読後感は目から鱗でした。
中国や北朝鮮の軍事力のみを捉えて危機感を煽る本は多く、その考え方に私も染まっていました。しかし軍事力の質を捉え、そこに各国の外交や国益をクロスさせて読み解いた本書からは、これまでになかった視点を教わり、視野が広くなった気がしました。
やや中国寄りとはいえ、台湾と中国の戦争の可能性を扱った第5章は特に秀逸です。
蛇足 : 著者は元朝日新聞の記者。そのため、序章では朝日新聞に対する読者の思い込みを払拭するのに使っています。朝日新書は2冊目ですが、いずれも朝日新聞らしくない内容のものでした。
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北朝鮮・中国はどれだけ恐いか (朝日新書 36) 新書 – 2007/3/13
田岡 俊次
(著)
北朝鮮の核開発はどこまで進み、ミサイルは日本に向けていつ発射されるのか。中国の軍拡・近代化路線はどこまで進み、「台湾侵攻」の可能性は高まるのか――想定される「極東二大有事」について、日本を代表する軍事ジャーナリストが鋭く斬りこんだ! 「歴史」から説き起こし、豊富なデータをもとに情勢を読み、渾身の分析力で両国の「次の一手」を予測する。不安の「正体」がいま明らかになり、日本の取るべき道が、浮かび上がる!
- 本の長さ270ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞社
- 発売日2007/3/13
- ISBN-104022731362
- ISBN-13978-4022731364
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登録情報
- 出版社 : 朝日新聞社 (2007/3/13)
- 発売日 : 2007/3/13
- 言語 : 日本語
- 新書 : 270ページ
- ISBN-10 : 4022731362
- ISBN-13 : 978-4022731364
- Amazon 売れ筋ランキング: - 983,584位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 216位朝鮮半島のエリアスタディ
- - 1,470位朝日新書
- - 6,374位政治入門
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年11月9日に日本でレビュー済み
中国が本格的な侵攻をするには、どれほどの規模の軍隊が必要になるだろうから、不可能だろう!という論。しかし、本格的侵攻はせずに、単に外交的に有利に立つために軍事的打撃を与えてやろう、という恐れについては考えていない。
本書の対極として「米軍が見た、自衛隊の実力」も参考として読めば、平和ボケ安堵主義だけでいいのかについてバランス良く考えられるのでないだろうか。
本書の対極として「米軍が見た、自衛隊の実力」も参考として読めば、平和ボケ安堵主義だけでいいのかについてバランス良く考えられるのでないだろうか。
2010年5月7日に日本でレビュー済み
中国も北朝鮮もロシアも、全てアメリカとグルであり、有りもしない脅威をでっち上げて日本人を脅迫し、日本から永久にカネを搾り取る、軍産複合体の企み、それが東アジアの真実です。 メディアも全て、彼らの犬。グルです。 新聞も「御用学者」も信じてはダメです。
2007年5月12日に日本でレビュー済み
本書には、昨今の日本国内における中国脅威論および警戒論への緩和的
色合い、それと共に中国の顔色を伺う朝日の本音が垣間見られます。私は、
著者の中国・北朝鮮は恐れる必要はないという、云わば中国側の立場を代
弁するスタンスには同意しかねます。中国の反日政策は無数にあります。
何よりも日本各地に照準を向けた百発を超えるとする核弾頭ミサイル
巨額のODAの存在を中国国民には知らせない一方で、反日デモを扇動
日本の内政に対する度重なる干渉。日本領海への度重なる侵犯、
中国上海領事館職員や元首相に対するハニートラップ
