卒爾ながら答え合わせを試みようと購入。
読んだら思いがけないネオサイタマ世界。酸性雨で樹木が腐敗しオワリコンなる大臣直結のメガコーポが登場しサイバー茶会が催され、そのほか古臭さを感じる様式・文化・言葉使い。ニンジャはいないがディストピア。
今読むならレトロフューチャー特有のダサさを楽しむつもりの方が多分面白いかな。
本題の答え合わせについては…個々の事例の正誤は置いておいて、この本の主題に沿って考察。
・最も悪い未来を予測できたか → 今の日本はもっと悪い。堺屋太一は何もしない事が最悪として書いているが、それを超えて何かしようとする人を積極的に潰す社会となってしまった。現に、主軸となる織田大臣に当たる人物は日本にいない。出る気配すらない。※経歴から、織田のモデルはホリエモンと推察。
恐らく、"単に何もしなかっただけの社会”なら概ねこの本で予想した様な閉塞感になると思われる。
・改革はより良い未来に繋がるか → いくつか良い案・見解はあるが、現実では着手すら不可能と思われる。
改革案は織田総理の求心力によって開始され、恐らくフォロワーによって遂行される筋書なのに対し、
今の世は肝心の織田がいない!スタート地点にすら立てやしない!
(強いて各論レベルで難を挙げるなら、急進なグローバリズム方針は反対かな…
今やグローバリズムは世界中で健全な競争や生活を阻害しつつあるので)
総評:方向性はほぼ合致。進行具合は著者の想定を遥かに超えている。
ホリエモンが社会的に抹殺され、作中の織田も最後に殺される結末(描写)を迎えるのは印象的。
未来は小説より奇なり。織田を殺し続けた日本国民の夜は愈々深い。
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平成三十年 (下) (朝日文庫) 文庫 – 2004/1/30
堺屋 太一
(著)
「当たったこともあれば、外れたこともある。だが、時代の雰囲気は見事なまでに当たった」
―― 堺屋太一
堺屋太一さん【追悼】 重版を決めました! !
1997年からの約1年間、『朝日新聞』に連載された近未来小説。
20年以上も前、平成9年の地点から 平成三十年の日本を予測して書かれました。
もちろん、細かい数字など、当たっていない項目も多いのですが、
堺屋さんの言葉通り、時代の雰囲気はおそろしいほどに当たっています。
堺屋さんの『先見の明』はやっぱりすごかった!
【内容】
(上) 何もしなかった日本
1ドル=300円、ガソリン代1リットル1000円、消費税は20%へ―。
平成30年(2018)の日本はまだ何も“改革"できないでいた!
インフレと不況、少子高齢化と高失業、国際収支の大幅赤字が加速する日本の窮状を救う道はあるのか?“警告と提言"の大ベストセラー
(下) 天下分け目の「改革合戦」
日本改革会議が結成され、国家再生への端緒が開かれる。
産業情報省大臣・織田信介は、官房長の明智三郎、企画課長の木下和夫らとともに、国を二分する改革合戦に打って出るが。
日本は先端国として甦ることができるのか? 緻密な予測で描く近未来巨篇、堂々の完結。
【著者略歴】
堺屋 太一(さかいや たいち)
1935(昭和10)年、大阪市生まれ。東京大学経済学部卒業とともに通産省に入省。通産省時代に、日本万国博覧会を企画、開催にこぎつける。その後、沖縄海洋博、サンシャイン計画の推進などに携わる。1978年通産省を退官後、執筆・テレビ・講演と幅広い活躍を続ける。
1998年7月、経済企画庁長官に就任、2000年12月に退任。以後、安倍晋三内閣の内閣官房参与などを歴任。12年に旭日大綬章を受章した。19年、逝去。
著書に、『油断! 』『団塊の世代』『巨いなる企て』『峠の群像』『知価革命』『日本とは何か』『組織の盛衰』『向い風の朝』『秀吉』『欣求楽市』『あるべき明日』『時代末』『明日を読む』『明日を診る』『明日を想う』『堺屋レポート1997-2001』『「平成三十年」への警告』『団塊の後 三度目の日本』『堺屋太一が見た 戦後七〇年 七色の日本』など多数。
―― 堺屋太一
堺屋太一さん【追悼】 重版を決めました! !
