法学プロパーの読者にとっては、「物足りない」とか「対談相手の伊東氏のレベルが低い」とかいう批判があるようですが、単なる刑法学者として團藤氏をとらえるのではなく、ポストモダン的思想家として位置づけようという本書の試みは見逃してはならないでしょう。
実は私自身は死刑制度存続論に賛同しており、そのあたり團藤氏の主張には反対なのですが、本書そのものは楽しく読むことができました。
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反骨のコツ (朝日新書 69) 新書 – 2007/10/12
刑事訴訟法起草でGHQと渡り合い、最高裁判事として書いた少数意見は数知れず。死刑廃止論で知られる93歳の法学界最の重鎮が、音楽家で作家としても活躍する異才の東大准教授の問いに縦横に語る。憲法9条と死刑、2009年に導入される裁判員制度と、徴兵制、昭和天皇と帝国軍人、教え子・三島由紀夫……。すべての国民が耳を傾けたい、碩学のみずみずしい言葉と、反骨に生きるすべを披露。
- ISBN-104022731699
- ISBN-13978-4022731692
- 出版社朝日新聞社
- 発売日2007/10/12
- 言語日本語
- 本の長さ280ページ
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登録情報
- 出版社 : 朝日新聞社 (2007/10/12)
- 発売日 : 2007/10/12
- 言語 : 日本語
- 新書 : 280ページ
- ISBN-10 : 4022731699
- ISBN-13 : 978-4022731692
- Amazon 売れ筋ランキング: - 501,750位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年5月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
すべてのレビュアーのレビューを読みました。星五つのレビューも星一つのレビューもすべて納得のいく内容です。
私の意見は? 私は著者名が団藤重光先生ということで購入しました。もし著者:伊藤乾であったなら手に取ることもなく、したがって購入することはなかったと思います。伊藤乾氏が説く内容を若き日の団藤教授だったらどんな明晰な表現で
説明されただろうか・・? これが私の読後感です。
私の意見は? 私は著者名が団藤重光先生ということで購入しました。もし著者:伊藤乾であったなら手に取ることもなく、したがって購入することはなかったと思います。伊藤乾氏が説く内容を若き日の団藤教授だったらどんな明晰な表現で
説明されただろうか・・? これが私の読後感です。
2015年9月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
団藤先生の刑法は私の学部時代の定番の基本書です。非常にわかりやすくいつも読み返していたことを思い出します。「反骨のコツ」は先生の一端が垣間見える非常によい本だと思います。
2012年10月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
他のレビュアーが報告しているとおり、伊東氏が話を展開して、團藤先生がそれにたいして、「うん、まぁ」とか生返事のような相槌を繰り返すという対話を延々と収録した本です。團藤 重光という法学者の真髄に「触れる」ことはこの本を通しては無理でしょう。特に法律を勉強してきた者にとっては、團藤先生の発言がいかにももの足りず、これが本当に、あのかずかずの少数意見を雄弁に書かれた團藤 重光なのか?と疑いたくなります。読者の琴線に触れるような部分は無いに等しいと思います。伊東氏は対談にあたって、相当周到に予習されたのでしょうが、反ってそれが、仇となり、團藤先生の言葉を引き出せないでいるような気がしてならない。対談の相手はずぶの素人か、憲法学者の方がもっと「團藤 重光」その人引き出すことができたのではないか?この本を読んで両氏の対談は失敗だった、という感想しかない。
2015年8月27日に日本でレビュー済み
戦後の法学界・司法界を長年にわたってリードしてこられた団藤先生は,如何にしてその道の泰山北斗となったのか,後に続く者はこの大家から,何を学ぶべきなのかが見えてくる本である。他の方も言われるように,やや対談相手の話が長すぎるように思われるふしがあるものの,大家の声を聞くという意味では,充分に読む価値のある本だと思う。
私が印象に残った話を,いくつか挙げさせていただきたい。
①昭和天皇は戦時中,一貫して憲法の規定に則って行動されたこと。また,徹底した平和主義者であられたこと。
②天皇機関説で著名な美濃部達吉博士を,いわゆる皇国史観の代表者といわれる平泉澄博士はこよなく尊敬していたこと。
③団藤先生の背景には,陽明学・武士道的なものが流れていること。
①については,宮沢喜一元首相が晩年の講演で,昭和天皇は戦時中も一貫して立憲君主であられた旨,話されたことと重なった。当時の青年としては最高の知識人であった2人が,長い歳月の後に同じ趣旨のことを述べられているのは大変興味深いことであった。
②は,初めて聞いた話であったが,立場は異なっても,国のあり方・人間のあり方を深く追求してその道を極めた人どうしは理解しあい,尊敬しあうことを改めて考えさせられた。美濃部・平泉両博士の著作も今後,できる限り読んで見たいと思う。
