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ヒルズ黙示録・最終章 (朝日新書 13) 新書 – 2006/11/1
- 本の長さ222ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日2006/11/1
- ISBN-104022731133
- ISBN-13978-4022731135
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商品の説明
著者からのコメント
堀江たちはソニー強奪計画を練っていた。
村上は阪神電鉄と京阪電鉄の大再編を描いていた。
東京地検特捜部の大鶴は、堀江の三度目の逮捕の容疑に「淫行」まで考えてい
た。
堀江、村上、宮内、そして大鶴。
ヒルズに魅せられた男たちの栄華と挫折の物語。
抜粋
2006年1月17日火曜日。ライブドアは、ソニー強奪計画をスタートさせる
「キック・オフ・ミーティング」を予定していた。
ライブドア側の出席予定者は、社長の堀江貴文と取締役の熊谷史人の二人。それ
に、ライブドアと同じ六本木ヒルズ森タワーに本社をおく米系証券会社のリーマ
ン・ブラザーズから,M&Aの担当幹部三人が集まるはずだった。
著者について
社入社。経済部記者を経て2002年からAERA編集部記者。
登録情報
- 出版社 : 朝日新聞出版 (2006/11/1)
- 発売日 : 2006/11/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 222ページ
- ISBN-10 : 4022731133
- ISBN-13 : 978-4022731135
- Amazon 売れ筋ランキング: - 503,470位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 769位朝日新書
- - 88,170位ノンフィクション (本)
- - 141,562位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
ジャーナリスト・ノンフィクション作家 1965年、東京生まれ。早稲田大政治経済学部政治学科卒。88年、朝日新聞社入社。現在も同社勤務(経済部記者)。朝日新聞の再生をめざす「朝日新聞再生機構」メンバー。
代表作は、第28回講談社ノンフィクション賞と第5回新潮ドキュメント賞の候補作となった『ヒルズ黙示録 検証・ライブドア』(2006年)、第34回講談社ノンフィクション賞受賞作の『メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故』(12年)、『東芝の悲劇』(17年)。最新作は『金融庁戦記 企業監視官・佐々木清隆の事件簿』(21年)。
他の著書に『ヒルズ黙示録・最終章』(06年)、『堕ちた翼 ドキュメントJAL倒産』(10年)、編著書としてジャーナリスト、ノンフィクション作家10人との対談集『ジャーナリズムの現場から』(14年)がある。
このほか、取材班に加わったものとして『ゴーンショック 日産カルロス・ゴーン事件の真実』(20年)、『プロメテウスの罠 7』(17年)などがある。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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1つめは、検察という存在の危険性です。著者が「あらかじめ内偵した段階で事件のスジをつくり、強制捜査突入後は、そのスジに合致した証拠と供述で無理やりこじつけるという、東京地検特捜部の操作手法の限界の現れ」などの表現で再三批判しているように、ライブドア事件は検察内部のあまりにも属人的な事情で「作り上げられた」もののようです。堀江氏らライブドア関係者が粉飾決算で逮捕されたのは当然として、村上氏が微妙すぎるインサイダー容疑で逮捕されたのはやりすぎと言わざるを得ないでしょう。検察という組織もまた人間が運営するものであり、そこに機械的な正義を信じてはいけないということでしょう。
