主人公が新米パパとして一人前になっていく様子が,妻や義母,母,会社の人達らとの人間関係とともに明るく暖かく描写されている。読み出した頃に主人公に抱いた不安は,終りの方では安心になっていた。
主人公は初の子を授かると同時に,会社でも正社員として採用されるといったように,家の中と外で人生の転機を迎える。そして,その両方で一人前への道を歩み出す。そんな激動の若い頃の初々しさに溢れる作品。
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海ちゃん、おはよう (朝日文庫) 文庫 – 2004/5/14
椎名 誠
(著)
- 本の長さ306ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞社
- 発売日2004/5/14
- ISBN-104022643293
- ISBN-13978-4022643292
登録情報
- 出版社 : 朝日新聞社 (2004/5/14)
- 発売日 : 2004/5/14
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 306ページ
- ISBN-10 : 4022643293
- ISBN-13 : 978-4022643292
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,702,683位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 3,112位朝日文庫
- - 40,697位日本文学
- - 43,837位エッセー・随筆 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1944(昭和19)年、東京生れ。東京写真大学中退。流通業界誌編集長を経て、作家、エッセイスト。「本の雑誌」編集長。『さらば国分寺書店のオババ』でデビューし、その後『アド・バード』(日本SF大賞)『武装島田倉庫』などのSF作品、『わしらは怪しい探検隊』シリーズなどの紀行エッセイ、『犬の系譜』(吉川英治文学新人賞)『哀愁の町に霧が降るのだ』『岳物語』『大きな約束』などの自伝的小説、『風のかなたのひみつ島』『全日本食えば食える図鑑』『海を見にいく』など旅と食の写真エッセイと著書多数。映画『白い馬』では、日本映画批評家大賞最優秀監督賞ほかを受賞している。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2003年3月26日に日本でレビュー済み
本書は著者が妻なみえさんと出会い、結婚、就職、出産を経て、長女「海」が生後半年になるまでの生活を綴ったエッセイである。親になる覚悟のないうちに妊娠を告げられオタツク椎名氏が、娘に対する愛情と周囲からの叱咤激励と共に家庭を作り上げていく様はほのぼのとして微笑ましい。
中でも私が最も気に入っているのは、なみえさんとの初デート(らしきもの)の最中、本の話で盛り上がるシーンである。ある人が自分の好きな本や映画を好きなことが分かると、ぐぐっとその人との距離感が縮まる感じがしたり(それがベストセラーやハリウッド大作では無く、マイナーどころだと「同志よ!」って手の平を打ち交わしたい気分になる)、更に場面、セリフ、何気ない一文等に両者共に強い思い入れがあることが判明してめちゃめちゃ嬉しかったりという経験、ありませんか?。内容は大したことじゃなくてもいいんだ。例えば本書に描かれているような「宮沢賢治の『どんぐりと山猫』で『ひゅうパチッ』とむちをふるう時の表現が好き」とかさ。でもそんな何でもないところで気持ちが通じる人ってやっぱ貴重だと思う。だから「こういう人が恋人だったらいいだろうなあ」と考える著者にとても共感を覚えてしまいました。
中でも私が最も気に入っているのは、なみえさんとの初デート(らしきもの)の最中、本の話で盛り上がるシーンである。ある人が自分の好きな本や映画を好きなことが分かると、ぐぐっとその人との距離感が縮まる感じがしたり(それがベストセラーやハリウッド大作では無く、マイナーどころだと「同志よ!」って手の平を打ち交わしたい気分になる)、更に場面、セリフ、何気ない一文等に両者共に強い思い入れがあることが判明してめちゃめちゃ嬉しかったりという経験、ありませんか?。内容は大したことじゃなくてもいいんだ。例えば本書に描かれているような「宮沢賢治の『どんぐりと山猫』で『ひゅうパチッ』とむちをふるう時の表現が好き」とかさ。でもそんな何でもないところで気持ちが通じる人ってやっぱ貴重だと思う。だから「こういう人が恋人だったらいいだろうなあ」と考える著者にとても共感を覚えてしまいました。
2004年5月22日に日本でレビュー済み
椎名誠のパパ本といえば、「岳物語」が有名ですが、これは初めての娘さんが生まれた時の、新米パパの奮闘ぶりの物語です。
初めて子供を持った時の、慌てふためきやら、ちょっとこそばゆい、こっぱずかしい気持ちとかが、ほんわかと描かれていて、なんだかあったかい気持ちになれます。いろいろ家族のすさんだ話などが多い中で、堅実な、ごく普通の人の日常の幸せが浮き出ていて、なんだかいいなって思いました。
