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貴婦人Aの蘇生 (朝日文庫 お 52-1) 文庫 – 2005/12/30
小川 洋子
(著)
北極グマの剥製に顔をつっこんで絶命した伯父。法律書の生き埋めになって冷たくなっていた父。そして、死んだ動物たちに夜ごと刺繍をほどこす伯母。この謎の貴婦人は、はたしてロマノフ王朝の最後の生き残りなのか? 『博士の愛した数式』で第1回本屋大賞を受賞し、多くの新たな読者を獲得した芥川賞作家が、失われたものの世界を硬質な文体で描いた、とびきりクールな傑作長編小説《解説・藤森照信》。
- 本の長さ243ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日2005/12/30
- ISBN-104022643552
- ISBN-13978-4022643551
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登録情報
- 出版社 : 朝日新聞出版 (2005/12/30)
- 発売日 : 2005/12/30
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 243ページ
- ISBN-10 : 4022643552
- ISBN-13 : 978-4022643551
- Amazon 売れ筋ランキング: - 563,883位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1962(昭和37)年、岡山県生れ。早稲田大学第一文学部卒。
1988年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞。1991(平成3)年「妊娠カレンダー」で芥川賞受賞。主な著書に『やさしい訴え』『ホテル・アイリス』『沈黙博物館』『アンネ・フランクの記憶』『薬指の標本』『夜明けの縁をさ迷う人々』『猫を抱いて象と泳ぐ』等。2004年『博士の愛した数式』で読売文学賞、本屋大賞を受賞。『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、2006年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞受賞。翻訳された作品も多く、海外での評価も高い。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年8月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
史実とは異なった話のようだけど、登場人物のキャラクターと相まって、どう展開するのか気になって読み進められた。
2014年2月8日に日本でレビュー済み
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ドンドンと読み進みました。面白かったです。著者の他の本も読み始めました。
2014年1月18日に日本でレビュー済み
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ファンの方には申し訳ないのですが他の作品と同様、いつも結末にがっかりします。。。
2015年5月10日に日本でレビュー済み
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これは、軽くゆっくりと、お姫様の世界を空想を大きく膨らました作品です。気分で言うと、初夏の天気が良い日曜日、丘の上の草原に座りながらロンドンの街を眺めてお茶を飲んでいる気分、とでも言いましょうか。私的には、フィッツジェラルドの「リッツホテルくらい大きなダイヤモンド」を読んだ時のような感覚でした。他の作品と少し違って、微妙な緊張感とかないので読みやすいです。ただ、本気でロマノフ王朝の悲劇とか、アナスタシアに興味を持った人が読むと物足りないかも。個人的にはニコの儀式はあんまり引き込まれなかった。面白かったです。
2013年4月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
古い剥製だらけで足の踏み場もないような洋館、その剥製に自分のイニシャルAを刺繍をし続ける老女、強迫神経症の彼氏・・・と特異な舞台設定、ストーリーですが、不思議と嫌な後味が残らず、ほんわか暖かい気持ちになる本です。もう一回夏休みにプールサイドや木陰で読み返して小川ワールドに浸りたいなと思います。
2014年1月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読んでみて、よしもとばななの「アルゼンチンババア」を彷彿させる作品。動物の剥製だらけの洋館の様子(実際にこんなところにいたら、きっと臭いがすごいだろうな・・・)、うさんくさい男の介入、館の主の最期など、生々しいはずの話が不思議に現実離れして語られている。このファンタジックな読みごこちがとても楽しい。作者の別の作品も読んでみようと思った。