③に関していえば,かねてから団藤先生のお言葉の端々に,東洋的な香りがすると思っていたのであるが,なるほどと合点がいった。そして不肖私は(あくまでも自分のレヴェルにおいてではあるが),刑法の中では団藤説が一番頭に入り,肚に落ちると感じるのであるが,そのわけもよくわかったのである。私には少年の頃から儒学・武士道・東洋哲学などへの関心があり,自分なりにあれこれ探究(?)してきた。それゆえもあってか,もちろん果てし無いレヴェルの差はあるが,それでもなお,団藤先生とは深いところでつながる一筋があることを改めて確信し,非常に嬉しく思えた。
以上,ダラダラと駄文を書き連ねてしまったが,何と言っても人間のあらゆる営みはその人の「人格の主体的現実化」であること,その「人格の深みにまで立ち入って考える」ことの重要さを幾たびも認識させられた一冊であった。
私が印象に残った話を,いくつか挙げさせていただきたい。
①昭和天皇は戦時中,一貫して憲法の規定に則って行動されたこと。また,徹底した平和主義者であられたこと。
②天皇機関説で著名な美濃部達吉博士を,いわゆる皇国史観の代表者といわれる平泉澄博士はこよなく尊敬していたこと。
③団藤先生の背景には,陽明学・武士道的なものが流れていること。
①については,宮沢喜一元首相が晩年の講演で,昭和天皇は戦時中も一貫して立憲君主であられた旨,話されたことと重なった。当時の青年としては最高の知識人であった2人が,長い歳月の後に同じ趣旨のことを述べられているのは大変興味深いことであった。
②は,初めて聞いた話であったが,立場は異なっても,国のあり方・人間のあり方を深く追求してその道を極めた人どうしは理解しあい,尊敬しあうことを改めて考えさせられた。美濃部・平泉両博士の著作も今後,できる限り読んで見たいと思う。
③に関していえば,かねてから団藤先生のお言葉の端々に,東洋的な香りがすると思っていたのであるが,なるほどと合点がいった。そして不肖私は(あくまでも自分のレヴェルにおいてではあるが),刑法の中では団藤説が一番頭に入り,肚に落ちると感じるのであるが,そのわけもよくわかったのである。私には少年の頃から儒学・武士道・東洋哲学などへの関心があり,自分なりにあれこれ探究(?)してきた。それゆえもあってか,もちろん果てし無いレヴェルの差はあるが,それでもなお,団藤先生とは深いところでつながる一筋があることを改めて確信し,非常に嬉しく思えた。
以上,ダラダラと駄文を書き連ねてしまったが,何と言っても人間のあらゆる営みはその人の「人格の主体的現実化」であること,その「人格の深みにまで立ち入って考える」ことの重要さを幾たびも認識させられた一冊であった。
2014年2月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
カバーにやや使用感はあるものの、中身は焼けやページの折れも無く、きれいな本でした。
ただ一点、裏表紙をめくった最後のページ、作者紹介の斜め上に鉛筆で丸とアルファベットの記号が書き込まれていなければ・・・・・
画龍点晴を欠いた気分なので「普通」評価です。
ただ一点、裏表紙をめくった最後のページ、作者紹介の斜め上に鉛筆で丸とアルファベットの記号が書き込まれていなければ・・・・・
画龍点晴を欠いた気分なので「普通」評価です。
2007年11月21日に日本でレビュー済み
会話体で非常に読み易い。
電車でサラッと読めた。
團藤ファンとしては團藤先生の語りがそのまま読めて嬉しかったです。
重複をいとわずに何度も何度も「どんな理由があっても人を殺してはならない」と発言されているのが心に残りました。
團藤先生に興味を持った人は、新装版で最近復刻された「この一筋につながる」をお勧めします。團藤先生のお考えをより深く知ることができます。
ちなみに「法学の基礎」は少し私には難しすぎました。
電車でサラッと読めた。
團藤ファンとしては團藤先生の語りがそのまま読めて嬉しかったです。
重複をいとわずに何度も何度も「どんな理由があっても人を殺してはならない」と発言されているのが心に残りました。
團藤先生に興味を持った人は、新装版で最近復刻された「この一筋につながる」をお勧めします。團藤先生のお考えをより深く知ることができます。
ちなみに「法学の基礎」は少し私には難しすぎました。
2018年3月10日に日本でレビュー済み
数年前に亡くなられた団藤重光の90代半ばでの対談集。
団藤は日本刑法学の歴史で、伊東乾が聞き役に徹してくれればと非常に残念。団藤の名を利用した羊頭狗肉の典型。あんたの長広舌なんか聞きたくないんだよと迄は言わんが、団藤先生を相槌役にしてどうするよ。
死刑廃止論でも、存置論の大半は社会や法律に関する正確な議論を知らない、無知に起因するものだと断定するなど伊東の傲慢さに耐えられん。むしろ直感的にとか論理じゃないという団藤のほうがまだ納得。
団藤は日本刑法学の歴史で、伊東乾が聞き役に徹してくれればと非常に残念。団藤の名を利用した羊頭狗肉の典型。あんたの長広舌なんか聞きたくないんだよと迄は言わんが、団藤先生を相槌役にしてどうするよ。
死刑廃止論でも、存置論の大半は社会や法律に関する正確な議論を知らない、無知に起因するものだと断定するなど伊東の傲慢さに耐えられん。むしろ直感的にとか論理じゃないという団藤のほうがまだ納得。