初めて子供を持った時の、慌てふためきやら、ちょっとこそばゆい、こっぱずかしい気持ちとかが、ほんわかと描かれていて、なんだかあったかい気持ちになれます。いろいろ家族のすさんだ話などが多い中で、堅実な、ごく普通の人の日常の幸せが浮き出ていて、なんだかいいなって思いました。
2014年11月4日に日本でレビュー済み
椎名さんの自伝的な作品群のひとつで、娘についてのお話。結婚後、妻が妊娠し、長女を出産、その赤ちゃんとの暮らしを父親の視点から描いています。椎名誠の心の移ろい、行動を追いながら、私自身のときの思い出が重なって思い出し、涙ぐむ部分もありました。椎名さんの日常生活を描く作品には、とても共感できる部分が多いです。これが多くの読者に支えられている理由なのでしょうね。これから赤ちゃんを育てる若いお父さんに、ぜひ、読んで欲しい一冊です。
しかし、よくも細かくその時々のディテールを書き連ねることができるなあといつも感心します。椎名さんの作品を読んでいると、自分の人生も同じように小説に書きたいと考えたりするのですが、これほど細かくは思い出せません。まあ、それが素人とプロの差なのでしょうね。父親たちに大推薦の一冊です。
しかし、よくも細かくその時々のディテールを書き連ねることができるなあといつも感心します。椎名さんの作品を読んでいると、自分の人生も同じように小説に書きたいと考えたりするのですが、これほど細かくは思い出せません。まあ、それが素人とプロの差なのでしょうね。父親たちに大推薦の一冊です。
2006年10月17日に日本でレビュー済み
椎名誠の「どかぁ〜ん、どかぁ〜ん」的な無茶炸裂のエッセイのようであり、また、そうでないようであり・・・
「− 言っている意味わかんないよ!! どっちなんだ!?」という物語がそこに記されている。
そう、どちらの要素も存在する。
椎名誠的な文章で、椎名誠的な私小説である。
だから、
「おもしろくて」
「楽しくて」
「笑えるけど」
「−真剣で」
不思議な感覚に襲われる不思議な状態に仕上がった物語がそこにあった。
ほのぼのとした世界である。
とても気持ちよい世界である。
「− 言っている意味わかんないよ!! どっちなんだ!?」という物語がそこに記されている。
そう、どちらの要素も存在する。
椎名誠的な文章で、椎名誠的な私小説である。
だから、
「おもしろくて」
「楽しくて」
「笑えるけど」
「−真剣で」
不思議な感覚に襲われる不思議な状態に仕上がった物語がそこにあった。
ほのぼのとした世界である。
とても気持ちよい世界である。
2006年5月11日に日本でレビュー済み
いつでもハッキリとした考えを持ってずんずん行動する妻に対し、
仕事ではうまく行っているが、家庭では海ちゃんとの付き合いかたがおっかなびっくりな夫。
よかれと思ってやったことが、裏目だったりと、
前半は不安な感じがしていましたが、徐々にホッとした気持ちになってくる。
流石は実体験がモデルなだけに心理描写までもがリアルに伝わってきました。
新米おとうさんに読んでもらえれば、自信に繋がったり、参考になったりするかもしれません。
仕事ではうまく行っているが、家庭では海ちゃんとの付き合いかたがおっかなびっくりな夫。
よかれと思ってやったことが、裏目だったりと、
前半は不安な感じがしていましたが、徐々にホッとした気持ちになってくる。
流石は実体験がモデルなだけに心理描写までもがリアルに伝わってきました。
新米おとうさんに読んでもらえれば、自信に繋がったり、参考になったりするかもしれません。
2001年5月4日に日本でレビュー済み
岳物語を読んだのは私が中学生のときでした. 男の子にはすごく理想的な父親だとおもっていた椎名さんでしたが、 この本を読んで、椎名さんは女の子を持つお父さんだったのだなーと、改めて気がつきました。
初めて父親になる(なった)こと、しかも異性の赤ん坊だということへの戸惑いやあせりなどのくだりは、しみじみ大笑い(ゴメンナサイー)してしまいます。 岳物語とも違って、ほのぼのした感じが伝わってきます。
私も会社員しながら育児してます。「なんだか子育てしながら毎日暮らすの大変だなー」と感じていたけど、この本を読んで、ちょっと余裕をもって生活できるようになりそうです。
初めて父親になる(なった)こと、しかも異性の赤ん坊だということへの戸惑いやあせりなどのくだりは、しみじみ大笑い(ゴメンナサイー)してしまいます。 岳物語とも違って、ほのぼのした感じが伝わってきます。
私も会社員しながら育児してます。「なんだか子育てしながら毎日暮らすの大変だなー」と感じていたけど、この本を読んで、ちょっと余裕をもって生活できるようになりそうです。
2001年7月18日に日本でレビュー済み
初めて父親になった悲喜こもごもを椎名節で綴っています。柔らかく、暖かい、赤ちゃんという存在が、こんなにみんなの和みになるのだなあ、という気持ちに浸りました。椎名さんの赤ちゃんを見つめる視点がユニークです。秋に初めての子どもが誕生する妹夫婦にもこの本を送りました。義弟は、「僕も赤ちゃんをお風呂に入れるんだ!」とこの本を読んだ後、はりきって言ったそうです。