足利事件に興味があり一気に読んだ。
この冤罪体験記から読み取れるのは、ご本人自らが描写するダメ男っぷりも含めた「愛すべき正直者」菅家さんの人柄だ。悲しい結婚のことや、持っていたアダルトビデオなどのプライバシーにも踏み込み、若干の躊躇と自虐を込めて、綴っている。そして随所に彼を支えた人への感謝の言葉が繰り返し述べられている。
理論的に説明するよりも冗舌に、本当に無実であることを読者に確信させることに、結果的に成功している。
私には、菅家さんのお人柄があるキャラクターとかぶる。失礼を覚悟で言うが、それは小田原ドラゴン著「おやすみなさい」の主人公、徹郎である。
徹郎が突然お巡りさんに連行されてボコボコにされたら「ご、ごめんなさい、あの、それじゃ、僕やややりました!」って、言っちゃうだろうな・・。
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冤罪 ある日、私は犯人にされた 単行本 – 2009/8/20
菅家 利和
(著)
冤罪という言葉さえ知らなかった絵私はなぜ殺人犯に仕立て上げられたのか。そしていかに救いだされたのか? 足利事件の犯人として無期懲役が確定しながら、ついに再審を勝ちとり17年ぶりに釈放された菅家利和さん。その逮捕の瞬間から、生い立ち、取調べの様子、刑務所での過酷な暮らしを克明に綴る。絶望と希望、正義と自由を求めた闘いの凄絶な記録。釈放後初の独占手記。
- 本の長さ214ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日2009/8/20
- ISBN-104023304514
- ISBN-13978-4023304512
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登録情報
- 出版社 : 朝日新聞出版 (2009/8/20)
- 発売日 : 2009/8/20
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 214ページ
- ISBN-10 : 4023304514
- ISBN-13 : 978-4023304512
- Amazon 売れ筋ランキング: - 499,664位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 140,499位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
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2009年10月14日に日本でレビュー済み
「足利事件―冤罪を証明した一冊のこの本 (講談社文庫)
小林 篤 (文庫 - 2009/9/15)」と比べたらスカスカの内容
だけど、逆にダイジェスト版だと思えばいいのでは。
菅家さんは上記の本にハッキリ書いてあるけど知能指数は
「普通」と「薄弱」の境界型だそうで、先日10日のとある集
会でご本人の話を(発言時間は短かったけど)聞いたけど、
たどたどしいです。
世間が騒げば騒ぐほど、警察は躍起になって犯人逮捕を
目指します。場合によってはでっち上げもします。
刑法学会では「日本の刑事裁判は絶望的である」という名
言があるそうですが、民主党に政権交代になって、果たし
て「少しは」ましになるのか。
同じ10日の集会で佐藤弁護士は録音テープが出てきたこ
とは「従来では考えられないことであり、良識派も確実にい
る」との希望的観測をされていました。
再審の裁判では、シャンシャンと終わらせるのではなく、キ
ッチリ・ミッチリやってほしいものです。
小林 篤 (文庫 - 2009/9/15)」と比べたらスカスカの内容
だけど、逆にダイジェスト版だと思えばいいのでは。
菅家さんは上記の本にハッキリ書いてあるけど知能指数は
「普通」と「薄弱」の境界型だそうで、先日10日のとある集
会でご本人の話を(発言時間は短かったけど)聞いたけど、
たどたどしいです。
世間が騒げば騒ぐほど、警察は躍起になって犯人逮捕を
目指します。場合によってはでっち上げもします。
刑法学会では「日本の刑事裁判は絶望的である」という名
言があるそうですが、民主党に政権交代になって、果たし
て「少しは」ましになるのか。
同じ10日の集会で佐藤弁護士は録音テープが出てきたこ
とは「従来では考えられないことであり、良識派も確実にい