1997年からの約1年間、『朝日新聞』に連載された近未来小説。
20年以上も前、平成9年の地点から 平成三十年の日本を予測して書かれました。
もちろん、細かい数字など、当たっていない項目も多いのですが、
堺屋さんの言葉通り、時代の雰囲気はおそろしいほどに当たっています。
堺屋さんの『先見の明』はやっぱりすごかった!
【内容】
(上) 何もしなかった日本
1ドル=300円、ガソリン代1リットル1000円、消費税は20%へ―。
平成30年(2018)の日本はまだ何も“改革"できないでいた!
インフレと不況、少子高齢化と高失業、国際収支の大幅赤字が加速する日本の窮状を救う道はあるのか?“警告と提言"の大ベストセラー
(下) 天下分け目の「改革合戦」
日本改革会議が結成され、国家再生への端緒が開かれる。
産業情報省大臣・織田信介は、官房長の明智三郎、企画課長の木下和夫らとともに、国を二分する改革合戦に打って出るが。
日本は先端国として甦ることができるのか? 緻密な予測で描く近未来巨篇、堂々の完結。
【著者略歴】
堺屋 太一(さかいや たいち)
1935(昭和10)年、大阪市生まれ。東京大学経済学部卒業とともに通産省に入省。通産省時代に、日本万国博覧会を企画、開催にこぎつける。その後、沖縄海洋博、サンシャイン計画の推進などに携わる。1978年通産省を退官後、執筆・テレビ・講演と幅広い活躍を続ける。
1998年7月、経済企画庁長官に就任、2000年12月に退任。以後、安倍晋三内閣の内閣官房参与などを歴任。12年に旭日大綬章を受章した。19年、逝去。
著書に、『油断! 』『団塊の世代』『巨いなる企て』『峠の群像』『知価革命』『日本とは何か』『組織の盛衰』『向い風の朝』『秀吉』『欣求楽市』『あるべき明日』『時代末』『明日を読む』『明日を診る』『明日を想う』『堺屋レポート1997-2001』『「平成三十年」への警告』『団塊の後 三度目の日本』『堺屋太一が見た 戦後七〇年 七色の日本』など多数。
- 本の長さ490ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞社
- 発売日2004/1/30
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104022643250
- ISBN-13978-4022643254
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商品の説明
出版社からのコメント
【ご注意】重版に伴い価格が上がります
■価格 → 税抜860円へ
※680円を、860円へ値上げ
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著者について
登録情報
- 出版社 : 朝日新聞社 (2004/1/30)
- 発売日 : 2004/1/30
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 490ページ
- ISBN-10 : 4022643250
- ISBN-13 : 978-4022643254
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 171,941位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 102位経済・社会小説 (本)
- - 486位朝日文庫
- - 4,331位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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作家、元経済企画庁長官。1935年大阪府生まれ。60年東京大学経済学部卒業後、通商産業省(現・経済産業省)入省。62年の通商白書で「水平分業論」 を展開して注目され、70年には日本万国博覧会を手がけた。78年同省を退官し、作家としての執筆活動を開始。98年7月から2000年12月まで、小渕 恵三内閣、森喜朗内閣で経済企画庁長官を務めた(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『東大講義録 文明を解く』(ISBN-10:4532195632)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年4月17日に日本でレビュー済み
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総じて日本という国は現時点で何も変わっていない。それは官僚・政治が変わっていないということ。これは戦後の話ではなく、戦前からである。日本という国のシステム、この現実に(不勉強な)国民は気づいていない。別の言い方をすると、ルールを分かっていない。ただこれは今の歴史教育だとやむを得ない。なんせ官僚が作っている仕組みであるので自らを否定することはしないだろう。しっかり歴史を学ぶには自ら知ろうとしない限りは不可能だろう。
20年以上前にこの内容を書いた堺屋氏の分析力、創造力は流石と思う。中に出てくる技術的な発展は現代において類似するものが確かに存在している。一方、もう少し幅広く、諸外国との外交的な関係を描いた上、文章にしてほしかった気はする。