2009年7月14日に日本でレビュー済み
物語の主役は、“わたし”とユーリ叔母さん、
そして彼女らが住んでいるお屋敷に散在する剥製。
伯父さんが亡くなって、ユーリ叔母さんは
形見の剥製や毛皮の敷物に刺繍を施し始めた。
Aの文字。
カリブー、ヤク、ベンガルトラ、カモシカ
ジャンガリアンハムスター、、、
屋敷を埋め尽くす動物たちに刻み込まれる
A、A、A、A、A・・・
震える手で針を刺す老婆の姿と、
それを見守る“わたし”と、強迫性障害を持つ恋人ニコ。
小川氏は“空間”を描くのがなんてうまいのだろうと思う。
まったく、彼女の文章には惚れ惚れしちゃう。
そして、描かれる人物は皆とても魅力的だ。
物語の要ともなる、ユーリ叔母さんの瞳ひとつを描くにも
うっとり酔いしれてしまう。さるきちは、目を閉じてその幻想的な青い瞳を想像する。
さて、ところが、穏やかで安らかな彼女らの生活は、
剥製のブローカーである男オハラが屋敷を訪ねてきて一変する。
オハラは雑誌「剥製マニア」にこう記す。
「彼女はアナスタシア皇女ではないか 」
それはロシア、ロマノフ王朝最後の皇帝ニコライ2世の王女。
革命により虐殺されたとも、生き延びたとも。その消息は不明。
「ユーリ叔母さんは本モノのアナスタシア皇女なのだろうか」
そんな疑惑とともに話は展開されていく。
これまた、小川洋子らしいグロテスクで甘美な物語である。
本書で面白いのは、「剥製マニア」の記事が挿入されているところ。
即ち、“わたし”ではなく、客観的、一般的な視点での描写があるのですね。
もちろん、こうした手法はよくあることなんでしょうが、
さるきちが連想したのは、村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」。
そこでも、オカダトオルがナツメグ、シナモンと潜伏していた屋敷
について新聞記事というカタチで挿入されていました。
さらに、小川氏がロマノフ朝を題材にしたことも、
村上春樹的なものを感じてしまうのです。
「ねじまき鳥クロニクル」において、村上氏はノモンハン事件について
深く掘り下げました。
村上春樹と小川洋子を好み、さらに、
小川氏が村上氏を尊敬しているという事実を知っているが故に
村上氏の作品を模倣しているのかなあ、とか
なぜ小川氏がロシアの歴史に手を出したのか
その背景も探ってみたいなあ、とさるきちは思ったのでした。
いつまでも、小川氏の世界に浸っていたい。
そんな風に思わせてくれる、素敵な一冊です。
そして彼女らが住んでいるお屋敷に散在する剥製。
伯父さんが亡くなって、ユーリ叔母さんは
形見の剥製や毛皮の敷物に刺繍を施し始めた。
Aの文字。
カリブー、ヤク、ベンガルトラ、カモシカ
ジャンガリアンハムスター、、、
屋敷を埋め尽くす動物たちに刻み込まれる
A、A、A、A、A・・・
震える手で針を刺す老婆の姿と、
それを見守る“わたし”と、強迫性障害を持つ恋人ニコ。
小川氏は“空間”を描くのがなんてうまいのだろうと思う。
まったく、彼女の文章には惚れ惚れしちゃう。
そして、描かれる人物は皆とても魅力的だ。
物語の要ともなる、ユーリ叔母さんの瞳ひとつを描くにも
うっとり酔いしれてしまう。さるきちは、目を閉じてその幻想的な青い瞳を想像する。
さて、ところが、穏やかで安らかな彼女らの生活は、
剥製のブローカーである男オハラが屋敷を訪ねてきて一変する。
オハラは雑誌「剥製マニア」にこう記す。
「彼女はアナスタシア皇女ではないか 」
それはロシア、ロマノフ王朝最後の皇帝ニコライ2世の王女。
革命により虐殺されたとも、生き延びたとも。その消息は不明。
「ユーリ叔母さんは本モノのアナスタシア皇女なのだろうか」
そんな疑惑とともに話は展開されていく。
これまた、小川洋子らしいグロテスクで甘美な物語である。
本書で面白いのは、「剥製マニア」の記事が挿入されているところ。
即ち、“わたし”ではなく、客観的、一般的な視点での描写があるのですね。
もちろん、こうした手法はよくあることなんでしょうが、
さるきちが連想したのは、村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」。
そこでも、オカダトオルがナツメグ、シナモンと潜伏していた屋敷
について新聞記事というカタチで挿入されていました。
さらに、小川氏がロマノフ朝を題材にしたことも、
村上春樹的なものを感じてしまうのです。
「ねじまき鳥クロニクル」において、村上氏はノモンハン事件について
深く掘り下げました。
村上春樹と小川洋子を好み、さらに、
小川氏が村上氏を尊敬しているという事実を知っているが故に
村上氏の作品を模倣しているのかなあ、とか
なぜ小川氏がロシアの歴史に手を出したのか
その背景も探ってみたいなあ、とさるきちは思ったのでした。
いつまでも、小川氏の世界に浸っていたい。
そんな風に思わせてくれる、素敵な一冊です。