る」との希望的観測をされていました。
再審の裁判では、シャンシャンと終わらせるのではなく、キ
ッチリ・ミッチリやってほしいものです。
2012年3月16日に日本でレビュー済み
完全無罪、という判決を受けて涙している菅谷利和さんを見て、思わず私も「よかったね、菅谷さん」とつぶやいて、もらい泣きしてしまいました。
でも、待って下さい、「申し訳ないことをしました」と裁判官3人が起立して頭を下げて謝罪したことで、すべてを終わらせようとする彼らの陰謀に、だまされてはいけないと思います。
やっぱり、菅谷さんが要望した、なぜ冤罪が生まれたかを明らかにしてほしい、ということに何も応えていないからです。
誤った判決を下しただけでなく、それより以前に誤った捜査というより、もっと積極的に菅谷さんを犯人にしようという意図のもとに、自白を強要して、それこそ偽物の犯行調書をでっち上げて無理やり犯人に仕立てたというとんでもない破廉恥な刑事や検察官が、まだのうのうと、俺たちゃ悪くなかった、といって平気な顔しているということ。
今回は、たまたま最新のDNA鑑定によって、残念ながらでっち上げがばれたけれど、次回からはもっと巧妙にばれないように犯人を創作するぞ、だってその方が、一所懸命に犯人を捜し出すより簡単でスリル満点で面白いから、などというヒソヒソ声が聞こえてきそうです。
この本は、菅谷利和という平凡な一市民が、偶然にも選ばれて犯人にさせられ17年間も牢獄に繋がれた、その一部始終をたんたんと書いたものです。
へー、いやだ、なんて気の毒な、という感想じゃなくて、最初はそういうリアクションだったとしても、段々もっと深刻な国家権力の威光を笠に着た警察・検察の現実的な暴力を感じて、こんなひどいことが許されてたまるかなどと、娘が言うのもなんですが、普段どちらかというと上品で穏健な母ですのに、涙を拭い振り切り、血相を変えてものすごい形相になって読んでいるのを見てビックリしてしまいました。
やってもいないのになぜ自白・自供したのか、私ならそんなことは絶対にしない、と主張される方は、ぜひ研ぎ澄まされた感受性をフル回転して、菅谷さんの実際の場面を自分に置き換えて再現してみて下さい。狙われているのは、次は私かあなたかも知れませんので、のんびりしていられません。
記述日 : 2010年03月26日 17:34:35
でも、待って下さい、「申し訳ないことをしました」と裁判官3人が起立して頭を下げて謝罪したことで、すべてを終わらせようとする彼らの陰謀に、だまされてはいけないと思います。
やっぱり、菅谷さんが要望した、なぜ冤罪が生まれたかを明らかにしてほしい、ということに何も応えていないからです。
誤った判決を下しただけでなく、それより以前に誤った捜査というより、もっと積極的に菅谷さんを犯人にしようという意図のもとに、自白を強要して、それこそ偽物の犯行調書をでっち上げて無理やり犯人に仕立てたというとんでもない破廉恥な刑事や検察官が、まだのうのうと、俺たちゃ悪くなかった、といって平気な顔しているということ。
今回は、たまたま最新のDNA鑑定によって、残念ながらでっち上げがばれたけれど、次回からはもっと巧妙にばれないように犯人を創作するぞ、だってその方が、一所懸命に犯人を捜し出すより簡単でスリル満点で面白いから、などというヒソヒソ声が聞こえてきそうです。
この本は、菅谷利和という平凡な一市民が、偶然にも選ばれて犯人にさせられ17年間も牢獄に繋がれた、その一部始終をたんたんと書いたものです。
へー、いやだ、なんて気の毒な、という感想じゃなくて、最初はそういうリアクションだったとしても、段々もっと深刻な国家権力の威光を笠に着た警察・検察の現実的な暴力を感じて、こんなひどいことが許されてたまるかなどと、娘が言うのもなんですが、普段どちらかというと上品で穏健な母ですのに、涙を拭い振り切り、血相を変えてものすごい形相になって読んでいるのを見てビックリしてしまいました。
やってもいないのになぜ自白・自供したのか、私ならそんなことは絶対にしない、と主張される方は、ぜひ研ぎ澄まされた感受性をフル回転して、菅谷さんの実際の場面を自分に置き換えて再現してみて下さい。狙われているのは、次は私かあなたかも知れませんので、のんびりしていられません。
記述日 : 2010年03月26日 17:34:35
2010年2月28日に日本でレビュー済み
09年の6月菅家さんが釈放されたニュースを知って、皆さんはどう思われただろうか?