もう1つは、村上世彰氏の評価についてです。私は事前に村上氏の「生涯投資家」を読んでおり、いわゆる「コーポレート・ガバナンスの改革者」としての彼の一面を評価していますが、一方でシビアなファンドマネージャーとしての一面が、彼の評価を貶めてしまったのではないかと考えています。村上氏の著書「生涯投資家」にも、こんな記述があります。「彼ら(アメリカの投資家)は極めてシビアかつビジネスライクで、いくら儲けたかの数字のみですべてを評価する。2000年の訪米時に、私の理想論が響かなかった理由がよくわかった。こうした出資者とのやり取りを繰り返し、私はファンドで人のお金を預かる以上は、増やすことが第一の使命なのだということを認識した。だから、とにかく『増やす』ことを第一目標とした。『理念なんてどうでもいい。儲けることが、ファンドの運用者としての君の使命だ』と常にプレッシャーをかけられていた。」また、本書でも著者(大鹿氏)は「村上には、コーポレート・ガバナンスを訴える『正義』の顔がる反面、したたかな仕掛けをして株を売り抜ける貪欲なファンドマネージャーという『悪魔』の顔も持つ。」「スポンサーである投資家の厳しい声に、株式原理主義を推し進めようという村上のスタイルは次第に軌道修正を余儀なくされていったのではなかったか。」と述べています。果たして村上氏は、日本のコーポレート・ガバナンスを10年推し進めたのか、10年後退させたのか。
それぞれと距離感を保ちながらも、綿密な取材からあぶりだされた事実を紡いで、
事件の真相をあぶり出して行きます。
中でも興味深かったのは特捜に関する記述。
今まさに世間を揺るがす検察問題が、やはり組織全体の文化、風土として、
随分前からあったものなのだと改めて実感させられます。
当時報道されていた印象は「時代の寵児ホリエモン・村上の凋落」といったものだったのですが、
これを読むと少し事件の色合いも違って見えました。
4年前の本ですが今読んでも十分読み応えがあります。
全作品以上で、大鹿氏のほかのものも読んでみたくなりました。
本作は、吉崎達彦氏の溜池通信で紹介されていたことから読みましたが、前作ヒルズ黙示録とあわせ、もう遙か過去となってしまったあの時代に、ライブドアとそれをとりまく様々なアクターが何を考え、どんな行動をしていたのか、丹念な取材をもとに浮き上がらせており、当時の様々な事件を思い出し、文句なく面白いです。
今から思い返せば、ライブドアが実業の見えない会社であったり、株主重視と言いながら平気で株式の価値を落とす資本政策をしていたことは、株主であった者なら誰でも知っていたことだと思います。ただ、稚拙な計画の無謀な様々なチャレンジが、それぞれの世界の秩序を揺さぶって活力を与えていました。この作品の中で検察捜査の混迷が描かれていますが、当時の記事でもかなり無理をした印象が拭えない筋立てだったことを思い出します。回復する景気と反対に閉塞感が再び漂い始める昨今の状況を思うにつけ、「額に汗した人を守る」のが本当に検察の領分だったのか、考えておかなければならないでしょう。
星一つの減は二度読む性格の本ではないためです。
裁判の背景を説明しきっています。
ひとつのテーマを追いかける力量はすばらしいと思います。
構成上面白いのは最終章。
まとめがすばらしいと思います。
最終章のみ自らの主観に基づくライブドア・村上ファンド事件の総括をしています。
この総括が、ITバブルおよび日本社会全体への批評にもなっており、なかなか感動的でした。
格差社会の勝者であるはずの堀江、宮内らの蹉跌を描いた非常にタイムリーな一冊です。
登場する堀江、宮内、村上、そして東京地検特捜部・・・。
本書では全員敗者として描かれています。
というか、エリートの荒廃ぶりに愕然とします。
本書が内容通りであれば、
堀江は微罪で村上は無罪でしょう。
そして何より、検察の権威が失墜した一連の事件だったということです。
どうしてもそういう流れに乗ってしまいがちですよね。
だからライブドアの話なんていうのも
今くらいに読むとちょうどいいかなあと思って読んでみました。
結果的には、ちょうどよかったと思います。
自分もおろかな人間ですから、
堀江氏が旧世代に挑戦状を叩きつける様子に多少はわくわくし、
村上ファンドだのホワイトナイトだのMBOだのという
狂乱の株式市場を日々楽しく見ていたのを思い出せます。
そうして結果的にライブドアショックで損もこうむったものでした。
おろかな人間ですから。
しかし時間がたってみると、
なかなか味わい深い出来事たちだったのではないでしょうか。
本書にもライブドアを「ガキ帝国」と表現している箇所がありますが、
そういうイキのいいガキの方々が、
偉そうに澄ましかえった大人たちの鼻をあかすというのは、
確かに溜飲を下げてくれる、面白いことです。
日本社会にはあまり見られなかったことだったでしょう。
とはいえ結局はつぶされてしまったわけです。
まあこうまで暴れれば、
出る杭は打たれるどころのレベルではないですからね。
体制、秩序というような側の人間は黙っておらないでしょうし、
世の中の普通の人々も喝采ばかりではなかったはずです。
結局は日本の社会に、しっかりつぶされてしまいました。
当時から、楽天の三木谷氏などは財界の老人たちとも
うまくつきあっているなどといわれていましたが、
今でもしっかり生き残っていますね。
なんかそこはかとなくげんなりする結末ではあります。
でもたぶん、これによって変わったこともたくさんあるはずです。
あとはね、特捜検察のひどさ。
このあと村木氏の事件でまさに信頼が地に墜ちますが、
わりと長らくの間こんな感じですからね。
本当に深刻な問題だと思います。