる。
でも、けっきょく、いつまで経っても怪しくウサン臭いままの中沢さんである。
ただ、情報の整理・処理・操作能力は突き抜けてる。
最近、仏教関係の本を読む機会に恵まれ、ブッダを知りたいと思うようになって、この本のタイトルも目にとまった。
「はじめに」を読んでみると、中沢は「いつもふたりの対話の底には、『仏教』のことが横たわっていたように思う。仏教はふつうにいうところの宗教ではない。それは言ってみれば『知恵』なのである。」と書いている。その意味において、本書は、ブッダの教えの臨床心理学版とでもいうべき本にあたるであろう。
本書は6つの対談が載っている。
最初の「仏教と癒し」のところでは、『キサーゴータミ―の説話』や『盤珪の話』が取上げられ、相手の話(転移)に巻き込まれない、だけど相手の話を引き寄せる、ということが話題になっている。
では、どうすると、巻き込まれずに相手の話を引き寄せられるのか。 中沢は、ディケンズの『クリスマスキャロル』のスクルージーの心が溶け出したわけを考え、「生者にとっての死者の意味」が浮かび上がってくると言い、「死の世界から」、「死者の目を持つことによって」、「死者の目からこの世界を見ることができたとき」「人間の心は溶解する」という。だから「人間が心を溶かしていくためには、死者の目が必要なんだと思います。」と言い、河合も「そう思います。」と言っており、印象的だった。(36~38頁)
3番目の「箱庭療法の宗教性」のところは、臨床心理をやっている者にとって、大切な事柄が数多くかたられ記載されているように思う。 例えば、92頁で河合が「この人の世界に一緒に住んでることが大事なんです。」と言ってるところとか(同趣旨、103頁、107頁など)、94頁で「何かを達成するためには大事なものを犠牲にすることが要請される。」と言ってるところとかです。
「箱庭療法の宗教性」のところでは『空虚』ということは話題になっていますが、この話題、身につまされます。 というのも、お知り合いの方がご高齢になられて老健施設に入居されているんですが、ご本人、過去の栄光を振り回すわけにもいかず、『空虚』を装い、デプレッション状態を保つ他ない。 まったく、御気の毒としか言いようがないからです。
「アメリカ・インディアン神話の潜在力」では、「身体性」が話題になっていて、河合も「これから現代の学者も身体性について配慮しなければならないし、そもそも現代人全体がそのことに眼を開く必要があると思いますね。」って言っており、その通りだと思った。(138頁)
「善悪をこえる倫理」では、「悪」が話題になっている。 182頁付近では「関係を継続させようとする」ことの意義が語られているのだが、その前の段階の178~179頁あたりでは「治療者が通している一本の線」の話になっていて、矛盾が在るのではないかと思ったのですが、どんなものでしょう。
最後の「汎神論風夢理論のこね方」での対談は、「土」や「大地の問題」が取上げられ、それらに治療効果があるということ、そして、秀逸なのは233頁にある河合の文学作品に関する一言ではないでしょうか。 ぜひご一読いただきたい一冊と思います。
といいつつ、昔ほどには中沢新一やらを熱心に読まなくなって久しい。