筆者はそれまでにいつくかの冤罪事件に触れ、その種の文献にも目を通し、また冤罪とはどういうものかということを知識としては知っていた”つもり”であった。冤罪とは国家権力との戦いなのだと。
しかし本書を読み終えたあとその観念が突き崩された思いがした。本書の至る所にも菅家さんの権力に対する憎悪や屈服への後悔の念が綴られている。
だが、冤罪とは民主主義の根幹に関わる問題なのだと、本書の菅家さんの言葉から容易に悟ることができた。
民主主義とは全く知りもしない赤の他人である人の身に降り掛かる災難であっても他人事として知らぬ存ぜぬで済ましてはならないのだということである。
その意味では本書が単なるストーリーもの(もちろんノンフィクションとしてであるが)であるなら、その主人公は西巻糸子さんであることはいうまでもない。
本書を読んで菅家さんの話術のボキャブラリー(語彙)や警察への不利な供述、手紙の記述などから、たどたどしく拙く、知能が低いなどという簡単な感想を遥かに越えた菅家さんが身を挺して知らしめた民主主義の成熟度、我らが民度への警鐘であるように読んだ。
拘置所(留置場でもおなじことだが)での人権を無視した対応や検察官、刑事、裁判官の憲法を遵守しない態度など全てが民主主義の成熟度の低さから起きている事である。
本書と一緒に井上薫 著の「平気で冤罪をつくる人たち」の熟読もお勧めする。
最後に菅家さんが拘置所の中で読んだという本の一節をあげよう「冤罪になったら、もう完全なシロにはなれない。ずっと灰色のままだ」
菅家さんは本当はやったのかやらないのか?
疑わしきは罰せず。この言葉の意味を本当に理解できるかが、国家権力に対する民主主義の成熟度(力)の度合いを計る試金石になるであろう。
筆者はそれまでにいつくかの冤罪事件に触れ、その種の文献にも目を通し、また冤罪とはどういうものかということを知識としては知っていた”つもり”であった。冤罪とは国家権力との戦いなのだと。
しかし本書を読み終えたあとその観念が突き崩された思いがした。本書の至る所にも菅家さんの権力に対する憎悪や屈服への後悔の念が綴られている。
だが、冤罪とは民主主義の根幹に関わる問題なのだと、本書の菅家さんの言葉から容易に悟ることができた。
民主主義とは全く知りもしない赤の他人である人の身に降り掛かる災難であっても他人事として知らぬ存ぜぬで済ましてはならないのだということである。
その意味では本書が単なるストーリーもの(もちろんノンフィクションとしてであるが)であるなら、その主人公は西巻糸子さんであることはいうまでもない。
本書を読んで菅家さんの話術のボキャブラリー(語彙)や警察への不利な供述、手紙の記述などから、たどたどしく拙く、知能が低いなどという簡単な感想を遥かに越えた菅家さんが身を挺して知らしめた民主主義の成熟度、我らが民度への警鐘であるように読んだ。
拘置所(留置場でもおなじことだが)での人権を無視した対応や検察官、刑事、裁判官の憲法を遵守しない態度など全てが民主主義の成熟度の低さから起きている事である。
本書と一緒に井上薫 著の「平気で冤罪をつくる人たち」の熟読もお勧めする。
最後に菅家さんが拘置所の中で読んだという本の一節をあげよう「冤罪になったら、もう完全なシロにはなれない。ずっと灰色のままだ」
菅家さんは本当はやったのかやらないのか?
疑わしきは罰せず。この言葉の意味を本当に理解できるかが、国家権力に対する民主主義の成熟度(力)の度合いを計る試金石になるであろう。
2021年5月25日に日本でレビュー済み
これは、いわゆる小野悦男的な事ではないのか?
左翼勢力が死刑廃止、警察力の弱体化を狙って真犯人を「冤罪の英雄」として祭り上げた‥という。
左翼勢力が死刑廃止、警察力の弱体化を狙って真犯人を「冤罪の英雄」として祭り上げた‥という。
2009年11月22日に日本でレビュー済み
この事件を担当していた刑事はおとがめなしなのだろうか?
「お上のやることに間違いはございますまいから」、でしょうか?
「お上のやることに間違いはございますまいから」、でしょうか?
