村田喜美子の長篇は『飛族』『新古事記』に続く3作目。「ひとをみたらかえるになれ」と読む。目立つなということ。
単行本発刊のときに購入していたが積読していた。Kindleに入っていたら、それを読もうと思ったが、残念。単行本は重いので、文庫本の古本を購入した。500ページを超える長篇で、字が小さいのを無理して読んだ。
骨董を扱う3組の男女が主人公。結婚しているのもいれば、離婚しているのも、同棲しているのも。この3組の男女を通して、骨董の世界にどっぷり浸れる「お仕事」小説ともいえる。
たしかに、骨董屋の店にあふれる品物は、はたしてどのようにして流通し、すべてが価値の高いものなのか、はなはだ疑問。それが綿密な取材を通してよくわかる。舞台も村田得意の九州北部にとどまらず、イギリスやイタリアまで広がる。
はじめての新聞小説だそうたが、作家は楽しんだそうだ。
しかし、3組の男女の最後は、残念な結末を迎える。だからいいのかも。
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人が見たら蛙に化れ (朝日文庫) 文庫 – 2004/9/17
村田 喜代子
(著)
- 本の長さ595ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞社
- 発売日2004/9/17
- ISBN-10402264334X
- ISBN-13978-4022643346
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登録情報
- 出版社 : 朝日新聞社 (2004/9/17)
- 発売日 : 2004/9/17
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 595ページ
- ISBN-10 : 402264334X
- ISBN-13 : 978-4022643346
- Amazon 売れ筋ランキング: - 874,155位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2023年10月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2018年2月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
数人の骨董商を軸に物語は進んで行きます。
やはり、骨董商らしく癖のある人物達ですので普通な人生なわけがなく・・・
起伏に富んだ物語で飽きる事無く読み進める事が出来ました。
本書は結構な厚さがありますが、一気に読めると思います。
最後は骨董業界に身を置くものとして結構考えさせられました。
作品全体に漂うのは「切なさ」ですかね・・・私はそう感じました。
やはり、骨董商らしく癖のある人物達ですので普通な人生なわけがなく・・・
起伏に富んだ物語で飽きる事無く読み進める事が出来ました。
本書は結構な厚さがありますが、一気に読めると思います。
最後は骨董業界に身を置くものとして結構考えさせられました。
作品全体に漂うのは「切なさ」ですかね・・・私はそう感じました。
2004年10月16日に日本でレビュー済み
骨董を商いとする3組の男女をめぐる物語。地方の骨董市、古窯の盗掘、ヨーロッパへの買出し、掘出し物の李朝民画や破損した元禄人形など、超一級ではない骨董ビジネスの裏側が生々しく描かれている。こんな世界に魅入られたりしたら身を滅ぼすことになりかねない。素人は鑑定団か博物館で見ているくらいにしておこう。
2012年10月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
村田喜代子のデビューは、衝撃的であった。何も無いところから、いきなり飛び出て来たという風であった。
「人が見たら蛙に化れ」とは青山二郎の言葉と思っていたところ
「人来たら蛙となれよ冷やし瓜」 一茶
「嫁が見たらビッキになれ」 遠野民話
とこの本にある。
この物語世界は、北森鴻の旗師宇佐美陶子シリーズを彷彿とさせて骨董、古美術好きにはたまらない。北森は、「理」が勝っていてそれに至る構成ががっちりとしている。この本は、人間臭さがムンムンしているが骨董の奥義までは届いていない。それは、体質とのめり込みの違いであろう。それでも、どちらもそれぞれ面白い。
著者は、福岡県北九州市出身で現在は中間市に住んでいる。小説を書くためにその地を離れない。
この小説は、九州が舞台となっていて地の人間にとっては打てば響くようなものである。
一つだけ作中人物の言葉を。
