香山さんの本は初めてでしたが、面白く読めました。
現代の若い人に多い新型うつ病(「不定期うつ病」という言い方もよく目にします)。
雅子妃が皇太子とご結婚された時の著者の思いから始まり、
精神科医の立場として、雅子妃のご病状が考察されています。
キャリア・ウーマンとして働かれていた雅子妃が、
それら全を捨てて嫁いだ皇室の中で、
これからの自分の仕事を、やり甲斐のあるものにしたいと願われたのは
当然のことかと思います。
その前向きな思いが現実の中で、なかなか上手く摺り合わせることが出来ず、
マスコミによる過度の妊娠流産報道の後、帯状疱疹などを契機にこの病になられたのは、
とてもよく解るような気がします。
美智子皇后も、過度のバッシングで声が出なくなられたことがありました。
これら好き勝手で無責任なマスコミ報道にさらされるのは、一人の人間として
本当に気の毒なことといつも思っていました。それらがご病気に良いわけはないでしょう。
けれども、この著者は、雅子様のご病気をある意味で前向きに捉えています。
つまり、現代の、このうつ病患者の蔓延こそが時代を表しており、
「象徴」とされる天皇ご一家の雅子妃が図らずもそれを担って下さっている。
このことは同じ病の患者さんやその家族に勇気を与えることではないだろうか、と。
本当にそうだと思います。
現に、雅子妃が少しでもお元気になられると、とても元気が沸きます。
雅子妃は世相を反映して、この辛い病気になられたのでしょう。
国民の象徴雅子様、ゆっくりと少しずつ、三寒四温で、そして確実に、
お元気になられることを、心から願っています。
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雅子さまと「新型うつ」 (朝日新書 166) 新書 – 2009/3/13
香山 リカ
(著)
仕事中は「うつ」でも、私生活は活発な「新型うつ病」が増えている。療養が長期化しがちで、皇太子妃雅子さまもこの疑いがある。「社会を映す鏡としての雅子さま」を通して、気鋭の精神科医が新たな国民病「新型うつ」の正体に迫り、処方箋を示す。
- 本の長さ195ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日2009/3/13
- ISBN-104022732660
- ISBN-13978-4022732668
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登録情報
- 出版社 : 朝日新聞出版 (2009/3/13)
- 発売日 : 2009/3/13
- 言語 : 日本語
- 新書 : 195ページ
- ISBN-10 : 4022732660
- ISBN-13 : 978-4022732668
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,235,687位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1960年札幌市生まれ。
東京医科大学卒業。精神科医として病院での診察に携わりながら、立教大学現代心理学部映像身体学科教授として教壇にも立つ。豊富な臨床経験を活かし、現代人の心の問題を鋭く分析し、きめ細かな解決策を提示する。ほかにも、政治・社会批評、サブカルチャー批評、皇室問題から趣味のプロレスに関する批評まで、幅広いジャンルで活躍する。事務所では住み着いたノラ猫1匹、自宅では犬1匹と猫5匹と同居。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年4月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
結局、雅子さまは?新型うつって?適応障害じゃないの?が今一歩はっきりしない。
ニュースや精神疾患をかじってる人なら、物足りない感じがすると思います。
ダメな本て訳ではないですが、中古で買って良かったです。
ニュースや精神疾患をかじってる人なら、物足りない感じがすると思います。
ダメな本て訳ではないですが、中古で買って良かったです。
2014年1月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
