文句なく面白かった。ある夜パンツ一枚で走る羽目になった「おれ」の逃避行。
なにから逃げているのか、なにを目的に走っているのかは物語が進むうちに少しずつわかってくる。高度に管理下された社会。若者の就労率の低さ、老人問題や過疎化問題。いろいろな問題をはらんでいるその社会はひたすら不気味で気持ち悪いんだけれど、ドタバタに巻き込まれながらも逃げ続け、ゴールをめざす「おれ」の姿はどこか笑いを誘う。
旅の道連れになった言葉(らしきもの)をしゃべる犬、コンちゃんとのチグハグな会話がまた楽しい。
SFやシュールな小説は苦手という人にも抵抗なく読めると思う。
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走る男 (朝日文庫 し 16-10) 文庫 – 2007/1/1
椎名 誠
(著)
パンツ一枚で大勢の男たちとともに、おれは訳も分からず走りはじめた。なぜ走らなきゃならない?ゴールはどこにあるのか?メタモルフォーゼした筏男「デク」たちの襲撃を逃れ、奇妙な言葉を発する犬のコンちゃんとともに、おれは不条理でへんてこりんな世界からの脱出を試みる。そしてこの“世界”を支配する空恐ろしいシステムにたどり着いた。高度に管理化された近未来日本を舞台にしたSFタッチの長編小説。
- 本の長さ291ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日2007/1/1
- ISBN-104022643870
- ISBN-13978-4022643872
登録情報
- 出版社 : 朝日新聞出版 (2007/1/1)
- 発売日 : 2007/1/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 291ページ
- ISBN-10 : 4022643870
- ISBN-13 : 978-4022643872
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,244,911位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1944(昭和19)年、東京生れ。東京写真大学中退。流通業界誌編集長を経て、作家、エッセイスト。「本の雑誌」編集長。『さらば国分寺書店のオババ』でデビューし、その後『アド・バード』(日本SF大賞)『武装島田倉庫』などのSF作品、『わしらは怪しい探検隊』シリーズなどの紀行エッセイ、『犬の系譜』(吉川英治文学新人賞)『哀愁の町に霧が降るのだ』『岳物語』『大きな約束』などの自伝的小説、『風のかなたのひみつ島』『全日本食えば食える図鑑』『海を見にいく』など旅と食の写真エッセイと著書多数。映画『白い馬』では、日本映画批評家大賞最優秀監督賞ほかを受賞している。
カスタマーレビュー
星5つ中4.1つ
5つのうち4.1つ
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年3月27日に日本でレビュー済み
一人暮らしの長男が、3回目のワクチン接種の帰りに自宅に寄った。カミさんが外出していなかったのでナポリタンを作って一緒に食べた。
ちょっと昼寝していくと言ってグウグウ寝始めた。
話し相手がいなくなったので、近所の図書館で借りた椎名誠の本を読んだ。椎名ワールドはものすごく久しぶり。相変わらずの面白さ。心穏やかに読める。
だいぶ前、特にエッセイが気に入って何冊も買い集めた。若いイメージだったが現在77歳らしい。年月が経つのが早すぎる。
椎名誠の最高傑作と言われる「哀愁の町に霧が降るのだ」を読もう読もうと思っていたのに、すっかり忘れていたことを思い出した。図書館で予約しておこう。
そうこうしているうちに目覚めた長男は、またねと言って家を出て行った。滞在時間5時間。
短時間でも帰ってきてくれるだけで嬉しい。
ちょっと昼寝していくと言ってグウグウ寝始めた。
話し相手がいなくなったので、近所の図書館で借りた椎名誠の本を読んだ。椎名ワールドはものすごく久しぶり。相変わらずの面白さ。心穏やかに読める。
だいぶ前、特にエッセイが気に入って何冊も買い集めた。若いイメージだったが現在77歳らしい。年月が経つのが早すぎる。
椎名誠の最高傑作と言われる「哀愁の町に霧が降るのだ」を読もう読もうと思っていたのに、すっかり忘れていたことを思い出した。図書館で予約しておこう。
そうこうしているうちに目覚めた長男は、またねと言って家を出て行った。滞在時間5時間。
短時間でも帰ってきてくれるだけで嬉しい。
2004年5月27日に日本でレビュー済み
記憶があやふやな面はご了承いただくとして、早川書房から刊行された「みるなの木」以来久しぶりの近未来超常小説である。「アド・バード」「武装島田倉庫」「水域」の舞台、「北」の脅威に晒されている世界と類似した世界が描かれており、懐かしくて嬉しい。題名のとおり、主人公の「おれ」はひたすら走る。パンツ一丁の姿でやみくもに走っている(何かから逃げている?)冒頭から、「なんだなんだいったいどうしたんだ」が読者の頭の中を駆け巡り、相棒のコンちゃんが登場する頃には、自分がオモシロコワイ、シーナワールドの一員になってワクワクしていることに気がつくと思う。筒井康隆の短編小説が好きな人、日頃あまりSFを読まない人にもオススメな楽しい小説です。
2007年10月14日に日本でレビュー済み
アド・バード、水域、武装島田倉庫〜シーナさんのSF3部作が大好きで、久々にあのシーナワールドに身を浸そうと思ったのですが、全然違いました。もっとシュールで不思議な感じの作品でした。ある意味ファンタジーといっても良いような、やわらかい空気があります。SF3部作を期待して読むと肩透かしを食うかもしれません。個人的にはそちらを期待していたのでちょっと残念でした。でも面白いので☆3つ。
2004年1月19日に日本でレビュー済み
ありえないようなお話です。
男たちがパンツ一枚で走るというお話なんです。
でもそこには様々なドラマがあふれていて、走る途中で、いろんな面白い人物が登場します。
こんな非現実的なお話なのに、なんだか不思議と現実について感じさせられます。
変なお話ではありますが、一度読んでみてください。なにか感じることでしょう。
男たちがパンツ一枚で走るというお話なんです。
でもそこには様々なドラマがあふれていて、走る途中で、いろんな面白い人物が登場します。
こんな非現実的なお話なのに、なんだか不思議と現実について感じさせられます。
変なお話ではありますが、一度読んでみてください。なにか感じることでしょう。