国連常任理事国入り反対キャンペーンなどなど
これら最終目的は日本の弱体化・属国化だと認識する必要があります。
色合い、それと共に中国の顔色を伺う朝日の本音が垣間見られます。私は、
著者の中国・北朝鮮は恐れる必要はないという、云わば中国側の立場を代
弁するスタンスには同意しかねます。中国の反日政策は無数にあります。
何よりも日本各地に照準を向けた百発を超えるとする核弾頭ミサイル
巨額のODAの存在を中国国民には知らせない一方で、反日デモを扇動
日本の内政に対する度重なる干渉。日本領海への度重なる侵犯、
中国上海領事館職員や元首相に対するハニートラップ
国連常任理事国入り反対キャンペーンなどなど
これら最終目的は日本の弱体化・属国化だと認識する必要があります。
2007年3月28日に日本でレビュー済み
戦争番組の常連「田岡元帥」による極東軍事情勢解説書。外れる予言も多いが、古今東西の軍事知識を動員して語る本書はそれなりに面白い。しかし、「自衛隊幹部に『私の幕僚になってくれれば』と言われた」とか「北朝鮮が核実験を予告していた」「ソ連はアフガンがきっかけで崩壊すると思っていた」とか予言的中自慢が多い。これだけ自慢されると、予言者のあれじゃないが、眉に唾したくなる。
「PKOで犠牲が出る」とか未来予想は外すことも結構多いといわれる元帥だが、現状分析は的を射ている。
以下は本書の主な結論。
・ミサイル防衛は気休め
・北朝鮮への先制攻撃論は無理な理論
・中国の軍事率の伸びは物価高だから
・台湾は独立しない
・中国の台湾占領は戦力的に無理
などなどをロジカルに興味深く説明している。
「PKOで犠牲が出る」とか未来予想は外すことも結構多いといわれる元帥だが、現状分析は的を射ている。
以下は本書の主な結論。
・ミサイル防衛は気休め
・北朝鮮への先制攻撃論は無理な理論
・中国の軍事率の伸びは物価高だから
・台湾は独立しない
・中国の台湾占領は戦力的に無理
などなどをロジカルに興味深く説明している。
2008年4月2日に日本でレビュー済み
田岡氏の言説は毎週見ている『パック・イン・ジャーナル』では、その明晰で解り易い分析に敬意を払っていたが、本書のように、彼の専門分野に絞った著作だと、記述が詳しく専門的になり過ぎ、よっぽどの軍事オタクでない限り、軍備や兵器の詳しい解説に辟易する事だろう。図版の殆ど無いこの新書で、延々と数字を列挙し、軍備の解説をされても、退屈するばかりである。
前著『日本を囲む軍事力の構図』では「北朝鮮の軍備恐るるに足らず」というスタンスであったが、本書では「核弾頭の小型化に成功の恐れあり」とやや警戒感を高めている。
ただ中国に対しては「仮想敵国視するのは全くのナンセンス」という姿勢は一貫している。
読めば著者の主張は納得できるが、何もここまで詳しく説明されなくとも、テレビで短く解説してくれてる方がずっと解り易い。
前著『日本を囲む軍事力の構図』では「北朝鮮の軍備恐るるに足らず」というスタンスであったが、本書では「核弾頭の小型化に成功の恐れあり」とやや警戒感を高めている。
ただ中国に対しては「仮想敵国視するのは全くのナンセンス」という姿勢は一貫している。
読めば著者の主張は納得できるが、何もここまで詳しく説明されなくとも、テレビで短く解説してくれてる方がずっと解り易い。
2009年11月20日に日本でレビュー済み
著者はあとがきに「軍事情勢を考えるにあたっては、縦糸に当たる「軍事知識」と、横糸にあたる「国情の知識」の組み合わせが必要であることを常々感じてきた」と書いている。本書は、東アジアに位置する北朝鮮、韓国、中国、台湾、日本、それに加えて、この地域と深い関係をもつロシアとアメリカの軍事力と政治のカラミを、データを示しながら分析し論じた本である。煩雑とも思えるデータの裏付けがあってこそ、論旨に説得力があると感じた。また、日本のマスコミや政治家があいかわらずの冷戦感覚でいることを揶揄していることを含めて、朝鮮半島の統一、中国−台湾の統一、アメリカと中国の関係、日本と中国やアメリカの関係等に関する軍事面からの著者の分析には妙に納得させられてしまう。