誰にでも起こる「うつ」を説明しています。本当の「うつ」を知らない方が多いこと、その対処を理解できないことが述べられています。
2009年3月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「最近、一部で雅子さまや皇太子に対する批判の声も大きくなっているなか、あえて雅子さまの問題を理解しようとするような体裁の本を書きたい」(p195)と著者は言う。皇太子夫妻へのバッシングが強まるなか、雅子妃の置かれた状況を精神医学の観点から捉え、報道する側に正確な理解を求めながら、皇太子夫妻を励まそうとする好著だ。「適応障害」「メランコリー親和型うつ病」「ディアスチミア親和型うつ病」「抗うつ剤SSRI」「治療の構造化」「認知行動療法」など専門用語が頻出するが、核心は、人々が「自分が働くことの意味」を求めるようになった結果、新しいタイプの「新型うつ」が生まれたという状況認識にある。「新型うつ」は、知的で高学歴、まじめで優秀、仕事に打ち込むタイプの人がかかりやすい。「私らしい仕事をしたい」という強い希求が特徴で、職場でそれが実現できないと「うつ」に陥る。しかし趣味などの私生活では元気が出るので、周囲からは「なまけ」「仮病」「甘え」などと批判される。だが、決して仮病ではないのだ。我々が「働くことの意味」を見出そうとするからこそ生まれる、新しい病気なのである。皇太子はこれまで繰り返し、「公務として、自分たちがするのに何が大切か」「雅子についても、今までの経験をいかした形で取り組めるようなテーマが・・・」「雅子は、・・・外国訪問をなかなか許されなかったことに大変苦悩しておりました。公務の在り方についは、新しい時代にふさわしい皇室像を考えつつ見直していくべきだと考えます」等々、必死で「雅子妃らしい働き方」を認めてほしいと訴えてきた(141f)。これは決して「甘え」ではない。雅子妃の苦悩は「21世紀の労働の風景」(183)を鏡のように映し出しており、我々自身の姿なのだという著者の姿勢に、私は深い共感を覚える。
2009年10月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現状認識については、私は皇室(等)のことをあまり知らないこともあって
理解できる点が多かったようには感じた。
ただ、(本のなかで雅子さまに)”手紙”を書き、また「あとがき」等で
「雅子さまのことはずっと気になっていた。」
「2009年は、・・(中略)・・雅子さまにとっても節目と変化の年になることを、
心から祈りたい。」
といった強い気持ちが記されている中で、
主治医が誤診している旨、主治医本人かその周辺に直接働きかけたり、
場合によって自身がなんとか雅子さまに面会(・診察・治療)できないか模索・・・
といったことは著者にとって不可能なことなのだろうか? ・・と考えるのは
読者の勝手な期待だろうか。
著者は最近特に知名度があがっている方なのかなと思う。著者の今後の活動が、極力
”実際の”雅子さまの治癒に繋がっていけばと思う。
理解できる点が多かったようには感じた。
ただ、(本のなかで雅子さまに)”手紙”を書き、また「あとがき」等で
「雅子さまのことはずっと気になっていた。」
「2009年は、・・(中略)・・雅子さまにとっても節目と変化の年になることを、
心から祈りたい。」
といった強い気持ちが記されている中で、
主治医が誤診している旨、主治医本人かその周辺に直接働きかけたり、
場合によって自身がなんとか雅子さまに面会(・診察・治療)できないか模索・・・
といったことは著者にとって不可能なことなのだろうか? ・・と考えるのは
読者の勝手な期待だろうか。
著者は最近特に知名度があがっている方なのかなと思う。著者の今後の活動が、極力
”実際の”雅子さまの治癒に繋がっていけばと思う。
2009年4月19日に日本でレビュー済み
知識も能力もある人々が、仕事に自己実現を求めるあまりに陥る「うつ」ならぬ「うつ」を著者は「新型うつ」と呼びます。従来の、総合的に生きる力が減退して、自罰意識が高まる「うつ」とは異なり、仕事に関するときだけ発病してオフでは活き活き、自分を責めるよりも周囲の無理解を責める傾向にある、という。