2014年3月21日に日本でレビュー済み
最近の話。17年も無実の幼児殺害の罪で被獄、DNA鑑定の最新によりやっと釈放された菅谷さんの生い立ちから、17年の絶望、救世主の登場から解放までを彼自身の、言葉で書いている。どうにも刑事、検事、裁判官、弁護士などどう考えても無能な連中が登場する。現実的な話だけに、こんな胸糞悪い連中が国家権力の司法の中枢に居座っているのかと、驚嘆した。そんな中で、支援者の西巻さん、弁護士の佐藤氏という糸に巡り合えた事は救いでしょう。しかし、真犯人、被害者の家族もろもろのことを考えると、現在進行形の本当にうんざりする事件である。
2009年12月10日に日本でレビュー済み
事件自体を知るには『幼稚園バス運転手は幼女を殺したか』が詳しいようで、本書は冤罪被害者本人の体験談が主になっている。
逮捕後家族に出した手紙や、就職してからの生活状況などを見て、すぐ著者は教育の不足ではなく発達障がいではないか?との疑念が湧いた。
菅家さんを支える会・栃木のHPには、軽い知的障がいがあって気が弱く迎合しやすい傾向はあるものの、誠実で子ども好きな菅家さんの温かい人柄が載っていたようだ(今は削除済み)。
だとすると、警察は連続する幼女殺人事件解決の為、落としやすい著者を冤罪承知で利用した事になる。
聞き込み捜査で、借家の近隣住民や職場である幼稚園園長が「そういえば子どもを見る目つきが怪しい」などと言った、地域の巡査が上がりこんで調べたら、アダルトビデオを多数持っていた(ロリコン物は無し)、血液型が容疑者と同じB型、やり始めたDNA鑑定で型が一致したとの不幸な事情が重なった点もあるが、警察だけではなく、検事も1審の弁護士も著者の障がいについて気付いていた筈であり、その人権意識の薄さが自白を強要し、弁護団の再三にわたる再鑑定の申し入れを裁判所がかたくなに拒み、17年半もの苦しみを生んだと言って良いだろう。
著者の障がいについて触れられた報道は、少なくとも私は目にしていない。
同様のDNA滅茶苦茶鑑定で2008年10月殺刑された、飯塚事件と絡めての報道でも同じ。
これをタブー化せず、だからこそ弱者を守らねばならないとの世論を起こさねば、地域での見守りなどの取り組みも注目されず、『累犯障害者』の減少も望めまい。
事件はまだ終わっていない。
近隣パチンコ店で5人もの幼女殺人・行方不明(著者が勾留中の事件)が未解決のままなのだ。
同様の手口から同一犯の可能性は高い。
再審で冤罪が作られた全貌が明らかになり、真犯人逮捕の両方が行われねば司法への不信感は払拭できないだろう。
逮捕後家族に出した手紙や、就職してからの生活状況などを見て、すぐ著者は教育の不足ではなく発達障がいではないか?との疑念が湧いた。
菅家さんを支える会・栃木のHPには、軽い知的障がいがあって気が弱く迎合しやすい傾向はあるものの、誠実で子ども好きな菅家さんの温かい人柄が載っていたようだ(今は削除済み)。
だとすると、警察は連続する幼女殺人事件解決の為、落としやすい著者を冤罪承知で利用した事になる。
聞き込み捜査で、借家の近隣住民や職場である幼稚園園長が「そういえば子どもを見る目つきが怪しい」などと言った、地域の巡査が上がりこんで調べたら、アダルトビデオを多数持っていた(ロリコン物は無し)、血液型が容疑者と同じB型、やり始めたDNA鑑定で型が一致したとの不幸な事情が重なった点もあるが、警察だけではなく、検事も1審の弁護士も著者の障がいについて気付いていた筈であり、その人権意識の薄さが自白を強要し、弁護団の再三にわたる再鑑定の申し入れを裁判所がかたくなに拒み、17年半もの苦しみを生んだと言って良いだろう。
著者の障がいについて触れられた報道は、少なくとも私は目にしていない。
同様のDNA滅茶苦茶鑑定で2008年10月殺刑された、飯塚事件と絡めての報道でも同じ。
これをタブー化せず、だからこそ弱者を守らねばならないとの世論を起こさねば、地域での見守りなどの取り組みも注目されず、『累犯障害者』の減少も望めまい。
事件はまだ終わっていない。
近隣パチンコ店で5人もの幼女殺人・行方不明(著者が勾留中の事件)が未解決のままなのだ。
同様の手口から同一犯の可能性は高い。
再審で冤罪が作られた全貌が明らかになり、真犯人逮捕の両方が行われねば司法への不信感は払拭できないだろう。