最後の終わり方はなんだ?と思ったが、堺屋氏の諸本を思い浮かべれば、これは2.26、5.15などをモチーフにしているのではないかと思った。何が何でも自らの方針に向かわせる、変えない、保守的な思考は旧陸軍的であり、その経脈は今の官僚にしっかり引き継がれている。そういうこと、これまでもありましたよね。何度も言うが、これは変わってない。
そして、この本で何が言いたかったと想像すると、結局国を変えることができるのは国民だけということである。国民の意思に政治家は従う、そこに官僚が利権を産み、それで国が変化していく。こうやって常に民間から新陳代謝を促さないことには国は変わらない。我々の意思が試されているのではないだろうか。
20年以上前にこの内容を書いた堺屋氏の分析力、創造力は流石と思う。中に出てくる技術的な発展は現代において類似するものが確かに存在している。一方、もう少し幅広く、諸外国との外交的な関係を描いた上、文章にしてほしかった気はする。
最後の終わり方はなんだ?と思ったが、堺屋氏の諸本を思い浮かべれば、これは2.26、5.15などをモチーフにしているのではないかと思った。何が何でも自らの方針に向かわせる、変えない、保守的な思考は旧陸軍的であり、その経脈は今の官僚にしっかり引き継がれている。そういうこと、これまでもありましたよね。何度も言うが、これは変わってない。
そして、この本で何が言いたかったと想像すると、結局国を変えることができるのは国民だけということである。国民の意思に政治家は従う、そこに官僚が利権を産み、それで国が変化していく。こうやって常に民間から新陳代謝を促さないことには国は変わらない。我々の意思が試されているのではないだろうか。
2020年1月9日に日本でレビュー済み
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堺屋太一さんの先見の明は素晴らしい。このような日本になるかどうかは別として何年も前にこのような小説を書けるとは素晴らしい作家ですね。
2019年6月11日に日本でレビュー済み
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もっと前に読んでいるべきでした.上巻,下巻と一気に読みました.
今の状態では,日本の将来に展望はありません.
今の状態では,日本の将来に展望はありません.
2014年5月7日に日本でレビュー済み
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いよいよ日本の改革が始まるかと期待はしたが政治は相変わらず派閥争いと総理などの要職争いにしのぎを削っている。
結局将来においても日本の経済、雇用、教育などの問題は改革案はでるものの政治家と官僚との間で踏みにじられ断行することは有りえないのだろうか。
日本の将来を憂うものとして遣る瀬無い終結だった。
一般文学通算1200作品目の感想。2014/05/08 20:10
結局将来においても日本の経済、雇用、教育などの問題は改革案はでるものの政治家と官僚との間で踏みにじられ断行することは有りえないのだろうか。
日本の将来を憂うものとして遣る瀬無い終結だった。
一般文学通算1200作品目の感想。2014/05/08 20:10
2017年11月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2005年に読み2017年に本レビューを記載しています。
堺屋太一の著書は何冊も読んでおりいい勉強になりました。
しかし2005年に読んだ時から、ストーリーも登場人物も非現実的ということを感じておりました。
平成30年予測も大幅に違っていました。
堺屋太一の著書は何冊も読んでおりいい勉強になりました。
しかし2005年に読んだ時から、ストーリーも登場人物も非現実的ということを感じておりました。
平成30年予測も大幅に違っていました。
2002年8月31日に日本でレビュー済み
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平成30年。閉塞の日本に本格的構造改革を実践する「織田信長型」の政治家が登場した。これは近未来のシュミレーションではあるが、現在の小泉改革に対する激しい注文と受け取れる。「構造改革なくしては経済発展はなし」との有名なフレーズを小泉内閣には徹底して断行して欲しいという著者からの激励であり、また著者からの日本国民への問いかけである。前編は構造改革がなされない停滞の日本の近未来予測であった。その後編は停滞から日本が抜け出すための具体的な対処策を示している。いくつかの起業モデルが示され、何が「知価社会」にマッチした産業・ビジネスなのかを著者は具体的に解説する。介護福祉、観光業、農業など、「発想の転換」により経済は活性化することを述べている。マクロ経済学の観点から観るのではなく「歴史的発想の観点」から切り込むという著者一流の切り口が小気味良い。すなわち「経済の停滞」は「人心の発想」が「時代が要求する歴史的転換」について来ていないからであると著者は喝破するのである。経済官僚でありつつ小説家。なおかつ小渕政権時代の閣僚経験を経てますますその筆に迫力が増す。根拠となる数値をきっちり把握し、エンターテイメントも入れ、なおかつ発想が官僚的保守性を持たない。著者のさまざまな経験から得られたであろう小話が随所に見られてそれも楽しめる。ただ、いい所まで盛り上がってきた所で「あとは読者の想像に任せる」とは少しつれない。最後までエンターテイメントにも徹してもらいたかった。まあ少し贅沢な注文ではあるが。