「うつ」と「躁うつ」、さらにこの「新型うつ」を区別していく著者の手際は、さすがに長年臨床経験と執筆活動を平行してきたプロの手際です。とてもわかりやすい。励ましの意味も込めて例示される雅子妃の事例も腑に落ちます。
しかし、著者はその処方箋として、あまりに高い理想と現実を折り合わせ、元の職場に戻るように徐々にリハビリに励むことを勧めていますが、どうなのでしょうか。この病にかぎっては「うつ」では禁句の「がんばれ」も効果があるというのですが。。。しかし、理想が失われた現代社会において、抱いてしまった理想を下げることを説き、同じ所に留まることを勧めることが新しい病に見合った新しい処方箋なのかどうか。能力が高い人(と自覚する本当は低い人も)は、次々と転身していくほうが精神的に健康に過ごせるのではないでしょうか。それが社会でうまく機能しないのなら、社会のシステムを変える方を考えたほうがいいのではないでしょうか。
「転石苔を生さず」の古くからある二通りの解釈を思い出しました。問題提起の良書。
「うつ」と「躁うつ」、さらにこの「新型うつ」を区別していく著者の手際は、さすがに長年臨床経験と執筆活動を平行してきたプロの手際です。とてもわかりやすい。励ましの意味も込めて例示される雅子妃の事例も腑に落ちます。
しかし、著者はその処方箋として、あまりに高い理想と現実を折り合わせ、元の職場に戻るように徐々にリハビリに励むことを勧めていますが、どうなのでしょうか。この病にかぎっては「うつ」では禁句の「がんばれ」も効果があるというのですが。。。しかし、理想が失われた現代社会において、抱いてしまった理想を下げることを説き、同じ所に留まることを勧めることが新しい病に見合った新しい処方箋なのかどうか。能力が高い人(と自覚する本当は低い人も)は、次々と転身していくほうが精神的に健康に過ごせるのではないでしょうか。それが社会でうまく機能しないのなら、社会のシステムを変える方を考えたほうがいいのではないでしょうか。
「転石苔を生さず」の古くからある二通りの解釈を思い出しました。問題提起の良書。
2009年12月7日に日本でレビュー済み
皇室に関する内容について精神医療の観点から解説するという冒険はなかなか勇気のあることではないでしょうか。TV等でも歯に衣着せぬ物言いで通っている著者と朝日新聞社ならではのタッグであると率直に賛辞を送りたいと思います。
雅子さまを引き合いに出してはいますが、本書は急増する「新型うつ」なる病についての解説と警鐘とがテーマです。もしや自分もあてはまるかと思って読んでみたわけですが、残念ながら私の場合は「新型」には分類されないようです。とはいえ、「新型うつ」についてここまで大胆に症例を決め打った文献はまだないので、周囲にうつの方がいるなら読んでおきたい1冊だと思います。皇室の問題は女性週刊誌を読む際の参考程度にはなるかもしれませんが、そこに本書の重点はありません。読んだからといって症状が改善するわけではないのですが、「うつ」を取り巻く現状や治療の発展など知っておくことが治療の一助となる可能性はあると思います。
雅子さまを引き合いに出してはいますが、本書は急増する「新型うつ」なる病についての解説と警鐘とがテーマです。もしや自分もあてはまるかと思って読んでみたわけですが、残念ながら私の場合は「新型」には分類されないようです。とはいえ、「新型うつ」についてここまで大胆に症例を決め打った文献はまだないので、周囲にうつの方がいるなら読んでおきたい1冊だと思います。皇室の問題は女性週刊誌を読む際の参考程度にはなるかもしれませんが、そこに本書の重点はありません。読んだからといって症状が改善するわけではないのですが、「うつ」を取り巻く現状や治療の発展など知っておくことが治療の一助となる可能性はあると思います。
2017年5月4日に日本でレビュー済み
著者は診察面接という手順も全く踏まず、反論できない人物を精神疾患として本に記述するという、医師として考えられない事を平然とやっている犯罪行為である。医師は病者(雅子妃殿下がそうだということでなく)を守る立場であり人権を第一義に考え行動しなければならない医師としてのモラルも感じられない。著者は自分がリベラルと明言しており、この著書が答えだろうか?、自由だから他人を傷つけても平然としていられるという自由人ということだろう。