「これなどはいくら見ても見飽きない。人間の女は、だんだんボロが出て来るが、この人形は見るたびに味が深まっていくもんだ」。それは、色が剥落しているが唐時代の王墓に納められた副葬品で釉薬を使わずに焼いて白化粧の上に彩色を施している土の柔らかさと温もりがある女俑の写真であった。細い目は虚空を見つめ、笑みを含んだ唇には紅の色が淡く残っていた。
惜しむらくは、600頁程もあり新聞より活字が小さく読み辛いことだ。上下2巻にすればよいものを。
「人が見たら蛙に化れ」とは青山二郎の言葉と思っていたところ
「人来たら蛙となれよ冷やし瓜」 一茶
「嫁が見たらビッキになれ」 遠野民話
とこの本にある。
この物語世界は、北森鴻の旗師宇佐美陶子シリーズを彷彿とさせて骨董、古美術好きにはたまらない。北森は、「理」が勝っていてそれに至る構成ががっちりとしている。この本は、人間臭さがムンムンしているが骨董の奥義までは届いていない。それは、体質とのめり込みの違いであろう。それでも、どちらもそれぞれ面白い。
著者は、福岡県北九州市出身で現在は中間市に住んでいる。小説を書くためにその地を離れない。
この小説は、九州が舞台となっていて地の人間にとっては打てば響くようなものである。
一つだけ作中人物の言葉を。
「これなどはいくら見ても見飽きない。人間の女は、だんだんボロが出て来るが、この人形は見るたびに味が深まっていくもんだ」。それは、色が剥落しているが唐時代の王墓に納められた副葬品で釉薬を使わずに焼いて白化粧の上に彩色を施している土の柔らかさと温もりがある女俑の写真であった。細い目は虚空を見つめ、笑みを含んだ唇には紅の色が淡く残っていた。
惜しむらくは、600頁程もあり新聞より活字が小さく読み辛いことだ。上下2巻にすればよいものを。
2015年8月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大昔に朝日新聞の連載で読んで,とても面白かった記憶があった。今読み直すとこれ程面白い話だったとは。この作者の本は色々読ませていただいたが、私はこの話がとても好きだ。でも骨董には手は出さない。
2012年3月20日に日本でレビュー済み
単行本で読みましたが、新聞連載を読んで
いたら、翌日の朝刊が待ち遠しかったと
思います。骨董「商い」に憑かれた
複数の男女の物語が交差します。骨董に潜む美、
妖艶に魅かれ惑う姿を描き出します。
朝鮮民画のことは、本作品で初めて知りました。
読んだだけでは、よく判らなかったのですが、
その後 村田さんの『龍秘御天歌』『百年佳約』
二作の表紙を見て その素晴しさに感嘆しました。
思い出すのは 井伏鱒二さんの『珍品堂主人』。
物語の趣向、語り口は違いますが いずれも面白い
です。
いたら、翌日の朝刊が待ち遠しかったと
思います。骨董「商い」に憑かれた
複数の男女の物語が交差します。骨董に潜む美、
妖艶に魅かれ惑う姿を描き出します。
朝鮮民画のことは、本作品で初めて知りました。
読んだだけでは、よく判らなかったのですが、
その後 村田さんの『龍秘御天歌』『百年佳約』
二作の表紙を見て その素晴しさに感嘆しました。
思い出すのは 井伏鱒二さんの『珍品堂主人』。
物語の趣向、語り口は違いますが いずれも面白い
です。
2002年2月27日に日本でレビュー済み
朝日新聞連載時から一部の人たちのあいだで話題だった佳品。お宝ブームのなか、1億総鑑定師的な様相に一石を投じる1冊かもしれない。
舞台は焼き物王国の九州。伊万里、有田、唐津をあげるまでもなく、かつて朝鮮半島から陶工たちを連れ帰って窯を開いて以来の歴史と伝統ある舞台で繰り広げられる古美術商い(文中では骨董屋)の話。まず、次々に登場する高額の品々に関する描写が見事。写真はもちろん図版さえないのにその美しさが切々と伝わってくる。かつて窯を開いていた場所から破片を掘り出す盗掘や修復師の話も興味深い。一見すると分厚さに驚くが、ユニークな登場人物のおりなすつましい生活が最後まで飽きさせない。
読み終えて、九州の「市」を訪れてみたくなり、魅力ある陶器に触れてみたくなることうけあい。とにかく「おもしろい小説」を読みたい人はぜひ!
舞台は焼き物王国の九州。伊万里、有田、唐津をあげるまでもなく、かつて朝鮮半島から陶工たちを連れ帰って窯を開いて以来の歴史と伝統ある舞台で繰り広げられる古美術商い(文中では骨董屋)の話。まず、次々に登場する高額の品々に関する描写が見事。写真はもちろん図版さえないのにその美しさが切々と伝わってくる。かつて窯を開いていた場所から破片を掘り出す盗掘や修復師の話も興味深い。一見すると分厚さに驚くが、ユニークな登場人物のおりなすつましい生活が最後まで飽きさせない。
読み終えて、九州の「市」を訪れてみたくなり、魅力ある陶器に触れてみたくなることうけあい。とにかく「おもしろい小説」を読みたい人はぜひ!