国際政治の世界が、イデオロギー対立の冷戦時代が終わり、現在では、経済のつながりに基づく関係が基本となっており、北朝鮮の暴発か崩壊でもない限り、この地域での戦争行為はない、という主張かと思う。それはそれで論旨は明確である。ただし、読み終わっての素朴な感想は、核兵器を持つ意味は使うことではなくて持っていることで生ずる他国からの攻撃抑止であるというが、非武装中立はありえないとしても、それではなぜ、各国は多額の軍事費をついやして使わないための軍備の拡充に努めているのか、軍事評論家である著者からの説明は本書にはなかった。
2007年11月12日に日本でレビュー済み
この本は北朝鮮・中国の軍事について書かれた一冊である。
第1・2章については北朝鮮の軍事について、特に格について書かれている。
2006年10月9日に北朝鮮による核実験を行った。北朝鮮の当時の状態は何をしでかすかわからない状態であった(今もそうかもしれないが)。それにより親密であった中国の態度を硬化させ国連の制裁決議暗に慎重的であった立場から一転国連安保理非難決議採択にまわったのである。著者は北朝鮮の各技術は侮れないと主張している。実際北朝鮮は日本以外の国が経済制裁を解除するまではそれが虚構説だと思い込んでいた。しかし今資金が十分ではないにしろ蓄えつつある北朝鮮はこれが現実になるかもしれない。
第3章以降は中国の軍事力について、特に4章以降は台湾についても書かれている。
本書でも述べられているとおり中国では18年連続して2桁を超える成長率を見せている。この成長率があと何年か続ければ日本を越える(もしかしたらもう日本を越えているかもしれない)ほどの軍事力になりかねない。しかしここでは「中国脅威論」の虚実について書かれており、それに関する記述はそれほどでもないため割愛させていただく。とりわけ気になったのは中国と台湾、特に中国の台湾侵攻、および台湾独立についてである。事実台湾は一つの国として認められておらず、一つの国であるべきなのか、あるいは中国の属国であるのかという意見が台湾国内で2分されている現状がある。また、国連加盟もなされていない。その原因はやはり中国である。台湾が国連に加盟しようとするとそれ以外の国が賛成を主張しても必ずといっていいほど中国が拒否権を行使する。また総会にかけられても、中国の裏取引により結局承認されないと言うオチ。詳しい話は本書に記されている。
第1・2章については北朝鮮の軍事について、特に格について書かれている。
2006年10月9日に北朝鮮による核実験を行った。北朝鮮の当時の状態は何をしでかすかわからない状態であった(今もそうかもしれないが)。それにより親密であった中国の態度を硬化させ国連の制裁決議暗に慎重的であった立場から一転国連安保理非難決議採択にまわったのである。著者は北朝鮮の各技術は侮れないと主張している。実際北朝鮮は日本以外の国が経済制裁を解除するまではそれが虚構説だと思い込んでいた。しかし今資金が十分ではないにしろ蓄えつつある北朝鮮はこれが現実になるかもしれない。
第3章以降は中国の軍事力について、特に4章以降は台湾についても書かれている。
本書でも述べられているとおり中国では18年連続して2桁を超える成長率を見せている。この成長率があと何年か続ければ日本を越える(もしかしたらもう日本を越えているかもしれない)ほどの軍事力になりかねない。しかしここでは「中国脅威論」の虚実について書かれており、それに関する記述はそれほどでもないため割愛させていただく。とりわけ気になったのは中国と台湾、特に中国の台湾侵攻、および台湾独立についてである。事実台湾は一つの国として認められておらず、一つの国であるべきなのか、あるいは中国の属国であるのかという意見が台湾国内で2分されている現状がある。また、国連加盟もなされていない。その原因はやはり中国である。台湾が国連に加盟しようとするとそれ以外の国が賛成を主張しても必ずといっていいほど中国が拒否権を行使する。また総会にかけられても、中国の裏取引により結局承認されないと言うオチ。詳しい話は本書に記されている。